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平成24年1月31日

新ロボット クインス投入
新ロボットクインス投入 14ケ所水漏れ発生 凍結か詳細記事を読む


平成24年1月30日

14ケ所も水漏れ 14ケ所水漏れ発生 凍結か 詳細記事を読む

淡水化装置(逆浸透膜式)廃液供給ポンプA系ミニマムフローラインフランジ(以下東電提供24.1.29)


淡水化装置(蒸発濃縮装置)脱塩器樹脂移送ラインフランジ


3号機復水貯蔵タンクから2号へ注水する原子炉注水ポンプの流量計



3号機復水貯蔵タンクから3号へ注水する原子炉注水ポンプの流量計



非常用高台炉注水ポンプ3C流量計(以上東電提供24.1.29)


平成24年1月29日

水漏れ3ケ所発生

1.蒸発濃縮装置脱塩器付近弁フランジ部水漏れ部拡大(2012年1月28日撮影)【東電提供24.1.29】

双葉砕石工業の砕石場で現地調査する国と県の調査員、福島県浪江町
  詳細記事を読む


平成24年1月22日


2号機タービン建屋地下から雑固体廃棄物減容処理建屋(高温焼却炉建屋)への移送ラインにおける水の漏えい;漏洩箇所1.(東電資料24.1.21)



平成24年1月21日

1月20日原発の現況画像集(東電提供1.20)

大型重機で解体作業
重機による解体作業

1月20日 福島原発現況画像集
免震重要棟


1号炉建屋現況


重要棟より2号機建屋を見る


3号機建屋現況


3号機建屋現況


3号機建屋上部ガレキ撤去作業


4号機建屋


4号機建屋現況


4号機建屋上部ガレキ撤去作業


3.4号機炉周辺ガレキ撤去作業


免震重要棟 駐車場ダスト清掃作業


新開閉所新設工事(電源確保用)


注水ホースの凍結防止





【動画】2号機格納容器・内部内視鏡で調査ダイジェスト(東電提供1.20)



平成24年1月20日

2号機内部へ工業内視鏡が入り内部撮影

2号機格納容器 内視鏡撮影

2号機格納容器の内部画像
内部 内壁と温度計

内壁と足場

配線、配管

配管

内視鏡を入れる前

配管 サポート
(資料:東電、産経新聞)



平成24年1月19日

2号機 内視鏡検査開始
原子炉注水システムの設置、運用状況詳細記事を読む

福島原発 工業内視鏡検査2号機原子炉格納容器内部調査に向けた5号機におけるモックアップ風景ー5号機モックアップ写真
【内視鏡でみた格納庫内の写真)(東電資料1.18:撮影23.11.30)

2号機内視鏡調査 動画
東電モックアップ説明書【工業内視鏡で内部を調査】


】南いわき開閉所の南いわき開閉所(東電資料1.18)


南いわき開閉所・東電説明書


平成24年1月18日

2号機 内視鏡カメラ用穴あけ成功
2号機に内視鏡カメラを通す穴成功(NHK資料24.1.17)原子炉注水システムの設置、運用状況  詳細記事を読む


平成24年1月17日


起重機船による1〜4号機取水路支障物撤去作業実施風景(東電提供24.1.17)


水路支障物撤去作業実施風景(東電提供24.1.17)

平成24年1月16日

二本松市のマンション汚染
二本松の新築マンションで高線量 浪江で土台の材料採取原子炉注水システムの設置、運用状況 詳細記事を読む



平成24年1月13日

4号機タービン点検
4号機主タービンの点検状況:高圧タービン全体像(東電提供24.1.12)


平成24年1月12日

淡水化装置漏洩
淡水化装置(逆浸透膜式)濃縮水貯槽からの漏えい(東電提供1.11)


平成24年1月9日

4号機エアフィンクーラーから漏洩
4号機 使用済燃料プール代替冷却装置エアフィンクーラー チューブからのろ過水の漏えい,
エアフィンクーラー全東電提供24.1.8)



平成24年1月4日

放射線除去装置開発
除染装置開発(NHK24.1.4) 原子炉注水システムの設置、運用状況 詳細記事を読む


平成23年12月30日

福島原発 原子炉現況
現況(産経新聞資料23.12.30.) 原子炉注水システムの設置、運用状況 詳細記事を読む

福島原発12月までの経過一覧
経過(産経新聞資料23.12.30)原子炉注水システムの設置、運用状況 詳細記事を読む


淡水化装置の水漏れ
淡水化装置(逆浸透膜式)濃縮水貯蔵エリア付近のホースからの漏水(淡水)(東電提供12.30)


平成23年12月29日


除染の進め方 中間貯蔵施設 
除染、中間貯蔵施設  原子炉注水システムの設置、運用状況詳細記事を読む


平成23年12月28日


本格的な除染作業 樽葉町
除染作業ー屋根、福島県楢葉町から本格的実施 原子炉注水システムの設置、運用状況詳細記事を読む


東電ボーリング図 
湯の岳断層ボーリング図(東電提供12.27)

平成23年12月27日

中間報告書 諸段階 東電の不手際
政府調査会中間報告書手渡し 原子炉注水システムの設置、運用状況詳細記事を読む


平成23年12月25日

3号機注水ホース膨れる
3号機原子炉注水ホースの膨れ、3号炉注配管(その1)(東電提供23.12.24)



平成23年12月23日

3号機相談せず冷却装置停止
3号機冷却装置 相談せず停止(NHK)原子炉注水システムの設置、運用状況詳細記事を読む

セシウム吸着装置置き場
セシウム吸着塔一時保管施設全景(東電提供12.21)

平成23年12月22日

使用済みプール  クレーンカプリング破損
使用済燃料共用プール建屋天井クレーンにおける車軸連結部ケーシングの割れカプリング(東電提供12.23)




平成23年12月21日

フローエレメント 2号機冷却装置の警報発生原因か
2号機使用済み燃料プール冷却装置の警報原因調査、フローエレメント(東電提供12.20)



平成23年12月20日

トレンチ 水漏れ状況 12.18
集中廃棄物処理施設プロセス主建屋−雑固体廃棄物減容処理建屋(高温焼却建屋)間のトレンチにおける水溜まりの状況(東電提供12.18)



平成23年12月19日

新しい避難区域基準
新基準 (朝日新聞資料23.12.17)原子炉注水システムの設置、運用状況 詳細記事を読む

放射線量分布図
放射線量の分布図 (朝日新聞資料23.12.17)




平成23年12月16日

現場独断で冷水装置を停止
現場で独断冷水装置を停止  原子炉注水システムの設置、運用状況 詳細記事を読む




平成23年12月15日

固体廃棄物貯蔵庫 第1棟
固体廃棄物貯蔵庫の状況、第1棟(東電提供12.14)



平成23年12月14日

汚染水他からも漏れ
サンプリングラインからも汚染水漏れ(東電資料23.12.13)原子炉注水システムの設置、運用状況詳細記事を読む



平成23年12月10日


【動画】J−ビッレジの現在の様子(東電提供11.7)



平成23年12月9日

東電夜間訓練 電源
電源者の夜間訓練(東電提供11.8)



平成23年12月8日

二本松でも米汚染
米汚染、二本松(朝日新聞資料23.12.8) 原子炉注水システムの設置、運用状況 詳細記事を読む



平成23年12月7日

汚染水 海へ流出 260億ベクレル
漏水による水溜り状況(東電提供12.6)    原子炉注水システムの設置、運用状況 詳細記事を読む

幹線道路 放射線測定
幹線道路の放射線量の測定(朝日新聞資料12.7)



平成23年12月6日

汚水流出止めの土嚢
漏洩箇所を土嚢で止水(東電提供12.5) 原子炉注水システムの設置、運用状況 詳細記事を読む



平成23年12月5日

蒸発濃縮装置からの漏えい状況
蒸発濃縮装置から処理水漏れ
蒸発濃縮装置(淡水化)建屋内の漏れの状況(東電提供12.4) 原子炉注水システムの設置、運用状況 詳細記事を読む

淡水化装置から漏れ箇所1
淡水化装置建物から処理水が漏洩した漏洩箇所1

淡水化装置建屋から漏れ2
淡水化装置建物からあ\処理水が漏洩した漏洩箇所2




平成23年12月3日

セシウム焼却灰 返却 秋田
焼却灰を返却 原子炉注水システムの設置、運用状況詳細記事を読む



平成23年12月3日

震災直後の原発の状況
震災直後の原発の状況原子炉注水システムの設置、運用状況詳細記事を読む



平成23年12月2日

湾内核種別分析作業
福島第一原子力発電所港湾内海底土核種分析作業、採泥機引き上げ(東電資料12.1)



平成23年12月1日

核燃料の大半が格納庫に落下
1号機窒素封入箇所(東電提供11.30)

1号機の核燃料溶解して落下は85%
1,3号機窒素注入箇所(東電提供11.30)



平成23年11月30日


4号機イオン交換装置
4号機イオン交換装置(東電提供11.25)

NRC ハシデン氏 スリーマイル事故原因を説明 福島原発 所長吉田氏、 急遽入院の上退任
NRCハイデン氏スリーマイル事故原因を説明。 福島原発所長急遽入院・退任原子炉注水システムの設置、運用状況記事を読む



平成23年11月29日

スリーマイル事故から学ぶシンポジウム
スリーマイル事故から学ぶシンポジウム(NHK資料)原子炉注水システムの設置、運用状況詳細記事を読む



平成23年11月28日

原子炉上部の放射線量測定
原子炉建屋上部の測定の様子(東電提供11.26)



平成23年11月27日

愛知県など土壌汚染マップ発表
愛知県など新たに土壌汚染マップを文部科学省発表(11.26)



平成23年11月25日

阿武隈川で大量のセシウム
大量のセシウムを放出している阿武隈川(朝日新聞資料) 原子炉注水システムの設置、運用状況 詳細記事を読む



平成23年11月23日

ロボットで3号機格納庫を清掃
3号機格納機器ハッチレールの清掃をロボットが作業(東電提供11.22)

非常用冷却装置 手動停止
1号機非常用複式機操作(朝日新聞資料、11.23) 原子炉注水システムの設置、運用状況 詳細記事を読む



平成23年11月22日

セシウム汚染400KMまで拡散
セシウム汚染4000kmまで拡散(朝日新聞資料)原子炉注水システムの設置、運用状況 詳細記事を読む

海水放射線汚染  無人調査船
無人調査船(東電提供11.21)



平成23年11月21日

【動画】3号機建屋1階ロボット、北東機器ハッチ前フェンス・北西部ドラム缶撤去風景(東電提供11.5)


旧事務所ガレキ撤去後
ガレキ撤去後、旧事務所前(東電提供11.19)

旧事務所ガレキ撤去前
旧事務所前ガレキ撤去前(東電提供11.19)



平成23年11月20日

セシウム食品基準 幼児に厳しく
セシウムの食品基準;幼児には厳しく(朝日新聞資料11.20)原子炉注水システムの設置、運用状況 詳細記事を読む

電子個人線量モニター
電子個人線量モニター(東電提供11.19)



平成23年11月19日

除染モデル地区 福島県大熊町 放射線計測 
除染モデル地区(福島県大熊町)で放射線計測 原子炉注水システムの設置、運用状況 詳細記事を読む


【動画】3号機開口部ダストサンプリング風景(東電提供11.8)



平成23年11月18日

年内冷温停止可能
温度の変化推移(読売新聞資料)原子炉注水システムの設置、運用状況 詳細な記事を読む

出荷停止 大波町のお米
出荷禁止になったお米原子炉注水システムの設置、運用状況 詳細な記事を読む

汚染水貯蔵タンクで一杯
敷地は汚染水貯蔵ウタンクで満杯(朝日新聞資料) 原子炉注水システムの設置、運用状況 詳細な記事を読む


【動画】3号機原子炉建屋内調査・清掃(提供東電、11.14)




平成23年11月17日

福島県の米にセシウム
福島県のお米にセシウム(NHK資料11.17) 原子炉注水システムの設置、運用状況 詳細記事を読む



平成23年11月16日

川底のセシウム川口へ移動
川底んpセシウム移動(NHK資料11.16)原子炉注水システムの設置、運用状況  詳細記事を読む



平成23年11月15日

セシウム汚染全国規模か?
セシウム汚染全国的か? 原子炉注水システムの設置、運用状況  詳細な機jを読む

低濃度対流水の散水
低濃度滞留水の散水作業の状況(東電資料11.12)



平成23年11月13日


【動画】福島原発敷地内撮影(TBS資料11.12)


マスクをしてバスの中から見る報道陣 11.12
マスクを着用してバスの中から見る報道陣(23.11.12)
4号機現状23.11.12
4号機建屋(錆びている)
津波で破壊された建屋
破壊された建屋


11月12日報道陣に公開された敷地内の様子
敷地内 1号機から4号機 現状 11.12
置(左)から1号機、2号機、3号機、4号機建屋の現状(産経新聞資料11.12)
敷地内の各箇所の様子
津波 破壊 施設 敷地内 作業する人
津波で破壊されたタンク 作業をしている人達
仮防潮堤 津波 ひっくり返った車
海側仮防潮堤 津波で裏返しになった車、海側道路
(読売新聞資料11.12)



平成23年11月12日

文部科学省新たに汚染マップ追加発表
文部科学省新たに汚染マップ発表

ヴィレッジは廃棄物の山
ヴィ絵エッジ廃棄物の山



平成23年11月11日

4号機4階で爆発か?
4号機建屋 4階ダクト残骸 原子炉注水システムの設置、運用状況 詳細記事を読む

4号機4階の床のへこみ
4号機4階 爆発による床のへこみ

4号機5階の床の出っ張り
4号機4階 爆発による床の出っ張り



平成23年11月10日

福島第一原発1号機、2,3,4号機現況
建築制限;自治体で分かれる対応(朝日新聞資料) 原子炉注水システムの設置、運用状況 詳細なキッ時を読む



平成23年11月9日

3号機開口部
3号機開口部南側(東電資料11.5)


平成23年11月8日

2号機使用済みプールの除染装置、トレーラー上
2号機使用済燃料プールにおける放射性物質除去装置の設置状況、
トレーラ(吸着塔搭載)全体(東電資料23.11.7)


平成23年11月7日

掃除ロボット活躍
掃除ロボットが活躍  原子炉注水システムの設置、運用状況詳細記事を読む



平成23年11月6日
3号機原子炉1階ロボットによる撮影
3号機北側通路
3号機北側通路1(東電資料11.5、以下同様)
3号機1階ロボットによる撮影
3号機北側通路2
3号機西側通路
3号機西側通路
3号機ハッチ前
3号機ハッチ前
3号機ハッチ下
3号機ハッチ下

2号機濾過装置
2号機濾過装置(東電資料11.5)



平成23年11月5日

飯館村 除染説明会
除染説明会、飯館村 原子炉注水システムの設置、運用状況 詳細記事を読む

尿試験で子供の7%セシウム
子供の被爆7% 原子炉注水システムの設置、運用状況 詳細記事を読む

平成23年11月4日

核分裂反応
核分裂反応



平成23年11月3日

2号機再測定でもキセノン検出
2号機建屋(東電資料8.16) 原子炉注水システムの設置、運用状況 詳細記事を読む


3号機建屋内調査、清掃 ページtopに戻る






福島原発事故新聞記事

福島第一原発事故新聞記事抜粋



平成24年1月31日

「苦しみ晴らす調査を」双葉町長から聴取 国会事故調第3回

国会が設置した東京電力福島第1原発事故調査委員会(委員長・黒川清元日本学術会議会長)の第3回委員会が30日、原発が立地する福島県双葉町民らの避難先である埼玉県加須市で開かれ、井戸川克隆町長から事故後の状況や政府の対応について意見を聞いた。

 井戸川町長は「双葉町はすべてを失った。われわれの苦しみや無念さを晴らす調査をしてほしい」と訴えた上で、政府や東電の情報公開の遅れを指摘し、「隠蔽(いんぺい)や捏造(ねつぞう)には厳正な態度で究明を」と要望した。

 委員会後、事故調は町民との対話集会を開き、参加者からは「原発安全神話がなぜ生まれたか追及を」「子供の将来を守って」などの訴えが相次いだ。被災者の声は事故調の報告書に反映させる方針という。

 また、政府の震災関連会議の議事録が未作成だった問題について、黒川委員長は会見で「信じられないことで理解不可能」と批判し、会議のメモや資料の提出を政府に要求したことを明らかにした。
−−−産経新聞



原子炉建屋撮影し未回収のロボ、後継2台投入へ

 東京電力福島第一原子力発電所の事故で、原子炉建屋内の撮影に使われた国産の災害救助支援ロボット「Quince(クインス)」の後継機2台を、開発した千葉工業大学の研究チームが30日、公開した。2月中旬にも現場に投入される。

 1台には空気中のちりに含まれる放射性物質を測定する装置、もう1台には立体的な地図を作れるレーザースキャナーを搭載した。初代の1号機が、通信ケーブルが切れて建屋内で立ち往生した経験から、緊急時にはもう1台のロボットを中継し、無線でも操作できるようにした。

 現在も原子炉建屋内で身動きが取れないままの1号機は、電子機器への放射線の影響を調べるため、回収せずに残しておく計画だという。
−−−読売新聞


新たに2カ所水漏れ、凍結原因か 福島第1原発
京電力は30日、福島第1原発で、凍結が原因とみられる水漏れが新たに2件見つかったと発表した。ともに濾過(ろか)水や放射性物質濃度が低い水で、原子炉注水への影響や、外部への流出はないという。同原発では、29日に14件の水漏れが見つかり、4号機の使用済み燃料貯蔵プールの冷却設備が一時停止するトラブルがあった。
−−−産経新聞





平成24年1月30日


原発冷却システム水漏れ14か所、凍結が原因か

東京電力は29日、福島第一原子力発電所で、汚染水を処理して冷却水に再利用する循環注水冷却システムの配管など計14か所で水漏れを確認したと発表した。
寒さによる水の凍結で、配管の継ぎ目や配管に設置された流量計のガラス部分が破損したためとみられる。

 この影響で、4号機の使用済み核燃料一時貯蔵プールの冷却が約2時間ほど停止したが、プールの温度はほとんど上昇しなかった。

 東電によると、ほぼすべての漏えい箇所で漏水停止を確認し、修理を終えた。漏れたのは、いずれも放射性物質の濃度が低い処理後の水や純水で、海洋への流出はなかったとしている。
−−−読売新聞


 放射線、生態系に影響は 野生動植物の調査開始 環境省、生殖能力に重点

福島第1原発事故で放出された放射性物質の生態系への被ばく影響を調べるため、環境省は同原発周辺で野生動植物のモニタリング調査に着手した。特に動物の生殖や植物の発芽などの能力に異常が生じていないかを検証する。今年度内に中間報告を出す方針。

 国際放射線防護委員会(ICRP)は原発事故による生態系への影響を調べる際の「推奨動植物」について、シカ▽ラット▽マス▽ミツバチ▽マツ−−など12種を挙げる。環境省はこれを参考に、アカネズミ▽アカマツ▽ムラサキガイ−−などを既に対象に選定。調査地点は警戒区域内や隣接地域などで、比較のため線量が高い地点と低い地点から採取する。

 動植物が体内に取り込んだ放射性セシウムの量を確認するほか、外見や染色体の異常の有無を調べる。植物は発芽実験で種子への影響を調べる。哺乳類や両生類は生殖能力への影響や、子の世代の状態などを確認する。

 調査は福島県などの要請を受け、同省が財団法人自然環境研究センターや放射線医学総合研究所などと緊急に始めた。86年のチェルノブイリ原発事故では、周辺に生息するツバメで白血球の減少や脳容積の縮小、個体数減少などが報告され、26年たった今も影響が出ているという。一方、同原発周辺は人間の影響がなくなったため野生動植物が自由に繁殖しているが、生態系全体への影響は解明されていない。
−−−毎日新聞


相次ぐ原発の水漏れで対策指示

東京電力福島第一原子力発電所で、水の凍結が原因とみられる水漏れが相次いでいることを受けて、国の原子力安全・保安院は、再発防止のために点検や対策を急ぐよう指示をしました。

福島第一原発では、29日、4号機の使用済み燃料プールを冷やす装置など合わせて14か所で水漏れが発生し、プールの冷却がおよそ1時間40分停止したり、7トンの水が漏れ出したりしました。東京電力によりますと、いずれも放射性物質を含まない水か取り除く処理をしたあとの水で、海への流出はなく、気温の低下によって水が凍結して膨脹し、配管のつなぎ目がゆるんだり、部品が壊れたりしたのが原因とみられるということです。福島第一原発では、前日の28日も3か所で同じような水漏れが起きていて、原子炉やプールの冷却に伴う水の管理が課題となっています。このため、原子力安全・保安院は、再発防止のために、ほかにも水漏れが起きるおそれはないか点検するとともに、水漏れを防ぐ対策を急ぐよう指示しました。東京電力は、冷え込みが厳しい早朝にパトロールを強化し、配管の周りを保温材で覆うほか、場合によってはヒーターで暖める対策を取ることにしていてます。高濃度の汚染水を扱ったり、原子炉の冷却に関わったりする重要な装置では、対策はほぼ済んでいるということですが、福島第一原発がある福島県浜通り地方は、今後も気温が低い日が続く見込みで、東京電力は残る対策を急ぐことにしています。
ーーーNHK





平成24年1月29日

放射性物質1千種、汚染水からの除去を計画 東電

東京電力福島第一原発で、放射能汚染水からセシウムだけでなく、ストロンチウムやコバルト、マンガンなどの様々な放射性物質を除去する計画が進んでいる。その数は約1千種に上る。過去に汚染水が海に流出したことがあり、放射性物質の流出のリスクをなくすのが目的だ。3月にも設置工事を始める。

 東電は今、鉱物のゼオライトにセシウムを吸着させる2種類の装置を使って汚染水を浄化しているが、ストロンチウムなどはあまり取り除けない。

 昨年12月には浄化後だが、基準の100万倍のストロンチウムを含む汚染水が海に漏れだした。こうした事態を避けるために、より多くの放射性物質を除去することにした。従来のセシウム吸着装置で処理した水や廃液を、さらに新しい装置で浄化する計画だ。

 詳しい設計はこれからだが、放射性物質を鉱物や樹脂に吸着させる。吸着を促す薬剤を使い分けて取り除く放射性物質を変える。
−−−朝日新聞


注水ポンプの弁など3か所で漏水

東京電力は28日、福島第一原子力発電所で、原子炉注水ポンプの弁など3か所で漏水が起きたと発表した。
漏水量は合計約18リットルで、原子炉への注水に影響はなかった。放射性物質の大半が除去済みで、海への流出もなかった。氷点下5度前後になった同日早朝の冷え込みで冷却水が凍結し、ポンプの鉄製の弁が破損した可能性が高い。東電は断熱材を巻くなどの対策を進めているが、破損部分は作業が終わっていなかった。
−−−
読売新聞







平成24年1月27日

放射性物質:除染14年3月に完了 環境省が工程表

環境省は26日、東京電力福島第1原発事故に伴う放射性物質の除染について、国が直轄で進める除染作業の工程表を発表した。放射線量が年間50ミリシーベルト以下の地域は住民の同意など条件が整った地域から今春以降順次、本格除染に着手し、14年3月末の完了を目指す。一方で年間50ミリシーベルト超の地域については、現在の技術では住民が帰宅できるレベルまで線量を下げられず、帰還の難しさが改めて浮き彫りになった。


雪穂中で除染作業:飯館市公民館

 国は放射性物質汚染対処特別措置法に基づき、現在の警戒区域と計画的避難区域を「除染特別地域」として除染。また、両区域は4月から(1)年間20ミリシーベルト以下の避難指示解除準備区域(除染対象面積約1万200ヘクタール)(2)同20ミリシーベルト超50ミリシーベルト以下の居住制限区域(同7200ヘクタール)(3)同50ミリシーベルト超の帰還困難区域(同約9300ヘクタール)−−の3区域に再編する方針を固めている。

 工程表によると、3区域のうち年間50ミリシーベルト以下の(1)、(2)の地域の除染を優先する。特に役場や公民館、常磐道や上下水道などのインフラ施設の除染を先行。同時に民有地の土地所有者を把握し、除染実施への同意を得て本格除染に着手する。

 (1)の地域では、まず同10ミリシーベルト以上の地域や5ミリシーベルト以上の地域の学校など線量が高めの場所から同10ミリシーベルト未満を目指して除染し、今年中の完了を目指す。さらに5〜10ミリシーベルトの地域では来年3月末まで、1〜5ミリシーベルトの地域では14年3月末までに除染する。この過程で、来年8月末までに住民の年間追加被ばく線量を昨年8月末に比べて、約半分に減らし、子どもは約6割減を目標とする。

 (2)の地域では、年間追加被ばく線量を20ミリシーベルト以下にすることを目指し、今秋から14年3月末まで除染する。

 年間50ミリシーベルト超の(3)の地域では当面、除染の効果を確かめるモデル事業を実施することのみが盛り込まれた。

 環境省は今後、対象の市町村と協議し今年3月末までに自治体ごとの詳細な除染計画を策定する予定。

 細野豪志環境相は「除染の目的は、避難住民に一日も早く帰っていただくことだ。一方で、帰還困難区域の皆さんには(本格除染の計画を示せず)厳しい状況であることを客観的にお知らせすることになった」と話した。

 除染特別地域の面積は約2万6700ヘクタール(森林は除く)で、住宅や商業地、農地など民有地の所有者は推定約6万世帯ある。
−−−毎日新聞


ゲイツ氏 次世代型原子炉開発を

原子力発電のあり方が世界的に問われるなか、「マイクロソフト」の創業者のビル・ゲイツ氏は、NHKとのインタビューで、安全性や経済面で優れた次世代型の原子炉の研究開発に積極的に資金を出していく考えを明らかにしました。

世界有数の富豪としてさまざまな分野に投資しているビル・ゲイツ氏は、世界の政治や経済のリーダーが集まるダボス会議の会場で、26日、NHKのインタビューに応じました。この中でゲイツ氏は、原子力発電のあり方について、地球温暖化対策のためにも原発は必要だという考えを強調した一方、東京電力福島第一原発の事故などを踏まえ、「これまでの原発では、事故が起きたとき放射性物質が漏れ出すことを完全に防ぐことはできなかった」と指摘しました。そのうえでゲイツ氏は「原発で課題となるのは安全性やコストであり、極めて安全な次世代型の原発の開発を進めている企業を支援していきたい」と述べて、安全性や経済面で優れた小型原子炉の研究開発に積極的に資金を出していく考えを明らかにしました。福島第一原発の事故を受けて多くの国で脱原発の機運が高まっていますが、新興国では、エネルギー需要の高まりに対応するために小型原子炉への関心も集まっています。
−−−NHK






平成24年1月26日

汚染疑い牛3千頭流通先不明、検査時既に消費か

東京電力福島第一原子力発電所事故の影響で放射性物質に汚染された稲わらを餌として与えられたことが出荷後に判明し、厚生労働省が検査対象とした15道県の肉牛4626頭のうち、25日までに検査が確認されたのは1630頭(約35%)だったことが、同省への取材でわかった。

 残る2996頭は流通先が不明になっている。同省は、検査を決めた時点ですでに消費されていたり、追跡が間に合わなかったりした可能性が高いとみている。

 昨年夏に福島県産の牛から放射性セシウムが検出されたのをきっかけに、同省は、国の暫定規制値(1キロ・グラムあたり300ベクレル)を超す放射性セシウムを含んだ稲わらを食べた疑いのある肉牛を検査対象に決めた。汚染の疑いのある牛について同省は個体識別番号を公表し、7月下旬、都道府県に検査するよう文書で要請。販売店や卸売業者からの情報を元に、全国で追跡調査が行われた。
−−−読売新聞


廃炉カギ握る燃料保管 “玉突き輸送”で懸念も

 東京電力福島第1原発で廃炉工程表に基づく作業が本格的に始まっている。最長40年とされる長丁場となるが、当面の最大目標は「2年以内に着手」と掲げた燃料貯蔵プールからの燃料の取り出しだ。燃料の保管場所確保のための“玉突き輸送”が、他の作業が順調に進むかどうかのカギとなる。だが、燃料やプールの状況など未確認の要素も多く、手探りの作業となりそうだ。(原子力取材班)

 ■プールほぼ満杯

 1〜4号機の原子炉建屋上部の燃料貯蔵プールには、計3108本の燃料が残されており、これらを建屋から運び出して安全な場所で保管することが廃炉への第一歩となる。

 廃炉に向けた工程表では、同原発の敷地内にあり、6840本の燃料が貯蔵できる「共用プール」が保管場所に決まった。しかし、共用プールには既に6375本の燃料が入っており“ほぼ満杯”だ。

 このため、共用プールの燃料を別の場所へ運び出した後に、燃料貯蔵プールの燃料を搬入する“玉突き輸送”を計画。共用プールの燃料は「乾式キャスク」という専用容器に入れ、今年末ごろまでに設置することになる保管施設で管理することになる。

 キャスク保管施設は、想定される最大の揺れでも除熱や放射線遮蔽などの機能を失わず、津波がこない高台に設置するなどの条件が必要となる。しかし、設置場所など詳細な設計は現時点では決まっていない。

 日本原子力学会の沢田隆副会長は「保管施設は高い安全性が求められるが、わずか1年の突貫作業で大丈夫なのか」と懸念する。

 ■工程表は未知数

 工程表では、4号機のプールからの燃料の取り出しを最優先として平成25年内に始め、3号機は26年末までに着手することを目標に掲げている。

ところが、工程表にも「作業の長期化の可能性がある」と記されているように、作業が計画通りに進むかは未知数だ。特に懸念されるのが、プール内の燃料状態が明確でない点だ。東電はプールの水の分析から「燃料の大部分は健全」とする。だが、廃炉工程を検討する政府・東電中長期対策会議は「プールに落下したがれきで損傷した可能性は否定できない」と指摘する。

 実際にプールの状況を撮影できたのは3、4号機だけで、3号機にはプール内に多数のがれきが落ちていることも分かっている。1号機は水素爆発による建屋上部のがれきが、2号機は建屋内の高い放射線量がそれぞれ障壁になり、状況把握は進んでいない。

 燃料損傷やがれきによる燃料容器の変形があれば、既存の取り出し装置が使えず、新装置の開発が必要になるなど、工程表に影響を与える可能性も出てくる。

 エネルギー総合工学研究所の内藤正則部長は「事故直後のプールの温度上昇や海水の影響で、容器がもろくなっている可能性がある。燃料を持ち上げる際に壊れると放射性物質が外部に漏れる恐れもあり、慎重に作業を進める必要がある」と指摘している。
−−−産経新聞


茨城 解禁後も休漁を継続へ

コウナゴやシラスが採れる茨城県沿岸の船曳き網漁は来月1日から解禁されますが、原発事故のあと休漁を続けている漁業者は、「市場で販路を見つけるのが困難だ」などとして解禁後も1か月間は休漁を続けることを決めました。

コウナゴやシラスが採れる茨城県沿岸の船曳き網漁は来月1日から解禁されますが、原発事故のあと休漁を続けている漁業者は、「市場で販路を見つけるのが困難だ」などとして解禁後も1か月間は休漁を続けることを決めました。茨城県沿岸では、去年4月、沖合で採れたコウナゴから、一時、国の暫定基準値を超える放射性セシウムが検出されたため、船曳き網漁の漁業者は漁を自粛しました。その後の県の調査で、船曳き網漁の魚からは基準を超える放射性物質は検出されませんでしたが、北茨城市と日立市北部の3つの漁協に所属する漁業者およそ50人は、漁をしても買い手がいないため休漁を余儀なくされ、そのまま漁のシーズンを終えていました。地元では、来月1日の解禁日に再開を目指してきましたが、漁業者などで作る協議会は、「市場で販路を見つけるのが困難だ」などとして、解禁後も1か月間は休漁を続けることを決めました。3月以降の操業について、協議会では改めて検討するとしていますが、関係者からはことし漁が再開できるのか不安の声が上がっています。
−−−NHK







平成24年1月25日

線量計の数値で追跡調査 汚染石問題、政府

島県浪江町の砕石場の放射性物質に汚染されたとみられる石がマンションなどに使われた問題で、政府の原子力災害対策本部が、県内の自治体が子供や妊婦らに配布した積算線量計で、高い被曝線量を測定したケースを対象に、住んでいる家の線量を調べるなど追跡調査することが25日、分かった。国や県は、浪江町の砕石場から出荷された石の流通ルートを調べているが、この調査は、住民の被曝状況を端緒にして汚染された石の使用先を特定するのが狙い。

 県内では福島市や伊達市、川俣町などで子供や妊婦に積算の被ばく線量を測る小型線量計(ガラスバッジ)を配布、一定期間ごとに回収して線量を調べている。高い線量が測定された場合、住宅環境から影響を受けた可能性も考えられるため、政府は自治体の協力を得た上で、原因を調べる方針だ。
−−−産経新聞


福島県、震災後の公共工事を全調査へ 汚染コンクリ問題

放射性物質に汚染されたコンクリートが福島県二本松市のマンション工事に使われた問題で、福島県は24日までに、県内で東日本大震災以降に施工した公共工事について、使用された石などの搬出元を調べる方針を固め、全59市町村に調査を要請した。

 対象は、震災翌日から昨年6月末までに施工期間がかかるすべての公共工事。市町村立の学校や医療施設も含まれる。二本松市のマンション工事に使われたコンクリの材料を搬出した「双葉砕石工業」の砕石場を含め、避難区域などにある28カ所の採石・砕石場などから出た資材が使われていないか調べる。

 一方、政府の原子力災害対策本部と経済産業省は24日、記者会見。砕石などに放射線量の出荷基準を設けることについて「調査や原因分析を進めながら検討していきたい」と述べた。
−−−朝日新聞





平成24年1月24日

建屋内作業で?福島第一、放射性物質放出が微増

東京電力は23日、福島第一原子力発電所1〜3号機から放出される放射性物質について、毎時約7000万ベクレルという最新値を発表した。

11、12月の同6000万ベクレルより増えた。東電は、2号機の格納容器内を内視鏡で観察する作業などに伴い、原子炉建屋内の放射性物質が舞い上げられたのが原因と見ている。

 号機別では、建屋にカバーを設置している1号機が毎時200万ベクレル。2号機と3号機が同約1000万ベクレルずつ増え、それぞれ同2000万ベクレル、同5000万ベクレルだった。追加放出による敷地境界の被曝(ひばく)線量は年間0・12ミリ・シーベルトと推定している。
−−−読売新聞






平成24年1月23日

汚染コンクリ問題、瓦や畳など住宅建材も調査へ 経産省

東京電力福島第一原発事故で出た放射性物質に汚染されたコンクリートが福島県二本松市のマンション工事に使われた問題をふまえ、経済産業省は、ブロックなどのコンクリ製品や住宅建材などについても汚染が疑われる状況がないか調査する方針を決めた。近く、各業界団体に対し、業者の製造や保管の状況を確認するよう要請する。

 今回の問題では、原発事故の計画的避難区域である福島県浪江町の砕石場の石が事故後、区域設定まで、同県内の生コン会社や建設会社などに出荷されていた。

 経産省と県は、避難区域などで事故後に操業していた採石・砕石業者の石や砂利の流通状況を調査している。これに加えて、コンクリ製品や建材についても汚染の恐れがないか調べることにした。

 対象は、ブロックや土管、壁などに使うボードなどのコンクリ製品のほか、瓦や畳などの住宅建材で、関係する業界団体に調査を要請する。各避難区域やその周辺の工場、倉庫などの稼働状況▽事故以降、原材料・製品を屋外に保管していなかったか▽各避難区域などの業者から原材料・製品を購入していないか――などを確認してもらう。
−−−朝日新聞


汚染疑いコンクリ、病院など6か所で使用

福島県二本松市の新築賃貸マンションに放射性物質に汚染されたコンクリートが使われていた問題で、同県浪江町の計画的避難区域内の採石場から砕石を仕入れた2社のコンクリートが、県内の民間病院や老人ホーム計6か所でも使われていたことが22日、関係者への取材で分かった。
関係者によると、県内の生コン会社2社は昨年3月下旬〜4月中旬、「双葉砕石工業」(本社・富岡町)から砕石を仕入れていた。コンクリートは、二本松市のマンションに使われたものとほぼ同時期につくられたものだった。

 さらに、この時期の2社のコンクリートが、県内の一戸建てや集合住宅など、少なくとも計約60戸にも使われていたことが、関係者への取材でわかった。これらは二本松市や福島市などで工事に使用され、このうち福島市の民家の駐車場では、周辺よりも高い放射線量が測定されたという。
−−−読売新聞


電力需給:政府今夏試算「6%余裕」伏せる 再生エネ除外、「不足」のみ公表

◇原発再稼働論に影響

 今夏の電力需給について「全国で約1割の不足に陥る」と公表した昨夏の政府試算について「供給不足にはならない」という別の未公表のシナリオが政府内に存在したことが、分かった。公表した試算は、再生可能エネルギーをほとんど計上しないなど実態を無視した部分が目立つ。現在、原発は54基中49基が停止し、残りの5基も定期検査が控えているため、再稼働がなければ原発ゼロで夏を迎える。関係者からは「供給力を過小評価し、原発再稼働の必要性を強調している」と批判の声が上がっている。(3面に「この国と原発」)

 公表された試算は、東京電力福島第1原発事故を受け、エネルギー戦略を見直している政府のエネルギー・環境会議が昨年7月にまとめた。過去最高の猛暑だった10年夏の需要と全原発停止という想定で、需要ピーク時に9・2%の供給不足になると試算した。

 この試算とは別に、菅直人首相(当時)が昨年6月下旬、国家戦略室に置いた総理補佐チームに、電力需給の実態把握を指示。経済産業省に対して、発電所ごとの設備容量・稼働可能性、地域ごとの再生可能エネルギーの稼働状況など、試算の根拠データの提出を求め、再試算させた。

 その結果、現在の法律に基づいて電力会社が調達できる再生可能エネルギー容量は759万キロワット(原発約7基分)あったのに、公表された試算は供給ゼロだった。また、一部火力発電所で定期検査による稼働停止時期を猛暑の8月に設定したり、大口契約者への格安電気料金と引き換えに需給逼迫(ひっぱく)時の利用削減を義務づける「需給調整契約」による削減見込みもゼロとしていた。夜間の余剰電力を昼間に利用する「揚水発電」の供給力も低めに設定されていた。

 再生可能エネルギーによる電力供給などを盛り込むシナリオで計算し直すと、電力使用制限令を発動しなくても最大6・0%の余裕があった。再試算は昨年8月にまとまり、菅首相に報告されたが、公開されなかった。

 国家戦略室で同会議を担当する日下部聡・内閣審議官は「国の政策を決定する過程で、後になって『足りませんでした』とは言えない。慎重に堅い数値をまとめた。供給不足を導く意図はなく、昨年11月に公表した対応策で、再生可能エネルギーや火力発電の増強を必要な取り組みに挙げた」と説明する。一方、国家戦略室の総理補佐チームで再試算に携わった梶山恵司・富士通総研主任研究員は「電力会社の言い分をまとめた極端な前提に基づく試算。その数字が、原発再稼働を容認する政治家らの発言にもつながった。再試算は菅政権末期の混乱で公表できなかったのではないか」と問題視している。
−−−毎日新聞


住宅100棟超で使用か 汚染石問題で国、自治体

福島県浪江町の砕石場から放射性物質に汚染されたとみられる石が出荷された問題で、この石を原料としたコンクリートが使われた一戸建てや集合住宅は、県内で少なくとも約60棟あることが22日、関係者への取材で分かった。「震災からの復旧・復興に伴う住宅需要の高まりで、汚染が疑われる石の使用先は100棟を超える可能性がある」と関係省庁筋はみている。

 経済産業省は県内の生活拠点での使用実態を優先的に、流通ルートの解明を急ぐ。福島県の調査では、県内の仮設住宅団地全179カ所で問題の石は使われていない。

 この石は県内の生コン会社2社(うち1社は解散)でコンクリートに加工され、昨年3月の原発事故の発生以降、県内の住宅や道路、河川の護岸など千カ所近くで使われたとみられることが既に判明している。
−−−産経新聞


千葉県 コメのセシウム対策実施へ

ことしの稲作で、土壌からコメに放射性物質が吸収されるのを少しでも防ごうと、千葉県は、放射性セシウムの吸収を抑える効果があるとされる成分を含んだ肥料を使うなどの技術的な対策をまとめ、県内全域の農家に実施を呼びかけることになりました。

原発の事故を受けて東北や関東を中心とした都県では去年収穫の前後にコメの検査が行われ、福島県の一部の地域で国の暫定基準値を上回る放射性セシウムが検出され、政府がこの地域のコメの出荷停止を指示しました。千葉県産のコメは、県内全域で国の暫定基準値を下回りましたが、千葉県は、この基準が今後、大幅に厳しくなるのに加え、収穫の時期が早い早場米の作付けの準備が来月以降、始まることから対策を検討してきました。その結果、土壌からコメに放射性セシウムが吸収されるのを少しでも防ぐため、セシウムを吸収するのを抑える効果が報告されているカリウムを多く含む肥料を使うことや、水田の土壌を地中15センチほどまで深くかき混ぜ、地表のセシウムを散らして薄めるといった技術的な対策をまとめました。千葉県は今月中にも県内のJAなどを通じて、全域の農家に対してこれらの対策の実施を呼びかけることになりました。
−−−NHK







平成24年1月22日

除染事業、環境省が格安で発注 地元業者「できるのか」

東京電力福島第一原発事故の警戒区域内で環境省が進める除染の受注業者を決める初の競争入札で、大手ゼネコン2社が1億円超の金額を示すなか、同省が予定価格を大きく下回る1650万円で契約を決めた。地元の建設業者からは「こんな低価格できちんとした除染ができるのか」との声が出ている。

 初の発注となったのは、福島県楢葉町役場の周囲約4ヘクタールで、放射能汚染を清掃や高圧水で取り除く作業。5日に環境省で競争入札があり、前田建設工業1650万円、清水建設1890万円、大林組1億2300万円、大成建設2億7700万円――という応札額(消費税抜き)になった。

 同省会計課によると、1650万円は、同省が事前に定めた予定価格(非公表)を大きく下回っていた。このため、この日の契約は見送り、翌日に前田建設工業から事情を聴いた結果、特に問題はないことを確認して契約したという。
−−−朝日新聞


建材の線量検査殺到…福島、動揺収まらず

福島県二本松市の新築マンションで放射性物質に汚染されたコンクリートが使われていた問題の影響で、県内の砕石などの建設資材や工業原料を扱う業者から、検査実施機関への放射線量調査の依頼が相次いでいる。
発覚から22日で1週間になるが、動揺は収まりそうにない。

 福島市にある県の施設「福島技術支援センター」。同施設で企業向けの検査業務を行う「材料科学技術振興財団」(東京都)によると、昨年6月から今年1月13日までに砕石の検査依頼を申し込んだのは6業者だけだったが、コンクリートの放射線量が問題になった後は、今月18〜20日の3日間だけで7業者が依頼してきた。

 ブルーシートに囲まれた検査室では、手袋にマスク姿の男性係員が、市内の砕石業者が持ち込んだ試料を検査。棒状の検知器を試料が入った袋に近づけ、「毎時0・1マイクロ・シーベルトです」と告げると、業者の男性はホッとした表情を見せていた。財団の担当者は「ニュースで取り上げられると、検査を求める企業が増えるが、今回は反応がより大きい」と話す。
−−−読売新聞


福島第1原発:最悪シナリオ封印 菅政権、なかったことに

東京電力福島第1原発事故で作業員全員が退避せざるを得なくなった場合、放射性物質の断続的な大量放出が約1年続くとする「最悪シナリオ」を記した文書が昨年3月下旬、当時の菅直人首相ら一握りの政権幹部に首相執務室で示された後、「なかったこと」として封印され、昨年末まで公文書として扱われていなかったことが21日分かった。複数の政府関係者が明らかにした。

 民間の立場で事故を調べている福島原発事故独立検証委員会(委員長・北沢宏一前科学技術振興機構理事長)も、菅氏や当時の首相補佐官だった細野豪志原発事故担当相らの聞き取りを進め経緯を究明。(共同)
−−−毎日新聞


漏れた汚染水は低濃度 別の場所でもにじみ

東京電力は21日、福島第1原発で汚染水の移送に使う配管から漏れているのが見つかった水は、含まれる放射性物質が低濃度だったと発表した。

 東電によると、漏れたのは2号機のタービン建屋地下にたまっている高濃度の汚染水の移送用で、新設した経路にある継ぎ目。漏れた水の表面付近の線量率は毎時0・1ミリシーベルトで、高濃度汚染水の場合は毎時20〜30ミリシーベルトに上るはずだという。

 漏えい検査のため事前に流した低濃度汚染水が中に残っており、高濃度汚染水を流した際に押し出されたらしい。

 3号機の汚染水を移送する新経路でも同じ部分で水がにじんでいるのが見つかり、原因を調べている。
−−−産経新聞


除染本格化 専門家を無料で派遣

放射性物質を取り除く除染が本格化するのに合わせて、環境省などは、住民が町内会などで地域の除染活動を行う場合、必要なアドバイスをする専門家を無料で派遣することになりました。

原発事故の影響による被ばく線量が一定以上に上る東北や関東の自治体では、公共施設などでの除染を先行的に進めています。今後、各地域で除染が本格化すると、住民が活動に携わる機会が増えることから、環境省などは、必要なアドバイスを行う専門家を町内会やPTAごとの要望に応じて無料で派遣することになりました。派遣されるのは、大学教授や企業の研究者などで、放射線や被ばく管理についての講習会に出席したり、除染の現場でモニタリングや効果的な除染の方法を助言したりするということです。現在はおよそ50人の専門家が登録され、環境省の福島環境再生事務所で電話やメールによって派遣の要望を受け付けており、福島県以外への派遣にも応じるということです。来月末には、環境省と福島県が福島市内に「除染情報プラザ」を新たに設ける予定で、専門家の派遣に加えて具体的な相談にも応じることにしています。
−−−NHK






平成24年1月20日

薪ストーブの灰から4万ベクレル超 環境省、検査促す

福島県二本松市の民家で使われている薪(まき)ストーブの灰から、1キロあたり4万ベクレルを超す放射性セシウムが検出された。環境省が19日発表した。同省は薪ストーブを使う場合、その灰を庭や畑にまいたりせず、自治体が集めて検査するよう住民や市町村に求める通知を、東北・関東地方の8県に送った。放射性物質の検査結果をふまえ、自治体または国が処分する。

 環境省によると、住民から「薪を燃やして大丈夫か」との質問が同市役所にあった。日本原子力研究開発機構などが昨年11月、ある民家の庭に積んであった薪を試験的に薪ストーブで燃やしてみた。その結果、最高4万3780ベクレルの放射性セシウムが灰から検出された。通常ごみと同じく埋め立てられる国の基準(1キロあたり8千ベクレル以下)の5倍を超す値だった。7月には、福島市の焼却施設の灰から約9万5千ベクレルが検出されている。

 この薪は、東京電力福島第一原発事故の前から屋外にあったといい、燃やす前の薪からは1157ベクレルが検出された。試算では、灰が4万ベクレル余りでも、煙突から出る煙による周辺住民の被曝(ひばく)量は年間0.01ミリシーベルトほどで、「健康影響はほぼ無視できる」(環境省)。薪ストーブのある室内の被曝量については「少量であり、灰を置いたままにせず、人の近寄らない場所で保管すれば問題ない」と説明する。
−−−朝日新聞


28の採石・砕石場調査へ 福島県、資材汚染状況を特定

東京電力福島第一原発事故で出た放射性物質に汚染されたコンクリートが福島県二本松市の新築マンションに使われていた問題で、県は19日、避難区域内を中心とした28カ所の採石・砕石場や砂利の採取場で現地調査することを決めた。石のサンプル調査や放射線量の測定で汚染状況を特定し、汚染の可能性がある資材が使われた建物について線量を調べていく。

 一方、二本松市は19日、市内の建設会社が、福島市内で建てた住宅の線量を測定した結果、1階の室内で毎時0.85〜0.80マイクロシーベルトを記録し、屋外の毎時0.2マイクロシーベルトより高かったとの連絡を受けたことを明らかにした。最初に高線量が分かったマンションと同じ会社のコンクリが使われていた。二本松市はまた、最初に発覚したマンションを、借り上げ型の市営住宅にすることを決めた。

 現地調査は、県と国が20日、二本松市のマンション工事に使われたコンクリの材料の石が搬出された浪江町の「双葉砕石工業」の砕石場で始める。敷地内の線量測定や採取した石や表土に含まれる放射性物質を分析し、高線量の石が搬出された時期の特定などを図る。
ーーー朝日新聞


溶けた核燃料・水面見えず…格納容器に内視鏡

東京電力は19日、福島第一原子力発電所2号機の原子炉格納容器内に事故後初めて工業用内視鏡を入れ、撮影した。

 東電は容器の底に深さ約4・5メートルの水がたまっていると推定していたが、底から4メートルの位置にも水面は見えなかった。

 容器内は湿度が高く水滴が降っており、画像は不鮮明。強い放射線の影響で白い斑点が多数写っている。配管などの損傷は目立たないが、容器内壁の塗装がはがれ、事故で高温になった影響とみられるという。東電の松本純一・原子力立地本部長代理は「水の深さが予測と違った原因は、今後詳しく検討したい」と話している。
−−−読売新聞


福島第1原発:炉内撮影、温度は44.7度、水面は見えず

東京電力は19日、福島第1原発2号機の原子炉格納容器内を、工業用内視鏡などを使って初めて直接調査した。格納容器につながる貫通口から内視鏡を入れ、内部を約30分間撮影。配管や内壁の様子は確認できたが、水面は見えなかった。温度計で温度を計ったところ44.7度で、既設の温度計による温度(42.6度)と大きな差はなかった。

 調査は、廃炉に向けた作業の一環で、炉心溶融(メルトダウン)した燃料が溶け落ちているとみられる格納容器内の様子や汚染水の水位、温度などを調べるのが目的。

 東電は同日、動画から切り取った静止画像7枚を公表した。どれも、放射線の影響で全体に白い斑点が映っている。また、画像に映っていた配管は貫通口出口付近や上部にあるもので、目立った破損は見られなかった。内壁は、高温の影響などで塗料がはがれている。湿気が高く天井部分が結露した状態になっており、上から水滴がしたたっていたという。

 汚染水の水面について東電は当初、格納容器の底から約4.5メートルのところにあると推定していた。今回、底から約4.1メートルの場所を調べたが水面は確認できず、実際にはさらに低い位置にあるとみられるという。

 一方、今回計測した格納容器内の温度は、既設の温度計のデータと大きく変わらなかった。東電は同日の記者会見で「内部を直接調査し、(推定していた)冷温停止状態と大きく違うということではなかった」と説明した。
−−−毎日新聞


2号機格納容器内部の映像公開、想定より低水位

 東京電力は19日、福島第1原発2号機の原子炉格納容器内部に工業用内視鏡を入れて調査し、画像を公開した。大きな損傷は見られなかったが、格納容器内の水位が想定よりも低いことが明らかになった。事故後、格納容器の内部を直接調べるのは1〜3号機で初めて。

 東電によると、格納容器内部は蒸気や放射線によるノイズで、鮮明な画像は得られなかった。配管などに大きな変形はなかったほか、蒸気が冷やされた水滴が上から落ちてくる様子が確認できたという。溶融燃料は見えなかった。

 東電は当初、内部の水位を格納容器底から4・5メートル程度とみていたが、底から4メートルのところまで確認したが水面はなく、水位は想定より50センチ以上低かった。内視鏡に取り付けた温度計による測定では、内部温度は44・7度で、既設温度計の値と大きな差はなかった。
−−−産経新聞


原発 格納容器内部を内視鏡で調査

東京電力福島第一原子力発電所で、19日、内視鏡を使って2号機の格納容器の内部の状況を調べたところ、壁や配管の一部は撮影できたものの、放射線や汚染水による湯気の影響で画像が不鮮明になるなど、詳しい状況は確認できませんでした。

福島第一原発では、メルトダウンが起きた1号機から3号機の溶け落ちた燃料の状態や、格納容器の内部の詳しい状態が分かっておらず、今後の燃料の取り出しや安定した冷却を続けるうえで、大きな課題となっています。このため東京電力は、19日午前、2号機の格納容器の貫通部から放射線に耐えられる工業用の内視鏡を中に入れて、事故のあと初めて、格納容器の内部の状況や温度を調べました。その結果、撮影された写真には、格納容器の内部の壁や設置された配管の一部が写っていました。しかし、写真の画像は不鮮明で、放射線の影響で白い斑点が多数写っていたほか、汚染水の湯気による水滴の影響とみられています。また、19日の調査では、今後の廃炉の作業に向けて、格納容器の水漏れが起きている場所に近いとみられる汚染水の水面を確認するのが目的の1つでしたが、水面は予想より水位が低く内視鏡で撮影できず、詳しい状況は分かりませんでした。写真を分析した東京電力は、写っている内部の壁や配管などに大きな破損や変形はなかったと説明しています。一方で、今回初めて、直接、測定された格納容器の内部の温度は44.7度で、これまで計測されている格納容器の周辺に設置された温度計が42.6度だったことから、温度計に大きな誤差はないとしています。福島第一原発では、今後の廃炉の作業に向けて、格納容器の内部の状態を把握することが不可欠ですが、19日の内視鏡を使った調査は課題を残す結果となりました。東京電力の松本純一本部長代理は、「今回の撮影の目的は一応達成できて、温度の確認もできたのは大きな成果だが、内部に放射性物質が大量にあるため、放射線の一種、ガンマ線の影響が大きく、また水滴の影響でほとんど視界が効かなかった。今後、別の装置も使えないか検討を進めたい」と話しています。


原子炉工学が専門の東京工業大学の二ノ方壽教授は、内視鏡で撮影された写真を見て「格納容器の中の装置類が思ったよりも写し出されている。写真を見るかぎり、配管や壁に大きな破損は見られない」と話しています。また、温度が計測されたことについて「直接測った内部の温度が40度余りだったということは、溶けた燃料はそれなりに低い温度を保っているということが改めて確認できた」としています。そのうえで、水面を確認できなかったことについて、「水面の位置を確認することは格納容器の破損の位置や大きさなどを知るために必要なだけに残念な結果だ。格納容器の中は温度が下がったとしても水蒸気が立ちこめる状態であるし、光の限界もあって今回は難しかったと思われるが、今後はさらに内部を見るための技術的な工夫やカメラ開発に力を入れて、少しでも内部の様子をつかんでいくことが重要だ」と話しています。
−−−NHK







平成24年1月19日

2号機格納容器の内部を内視鏡調査 

 東京電力は19日、福島第1原発2号機の格納容器内に工業用の内視鏡を入れ、冷却水の水位などを調査した。格納容器内を直接確認するのは1〜3号機で事故後初めて。
 格納容器がある原子炉建屋1階で、床から高さ約2.5メートルにある貫通部の穴に内視鏡を挿入。先端のカメラは周囲360度を撮影でき、溶融した燃料を冷却するために入れている水の高さを確認する。先端に取り付けた温度計で内部の温度も調べた。
 2号機は圧力容器にあった燃料が溶け、外側の格納容器の底にも落ちているとみられる。東電は1、3号機でも同様の調査を計画している。〔共同〕
−−−日経新聞







福島の食事、1日4ベクレル 被曝、国基準の40分の1

 家庭で1日の食事に含まれる放射性セシウムの量について、福島、関東、西日本の53家族を対象に、朝日新聞社と京都大学・環境衛生研究室が共同で調査した。福島県では3食で4.01ベクレル、関東地方で0.35ベクレル、西日本でほとんど検出されないなど、東京電力福島第一原発からの距離で差があった。福島の水準の食事を1年間食べた場合、人体の内部被曝(ひばく)線量は、4月から適用される国の新基準で超えないよう定められた年間被曝線量の40分の1にとどまっていた。

 調査は昨年12月4日、全国53家族から家族1人が1日に食べた食事や飲んだものをすべて提供してもらい行った。協力家族の居住地は、福島県が26、関東地方(群馬・栃木・茨城・千葉・埼玉・東京・神奈川)が16、中部(長野・愛知・岐阜・三重)、関西(大阪・京都)、九州(福岡)など西日本が11。普段通りの食材で料理してもらった。福島では、地元産の野菜などを使う人が多かった。

 1日の食事から取り込むセシウムの量は、福島県内に住む26家族で中央値は4.01ベクレルだった。この検査法で確認できる値(検出限界)以下の正確な値がわからないため、平均値ではなく、検出値を順に並べて真ん中に当たる中央値で分析した。

 この食事を毎日1年間、食べた場合の被曝線量は0.023ミリシーベルトで、国が4月から適用する食品の新基準で、超えないよう定めた1ミリシーベルトを大きく下回っていた。福島でもっとも多かったのは、1日あたり17.30ベクレル。この水準でも年間の推定被曝線量は0.1ミリシーベルトで、新基準の10分の1になる。原発事故前から食品には、放射性のカリウム40が含まれており、その自然放射線による年間被曝線量は0.2ミリシーベルト(日本人平均)ある。セシウムによる被曝線量はこれを下回った。

 調査した京都大医学研究科の小泉昭夫教授は「福島のセシウム量でも十分低く、健康影響を心配するほどのレベルではなかった」と話している。
−−−朝日新聞


避難判断にSPEEDI使わず…安全委が改定案

原子力防災指針の改定を検討している内閣府原子力安全委員会の作業部会は18日、原発事故で住民の避難判断をする際、放射性物質拡散予測システム「SPEEDI(スピーディ)」は信頼性が低いため使わず、実測した放射線量などをもとに判断するという見直し案をまとめた。「スピーディの予測は不確実性が大きく、緊急時の活用は困難」というのが見解。「予測情報が提供されていれば、より適切な避難経路などを選ぶことができた」とする政府の東京電力福島第一原子力発電所事故調査・検証委員会の中間報告書(昨年12月)の指摘と対立するもので、議論を呼びそうだ。

 現行の原子力防災指針では、「スピーディの情報や事故状況などを基に、50ミリ・シーベルト以上の被曝(ひばく)が予測される場合に、避難指示を出す」となっているが、実際の住民の避難指示には活用されず、批判されていた。
ーーーー読売新聞


=====コメント=====
ちょっと国民をなめていませんか? 何のためのSPEEDIなのか? 多額な予算を使い無用とは。 実際今回の事故の場合、SPEEDIの予測は当っていたのではないでしょうか? 訳のわからないことをいうのは何かを弁護しているのだろうか? 説明不足で判らない案を平気で出す委員会自体存在理由が希薄だ。





平成24年1月18日

原発運転、最長で60年…例外延長1回のみ容認

原子力発電所の運転を原則40年以上は認めないとする原子炉等規制法改正案を巡り、政府は17日、例外として電力事業者に1回の運転延長を認め、期間は最長で20年とする規定を盛り込む方針を明らかにした。

 同法改正案が次期通常国会で成立した場合、安全審査をクリアした原発は、使用前検査に合格してから最も長い場合は60年まで運転することが可能になる。

 内閣官房原子力安全規制組織等改革準備室によると、今回の規定は、運転を40年で区切って最長で20年の延長を認めている米国の制度を参考にしたといい、「世界的な潮流からしても、延長を認める期間を20年とする規定は妥当だ」と説明した。改正案は今月中に閣議決定される見通し。
−−−読売新聞


送電トラブルでプール冷却一時停止 福島第1、第2原発

東京電力は17日、送電設備で同日午後4時10分ごろにトラブルが起き、電圧が一時的に低下して福島第1原発と第2原発の使用済み燃料貯蔵プール冷却や、汚染水浄化システムの一部が一時停止したと発表した。第1原発の原子炉注水や放射性物質のモニタリングには影響がなく、東電は「冷温停止状態に問題はない」としている。プール水温にも大きな変化はなかった。

 東電によると、送電網につながる「南いわき開閉所」の設備にトラブルが発生。電圧低下の影響で第1原発2、3、6号機、第2原発1、3号機の燃料貯蔵プール冷却装置が止まった。第1原発のセシウム吸着装置も停止した。格納容器への窒素ガス注入も停止したが、その後再開した。

 また、東電は17日、第1原発2号機の格納容器内部を調べるため、格納容器の穴開け作業を行った。19日に内視鏡を挿入する。
−−−産経新聞


2号機内視鏡調査へ 穴開け作業

東京電力福島第一原子力発電所の廃炉作業に向けて、まだ分かっていない格納容器の内部の状況を内視鏡を使って初めて調べるため、17日、2号機で内視鏡を入れる穴を開ける作業が行われました。

福島第一原発では、メルトダウンが起きた1号機から3号機の溶けた核燃料の状態や、格納容器の内部の詳しい状況が分かっておらず、今後の廃炉に向けた作業や、安定した冷却を続けるうえで、大きな課題となっています。このため東京電力は、まず2号機の格納容器について、高い放射線量に耐えられる工業用の内視鏡を入れて、内部の状況や温度を詳しく調べることになりました。17日は、19日に予定している調査に向けて、原子炉建屋1階の北西側に作業員が入り、格納容器に配管などを差し込む予備用の貫通部に内視鏡を入れる穴を開ける作業を行いました。作業は4人1組で、10組、合わせて40人の態勢で行い、東京電力によりますと、短時間に作業を終えるため、2号機と同じタイプの5号機などで訓練を繰り返してきたということで、17日の作業での被ばく線量は最大で3ミリシーベルトだったということです。東京電力では、17日の作業が順調に進んだことから、予定どおり19日、格納容器に内視鏡を入れるということで、格納容器の内部が観察できれば、2号機が初めてとなります。







平成24年1月17日

汚染石材問題、17社対象に流通経路調査 経産省方針

福島県二本松市の新築マンション工事に放射性物質で汚染されたコンクリートが使われたとされる問題で、経済産業省は、東京電力福島第一原発事故に伴う計画的避難区域と、特定避難勧奨地点周辺にある同県内の採石・砕石会社17社から出された石を対象に流通経路を調べていく方針を固めた。

 一方、福島県は、東日本大震災後に県内で着工された新築の住宅を対象に屋内の放射線量測定を進めることを検討している。

 経産省によると、二本松市のマンションで使われたコンクリ材料の石は、計画的避難区域の同県浪江町にある「双葉砕石工業」の砕石場のもの。同区域内には業者がほかに飯舘村などの6社ある。経産省はこれらに加え、線量が高い特定避難勧奨地点周辺に位置する10社の石も調べる必要があると判断した。
−−−朝日新聞


汚染水保管メガフロート、5億円で東電に譲渡へ 静岡市

静岡市は16日、東京電力福島第一原発事故で出た放射能汚染水を一時保管しているメガフロート(大型浮体式構造物)を、東電に5億932万8千円で譲渡すると発表した。すでに仮契約を済ませており、市議会2月定例会の議決を経て本契約する。

 メガフロートは長さ136メートル、幅46メートル、高さ3メートルの鋼鉄製。内部に九つの空洞があり、容量約1万8千トン。静岡市が2003年に購入し、清水港で「海づり公園」として活用。原発事故後に東電に無償貸与していた。

 譲渡額は、購入費と公園の建設・整備費を合わせたものと同額。市は今後、清水港での代替施設の建設を検討するという。
ーーー朝日新聞







平成24年1月16日


二本松の新築マンションで高線量 浪江で土台の材料採取

福島県二本松市の新築マンションの工事に、東京電力福島第一原発事故で出た放射性物質に汚染されたコンクリートが使われていたことがわかった。マンション1階の床からは屋外より高い放射線量が測定された。同市と国が15日発表した。

 コンクリの材料に、計画的避難区域内の砕石場の石が使われたのが原因とみられる。同じ材料が数百カ所の工事に使われたとみられ、国は石やコンクリの流通経路を調査している。

 発表によると、汚染されたコンクリが使われたのは、昨年7月に完成した二本松市若宮地区の鉄筋コンクリート3階建て賃貸マンションの土台部分。1階の室内の高さ1メートルの線量が毎時1.16〜1.24マイクロシーベルトで、屋外の同0.7〜1.0マイクロシーベルトより高かった。2、3階の室内は同0.10〜0.38マイクロシーベルトという。

 コンクリの材料になった石は、計画的避難区域に入っている浪江町南津島の砕石場から搬出。コンクリ会社を通じ昨年4月11日、マンションの基礎工事に57.5立方メートルのコンクリが使われた。

 砕石場では原発事故前に採取した石を砕き、事故後も屋外に置いて避難区域に指定される同月22日まで出荷を続けたという。経済産業省などによると、この砕石会社は県内の19社に計5200トンを出荷。このうち、マンションにコンクリを納入した二本松市の会社からは県内の百数十社に販売され、数百カ所の工事に使われたとみられるという。

 二本松市は昨年9〜11月、子どもなどの積算線量を計測。マンションに住む女子中学生の3カ月間の線量が1.62ミリシーベルトと比較的高かったため、市が調べた。マンションには12世帯が入居している。

 マンション1階の室内に24時間滞在する仮定で計算すると、年間の線量は10ミリシーベルト前後になる。
−−−朝日新聞







平成24年1月13日


カリウムでセシウム低減 核実験のビキニで米研究

米国が1940〜50年代に繰り返した核実験のため、放射性降下物「死の灰」で汚染された太平洋・マーシャル諸島のビキニ環礁では、核の研究機関「米国立リバモア研究所」が、放射性セシウムを作物が吸収するのを抑えるため、土壌にカリウムを加える実験を続けている。(SANKEI EXPRESS

カリウムでセシウム低減 アメリカで実験
米国立リバモア研究所実験畑
セシウム低減実験 米国リバーモア研究所
米国立リバモア研究所実験畑のヤシ

 カリウムはセシウムと似た性質を持ち植物に吸収されやすい。実験では、ヤシの実などでセシウムが減る効果が表れており、研究所は「カリウムを加えることが最も効果的」としている。

 福島県で玄米から国の暫定基準値を超えるセシウムが相次いで検出された問題でも、カリウムの濃度が低い水田はコメのセシウム濃度が高い傾向にあることが判明した。

 住民が移住を強いられ無人のままのビキニ環礁では、米国が30年以上、陸と海で残留放射線のモニタリングを続けている。今も土壌からセシウムやプルトニウム、ストロンチウムなどが検出されており、最も汚染度が高い所では、1キログラム当たり千〜3千ベクレルのセシウムが含まれている。

リバモア研究所は90年代に、土壌からの植物へのセシウムの移行を減らす研究を開始。マーシャルの人たちが日常口にするヤシの実やパンノキの実は、カリウムを肥料として土壌に加えると、セシウムが約20分の1に減ったという。

 ただ、こうした木になる実よりも、葉物野菜の方がもともとセシウムの吸収率が高く、葉物野菜と穀類については2012〜13年、異なる量のカリウムを加える実験をして効果を調べる予定。

 ビキニ環礁では、米国が68年に安全宣言を出したため住民が帰島。だが流産や体調不良を訴える人が相次ぎ、78年に再び強制退去させられ、島で採れるものを食べることは今も禁止されている。

 研究所は島での1年間の外部被ばく線量を0・1ミリシーベルトと推測。仮に食べた場合は内部被ばくと合わせて年間1ミリシーベルトを超えるという。
−−−産経新聞






平成24年1月12日


「屋根を高圧洗浄」除染効果低い 事故から時間経過で

東京電力福島第一原発の事故で汚染された家の屋根を高圧水で洗う「高圧洗浄」について、専門家や住宅メーカーが注意を呼びかけている。事故から時間がたち、いくら高圧で洗っても放射線量が落ちなくなっている。水圧を強めると屋根を傷つける恐れもある。高圧洗浄を除染メニューから外す市町村も出てきた。

 東北・関東地方の8県の102市町村で進む除染の環境省ガイドラインでも、高圧洗浄は効果的な方法として挙げられている。

 福島県は昨年8月、福島市大波地区で民家の屋根を高圧洗浄した。しかし、表面から1センチのところでの放射線量は半減にも及ばなかった。除染前に毎時2.4マイクロシーベルトだったコンクリート屋根は高圧洗浄後でも1.6マイクロシーベルトだった。さらに、2.4マイクロシーベルトだったスレート屋根は2マイクロシーベルトに、1.2マイクロシーベルトだった瓦屋根は1.1マイクロシーベルトにとどまった。
−−−朝日新聞


コオロギ5百匹からセシウム4千ベクレル検出

東京電力福島第一原発事故で、原発から40キロ離れた計画的避難区域内に生息するコオロギから1キロ・グラム(約500匹)あたり4000ベクレル以上の放射性セシウムが検出されたことが、東京農工大の普後一(ふごはじめ)副学長(昆虫生理学)の調査でわかった。別の場所のイナゴからも最大200ベクレルを検出した。

 調査は、昨年10月、原発から約40キロほど離れた計画的避難区域の福島県飯舘村北部でコオロギ500匹、60〜80キロ離れた本宮市役所付近や須賀川市北部、桑折町役場付近、猪苗代町の猪苗代湖付近の水田でイナゴ計2000匹を採集した。

 飯舘村のコオロギからは1キロ・グラムあたり平均4170ベクレルを検出。須賀川市のイナゴは同196ベクレル、桑折町と本宮市は、それぞれ同82ベクレルと75ベクレルだった。
−−−読売新聞





平成24年1月9日


2・3号機 取水口濃度変化なし

東京電力福島第一原子力発電所の2号機と3号機の取水口付近で、7日に採取された海水に含まれる放射性物質の濃度は、大きな変化はありませんでした。福島第一原発の周辺では、去年4月と5月に海水から高い濃度で放射性物質が検出された2号機と3号機の取水口付近などで、東京電力が海水を採取し、放射性物質の測定を行っています。7日に2号機の取水口付近で採取した海水からは、1cc当たり、セシウム134が国の基準の2.5倍の0.15ベクレル、セシウム137が1.8倍の0.16ベクレル検出されました。また、3号機の取水口付近では、セシウム134が基準の4倍の0.24ベクレル、セシウム137が3.6倍の0.32ベクレル検出されました。2号機、3号機ともに前の日と比べて大きな変化はありませんでした。一方、6日と7日、沿岸と沖合の合わせて8か所で行った調査では、福島第一原発の5号機と6号機の放水口から北におよそ30メートル付近など、沿岸の2か所で放射性セシウムが検出されましたが、いずれも基準を大幅に下回りました。
−−−NHK





平成24年1月4日


原子炉状況、丸1日「見えず」…保安院で不具合

 原子力発電所の事故に備えた経済産業省原子力安全・保安院の「緊急時対策支援システム」(ERSS)が、30日昼過ぎから31日午後まで丸1日停止し、保安院で原子炉内部の状況を把握できなくなった。
保安院によると、運転中の各原発からは炉内のデータが正常に集まっていたが、それを入力するシステムに不具合が起きたという。

 ERSSは、国内の全原発から原子炉内の温度や放射線量、水位などのデータを収集する。事故の際には、ERSSの計算を基に、「SPEEDI」という別のシステムで放射性物質の拡散を予測する。しかし、東京電力福島第一原発の事故の際には、通信回線の不調でデータが集まらず、住民避難に生かせなかった。
−−−読売新聞


放射性物質の除去装置を開発

東京電力福島第一原子力発電所の事故で、水や土壌などに拡散した放射性物質の除去が大きな課題となるなか、大手電機メーカーが、福島第一原発で使われている除染の技術を活用して放射性物質を取り除く装置を開発しました。
放射性物質を取り除く除染についての特別措置法が今月、施行され、県や市町村などが今後、本格的な除染を行うことになります。こうしたなか、大手電機メーカーの東芝は、土壌の除染を行う装置を新たに開発したもので、トラックで運搬して使えるように小型化したのが特徴です。この装置は、土や汚泥などをタンクに入れ、シュウ酸と混ぜることで放射性物質を分離し、さらに吸着剤を使って取り除く仕組みで、1日当たり1.7トンの土などを処理できます。会社側では、およそ97%の放射性物質を取り除けるため、処理したあとの土などは元に戻すことができ、特別な保管場所などを設ける必要はないと説明しています。また、東芝はIHIと共同で、ため池にたまったり除染活動で生じたりする低濃度の汚染水から放射性物質を取り除く装置も開発しました。2つの装置とも福島第一原発で実際に使われている技術を活用したもので、すでに企業から工場などの除染に利用したいという問い合わせが寄せられているほか、自治体も関心を寄せているということです。ただ、処理能力に限界があることや、コストがかかることが課題になるとみられ、会社側では、需要を見極めながらできるだけ増産していきたい考えです。東芝の畠澤守部長は「放出された放射性物質を取り除いて住民が早く戻れるよう、メーカーとしての役目を果たしていきたい」と話しています。
−−−NHK

ヨウ素剤判断にSPEEDI使わず

東京電力福島第一原子力発電所の事故で、放射性物質の広がりを予測するシステムが機能せず、甲状腺の被ばくを避けるヨウ素剤の取り扱いに混乱が生じたことから、国の原子力安全委員会は、ヨウ素剤の服用を指示するかどうかの判断に予測システムは使わないことを決め、空気中の放射線量など別の指標を導入することになりました。

SPEED使わず 原子力安全委員会

原子力事故の際、甲状腺の被ばくを避けるヨウ素剤を服用するかどうかは、放射性物質の広がりを予測する「SPEEDI」というコンピューターシステムのデータを基に国などが判断し、住民に指示することになっています。しかし、福島第一原発の事故ではシステムが機能せず、国や福島県が判断を示さなかったことから、市町村によってはヨウ素剤の取り扱いに混乱が生じました。このため原子力安全委員会の作業部会は、今後も迅速な対応につながるか疑わしいとして、ヨウ素剤の服用を指示するかどうかの判断に予測システムは使わないことを決めました。代わりに、空気中の放射線量や原子炉の水位などのデータの利用を検討しています。さらに、服用の基準についても国際的な動きに合わせて見直し、1歳児の甲状腺の被ばく線量で今の半分の50ミリシーベルトに引き下げるということです。作業部会では今後、指標についての具体的な数値を検討し、ことし3月までに提言にまとめることにしています。
−−−NHK





平成23年12月31日


高濃度汚染車両、原発外に 東電、適切な管理怠る

 東京電力福島第一原発の事故当時、原発敷地内に駐車していて高濃度に汚染された東電社員らの車について、東電が適切な管理を怠っていた。なかには、中古車市場に流通したり、近隣住民との間でトラブルを起こしたりしている車も出ている。専門家は「放射線量の高い車は、敷地内で発生したがれきと同様に扱うべきだ」と指摘している。

 東電広報部によると、震災から12日後の3月23日からJヴィレッジ(福島県楢葉町、広野町)で放射線検査と除染を始め、一定レベル以上の放射線量の車は外部に出せなくしたが、それ以前は原発敷地内から検査なしで車を持ち出すことが可能だった。震災時、原発内には東電社員755人と協力企業の従業員5660人がいた。社員らが駐車していた車や事故後に持ち出した車の台数は「把握していない」という。

 今年6月、東電社員から修理を頼まれたという福島県内の自動車修理業者は、「車のワイパー付近で毎時279マイクロシーベルトを計測したんです。何で、こんな車が原発の外に出るのか」と憤り、測定した際の写真を差し出した。仮に1日12分間浴びた場合、年間被曝(ひばく)量が、国が避難を促す目安の年間20ミリシーベルトを超える値だ。
−−−朝日新聞






平成23年12月30日


放射能が列島を裂く〈リスク社会に生き・プロローグ

放射能への不安が、列島を分断する。

 東京電力福島第一原発から千キロの佐賀県武雄市役所。11月末、千件を超えるメール、電話が殺到した。

 「安全な九州を守って」。被災地のがれきを受け入れるという市長の方針に向けられた抗議は、ほとんどが県外からだった。

 「離れている方も声をあげて」。首都圏からネットで抗議を呼びかける人々もいた。匿名の脅迫もあり、市長は数日で方針を撤回した。被災地でボランティアを経験した市議は言う。「なんで部外者が口出しをするのか」

■家族さえ

 不安は家族をも分かつ。

 原発から230キロの東京都目黒区。「夫を置いて西日本へ逃げたい」と4歳の男児の母親(28)は思う。

 原発事故が生活を変えた。幼稚園に通う息子に常に二重のマスクをさせ、晴れていても雨がっぱを着せる。帰宅後はすぐにシャワーを浴びさせ、ペットボトルの水で全身を洗い流す。

 「そんなことやめろ」と夫は言う。けんかはときに、3時間に及んだ。「どうせ分かってもらえない。夫にはもう何も言わない」

 人々は福島を避ける。

 原発から66キロの福島県須賀川市。安全な農作物の直販を売りにしてきた農業生産法人「ジェイラップ」は原発事故後、注文が半分に減った。

 この秋収穫した米や野菜に含まれる放射性物質は、日本より厳しいウクライナの基準を大きく下回った。だが顧客はまだ戻らない。「福島産というだけでブレーキを踏まれる」。伊藤俊彦社長(54)は嘆く。

 不安と科学はすれ違う。

 「この本、中身は間違ってると思います」。11月下旬、放射線医学のある研究者は、京都市での講演会で、内部被曝(ひばく)の危険性を訴えてベストセラーになった書籍に大きな赤いバツを重ね、スクリーンに映した。

 だが、その著者に直接、議論を挑む気はない。「何を言っても分からない人はいる。そういう人を納得させるのは無理だ」

 歴史は繰り返す。

 東京都杉並区に住む岡田良子さん(70)は最近、亡くなった母、明子さんの半世紀前の姿を思いだす。

■あの時も

 1954年、ビキニ水爆実験で「第五福竜丸」が被曝し、魚の放射能汚染に関心が集まった。「子どもを守りたい」と母たちは署名運動に打ち込み、原水禁運動として全国に広がった。

 周囲の視線は、決して温かくはなかった。深夜まで署名の確認作業を続ける母を、父親は「バカなことをするな」と叱った。その姿が、悩み惑う今の母親たちとどこか、重なる。

 普段から台所に立つ母親だからこそ感じる不安がある、と思う。事故を防げなかった国に安全を任せていいのか、とも。

 「怖いと思ったら、怖いって言う。それも大事じゃないですか」(松川敦志)

    ◇

−−−朝日新聞


東日本大震災:暮らしどうなる? チェルノブイリの経験から 内部被ばく減らす食事を

チェルノブイリ原発事故が起きたウクライナで、内部被ばくの一番の原因は、放射性物質で汚染された食品の摂取だった。ウクライナで事故以来25年間、子どもの健康調査を続ける医学博士、エフゲーニャ・ステパノワさんに、被害の実態と大人ができることを聞いた。【中村美奈子】

 ◇野菜は洗い、皮をむく/肉、魚は塩水に漬ける/干しぶどう、チーズ有効

 事故前はロシアの小児科医だったステパノワさんは現在、ウクライナ放射線医学研究センター放射線・小児・先天・遺伝研究室長。NGO「グリーンピース・ジャパン」主催の福島市での講演会で今月、子どもたちの健康被害について語った。

 ウクライナは、放射性セシウムの汚染度によって、被災地を(1)立ち入り禁止区域(原発から30キロ圏内)(2)強制移住区域(年間被ばく線量5ミリシーベルト超)(3)自主移住区域(同1ミリシーベルト超)(4)放射線環境強化管理区域(同0・5ミリシーベルト超)の四つに分けた。汚染地域の住民の被ばく量は年間1ミリシーベルト以内、生涯で70ミリシーベルト以内と法律で決められた。福島市と郡山市のそれぞれ一部は、ウクライナでいえば強制移住区域にあたる。

 ステパノワさんによると、事故で被災したウクライナの子は90万人で、そのうち86年から08年までに甲状腺がんになった子は6049人。事故前は発症者10〜20人の珍しい病気だったという。

 「汚染された食品が最大の内部被ばく源で、牛乳がその8割を占めた」とステパノワさん。子どもの主要な栄養源だったからで、今も汚染されていない乳製品の入手は困難な地域があるという。

 がん以外の異変もある。汚染地域に住む子どもは複数の慢性疾患にかかることが多い。「病が長く続き、再発する傾向がある。治療の効果は薄い」とステパノワさんは話した。汚染地域では消化器系の病気の子が増えた。年間線量が5ミリシーベルト超の強制移住区域では汚染が少ない地域と比べ、気管支炎などの呼吸器疾患、肝臓組織の筋腫化、血液系障害、免疫障害になる子が約2倍になった。がん以外の病気や障害は、事故との関連を含め研究が始まったばかりという。

 ステパノワさんが強く訴えたのは「毎年必ず子どもの健康診断をすること」だ。ウクライナでは、被災地に設置した国の健康保護センターで健康診断を行う。小児科▽内分泌▽血液▽神経▽眼▽咽喉(いんこう)(のど)▽外科の7分野で各専門医が超音波や血液検査を毎年実施し、国へデータを送る。被災者への医療や健康診断はすべて無料だ。

 「早期発見が最も大事。ウクライナで甲状腺がんで死んだ子は、早期発見できなかった2人だけ。できることはたくさんある」。その一つが、毎年子どもを汚染地域外に送り健康増進プログラムを行う国の事業だ。4週間以上保養地で過ごし、被ばく量を減らすのに大変効果があるという。

    ◇  ◇

 食品による内部被ばくはどうしたら減らせるのか。ステパノワさんによると下ごしらえが重要で、▽よく洗う▽ゆでる▽肉や魚を塩水に漬ける−−ことを住民に指導している。

 野菜はまず洗い、5ミリの厚さで皮をむき、さらに洗い、ゆでる。こうした処理でセシウムは30〜50%減らせるという。ゆで汁は捨て、使わない。

 肉や魚は2〜3時間塩水に漬け、この間数回塩水を替える。塩水の濃度はしょっぱければよい。

 桃やにんじん、りんご、ぶどうなど植物由来の抗酸化物質が入った食品には、放射性物質を排出させる働きがある。ウクライナの強制移住区域の小学校や幼稚園ではこれらの生ジュースや食物繊維のペクチンを含む補助食品が与えられ、無料で給食が出る。

 「カリウムはセシウム、カルシウムはストロンチウムと体内での動きが似ている。事前にカリウムをたくさん取れば、放射性セシウムが体内に入る余地がなくなる。同様に、カルシウムをたくさん取れば、ストロンチウムも入ってこられない」とステパノワさんは言う。

 積極的に食べたいのは、カリウムをたくさん含む、汚染されていない干しぶどうや干しアンズ。生より干した物の方がカリウム濃度が高い。カルシウムはチーズで取るのがおすすめ。牛乳が汚染されていても、チーズの製造過程で液体部分の乳清に放射性物質が出ていくからだという。「農家には、汚染された牛乳はチーズにしなさいと助言している。穀物や野菜、海藻を豊富に取るのも効果があると思う」と話す。

    ◇  ◇

 ウクライナの北隣、ベラルーシに90年に設立された民間研究所「ベルラド放射能安全研究所」の放射能対策をまとめた「自分と子どもを放射能から守るには」(世界文化社刊)は、食事対策を詳しく解説している。

 同書によると、放射性セシウムは水に溶けやすく、油脂類とは結合しない。セシウムがたまりやすいレバーなどの内臓や、ストロンチウムがたまりやすい骨付き肉は放射能検査済みの物を買い、魚は内臓、頭部、えら、皮、骨を取り除く。肉も魚も2%の塩水に12時間さらし、その間数回塩水を替える。骨を煮出したスープは飲まない。

 訳者の辰巳雅子さんによると、野菜は洗って皮をむいた後に、再度よく洗うことを徹底する。キノコと肉・魚は、塩水に漬けると浸透圧で食材の水分がしみ出してくるため、除去効果が上がる。また塩水に酢を少し入れると、肉や魚のたんぱく質流出を防ぐという。
−−−毎日新聞


福島第1原発 曲折越えて「安定」 廃炉へ未知の闘い

 3月11日の東日本大震災で発生した東京電力福島第1原発の事故は、約9カ月をへてようやく原子炉の冷温停止状態を達成した。原子炉格納容器を水で満たし圧力容器ごと冷却する「冠水」の断念など、多くの曲折を越えて一定の安定状態にこぎつけた。今後は廃炉に向けた作業が始まるが、溶融燃料の取り出し方法の模索など課題は山積している。(原子力取材班)

冠水断念

 津波による全電源喪失で冷却機能が失われた中、原子炉内や燃料貯蔵プールの燃料をどうやって冷やすかが、当初の焦点だった。消防車を使って原子炉に水を入れ、淡水が足りなくなると海水も注入したが、後の解析で燃料は1号機で早期に溶け、2、3号機も数日以内に溶けていたと判明している。

 冷却を進める中、建屋地下などに高濃度の放射性物質(放射能)を含む汚染水が見つかり、海への流出も発覚。保管場所の確保を迫られた東電は、比較的低濃度の汚染水を海へ放出し、国内外から批判を浴びた。

 こうした中、東電は4月17日、事故収束へ向けた工程表を公表した。燃料冷却のため、格納容器を水で満たす「冠水」計画を打ち出したが、大量注水にもかかわらず水位が確保できず、結局断念に追い込まれた。

冠水に代わり打ち出されたのが、「循環注水冷却」。原子炉から漏れて建屋にたまっている大量の汚染水から放射性物質を取り除き、原子炉冷却に再利用するシステムだ。

 6月に稼働した冷却システムは、再三トラブルを繰り返しながらも、高濃度汚染水を減らすことに成功。原子炉への注水を増やせるようになり、9月には1〜3号機すべてで圧力容器下部の温度が100度を下回り、放射性物質の放出も減って、「冷温停止状態」の条件が整い始めた。

 ところが、11月初旬、2号機原子炉から放射性キセノンが検出され、一時、核分裂反応が連続して起きる「臨界」を疑う騒ぎになった。東電の解析で、溶融燃料は格納容器底のコンクリートを侵食し、外殻に当たる鋼鉄の板まで37センチまで迫っていたことも明らかになり、厳しい原子炉内の状況が改めて示された。

 年明けからは、最長40年とされる廃炉の工程が本格化するが、幾多の困難が予想される。

 強い放射線を出す溶融燃料の取り出しのため、格納容器を水で満たす「冠水」を計画しているものの、注水を続けながら漏洩場所を特定、補修する作業が必要で、エネルギー総合工学研究所・原子力工学センターの内藤正則部長は「前例も装置もなく、未知の領域だ」と指摘している。
−−−産経新聞






平成23年12月29日


コメの暫定基準超え0.3% 福島県の線量高い地区

福島県産のコメから国の暫定基準値(1キロあたり500ベクレル)を超える放射性セシウムが検出された問題で、県は28日、放射線量が比較的高い地区を対象にした全戸調査を終えたと発表した。暫定基準値を超えたのは福島、伊達、二本松の3市7地区の14戸14サンプルで、全体の0.3%。新たな基準値案の同100ベクレルを超えたのはサンプル全体の5.5%だった。

 調査は、「特定避難勧奨地点」に指定されるなどした6市22地区の4840戸を対象に11月下旬から実施してきた。

 県は、収穫時の検査でわずかでもセシウムが検出されたコメがとれた29市町村128地区の計約2万戸を対象に、1月末をめどに調査を終える。結果は来年の作付けの参考になる。
−−−朝日新聞


中間貯蔵施設:「期間は30年以内」環境省が地元に約束

 東京電力福島第1原発事故後の除染で発生した汚染土壌などを保管する中間貯蔵施設について、28日、福島県双葉郡内での建設を要請するため同県を訪れた環境省の高山智司政務官は地元8町村長らとの会談で、国が示す「貯蔵期間は30年以内」について、政権交代しても必ず守ることを約束した。中間貯蔵施設をめぐっては、なし崩しで最終処分場になることを懸念する声があり、配慮したとみられる。【藤野基文、山本太一】

 会談は福島市内で非公開で行われ、細野豪志環境相、高山政務官と地元8町村長らが出席。複数の町村長によると、高山政務官は政権交代があっても「貯蔵期間30年以内」を絶対に担保できるような方法を検討すると約束したという。

 記者会見した細野環境相は「(線量の高い)郡内にとって除染は非常に重要。そのために中間貯蔵施設建設は避けて通れないということは分かってもらえたと思う」と述べた。

 中間貯蔵施設の数については「長期間安定的に貯蔵するためには1カ所がよい」との考えを示した。国は警戒区域(楢葉町は警戒区域外も含む)と計画的避難区域を「除染特別地域」に指定し、国直轄で除染することを決めているが、来年の早い時期に工程表を示すことも明らかにした。

 双葉郡内に中間貯蔵施設を建設する理由について細野環境相は(1)汚染土壌の大量発生地に近い(2)年間放射線量が100ミリシーベルトを超える地域の土地を国が買い取、または借り上げて用地を確保する(3)原発立地時に地盤などの調査が済んでいる−−の3点を挙げている。
−−−毎日新聞


2、3号機も老朽化の影響なし

東京電力福島第1原発2、3号機について、経済産業省原子力安全・保安院は28日、3月の事故は高経年化(老朽化)の影響はなかったとの見解を公表した。すでに1号機も同様の見解を出している。原発の専門家が参加する意見聴取会で報告した。
−−−産経新聞


3号機 ベントで水素逆流し爆発か

東京電力福島第一原子力発電所の3号機で、格納容器の気体を放出する「ベント」を行った際、水素が別の配管を逆流して、原子炉建屋に流れ込み、水素爆発を起こした可能性があることが新たに明らかになりました。

福島第一原発の3号機は、3月14日に水素爆発を起こしましたが、前日の13日以降、格納容器の圧力を下げるため、中の気体を外部に放出する「ベント」を、複数回行っています。東京電力が、最近になってベントの配管から枝分かれして原子炉建屋につながる別の配管を調べたところ、ベントで放出された水素を含む気体が流れ込んだ跡があることが分かりました。この配管には、弁と気体の逆流を防ぐ装置がついていましたが、弁は、電源がなくなると自動的に開く構造になっていたほか、逆流を防ぐ装置も気密性が低く、ベントで放出された水素が配管を逆流して、建屋に入り込み水素爆発を起こした可能性があるとみています。3号機の水素爆発は、これまで原子炉内の水素が格納容器のふたなどの隙間から漏れ出て爆発したとみられていましたが、別の配管を逆流したことも原因の一つだった可能性が出てきたため、国の原子力安全・保安院は、ほかの原発についても気体の逆流を防ぐ機能の強化を検討することにしています。専門家は、「ベントを行うことが水素爆発につながりかねないので、ベントの配管を別の配管から切り離す必要がある」と指摘しています。
−−−NHK


東電 過去にも非常用発電機が水没

東京電力福島第一原子力発電所で、20年前、非常用発電機が、配管から漏れた水につかり、機能しなくなるトラブルが起きていたことが、東京電力の元社員らの話で分かりました。発電機の浸水対策を進め、今回の事故のような深刻な事態を防ぐきっかけにもなり得たトラブルでしたが、結果として、対策にはつながりませんでした。

福島第一原発の事故では、地下1階の非常用ディーゼル発電機が、津波によって流れ込んだ水につかって機能しなくなり、原子炉を冷やせなくなったことが、事態を深刻化させる原因の1つとなりました。このような浸水から、発電機を守るきっかけにもなり得たトラブルが、20年前の平成3年10月に起きていたことが、東京電力の元社員らの話で分かりました。元社員らによりますと、トラブルが起きたのは、福島第一原子力発電所1号機のタービン建屋で、配管から漏れ出した水が地下1階に流れ込み、非常用発電機が機能しなくなりました。当時、福島第一原発の技術者だった元社員は、タービン建屋が海に近かったことから、「もし津波が来たら、同じように地下の発電機が水につかって使えなくなると思い、上司に相談した」などと話しています。一方、東京電力は、当時、発電機のある部屋のドアに、防水対策を施したということですが、発電機を地下から高い場所に移し替えるなど、津波を想定した対策は採りませんでした。これについて東京電力は、「このトラブルの原因は、配管からの水漏れでその対策は講じている。また『津波の危険性を上司に相談した』という元社員の主張について、当時の上司は、相談を受けたという認識を持っていない」としています。
−−−NHK






平成23年12月28日


国の本格除染事業、1月に楢葉町から開始

東京電力福島第一原発事故に伴う警戒区域と計画的避難区域で国が行う本格的な除染は、来年1月に福島県楢葉町から始まることがわかった。本格除染は、住民が避難している区域では、早期に帰宅できるよう放射線量が比較的低い場所から進める方針という。

 環境省によると、最初に本格除染に着手するのは、楢葉町役場周辺の体育館やコミュニティセンター、道路など約4ヘクタール。空間放射線量は毎時0.5マイクロシーベルト前後という。作業にあたる業者を公募中で、1月に契約を結び、今年度中に作業を終える計画。同省は、ほかの市町村でも、自治体側との調整が整い次第、除染作業に入る考えだ。

 楢葉町などではすでに、本格除染に先立つモデル事業が始まっている。27日には、同町のモデル地区の「南工業団地」などで作業が報道陣に公開された。同団地は約47ヘクタールの敷地に28棟の工場が並ぶ。12市町村で設定されているモデル地区のなかで最も広い。
−−−朝日新聞


スギ花粉のセシウム、人体への影響「心配なし」

林野庁は27日、11月から実施してきたスギ花粉の放射性セシウム濃度調査の中間報告を公表した。
福島県内で1キロ・グラム当たり最高25万ベクレルを計測したが、専門家は、人体への影響について「心配するレベルではない」としている。

 同庁は、福島を中心に16都県計182か所のスギ林で雄花と花粉を調査し、今回は福島県内87か所の結果をまとめた。最高は浪江町の雄花の25万3000ベクレル、最低は喜多方、郡山両市の雄花の不検出だった。

 この最高値と、環境省が過去に観測した大気中花粉濃度の最高値を基に、人が吸い込んだ場合の被曝(ひばく)線量を試算すると、花粉シーズンの4か月間(120日)に毎日24時間吸い続けた場合は0・553マイクロ・シーベルトとなる。林野庁は、東京都新宿区で今月20日に観測された1時間当たりの放射線量0・053マイクロ・シーベルトと比較した上で、「人体への影響は極めて低い」としている。
−−−読売新聞


中間施設で福島知事と協議へ 環境相、双葉郡検討

細野豪志環境相は28日、東京電力福島第1原発事故を受けた除染で発生した汚染土壌などを保管する中間貯蔵施設の建設について、福島県の佐藤雄平知事と県庁で会談する。候補地として同県双葉郡内を検討していることを伝え、具体的な選定に向け協力を要請する方針。

 双葉郡の8町村の首長らとも同日午前、福島市内で会談し、中間貯蔵施設の規模や役割について意見交換する。

 環境省は10月、遅くとも平成24年度中に候補地を選定した後、27年1月をめどに供用を開始し、30年以内に県外で最終処分するとした基本方針と工程表をまとめ、福島県側に示している。
−−−産経新聞


汚染がれきの処理 警戒区域内に3カ所整備へ

東京電力福島第1原発事故で放射性物質が付着した汚染がれきや土壌を洗浄するなどの処理方法を探る小型の試験プラントが、原発から20キロの福島県の警戒区域内に計3カ所整備されることが26日、関係者への取材で分かった。

 日本原子力研究開発機構による除染試験事業の一環で、いずれも汚染がれきなどの量を効率的に減らすのが目的。試験は来年1月にも始まる見通しだ。

 大熊町では学校の校庭などの土壌を焼却灰処理に使われる特殊な洗浄機で洗う。処理後の土壌をコンクリートで囲い保管、外部への放射線影響を調べる。

 富岡町では町立の運動場に小型プラントを設置。中学校のグラウンドの土を洗浄して放射性物質を分離し、さらに熱処理して量を減らす。

 楢葉町では細断したがれきをドラム型の容器に入れて水洗いする。
−−−産経新聞






平成23年12月27日


格納容器内の状況、内視鏡で調査へ 福島第一原発2号機

東京電力は26日、来年1月にも福島第一原発2号機の原子炉格納容器の中を内視鏡のカメラで調べる計画を明らかにした。今後の燃料取りだしに向けたデータ集めが目的という。

 計画では、来年1月17日ごろから原子炉建屋1階から格納容器の壁に穴を開ける作業を始める。19日に直径8.5ミリの内視鏡を入れて、格納容器の中の様子や水がどれぐらいたまっているか確認するという。内視鏡には温度計をつける。格納容器内の空気の温度のほか、水がたまっていれば水温も測る予定だ。2号機を調べる理由について、東電は「放射線量が低く作業しやすい状態だったため」としている。1、3号機での実施は2号機の様子を確かめてから検討するという。
−−−朝日新聞


保安検査官逃げ回り・東電は子会社任せ…事故調

原発の監視を担う原子力安全・保安院の原子力保安検査官や、事故対応の責任を担う東電が、役割を十分に果たせなかった実態も、中間報告で明らかにされた。

事故原因調査会 東電子会社まかせ

 報告書によると、東電の事故対応を指導監督する立場の検査官は3月12日早朝、4人全員が現場を立ち去り、約5キロ離れた対策拠点のオフサイトセンターに戻っていた。放射線量の上昇により、屋外の防災車の搭載電話が使えなくなったのが理由とするが、中間報告は「東電の回線など他の手段で状況報告は可能だった」とみている。

 13日朝には、海江田経済産業相から炉心への注水状況を監視するよう指示を受け、検査官4人が原発に入った。だが、対策本部のある免震重要棟の一室に閉じこもり、東電社員から資料を受け取るだけだった。14日午前11時過ぎには、3号機が水素爆発を起こしたため、身の危険を感じ、同日午後5時頃、上司の明確な了解がないまま同センターに引き揚げた。

 菅首相が東電本店に乗り込み、東電社員に「逃げてみたって逃げ切れないぞ」とまくしたてたのは翌15日早朝。その前に検査官らは退避を終えていた。事故調関係者は「検査官は職責を果たさず逃げ回っていたも同然だ」と批判する。

 一方、原子炉の冷却で重要な役割を果たしたのが東電の子会社だったことも分かった。

 吉田昌郎所長(56)は3月11日夕、全電源喪失の事態を受け、1、2号機への消防車による炉内注水を検討するよう指示した。だが、消防車の活用はマニュアルになく、同原発の「発電班」「技術班」などはどこも自分の担当と考えなかった。

 同日深夜、1号機の危機的状況が分かり、12日未明、消防車による注水を準備した。しかし、消防車を操作できる東電社員はおらず、下請けの子会社に頼らざるを得なかった。東電社員の「自衛消防隊」もあったが、ホースの敷設なども当初は子会社社員だけで行った。
−−−読売新聞


コメの作付け、500ベクレル超で制限…農水省

福島県産のコメから放射性セシウムが検出された問題で、農林水産省は、これまで1度でも同セシウムが検出された29市町村の稲作農家2万5000戸が作ったコメについて、来年2月までに全戸調査し、結果を来春のコメの作付け制限に反映させる方針を決めた。
それ以外の地域では今年の基準を踏襲して制限する。

 同県では先月末までに、福島市や二本松市など29市町村で同セシウムがコメから検出されており、同省が県と協力しながら、この地域の全農家について追加検査を進めている。同省ではこれを2月までにまとめ、国の暫定規制値の1キロ・グラム当たり500ベクレルを超えた場合、129ある旧市町村ごとに地区全体の作付けを禁じる方針。厚生労働省が来年4月、規制値を同100ベクレルに引き下げ、10月から適用されることから、500ベクレル以下100ベクレル超のケースについては県と市町村と共に対応を協議する。
−−−読売新聞


東電の初動「誤り」、冷却の空白招く…事故調

福島第一原子力発電所事故に関する政府の事故調査・検証委員会(委員長=畑村洋太郎・東大名誉教授)は26日、事故対応の問題点やその背景を分析した中間報告を発表した。

 東電の初動を巡っては1、3号機の緊急冷却装置の操作について「誤った措置」などと批判し、東電が官邸の意向を踏まえて3号機の注水手順を変え、冷却の空白が生じていたことも明らかにした。背景としては、津波対策を含め幅広く原発の安全を考える視点が欠けていたと指摘した。

 報告書によると、1号機では3月11日、緊急冷却装置「非常用復水器」が津波による電源喪失で停止したが、吉田昌郎(まさお)所長(56)(当時)や本店幹部らは正常に冷却していると誤認したまま、8時間以上気付かなかった。これが、対応の遅れにつながり、格納容器の圧力を抜く「ベント」や原子炉への注水が始まったのは翌日だった。

 3号機では13日未明、緊急冷却装置「高圧注水系」を手動停止したが、別の注水手段への切り替えに失敗、冷却できなくなった。中間報告では手動停止を「誤った措置」と断定し、7時間近い注水中断を「極めて遺憾」と批判した。

 官邸では当時、3号機の代替注水について「海水を入れると廃炉につながる」との意見が出ていた。現場では海水注入の準備が整っていたが、官邸に派遣されていた東電社員から「淡水の方がいいとの意見がある」と聞いた吉田所長は、淡水ラインに切り替える作業を指示。だが、淡水は13日午前9時25分の注水開始から約3時間で枯渇し、海水ラインに戻す際に52分間、冷却が中断した。

 報告書は1、3号機とも、注水が早期にできていれば、放射性物質の放出量を減らせた可能性があるとした。

 一方、被害の拡大を食い止められなかった背景については、国や電力会社の過酷事故対策が、機械の故障や人的ミスを想定するばかりで、津波など自然災害に目を向けてこなかったと総括した。原発事故が他の災害と同時に起きる「複合災害」の視点も欠けていたと指摘した。

 政府の対応については、官邸内で情報が分散し連携が不足したことや、経済産業省原子力安全・保安院の危機管理能力の欠如を問題視した。来年4月発足する原子力安全庁(仮称)について「責任を持って危機対処の任にあたる自覚を強く持ち、体制整備を図る必要がある」と提言した。

−−−読売新聞


福島第1原発:東電ミス連鎖で深刻化 事故調中間報告書

東京電力福島第1原発事故の原因などを調べてきた政府の「事故調査・検証委員会」(委員長・畑村洋太郎東京大名誉教授)は26日、中間報告書をまとめた。炉心溶融を防ぐための冷却装置への東電の対応に問題があったと認定し、「極めて遺憾」と指摘。政府の対策本部が機能不全に陥っていたことにも言及した。深刻な被害にいたった背景として、自然災害と原発事故の複合災害という視点がなく、政府や東電の備えの欠如があったと分析した。

 報告書は一連の事故で、(1)東電の対応(2)政府の対応(3)市民の被ばく防止(4)過酷事故(シビアアクシデント)対策−−の4点で問題があったとしている。

 東電の対応では、1号機の冷却装置「非常用復水器」(IC)の稼働状況で誤解があった上、3号機の冷却装置「高圧注水系」(HPCI)の操作で不手際があったと分析している。具体的には、ICは津波到達後に機能を失ったが、現場ではICの役割を十分把握していなかった上に、吉田昌郎所長(当時)や本店は稼働していると誤解。誤解に気づく機会は何度もあったが見逃された。

 HPCIの操作では、運転員が吉田所長らの判断を仰がず、別の注水操作をしようとして稼働を停止した。その後、バッテリーがなくHPCIの再起動はできなかった。

 検証委は1、3号機で「より早い段階で現状を認識し、別の方法で注水に着手していれば炉心損傷の進行を緩和し、放射性物質の放出量は減った可能性がある」と分析。ただし、最善の対応が実施できても1、3号機の水素爆発が防げたかは判断が難しいと評価した。

 政府対策本部の問題では、原子力災害対策特別措置法に基づき、首相官邸の地下に官邸対策室が設置されたが、携帯電話が通じない上に菅直人首相(当時)らは官邸5階にいて、情報共有ができず円滑に対応できなかった点を挙げた。経済産業省原子力安全・保安院は、東電のテレビ会議システムの活用に気づかない上、職員を東電に派遣しないなど情報収集に消極的な姿勢を問題視している。

 このほか、放射性物質の拡散を分析し、被ばく防止に役立てる政府の「緊急時迅速放射能影響予測システム」(SPEEDI)に言及。地震に伴うシステム損傷で本来の機能が発揮できなかったほか、暫定分析の公表も遅れたために、被災者の避難に混乱を招いたとしている。

 シビアアクシデント対策では、巨大津波の来襲を予想できたにもかかわらず実施していなかったことから、東電など電力事業者による自主的な運用には限界があるとした。

 一方、地震による重要機器の損傷は確認できないが、現場の調査が実施できていないとして最終判断は先送りした。

 検証委は6月から調査を開始。原因解明に主眼を置き、責任は追及しない方針を打ち出し、今月半ばまでに関係者456人から延べ約900時間聴取した。時間的な制約で閣僚の聴取は終わっておらず菅前首相ら官邸中枢の具体的な関与などは来年夏の最終報告書に盛り込む。

 中間報告書は本編507ページと資料編212ページで構成。検証委のウェブ(http://icanps.go.jp/)で公表し、来年1月末まで意見を募集する。
−−−毎日新聞

福島第1原発:安全文化を軽視 事故調中間報告書

 政府の事故調査・検証委員会が公表した中間報告書から浮かぶのは、「安全文化」が欠如した国や東京電力の姿だ。これまで、地震や津波など自然災害と原発事故が起こる複合災害の「原発震災」があれば甚大な被害をもたらすことは指摘されてきた。その警告を軽視してきた原子力関係者の過小評価体質に猛省が求められる。

 安全文化とは、反省しながら、最新知見を取り入れ安全を常に求める姿勢をいう。だが東電の場合、08年に福島第1原発に15メートル超の津波が押し寄せる可能性を予測したが、コストのかかる防潮堤の設置などの対策を進めなかった。事故発生直後も「想定外の津波が原因」という言葉を口にしている。これに対し、26日、記者会見した畑村洋太郎委員長は「一度想定を決めると、想定外を考えなくなる」と指摘、被害の甚大さを考慮すれば確率が低くても想定外を無視しない大切さを説いている。

 報告書は、経済性と安全性の問題にも触れた。近年、規制緩和の流れの中で、原発の安全確保も法に基づく規制から、電力会社の自主規制へと流れが強まっている。電力会社が自らの責任で取り組む姿勢は重要だが、検証委は「経済性と安全性のせめぎあいの中では、適切な判断にいたらない恐れがある」などと指摘し、自主規制の限界に言及した。

 一方で報告書では、安全文化を軽視した背景に言及しているのは全体の1割以下にとどまる。なぜ対策が電力会社の自主性に委ねられたのか。地震国・日本で珍しくない津波の対策をなぜ軽んじたのか。来夏の最終報告に向けて、検証委の分析が注目される。


福島第1原発:住民ら政府の対策不足非難 事故調中間報告

 政府の事故調査・検証委員会が26日に公表した中間報告は、原子力災害が発生した際の住民の避難について、政府や電力業界が十分な対策をとっていなかったことを指摘した。福島第1原発事故で避難を強いられた住民や医療関係者からは、改めて政府の対応を非難する声が上がった。

 大気中の放射性物質の拡散を予測する緊急時迅速放射能影響予測システム(SPEEDI)の分析結果公表が遅れた結果、放射線量の高い地域に避難してしまった人は少なくない。福島県南相馬市原町区の内科医、志賀嘉津郎さん(63)も福島第1原発3号機が爆発した3月14日、妻子を車に乗せ飯舘村の小学校に避難した。

 「ガソリンも少なかったし、飯舘村は原発から約50キロ離れているから安全だと思った。SPEEDIの分析結果を速やかに公表してくれれば、飯舘村には逃げなかった」。村の小学校では、小中学生がボランティアで避難者に食事を配るなど屋外で活動していたといい、「あの子たちがどのくらい被ばくしたのか」と案じる。

 屋内退避の指示区域に入った南相馬市立総合病院は、物流が止まったため医薬品や酸素ボンベが不足して混乱に陥った。全入院患者の避難も始めたが、病院の救急車は1台しかなく、自衛隊の協力で全員の搬送を終えたのは指示から5日後の3月20日。系列の特別養護老人ホームの入所者の間では、搬送後に死亡する人も相次いだ。

 金沢幸夫院長(58)は「国は屋内退避を指示しながら、災害弱者がどうなるか全く考えていなかった。患者の移送手段や医薬品などを確保できる体制を整備しなければ、また同じことを繰り返す」と警鐘を鳴らす。

 福島県福祉事業協会が運営する富岡町や川内村の知的障害者入所施設も、移転を余儀なくされた。当初は一般の避難所に移ったが、環境の変化に対応できない入所者が続出。田村市の通所施設に移った後も、手狭で入所者が重なり合って寝る状態だった。

 事情を知った医療関係者の紹介で、4月に千葉県鴨川市の県立施設へ移った。同協会の山田荘一郎理事長は「我々の力だけで受け入れ施設を探すのは困難。国が施設を紹介してくれないと、避難は難しい」と話した。
−−−毎日新聞


汚染がれきの処理 警戒区域内に3カ所整備へ

東京電力福島第1原発事故で放射性物質が付着した汚染がれきや土壌を洗浄するなどの処理方法を探る小型の試験プラントが、原発から20キロの福島県の警戒区域内に計3カ所整備されることが26日、関係者への取材で分かった。

 日本原子力研究開発機構による除染試験事業の一環で、いずれも汚染がれきなどの量を効率的に減らすのが目的。試験は来年1月にも始まる見通しだ。

 大熊町では学校の校庭などの土壌を焼却灰処理に使われる特殊な洗浄機で洗う。処理後の土壌をコンクリートで囲い保管、外部への放射線影響を調べる。

 富岡町では町立の運動場に小型プラントを設置。中学校のグラウンドの土を洗浄して放射性物質を分離し、さらに熱処理して量を減らす。

 楢葉町では細断したがれきをドラム型の容器に入れて水洗いする。
−−−産経新聞





平成23年12月26日


汚染米、カリウム濃度影響か 福島県と農水省が中間報告

 福島県産のコメから国の暫定基準値(1キロあたり500ベクレル)を超える放射性セシウムが検出された問題で、県と農林水産省は25日、原因分析の中間報告をまとめた。基準超えのコメがとれた水田は、土のカリウム濃度が低かったり、浅い層にセシウムが多かったりといった傾向があった。カリウム肥料の少なさや深く耕せなかったことがコメのセシウム吸収につながった可能性が原因として考えられるとしている。

 県などは、土質や栽培方法、水や周辺環境などが複合的にかかわったのが原因とみて、引き続き調べる。また、農水省はこれらの分析結果も参考に、来年度の作付けの基準を検討する。

 県などは、基準超えのコメがとれた22カ所と、その周辺の基準以下のコメがとれた9カ所で田の土を採取。農家から与えた肥料の量を聞き取るなどした。
−−−朝日新聞


福島第1原発3号機、水素爆発前日に運転員が冷却装置停止

東京電力は22日、福島第1原発3号機が水素爆発した前日の3月13日に、原子炉を冷却する「高圧注水系(HPCI)」と呼ばれる装置を運転員が停止させていたと発表した。

 稼働し続けていれば、3号機の水素爆発や燃料溶融を防げた可能性があるが、東電は「稼働を続ければHPCIが壊れ、炉内から放射性物質が噴き出ていた可能性があり、操作は問題なかった」としている。操作は吉田昌郎(まさお)所長(当時)に判断を仰ぐことなく、事後報告で済ませていた。

 東電によると、3号機では3月11日の津波後、もう一つの冷却システム「原子炉隔離時冷却系(RCIC)」で原子炉の冷却を続けたが、12日午前11時36分に停止。約1時間後にHPCIが自動起動したが、13日午前2時42分に、運転員が手動で停止したという。

 東電によると、HPCIのタービンの回転が遅くなって振動し、止めなければ壊れて原子炉から放射性物質が放出される懸念があったという。

 その後も別の方法で原子炉への注水を試みたが炉内の圧力が高く注水できなかった。HPCIも再稼働不能となり、14日午前11時すぎに水素爆発した。
−−−産経新聞


海水の放射性物質 横ばい傾向

東京電力福島第一原子力発電所の周辺で24日に採取された、海水に含まれる放射性物質の濃度は、前の日とほぼ同じで、全体では横ばいの傾向が続いています。

福島第一原発の周辺では、4月と5月に海水から高い濃度で放射性物質が検出された2号機と3号機の取水口付近などで、東京電力が海水を採取し、放射性物質の測定を行っています。24日に2号機の取水口付近で採取した海水からは、1cc当たり、▽セシウム134が国の基準の2倍の0.12ベクレル、▽セシウム137が1.9倍の0.17ベクレル検出されました。また、3号機の取水口付近では、▽セシウム134が基準の4.7倍の0.28ベクレル、▽セシウム137が4.2倍の0.38ベクレル検出されました。23日と比べて、2号機の取水口付近ではやや下回り、3号機の取水口付近ではやや上回りましたが、全体では横ばいの傾向が続いています。一方、24日に沿岸の4か所で行った調査では、福島第一原発の5号機と6号機の放水口から北におよそ30メートル付近など3か所で放射性セシウムが検出されましたが、いずれも基準を大幅に下回りました。また、沖合での調査は23日に行う予定でしたが、悪天候のため中止されています。
−−−NHK





平成23年12月25日


原発 異例の状態で本格的な冬

玄海原発4号機の停止によって、国内の原発は90%近くが止まるという異例の状態で本格的な冬を迎えることになります。
原発稼動 90%が休止の異常状況

電力会社ごとに見ますと、すべての原発が止まっているのは、東北電力の4基、中部電力の3基、北陸電力の2基、日本原子力発電の3基となっています。また、関西電力では、今月16日、福井県にある大飯原発2号機が定期検査のため停止し、原発11基のうち10基が止まっています。一方、運転の再開に向けては、再開の判断の前提となる安全評価「ストレステスト」が、定期検査で止まっている各地の原発で実施され、これまでに北海道電力、関西電力、四国電力、それに九州電力の8基のテストの結果が、国の原子力安全・保安院に提出されています。しかし、原子力安全・保安院の審査が終わったケースは1つもありません。また、運転を再開するためには、地元の自治体の了解を得なければなりませんが、自治体の多くは、再開に慎重な姿勢を崩していません。運転を続ける国内の6基も、来年1月以降、春までに順次、定期検査で停止する見通しで、運転を再開する原発がなければ国内のすべての原発が止まることになります。
−−−NHK





平成23年12月24日


福島第1原発3号機、水素爆発前日に運転員が冷却装置停止

東京電力は22日、福島第1原発3号機が水素爆発した前日の3月13日に、原子炉を冷却する「高圧注水系(HPCI)」と呼ばれる装置を運転員が停止させていたと発表した。

 稼働し続けていれば、3号機の水素爆発や燃料溶融を防げた可能性があるが、東電は「稼働を続ければHPCIが壊れ、炉内から放射性物質が噴き出ていた可能性があり、操作は問題なかった」としている。操作は吉田昌郎(まさお)所長(当時)に判断を仰ぐことなく、事後報告で済ませていた。

 東電によると、3号機では3月11日の津波後、もう一つの冷却システム「原子炉隔離時冷却系(RCIC)」で原子炉の冷却を続けたが、12日午前11時36分に停止。約1時間後にHPCIが自動起動したが、13日午前2時42分に、運転員が手動で停止したという。

 東電によると、HPCIのタービンの回転が遅くなって振動し、止めなければ壊れて原子炉から放射性物質が放出される懸念があったという。

 その後も別の方法で原子炉への注水を試みたが炉内の圧力が高く注水できなかった。HPCIも再稼働不能となり、14日午前11時すぎに水素爆発した。
−−−産経新聞






平成23年12月22日


福島第一、40年後には廃炉完了 政府・東電が工程表

政府と東京電力は21日、福島第一原発1〜4号機の廃炉に向けた工程表を発表した。2年以内に使用済み燃料プールの燃料取り出しに着手、20〜25年後までに溶け落ちた燃料を取り出し、30〜40年後までに建屋を解体し廃炉を終える目標。ただ、世界にも前例がなく、新たな技術開発が必要になるなど課題も多い。

 野田政権が16日に事故収束に向けた工程表のステップ2達成を宣言したのを受け、新たに設置された政府・東電中長期対策会議(共同議長・枝野幸男経済産業相、細野豪志原発担当相)が決めた。

 使用済み燃料取り出し開始までの第1期(2年以内)、溶融燃料取り出し開始までの第2期(10年以内)、廃炉完了までの第3期(30〜40年後まで)に分け、必要な作業や課題を示した。
−−−朝日新聞


3号機冷却装置 相談せず停止

東京電力福島第一原子力発電所の3号機で、水素爆発を起こす前日の3月13日に、現場の運転員が非常用の冷却装置を所長らがいる対策本部に相談せずに停止し、原子炉を冷やせない状態が7時間近く続いていたことが、政府の事故調査・検証委員会の調べで分かりました。

福島第一原発では、1号機に続いて3号機も原子炉が冷却できなくなってメルトダウンを起こし3月14日に水素爆発しました。政府の事故調査・検証委員会の調べでは、この前日の13日未明に、3号機の運転員が原子炉を冷やす「高圧注水系」という非常用の冷却装置のバッテリーが切れることを懸念して、消火ポンプによる注水に切り替えようと装置を停止したということです。ところが、注水ができるように原子炉の圧力を抜くための弁の操作に必要なバッテリーを用意していなかったため、弁は開かず、再び冷却装置を稼働させようとしましたが、動かなかったということです。このあと、3号機では車のバッテリーを集めて弁を開け、消防ポンプによる注水が行われましたが、原子炉の冷却が7時間近くにわたって中断され、その後メルトダウンに至ったということです。装置の停止が対策本部に伝わったのは停止から1時間以上あとだったということで、事故調査・検証委員会は、冷却装置を止めるという重要な決定を事前に所長らがいる対策本部に相談しなかったことは問題だったとみています。福島第一原発では、1号機でも、非常用の冷却装置を運転員の判断で停止したのに対策本部に伝わらず、所長らは冷却装置が動いていると誤って認識していたことが明らかになっています。こうしたことから事故調査・検証委員会は、安全上重要な情報を現場と対策本部が共有できなかったことが事故対応の遅れにつながったとみて、今月26日に公表する中間報告で指摘することにしています。
−−−NHK






平成23年12月21日


米原子力規制委員長「福島の原子炉は安定状態」

 来日中の米原子力規制委員会(NRC)のヤツコ委員長が20日、東京都内で会見し、東京電力福島第一原発で事故収束の工程表のステップ2を達成したことについて「原子炉は安定した状態であり、安心している」と述べた。

 ヤツコ委員長は19日に第一原発を視察しており、「災害時に備えた多重の防護策が導入されていた。原発の敷地外に影響を与える状態ではない」と評価。「今後も日本を全面的に支援していく」と話した。
−−−朝日新聞


放射性セシウム:乳児用食品は50ベクレル 厚労省、新規制値案

食品に含まれる放射性セシウムの新たな規制値について、厚生労働省は20日、新設する粉ミルクなどの「乳児用食品」は1キロあたり50ベクレル、子供がよく飲む「牛乳」も同50ベクレルなどとする案をまとめた。全世代で摂取量が多い「飲料水」は最も厳しい同10ベクレル、現行の「野菜類」「穀類」「肉・卵・魚・その他」の3区分を一つにまとめた「一般食品」は同100ベクレルとした。

 厚労省は10月、規制値の算定根拠となる被ばく線量の上限を、年間5ミリシーベルトから1ミリシーベルトへ引き下げることを決めた。これに伴い、食品の規制値も現行の1キロあたり200〜500ベクレルより厳しくする。

 具体的には、子供は放射性物質の感受性が高く影響を受けやすいため、「乳児用食品」と「牛乳」は一般食品の半分の同50ベクレル。「飲料水」はWHO(世界保健機関)の指針に基づき同10ベクレルとした。22日に開かれる薬事・食品衛生審議会の放射性物質対策部会に提案。了承されれば文部科学省の放射線審議会に諮問し、国民からの意見募集も行って来年4月の施行を目指す。
−−−毎日新聞


福島の子ども対象に追跡調査

放射性物質が子どもの健康にどのような影響を与えるかを解明するため、環境省は福島県内の母親から生まれた子どもおよそ2万5000人を対象に、13歳になるまでの大規模な追跡調査を実施することを決めました。
福島 子供の被曝調査

環境省は、身の回りの化学物質が子どもの健康に悪影響を及ぼしていないか確かめるために、ことし1月から全国10万人の子どもを対象に血液中の化学物質の濃度や発育状況などを胎児のときから13歳まで継続して調べる調査を行っています。調査項目に放射性物質は含まれていませんが、原発事故を受けて、子どもへの影響について関心が高まっていることから、環境省は福島県の子どもについては放射性物質の影響も調査することを決めました。具体的には、福島県内の母親から生まれたおよそ2万5000人の子どもを対象に、母親の被ばく線量と子どもの先天的な異常をはじめ、アレルギーやぜん息も含めたさまざまな疾患との関係性について、13歳になるまで追跡調査します。調査にあたっては福島県がすでに全ての県民を対象に行っている被ばく線量の調査のデータも活用する方針です。環境省は、放射性物質と子どもの健康に関係性が確認できれば、健康のリスク管理や被ばく線量を抑えるための対策につなげていくことにしています。
−−−NHK





平成23年12月20日


セシウム、米ぬかは8倍に上昇 玄米に比べ

農林水産省は19日、精米後に出る米ぬかの放射性セシウム濃度が、精米前の玄米に比べて8倍に上昇するとの推計結果を発表した。1キログラム当たり20ベクレルの玄米を精米した場合、米ぬかのセシウムは8倍の同160ベクレルになるという。

 米ぬかの暫定基準値は食品に使う場合は500ベクレル以下のため、玄米段階で62・5ベクレル以上検出されると食品として使えなくなる計算だ。

 農水省は同日付で食品関連の業界団体や都道府県に通知。米ぬかを使った食品や肥料、飼料の濃度が政府の暫定基準値を超えないよう業者に管理の徹底を求める。

(共同)
−−−東京新聞






平成23年12月19日


福島原発周辺、「帰還困難」など3区域に再編

政府は18日、東京電力福島第1原子力発電所から半径20キロメートル圏内を原則立ち入り禁止としている警戒区域について、来年4月1日にも解除する方針を関係自治体に伝えた。20キロメートル圏外の計画的避難区域と合わせて見直し、従来の同心円上の規制から年間放射線量に応じた3区域に再編する。特に現時点で年間50ミリシーベルト以上は「帰還困難区域」と定め、不動産の買い取りなどを検討する。
 枝野幸男経済産業相、細野豪志環境・原発事故担当相らが18日、福島市で佐藤雄平福島県知事や11市町村の首長と会談。その際に避難区域見直しと支援策を初めて公式に説明した。
 「帰還困難区域」は5年経過後も年間20ミリシーベルトを下回らないとみられ、居住を厳しく制限する。少なくとも5年間は区域の範囲を固定。区域の解除後も引き続き立ち入りを原則禁止し、バリケードなどの防護措置を講じる。

福島県知事との意見交換に臨む(左から)枝野経産相、細野原発相、平野復興相(18日午後、福島県庁)=共同 現時点で年間20ミリシーベルト以上50ミリシーベルト未満は「居住制限区域」とし、現在の計画的避難区域と同様の扱いになる。住民の一時帰宅などは可能だが、経産相は記者団に「帰還までに5年くらいかかる」と語った。
 年間20ミリシーベルト未満は「避難指示解除準備区域」とする。生活インフラの復旧、子どもが生活する場所などの除染作業の進捗を踏まえ、段階的に避難指示を解除する。住民の一時帰宅や復旧作業のための立ち入り、区域内の道路通過を柔軟に認める。
−−−日経新聞

政府が新設する3つの区域対 応年間放射線量
帰還困難区域
原則立ち入り禁止で、5年間固定。不動産買い取りを検討現時点で50ミリシーベルト以上
居住制限区域
一時帰宅や区域内の通過は可能。帰還まで5年程度20ミリシーベルト以上〜50ミリシーベルト未満
避難指示解除準備区域
住民の帰宅に向けて、除染やインフラ整備を加速させる20ミリシーベルト未満


20ミリSv未満、来春にも帰宅 避難区域再編を伝達

東京電力福島第一原発の「事故収束」宣言を受け、原発から半径20キロで線引きした避難区域が見直される。野田政権が18日、来年4月1日をメドに現在の警戒区域を解除し、年間放射線量に応じて三つの区域に再編する方針を関係自治体に伝えた。放射線量が低い区域は、生活インフラなどが整えば来春にも、住民が戻ることができる。

 細野豪志原発相と枝野幸男経済産業相、平野達男復興相の3閣僚が18日、福島市を訪ね、佐藤雄平福島県知事らに伝えた。現在は原発から半径20キロ圏内を警戒区域とし、20キロ圏外で計画的避難区域を設定。この線引きを今年度中に見直し、地上から高さ1メートルの放射線量を年間で換算して20ミリシーベルト(Sv)未満を「避難指示解除準備区域」、20〜50ミリシーベルト未満を「居住制限区域」、50ミリシーベルト以上を「帰還困難区域」に再編する。

 避難指示解除準備区域は「生活インフラの復旧や子どもの生活圏の除染の進捗(しんちょく)を踏まえ、段階的に解除する」と定める。解除前でも住民の一時帰宅や復旧作業のための立ち入りを柔軟に認め、事業再開を先行させる考えも示した。実際に住民が戻り始める時期について、細野氏はこの日の朝日新聞のインタビューに「来春から年央(来年6、7月ごろ)だろう」と答えた。
−−−朝日新聞

政府検討新しい避難区域基準
読売新聞資料(」12.17)


地下トンネルに放射能汚
染水漏れる 福島第一原発

東京電力は18日、福島第一原発内の高濃度放射能汚染水を保管している集中廃棄物処理建屋に隣接する地下トンネルで、約230トンの放射能汚染水が見つかったと発表した。濃度を測定したところ、セシウム137は1立方センチあたり5400ベクレルで高濃度汚染水の100分の1ほど。表面線量は毎時約3ミリシーベルトだった。今後、流入経路を調べるという。

 東電によると、地下トンネルはケーブルなどを通すためのもので、幅約4.5メートル、長さ約54メートル。たまり水は深さ50センチだったが、トンネルのくぼんでいる場所では深さ約3.4メートルにもなっていた。水たまりは18日午前10時ごろ、点検をしていた東電社員が見つけた。トンネル上部の電線を引くための直径約5センチの管から、水がしたたり落ちていたという。

 集中廃棄物処理建屋は外に水が漏れないように止水対策をしているが、東電は何らかの経路で漏れた可能性もあるとみている。
−−−朝日新聞





平成23年12月18日


ストロンチウム、462兆ベクレルが海に流出

東京電力福島第一原発から事故後、海洋に放出された放射性ストロンチウムの総量は、少なくとも約462兆ベクレルになることが朝日新聞の試算でわかった。水産庁は魚介類への蓄積を調べるサンプリング調査の強化を検討している。

 試算は東電などが発表した資料をもとに行った。4月に2号機、5月に3号機から流出した放射能汚染水については、流出源である両号機の建屋内のたまり水に含まれる放射性ストロンチウムの濃度を、流出した水の体積にかけて算出。これらに、今月4日に流出が確認された処理水に含まれていたと見られるストロンチウムの量を足し合わせた。大気から海への降下量は含まれていない。

 東電は4〜5月に海に流出した汚染水中の放射性ヨウ素とセシウムの総量を推定約4720兆ベクレルと発表した。ストロンチウムの量はその約1割に相当する。
−−−朝日新聞





平成23年12月17日


首相、原発事故収束を宣言 「冷温停止状態を確認」

野田政権は16日の原子力災害対策本部で、東京電力福島第一原発の事故収束に向けた工程表ステップ2(冷温停止状態の達成)の終了を確認した。野田佳彦首相は記者会見で「発電所の事故そのものは収束に至ったと判断される」と事故収束を宣言した。

 原子炉を安定的に冷やすステップ1は7月に完了。ステップ2は当初、来年1月中旬までに終える予定だったが、首相は年内完了を国際会議で公約。除染や住民の帰還など課題が残る中で「事故収束」をあえて宣言し、安全性をアピールした。国際公約を守るため収束宣言を急いだとの見方もあり、福島県の佐藤雄平知事は「事故は収束していない。多くの県民は不安を感じている」と反論した。

 対策本部では1〜3号機の炉の温度は9月下旬以降100度を下回り、今月15日現在は38〜68度だったと報告された。放射性物質の外部への飛散も毎時6千万ベクレルで、事故時の1300万分の1に減少。発電所の敷地境界で追加的に被曝(ひばく)する線量も最大年間0.1ミリシーベルトと、目標の年間1ミリシーベルトを下回った。
−−−朝日新聞


80キロ圏の放射線量、4カ月で11%減 福島第一

東京電力福島第一原発から半径80キロ圏内の放射能汚染について、文部科学省は16日、航空機で測定した放射線量の汚染マップを発表した。線量は前回測った7月から4カ月間で平均約11%減った。減少のうち9.2%分は、放射性セシウムの核崩壊による減少分で、残りが雨や風などによって移動した効果という。

 10月22日から11月5日まで、ヘリコプターに高感度の検出器を載せて地表から出る放射線を測り、同じ範囲を7月に測定した結果と比べた。一部の河口や中州などで線量が高くなった地点もみられた。この4カ月間の減少をもとに試算すると、今年8月から2年後には、線量は約4割減る。政府が示している試算と合うという。

 今後も季節ごとに測定を続け、変化の傾向を確認していくという。
−−−朝日新聞


「ステップ2」終了も…新潟県知事「収束にはほど遠い」

東京電力福島第1原発事故収束への工程表「ステップ2」が終了したとの政府発表について、新潟県の泉田裕彦知事は16日、「放射性物質の放出は依然管理されない状態で続いており、実態として収束にはほど遠い」とのコメントを出した。

 同県には東電柏崎刈羽原発が立地。全7基のうち、1〜4号機と7号機が2007年の中越沖地震や定期検査のため停止中で、残る5、6号機も来年1月と3月に定期検査で停止する。

 泉田知事は「福島事故の検証が先」として、再稼働には慎重な姿勢を示している。
ーーー産経新聞


原発事故収束を宣言に対する海外の反応

アメリカの、「ニューヨークタイムズ}、電子版は:
「専門家は『冷温停止状態』の宣言を強く疑問視している」、「年内にステップ2を達成するという公約を果たすための、現実を無視した宣言であり、原子炉の安全性への脅威から目をそらせることがねらいだ」とする専門家の見方を伝えている。

イギリスのBBCは:野田総理大臣の記者会見の模様を生中継で放送し、「冷温停止は1つの節目だが、それは汚染された地域の除染や福島第一原発の廃炉といった今後の長い道のりの中の一歩にすぎない。避難を余儀なくされている人々が故郷に戻って普通の生活を始められるめどは立っていない」と伝えた。

中国国営、新華社通信英語版は:複数の専門家の話として、「損傷した原子炉内の温度を正確に測定することはできず、原子炉がどれほど安定した状態にあるかを断定することはできない」とし、「世界の人々に間違った印象を与えるおそれがあり、日本政府は、ステップ2を年内に達成するということに固執しすぎるべきではない」と伝えている。

ドイツのDPA通信は:、「フクシマの原発の廃虚が制御された」と速報した。ドイツは福島第1原発事故を受け、今年6月、国内17基の全原発を22年までに順次停止する「脱原発」を決めた。一方でDPA通信は「燃料棒が溶融し、圧力容器を破って地上に漏れているともみられ、まだ安全な状態には程遠い。これで冷温停止を宣言するのは意図的なウソと紙一重。日本政府は国民をミスリードしている」と批判するオーストリアの専門家の見方も紹介した。


九州大の工藤和彦教授のコメント

原子力の安全に詳しい九州大学の工藤和彦特任教授は「国や東京電力は『冷温停止状態』ということばを使っているが、原子炉では限られた手段での冷却しかできない状態にある。単なる区切りをつけるために宣言したものに過ぎない。正常に動いている原子炉を止めたときに使っている『冷温停止』とは相当違った状態であることをしっかり認識すべきだ」と述べました。

そのうえで、工藤特任教授は「原子炉を安定的に維持できるようになったことは一定の評価はできる。ただ、原子炉の状態や冷却方法が著しく改善されたわけではなく、安定した状態を再確認したに過ぎない。また、原子炉の溶けた燃料の状態がほとんど分かっていない状況で、今ある限られたデータによる推測しかできていない以上、今後もデータの不確かさをカバーするために、新たに機器を設置して圧力や水位も測れるようにするなど、状況の把握を進める必要がある」と話しました。

また、工藤特任教授は汚染水の処理施設からの水漏れを例に「今なされているのは事故の応急措置として『にわか作業』で作り上げたものであり、対策が十分でなかったことを示している。今の状態で仮設の施設を今後も使い続けなければならないこともあるわけで、あらゆる場所で水漏れが起きないことを示していく必要がある」と話しました。




平成23年12月16日


年間20ミリシーベルト「発がんリスク低い」 政府見解

低い放射線量を長期間浴びた影響をめぐり、内閣府の有識者会議は15日、年間20ミリシーベルト(Sv)の放射線量を避難区域の設定基準としたことの妥当性を認める報告書をまとめた。そのうえで、線量を少なくするよう除染の努力を要請。子どもの生活環境の除染を優先することも提言した。

 東京電力福島第一原発の事故後、避難基準の健康への影響を判断したのは初めて。細野豪志原発相は会議後、記者団に「20ミリシーベルトで人が住めるようになるということだ」と述べた。野田政権はこれを踏まえ、原発事故による避難区域を縮小する準備に入る。

 この有識者会議は「低線量被ばくのリスク管理に関するワーキンググループ」(共同主査=長瀧重信・長崎大名誉教授、前川和彦・東大名誉教授)。発足からわずか1カ月余りで、報告書をとりまとめた。

 避難区域の設定基準については、国際放射線防護委員会が原発事故による緊急時被曝(ひばく)を年間20〜100ミリシーベルトと定めていることから「安全性の観点からもっとも厳しい値を採用」と指摘。チェルノブイリ原発事故後1年間の被曝限度が100ミリシーベルトだったことを挙げ、「現時点でチェルノブイリ事故後の対応より厳格」と評価した。

 年間20ミリシーベルトを被曝した場合の影響は、「健康リスクは他の発がん要因と比べても低い」と明記。「単純に比較することは必ずしも適切ではない」とことわりながら、「喫煙は(年間)1千〜2千ミリシーベルト、肥満は200〜500ミリシーベルト、野菜不足や受動喫煙は100〜200ミリシーベルトのリスクと同等」などといった目安を例示した。また、一度の被曝より長期間にわたって累積で同じ線量を浴びた方が「発がんリスクはより小さい」との考えを示した。

 被曝によるリスクを減らすために、除染の目標として「2年間で年間10ミリシーベルト、次の段階で同5ミリシーベルト」と段階的な目標の設定も提言。一方、放射線の影響を受けやすいとされる子どもについては、「優先的に放射線防護のための措置をとることは適切」と要求。避難区域内の学校を再開する条件として、学校での被曝線量を年間1ミリシーベルト以下にするよう主張した。
−−−朝日新聞


保安院「老朽化、事故拡大に影響せず」 福島第一1号機

東京電力福島第一原発の事故について、経済産業省原子力安全・保安院は15日、運転開始から40年がたつ1号機の高経年化(老朽化)による耐震性の劣化は認められず、事故拡大に影響しなかったとする評価結果を明らかにした。専門家への意見聴取会の会合で報告した。近く2、3号機の評価も報告する。

 東電が1号機の重要な設備について老朽化と今回の地震の影響を計算。その結果をもとに評価した。安全性の余裕が少ない配管や弁などの設備について、60年間の運転による疲労や腐食を仮定して、地震の揺れの影響を計算したが許容値を下回った。原子炉圧力容器は核燃料から出る放射線で運転するうちに次第に劣化するが、今回の地震の揺れを考慮しても「十分な裕度(余裕)が確保されている」(保安院)とした。

 ただ、一部の計算では今回の地震の揺れが使われていなかった。専門家からは「今回の大震災は時間が長いのが特徴。すべて実際の地震の揺れで計算するべきだ」などの意見も出た。
−−−朝日新聞


放射能汚染水の処理水「安易に放出しない」 東電計画

東京電力福島第一原発について、東電は15日、放射能汚染水の処理水を安易に海洋放出しないとする方針を盛り込んだ中期的な施設運営計画を経済産業省原子力安全・保安院に提出した。「関係省庁の了解なしでは行わない」としたが、放出の可能性を完全には否定しなかった。

 計画によると、今後、地下水の建屋流入を防ぐ取り組みや、汚染水の浄化能力の向上、保管タンクの増設などで対応するとした。漁業関係者の了解については明記しなかった。

 東電原子力・立地本部の松本純一本部長代理は「汚染水を海洋放出するかしないかは決定しているわけではない。放出前にとれる対策をした上で関係機関と相談していく」と話した。
−−−朝日新聞


首相、きょう「冷温停止」宣言…福島第一原発

野田首相は16日夕、首相官邸で記者会見し、東京電力福島第一原子力発電所事故に関し、原子炉の冷温停止状態の達成を宣言する。
−−−読売新聞


居住域は年間20ミリSv未満に…政府作業部会

東京電力福島第一原子力発電所の事故に伴う低線量の放射線被曝(ひばく)の健康影響を検討していた政府の作業部会は15日、住民が居住可能な地域の年間の積算放射線量は20ミリ・シーベルトを目安とするのが妥当との最終報告書をまとめた。

 これを受け、政府は現在の警戒区域や計画的避難区域の区分を取りやめ、生活環境の復旧が進めば帰還できる20ミリ・シーベルト未満の地域を「解除準備区域」とするなどの見直し案を固めた。

 政府は50ミリ・シーベルト超で、5年以上帰還が難しい地域は「長期帰還困難区域」、除染で線量が20ミリ・シーベルト未満となる数年後の帰還を目指す20〜50ミリ・シーベルト程度の「居住制限区域」も新たに指定する。18日、地元自治体に説明する。

 報告書は、広島・長崎の被爆者の調査結果を根拠に、長期間にわたり100ミリ・シーベルトを被曝すると、がんの死亡リスクが約0・5%増加するとしたが、これ以下の被曝でリスクが増加するかどうかは科学的に証明できないとした。

 理由として、現在避難指示の基準となっている年間20ミリ・シーベルト以下の発がんリスクは、喫煙(1000〜2000ミリ・シーベルト相当)や肥満(200〜500ミリ・シーベルト相当)などと比べて低く、その影響に隠れてしまうという事情を挙げた。

 さらに、放射線の影響を受けやすいとされる子供を優先した対策を提言。学校の再開には、毎時1マイクロ・シーベルト以下まで下げるとする一段高いハードルを設けた。
−−−読売新聞


福島3号機:現場独断で冷却停止…3月13日、高圧注水系

東京電力福島第1原発事故で、3号機の原子炉を冷やすための最後の要となる「高圧注水系(HPCI)」が3月13日に現場の独断で止められ、再起動できなくなっていたことが、政府の事故調査・検証委員会の調べで分かった。3号機は翌日、水素爆発した。1号機でも冷却装置「非常用復水器(IC)」が止まったが、吉田昌郎前所長が稼働していると誤認して事故対応していたこともすでに判明している。指揮系統が機能していなかったことが重大事故につながった可能性がある。今月末に公表される中間報告書に、こうした対応が不適切だったと記載される模様だ。

 ◇政府事故調、中間報告へ

 東電が今月2日に公表した社内調査中間報告書などによると、3号機では東日本大震災が発生した3月11日、電源が喪失し、「原子炉隔離時冷却系(RCIC)」と呼ばれる別の冷却系が作動、原子炉に注水した。だが、12日午前11時36分には原因不明で停止。原子炉の水位が低下し同日午後0時35分にHPCIが自動起動したが、13日午前2時42分に停止した、としている。

 複数の関係者によると、事故調が経過を調べた結果、運転員がバッテリー切れを恐れ、吉田前所長の判断を仰がずHPCIを止めたことが分かった。その後、HPCI、RCICともに起動を試みたが再開しなかった。報告書は「HPCIを止めない方がよかった」と指摘する見通し。

 一方、報告書は津波対策にも言及するとみられる。東電は08年、想定していた高さ5・7メートルを上回る10メートル超の津波の可能性を試算したが、社内で「防潮堤のかさ上げは費用が高くなる」との意見が出された。当時原子力設備管理部長だった吉田前所長らが「学術的性格の強い試算で、そのような津波はこない」と主張したこともあり、具体的な対応は見送られたという。

 さらに、報告書は法律に基づいて設置された現地本部が十分機能しなかったことや、政府が「炉心溶融(メルトダウン)」を軽微に感じさせる「炉心損傷」と修正した点にも触れる見込み。閣僚の具体的な関与では今月から聴取を始めており、来夏に作成する最終報告書に盛り込む。

 ◇高圧注水系◇

 非常時に原子炉内に注水するために備えられた緊急炉心冷却装置(ECCS)の一つで、原子炉内の水位が異常に下がった場合に働く。原子炉の余熱で発生する蒸気を利用してタービン駆動のポンプを動かし、復水貯蔵タンクなどの水を勢いよく炉内上部から炉心(核燃料)に注ぎ込む。停電時でもバッテリーで使用できるのが利点。

 ◇解説…有事の指揮系統、機能せず

 これまで東京電力は「原発事故防止のためにさまざまな取り組みをしてきた」「想定を上回る津波だった」などと主張してきた。しかし、政府の事故調査・検証委員会による関係者聴取から浮かぶのは、「不十分な備え」であり、「人災」という側面すらみえる。

 同委員会の調査で、福島第1原発3号機で「高圧注水系(HPCI)」を運転員が独断で止めたことが判明した。今夏までの調査でも1号機の非常用復水器(IC)の停止を吉田昌郎前所長が把握できていなかったことが判明している。重大事故時の備えがなく、運転員にこのような行動をさせた点こそ問題だ。

 また、東電の過酷事故時の手順書には、全電源喪失が長時間続くことを想定せず、格納容器を守るためのベント(排気)の手順なども盛り込まれていなかった。備えが不十分で現場の指揮系統が混乱し、最善策を取れなかったとうかがわせる。

 過酷事故対策は79年の米スリーマイル島原発事故を契機に、世界的に整備が進んだ。日本でも検討され、原子力安全委員会は92年、事業者に過酷事故対策を求めた。だが、事業者の自主性に委ね、それ以来、対策内容を見直してこなかった。あらゆる警告を謙虚に受け止めることが関係者に求められる。
−−−毎日新聞


除染の放射線量 中間目標など示す

東京電力福島第一原子力発電所の事故で比較的低い線量の放射線被ばくについて検討してきた政府の作業チームは、避難の目安とされた年間20ミリシーベルト程度では健康リスクの明らかな増加は証明できないものの、除染の中間目標として2年後までに年間10ミリシーベルト以下にすべきだとする報告書をまとめました。

放射線医学の専門家などからなる政府の作業チームは、比較的低い放射線量が健康に及ぼす影響について議論を重ね、15日、提言を報告書にまとめました。この中で、避難の目安とされた年間20ミリシーベルト程度では健康リスクの明らかな増加は証明できないとした上で、20ミリを超えない地域でも念のため、除染や食品の安全管理などを継続して行うべきだとしています。また、避難区域で行う除染の中間目標として2年後までに年間10ミリシーベルト、次の段階で5ミリシーベルト以下とし長期的には1ミリシーベルトを目指すべきだとしています。さらに子どもの生活環境の改善を優先すべきだとして、避難区域にある学校を再開する際には、空気中の放射線量を1時間当たり1マイクロシーベルト以下とするよう求めたほか、内部被ばくの検査の継続も検討すべきだとしています。報告書の作成には細野原発事故担当大臣も参加し、盛り込まれた提言は今後の対策に反映されることになっています。

除染目標20mmデシベル

細野原発事故担当大臣は、15日夜、政府の作業チームから報告書を受け取ったあと、記者団に対し、「恐れるべきでないものはどこなのかという線をしっかりと伝える出発点になる。報告書の内容を、福島県でどう具体的に政策として生かしていくか、これからしっかり協議したい」と述べました。
−−−NHK






平成23年12月15日


「冷温停止達成」16日に首相が表明へ 福島第一原発

 政府と東京電力は16日、事故を起こした福島第一原子力発電所の原子炉の冷却が進み安定した冷温停止状態になったとして、事故収束のための工程表を達成したと発表する。野田首相が記者会見を開き、達成を表明する予定だ。今後は、30年以上かかる廃炉に向けた工程表を示し、年明けから作業を始める。

 工程表は事故で避難を余儀なくされた住民へ収束の道筋を示すために、事故発生から約1カ月後の4月に示された。当初、10月中旬から来年1月半ばごろまでに達成するとしていた。

 原子炉が安定した状態になる「冷温停止状態」を目標に掲げ、その達成を目指してきた。東電は原子炉の冷却と、新たに発電所の敷地外に放射性物質が飛散するのを抑えるための作業を続けてきた。
−−−朝日新聞


落ち葉のセシウム 完全除去法を開発

 落ち葉や雑草などから放射性セシウムを完全に除去する方法を、千葉大工学部の片山栄作特別研究員(62)=元東大医科学研究所教授=と群馬県渋川市の阿藤工務店専務、川上勇さん(63)が開発した。セシウムが葉や茎に含まれる「プラントオパール」(植物石)と呼ばれる粒子に結合していることを突き止め、プラントオパールを分離することでセシウム除去に成功。片山さんは「さまざまな除染に応用できる」と期待している。

 2人は放射性セシウムに、雲母などケイ酸化合物を主成分とする鉱物と強く結合する性質があることに着目。同じ主成分のプラントオパールにも同様の現象が起きるとの仮説を立てて実験した。

 福島県南相馬市で11月中旬、刈り取られた雑草570グラムを水分が蒸発しないよう密封。どろどろの液状に腐らせた後の12月10日に測定すると、1キロあたり2万8924ベクレルの放射性セシウムが計測された。これに水を加えてコーヒーフィルターでろ過すると、ろ過後の液体からは検出されなかった。フィルターに残ったかすを顕微鏡で観察すると、多数のプラントオパールを確認。セシウムがプラントオパールと化学的に結合し、フィルターに引っかかったとみられる。

 かすの容積は元の雑草の約10分の1になった。かすにはセシウムが濃縮されるが、置き場探しが課題の落ち葉や雑草の容積を減らせるとみて、2人は大量に処理できる装置を開発したい考えだ。

 プラントオパールは数マイクロメートル〜100マイクロメートルほどの粒子。枯れた葉からはがれて飛散することから、片山さんらは▽落ち葉や雑草は野積みせず閉鎖された所に保管する▽植物の多い汚染地域ではマスクをする−−などの対策が必要と指摘している。

 片山さんと川上さんは趣味の天文観測仲間。福島県の友人から除染の相談を受けた川上さんが研究を進め、片山さんが協力した。片山さんは「本来なら論文にして発表するところですが、被災地のために実用化を優先します」と話している。
−−−毎日新聞


新工程表判明 廃炉まで最長40年


福島第一原子力発電所の廃炉に向けた新たな工程表を、経済産業省と東京電力がまとめ、メルトダウンによって溶け落ちた燃料を回収したうえで原子炉を解体する作業が、最長で40年かかることが分かりました。

福島第一原発の廃炉に向けて、国の原子力委員会は、原子炉を解体するまでに30年以上かかるとした報告書を作成し、経済産業省と東京電力がこれを基に具体的な作業を盛り込んだ新たな工程表の内容が明らかになりました。それによりますと、使用済み燃料プールにある燃料は、原子力委員会の報告書より1年前倒して、2年以内にまず4号機で最初に取り出し、敷地内の施設に一時、保管する計画です。また、メルトダウンによって原子炉内や格納容器に溶け落ちた1号機から3号機の燃料は25年後までに回収したうえで、原子炉や建物の解体を進め、廃炉のすべての作業を最長で40年かけて終えることを目指しています。原子炉や格納容器は放射性物質で汚染されているうえ、水が漏れだしている場所もあり、強い放射線の中で漏えい部分を修理するという、世界でも例のない困難な作業に備え、遠隔操作するロボットの開発も盛り込まれています。政府は、16日、福島第一原発の「冷温停止状態」とともに、事故の収束に向けた工程表の「ステップ2」の達成を宣言する予定で、廃炉に向けた新たな工程表は、今月下旬、公表することにしています。
−−−NHK





平成23年12月14日


ホットスポット見えるカメラ 東芝が開発

東芝は13日、放射線量を色の違いで映し出すカメラを開発したと発表した。局地的に放射線量が高い「ホットスポット」を見つけるのに役立ち、除染作業の効率がよくなるという。このカメラを使った計測サービスを来年から環境省や自治体などに売り込む予定だ。

 カメラ内部に放射線を測定するセンサーと、映像を取り込むセンサーを取りつけた。センサーからの2種類の信号をあわせ、パソコンなどの画面に映し出すことで放射線が見えるようにした。放射線量が高い場所は赤く表示されるので、従来の放射線量を数値で示す測定器よりもホットスポットが発見しやすいという。

ホットスポットカメラ 東芝

 東京電力福島第一原発の建屋内でも、ほぼ同じ機能を持つ東芝製のカメラが使われた。感度を高めたうえで、大きさと重さをほぼ半分にして自治体などでも使いやすくした。年内に福島市と共同で実証実験をして実用化する。自治体などから希望があれば、カメラそのものの販売も検討する。
−−−朝日新聞


原発発電コスト、5割高の8.9円 事故対策考慮し試算

野田政権のエネルギー・環境会議(議長・古川元久国家戦略相)のコスト等検証委員会(委員長・石田勝之内閣府副大臣)は13日、電源ごとの発電コストの試算結果をまとめた。この試算をもとに、政権は来夏をめどに新しいエネルギー基本計画をまとめる。

 検証委は今回の試算で、東京電力福島第一原発事故をめぐる費用や立地対策などの補助金、燃料費の上昇など、これまで考慮してこなかった要素を追加。さらに2010年から10年ごとに、それぞれの年に稼働を始めた場合を想定した。

 原子力は、04年の資源エネルギー庁の試算で1キロワット時あたり5.9円だったが、事故を起こした原子炉の廃炉や除染に必要な費用のほか、立地交付金といった政策経費などを上乗せ。10年以降は5割高の「最低でも8.9円」となった。事故の対策費が1兆円増えるごとにコストは約0.1円ずつ増える。
−−−朝日新聞


除染支援、毎時0.23マイクロシーベルト 基準を了承

東京電力福島第一原発の事故で汚染された地域のうち、国が除染支援する地域の指定基準について、文部科学省の放射線審議会は13日、放射線量が毎時0.23マイクロシーベルト(年間1ミリシーベルト)以上とする環境省令案を了承した。環境省は14日にも省令を出し、来週にも地域を指定する。

 放射性物質汚染対処特措法に基づく省令で、環境省が11月に諮問した。原発から20キロ圏の警戒区域や線量が年20ミリシーベルト以上の計画的避難区域は国が除染する一方、1ミリシーベルト以上の地域は市町村が除染する「汚染状況重点調査地域」に指定する。その際の基準値を0.23マイクロシーベルトとする案を妥当とした。

 この数値は、自然からの線量0.04マイクロシーベルトと原発事故による追加被曝(ひばく)線量0.19マイクロシーベルトを足し合わせた。屋外で8時間、木造家屋で16時間過ごすと仮定すると、1年で1ミリシーベルトを超える。
−−−朝日新聞


被曝線量を早く知っていれば…調査結果に憤り

福島県は、13日に公表した全県民対象の健康管理調査の中間結果で、東京電力福島第一原発事故から4か月間の外部被曝(ひばく)線量(推計)について、居住地や避難経緯などに分け18のモデルケースを示した。

避難行動パターン

 避難場所や時期で被曝線量に差があった。分析に使った放射性物質の拡散予測「SPEEDI(スピーディ)」の情報を政府は当初、公表せず、「線量が高いと分かっていれば、別の場所に避難した」と住民は改めて憤っていた。

 推計で被曝量が最も高いのは、事故当時から飯舘村で高い放射線量の場所にとどまり、6月下旬の役場機能の移転に合わせて避難したケースで、19ミリ・シーベルト。最低は、事故当時に広野町にいて翌日町外に避難した場合の0・18ミリ・シーベルトだった。
−−−読売新聞


:「帰還困難区域」指定へ 土地買い上げ検討

政府は東京電力福島第1原発事故に伴う避難区域について、年間の放射線量に応じて新たに3区分に再編する方向で調整に入った。現行は原発から半径20キロ圏内の「警戒区域」と年間被ばく線量が20ミリシーベルトを超える「計画的避難区域」に分類。新たな区分では50ミリシーベルト以上の年間線量が高い地域について、長期間にわたり住民が居住できない「帰還困難区域」に指定し、土地の買い上げなどの支援を検討する。

帰宅困難地 買い上げか

 3区分は▽年間線量が20ミリシーベルト未満の「準備区域」▽20ミリシーベルト以上50ミリシーベルト未満の「居住制限区域」▽50ミリシーベルト以上の「帰還困難区域」−−に分ける。区域指定にあたっては、同じ市町村内でも場所によって放射線量が異なるため、集落単位で指定できるよう自治体と協議を進める。

 政府は16日の原子力災害対策本部(本部長・野田佳彦首相)で、事故収束に向けた工程表のステップ2終了を決定し、年内にも避難区域見直しに向けた考え方を公表する。

 20ミリシーベルト未満の「準備区域」は住民の帰宅に備える地域。現在は住民がいないため、生活空間の除染や上下水道、学校、病院などのインフラ整備を進める。インフラの整備状況や自治体側の希望に合わせて、可能な地域から順次解除していく方針で、早くても来春以降になる見通し。

 「居住制限区域」は数年間、居住ができないとみられ、除染などで20ミリシーベルト未満を目指す地域となる。「帰還困難区域」に該当しそうな線量が高い地域は、福島第1原発周辺から北西方向にかけて広がっており、数十年間にわたって住民が住めないとみられる地域もある。

 首相は11月25日の参院本会議で「相当な期間にわたり住民の帰還が困難な区域が出てくることも考えられる。土地の買い上げなどを含め、国が責任を持って中長期的な対応策を検討していきたい」と述べ、支援策を検討する考えを示した。区域の名称に「長期」を入れる案もあるが、被災者の心情に配慮し見送るべきだとの意見もあり、調整を進めている。
−−−毎日新聞


暮らしどうなる? 粉ミルク、大丈夫? 明治製品からセシウム検出

 明治の粉ミルクから最大30・8ベクレルのセシウム(134と137の合計)が検出されたという発表は、乳児をもつ母親を不安に陥れた。他社の製品は大丈夫なのか。粉ミルクを製造する国内全6社に、検査の実態や対策を聞いた。【中村美奈子、木村葉子、下桐実雅子】

 ◇国内6社とも「不検出」 各社異なる「限界値」 ゼロかは不明

 シェア1位の明治は4月から月1度、缶に詰める直前の粉ミルクを検査してきたが異常はなかったという。放射性物質が出たのではという報道機関からの問い合わせで、缶詰め後の製品を検査したところ検出された。このため震災後に製造した商品を順次、調査し始めた。これから市場に出るものは、全製造日で抜き取り検査を行うという。

 問題の商品は3月14〜20日に製造された。粉ミルクを乾燥させる工程で、工場外の大気からセシウムが取り込まれたと明治はみている。工場にはちり対策のフィルターがついていたが、放射性物質は取り除けなかったようだ。明治はセシウム検出後、工場内の敷地の大気を毎日計測しており、「変動があれば生産を中止する」としている。

 大気中の放射性物質の数値が高かった3月に生産された粉ミルクについて、各メーカーの検査態勢を尋ねた=表参照。いずれも検出限界値以下で不検出とされているが、限界値は各社で異なり、ゼロかどうかはわからない。

 森永乳業は3月中、缶詰め前のサンプル検査をしていたが、4月以降は月1回以上に減らしていたという。今回のセシウム検出を受け「4月以降についても缶詰め前のサンプルを調べることにした。工場内の空気中の放射性物質も調べる」と述べ、検査態勢を強化する方針を打ち出した。缶詰め前のサンプルを震災後、調べ続けている和光堂も「サンプルの数を増やしたい」と話した。

 ビーンスターク・スノーと雪印メグミルクは検査していなかったが、明治の報道を受け、3月製造分の缶詰め後のサンプルを調べた。

 唯一、工場が西日本にあるアイクレオは、缶詰め後のサンプル検査を8月から始めた。また月1回、各製品を抜き出して外部の検査機関に検査を依頼している。大気の放射線量については、変動がないか週に1度は計測。工場には粉じんを除くフィルターもついているが「放射性物質の完全除去は難しいのかもしれない」とも述べ、技術的な検討課題としている。

 原料の脱脂粉乳については各社とも、海外産か北海道産などを使っている。アイクレオは自社で検査しており、放射性物質は検出されていないという。

 ◇検出の「30ベクレル」 「規制値以下、心配ない」「許容量決められない」

 今年6月に出産した東京都北区の女性(41)は母乳の出が足りないため、生後5カ月の息子に1日1〜2回各100ミリリットルの粉ミルクを飲ませている。調乳には米ハワイ産の水を使い、私立幼稚園に通う4歳の娘には、同じ水を水筒に入れ持たせる。料理には国産のペットボトルの水を使う。

 「こんなに気をつけているのに、粉ミルクが汚染されていたとは。うちは明治ではないけれど、心配です」

 食品中の放射性物質の上限はセシウムで年5ミリシーベルトで、これに基づき乳製品の暫定規制値は1キロ当たり200ベクレルと定められている。厚生労働省は年1ミリシーベルトに下げる方針を決め、新基準値を策定中だ。放射線の影響を受けやすい乳児向けの基準を設けるとも表明しており、200ベクレルよりかなり厳しくなるのは確実だ。

 専門家の見方はどうか。

 唐木英明・倉敷芸術科学大学長(食品安全)は「1キロ当たり30ベクレルのセシウムが検出された粉ミルクを、乳児が仮に1キロ摂取したとしても、被ばく線量は0・001ミリシーベルト以下。一般人の年間被ばく線量の上限1ミリシーベルトの1000分の1と少ない」と解説。「暫定規制値以下で心配ないのに企業はなぜ回収するのか、説明不足だ。日本人はゼロリスク志向が強すぎる」と述べた。

 今年6月から福島県で定期的に健康相談会を開いている小児科医の山田真さん(70)は「たばこや紫外線の害と同様、放射性物質の摂取に許容量は決められない」と考えている。「被ばく量は少なければ少ないほどいいとしか言えず、今回の30ベクレルは大丈夫とは言えないと思う。調乳で薄めてもセシウムが入っていることには変わりない。粉ミルクに限らず販売前のすべての食品に、放射性物質が何ベクレル検出されたか、検査をして表示すべきだ」

 国際環境NGO「グリーンピース・ジャパン」の招きで来日中のウクライナ放射線医学研究センター放射線・小児・先天・遺伝研究室長のエフゲーニャ・ステパノワさんは、チェルノブイリ事故以来25年間、5万人の子どもたちを診てきた。

 「ウクライナでは子どもの食品の安全基準は1キロ当たり40ベクレルで、食品全体の総量規制はない。30ベクレルは、私たちの国の法律では許容値内です。内部被ばくを避けるには、粉ミルクなど子どもの食品を作る会社が汚染されていない食品を作るしかありません」

−−−毎日新聞


汚染水 別の場所からも漏れる

東京電力福島第一原子力発電所の汚染水の処理装置から放射性物質を含む水が漏れていた問題で、この装置の別の場所からも水が漏れていたことが新たに分かり、経済産業省の原子力安全・保安院は、再発防止策を速やかにとるよう、東京電力に厳重に注意しました。
サンプリングラインから漏れ

福島第一原発では、汚染水から放射性物質を取り除いたあと塩分を除去する装置から、今月4日、大量の汚染水が漏れて、一部が外に流れ出しているのが見つかり、放射性ストロンチウムなどを含む汚染水が、およそ150リットル海に流出したとみられています。原子力安全・保安院は、原因を究明し再発防止策を報告するよう、東京電力に指示しましたが、12日、この装置の別の場所からも放射性物質を含む水が漏れ出しているのが、新たに見つかりました。漏れた水はおよそ30リットルで、装置が置かれた敷地の中にとどまっていて、近くの弁を閉め直した結果、水は漏れなくなったということです。原子力安全・保安院は、13日、東京電力に対し、原因を究明し、再発防止策を速やかにとるとともに、この装置の一部を使わないよう、文書で厳重に注意しました。福島第一原発の事故のあと、原子力安全・保安院が東京電力に対し厳重に注意したのは、原発に作業員が立ち入る際、本人かどうかの確認が不十分だったと指摘した、ことし8月以来です。
−−−NHK


被災地 元の校舎使えず100校超

東日本大震災によって、岩手、宮城、福島の3県では、100校を超える小中学校などが元の校舎を使えず、ほかの学校などを使用し、不自由な学習環境にあることが、文部科学省の調査で分かりました。
間借り学校106校

文部科学省は、岩手、宮城、福島の被災3県のすべての公立の小中学校と高校、それに特別支援学校を対象に、ことし10月1日現在で、授業がどのように行われているか調査しました。それによりますと、学校の校舎が被災したため、ほかの学校や施設を間借りして授業を行っている学校は106校に上り、内訳は、福島県が45校、宮城県が42校、岩手県が19校でした。こうした学校は、校舎が壊れて復旧していないところがほとんどですが、福島県では、東京電力福島第一原子力発電所の事故による放射線の影響で、元の学校に戻れないところもあります。また、別の学校が間借りしていたり、転入生が増えたりしている影響で、1クラスで40人を超える規模で授業をしている学校は78校、1つの教室を2クラス以上が使ったり、体育館で授業をしたりしている学校は70校でした。このほか、特別教室を使う理科の授業ができなかったり、スクールバスで遠くの仮設住宅を回るため、授業時間を早く切り上げたりする学校もあり、子どもの学習環境が依然として厳しい実態が明らかになりました。文部科学省は「仮設校舎が建つなどして環境が改善した学校も出てきているが、子どもの学びを支援するため、校舎の復旧を急ぎたい」と話しています。
−−−NHK





平成23年12月13日


年間被曝基準値は1ミリSvに…作業部会素案

東京電力福島第一原子力発電所の事故を受け、低線量の放射線被曝(ひばく)の健康影響を検討していた政府の作業部会は12日、100ミリ・シーベルト以下の被曝で死亡率が増加するかどうかは科学的に証明できないが、放射線量が高い居住地域では、一般人の年間被曝基準値の年間1ミリ・シーベルトを目指すべきとする報告書の素案を取りまとめた。

15日にも細野原発相に提出する。

 この報告書に基づき、政府は原発から半径20キロ・メートルで設定され、放射線量の基準は設定されていなかった警戒区域の解除の考え方を打ち出すが、報告書は解除の目安となる具体的な数値は示していない。このため、国際放射線防護委員会(ICRP)が事態収束後の目標として示している1〜20ミリ・シーベルトの値の間で政治判断される見通しだ。
−−−読売新聞


原発依存度減らす工程 重点議論へ

国の中長期的なエネルギー政策の見直しを議論している経済産業省の総合資源エネルギー調査会は、年明け以降、原子力発電への依存度をいつまでにどの程度、減らすのかや、省エネルギーを有効に進めるための方策などについて重点的に議論することになりました。

総合資源エネルギー調査会は、国の中長期的なエネルギー政策の土台となる新しいエネルギー基本計画の策定を目指しているもので、12日夜、2か月間にわたる議論の成果をまとめた内容が示されました。それによりますと、省エネルギーや節電対策を抜本的に強化することや、再生可能エネルギーの開発を加速させること、それに、原子力発電への依存度をできるかぎり低減させることなどで、おおむね基本的な方向性が一致したとしています。出席した委員からは、議論が十分に尽くされていないなどとして反対意見も出されましたが、文言の修正を加えたうえで、新しいエネルギー政策の全体像を決める関係閣僚会議に、基本的な考え方として提出することになりました。そのうえで、総合資源エネルギー調査会は、年明け以降、原子力発電への依存度をいつまでにどの程度、減らすのかや、省エネルギーを有効に進めるための方策などについて重点的に議論することにしています。
−−−NHK





平成23年12月12日


除染地域の指定「早ければ来週にも」 環境省見通し

東京電力福島第一原発の事故で、放射線量の測定や除染が必要な地域について、環境省は11日、早ければ来週にも指定するとの見通しを示した。指定されれば、環境汚染に対応する特別措置法に基づいて国が除染に財政支援をする。

 指定されるのは、福島第一原発から半径20キロ圏内の警戒区域や、放射線量が年20ミリシーベルト以上ある計画的避難区域内の除染が必要な「特別地域」と、それ以外の年間1ミリシーベルト(毎時0.23マイクロシーベルト)以上の放射線量が検出された「汚染状況重点調査地域」。汚染状況重点調査地域は福島県外も含めて100市町村を超える見込みだ。

 13日までに特措法の除染基準について、文部科学省の放射線審議会と原子力安全委員会が了承すれば、環境省が14日にも省令を出す。環境相がそれぞれの市町村に地域指定を受けるかを尋ねて、来週にも指定した市町村を公表する。
−−−朝日新聞


「震災後、津波への警戒感が低下」その理由

東北の大津波のあと、西日本の住民は、危険な津波があっても避難しない可能性が高くなったという研究結果が発表された。

津波への退避鈍る(
津波の襲われた仙台空港

3月11日に発生した東北地方の地震と津波のあと、日本[西日本]の住民は、危険な津波があっても避難しない可能性が高くなったという研究結果が発表された。

 東京大学地震研究所の大木聖子助教は12月5日(米国時間)、米国地球物理学会の年次大会で調査結果を発表し、「巨大な津波は人々に教訓を与えたわけではなく、逆に、人々の意識は以前より危険な状態になっている」と述べた。

 大木氏は、東北の震災のほぼ1年前に起きた2010年のチリ地震のあと、日本の住民に対して、津波への備えに関する質問を行った。このときは、危険な津波の高さは「10cm〜1m」と回答した人が70.8%で、この高さで避難すると答えた人も60.9%だった。[数値は日本の報道より]

 しかし、東北震災の1カ月後に同じ質問を行うと、上記の数字は半分近くに減少した。[危険だと思う津波の高さを「10cm〜1m」と答えたのは回答者の45.7%で、「この大きさの津波が近づいているという警告を聞いたら避難する」と答えたのは38.3%しかいなかった。逆に、危険な高さは「5〜10m」と答えた人は、震災前には3.7%だったのが、震災後は20.2%まで増加した]

 実際には、50cmの速い流れでも、人間はさらわれて溺れる可能性がある。また、わずか2mの波でも、木造の住宅が押し流されたり破壊されたりするおそれがある。[木造住宅は、1mで半壊,2mの津波で全壊するとされる.。
−−−産経新聞


本格的除染 来年3月末にずれこむ

放射線量が高い福島県の警戒区域と計画的避難区域の除染について、環境省は、道路や水道といったインフラの設備については来年1月末から始めるものの、住宅や農地などの本格的な除染は、3月末からにずれこむという見通しを明らかにしました。

本格的保線は来年3月

放射線量が高い福島県の警戒区域と計画的避難区域は、来年1月に施行される特別措置法で、国が直接、除染を行うことになっていて、これに先駆けて、効果的な除染方法を探るためのモデル事業が進められています。環境省は、こうした地域の除染を、来年1月以降に開始するとしてきましたが、11日、開かれた検討会で、道路や水道、電気といったインフラの設備の除染は1月末から始めるものの、住宅や農地などの地域全体の本格的な除染は3月末からになるという見通しを明らかにしました。理由について、環境省は、住宅や農地は避難している住民などの許可を得るのに時間がかかるうえ、除染で出た土などの仮置き場の確保が難航していることを挙げています。また、年間の被ばく線量が20ミリシーベルトを大きく超えるような、特に放射線量の高い地域の除染は、除染の方法や作業員の安全管理について、新たなモデル事業で検証したうえで進めるとしています。法律では、警戒区域などは、特に放射線量の高い地域を除いて、平成26年3月末までに、除染した土の仮置き場への移動を終えることを目指すとしていて、作業のスピードアップが課題になります。
−−−NHK






平成23年12月11日


吉田前所長「食道がん」公表 被曝線量70ミリシーベルト 専門医「被曝がつながった可能性低い」


東京電力福島第1原発で事故収束の陣頭指揮にあたり、12月1日付で退任した吉田昌郎前所長(56)が9日午前、同原発を訪れ、所員向けのあいさつで、自らの病名が食道がんであることを公表した。東電によると、3月11日以来の被曝(ひばく)線量は70ミリシーベルトだが、専門医からは「被曝が発症につながった可能性は低い」との評価を受けているという。
−−−産経新聞





平成23年12月10日


11月中旬にセシウム情報把握 粉ミルクから検出の明治

食品大手の明治は9日、同社の粉ミルクから放射性セシウムが検出された問題で、これまで公表していたきっかけより2週間早い11月中旬に検出の情報が寄せられていたことを明らかにした。同社は詳細な情報が得られなかったため詳しい検査はしなかったとしている。

 明治によると、11月14日に「インターネットに明治の粉ミルクからセシウムが検出されたという情報がある」といった複数の連絡があった。同社はこのサイトを確認したが、情報が掲載されていなかった。このため、「普段の定期検査で放射性物質が検出されていないこともあり、その時点で製品の検査はしなかった」という。

 明治はこれまで11月28日に放射性物質の検出について連絡があったため、検査に乗り出したと説明していた。広報担当者は「28日の通報は検査機関名や当該商品の賞味期限など、より具体的な情報があったため検査した」としている。
−−−朝日新聞


戸建ての除染費用は70万円 内閣府、初めて目安示す

東京電力福島第一原発の事故で放出された放射性物質の除染について、内閣府は9日、除染費用の目安を初めて福島県内の市町村に示した。年間の追加被曝(ひばく)線量が1ミリシーベルト以上の地域については国が除染費用を支援する。

 例えば、敷地面積が400平方メートル以下の一戸建ての場合は70万円。内訳は、高圧洗浄機やブラシを使った屋根や雨どい、壁の洗浄が30万円▽庭の表土のはぎ取りと入れ替えが15万円▽草木の除去が10万円――。公共施設や商業施設、マンションなどの集合住宅は、敷地面積1ヘクタールで950万円と試算している。

 ほかに、両側に側溝がある県道は1キロメートル270万円▽生活圏に近い森林の枝打ちや落ち葉拾いが1ヘクタール60万円▽耕作していない農地の表土のはぎ取りと入れ替えが1ヘクタール950万円――。

 民家の除染が始まっている福島市や伊達市の実績と、ゼネコンなどの見積もりから算出した。内閣府の担当者は「あくまで今の時点での費用」と話す。
−−−朝日新聞


「ステップ2」達成へ…東電の計画「妥当」評価

経済産業省原子力安全・保安院は9日、東京電力福島第一原子力発電所の冷温停止状態から2〜3年間の中期的な安全対策を定めた東電の施設運営計画を「妥当」とする評価書の原案をまとめた。
原子炉の安定冷却を維持する対策がとられることなどから判断した。これで冷温停止状態の実現を柱とする工程表の「ステップ2」達成の前提条件が出そろったことになる。

 保安院は同日開かれた有識者会議の意見を踏まえ、週明けにも評価書を原子力安全委員会に報告する。

 同計画は、ステップ2達成以降、廃炉作業が本格化するまでの安定冷却維持や再臨界防止などの対策をまとめたもの。ステップ2達成には「原子炉圧力容器底部の温度が100度以下」「放射性物質の放出管理」のほか、同計画の妥当性の確認が要件となっていた。
−−−読売新聞


線量調査、野生サルに“依頼” 首輪にメーター、福島大計画

原発事故で汚染された福島県の森林の放射線量を調べるため、人里近くまで下りてきた野生のサルに一役買ってもらう作戦が進んでいる。捕獲したサルに、小型サーベイメーターと衛星利用測位システム(GPS)が埋め込まれた首輪を装着。山に戻して1〜2カ月後、首輪を回収しやすい場所に現れたところで遠隔操作によって外し、データを集める計画だ。

 福島大の高橋隆行教授(ロボット工学)らのチームが考案。森林の線量調査は現在、主に小型ヘリコプターなどによって上空から行われているが、より詳細なデータを得るにはサルのフットワークの軽さが一番となった。

 野生動物の保護のため、自然の中での被ばく状況を調べることも兼ねており、来春までには実行に移したい考えだ。高橋教授は「落ち葉などに付着した放射性物質は移動しやすいため、森の中の状況を長期的に確認したい」と話している。
−−−産経新聞





平成23年12月9日


外部被曝、最高37ミリシーベルト 福島住民調査で推計

東京電力福島第一原発の事故による福島県民の外部被曝(ひばく)線量について、住民約1730人の推計値が最高37ミリシーベルト、平均1ミリシーベルト強だったことが県の解析でわかった。今回の対象は、飯舘村など比較的、空間線量が高い3町村の住民だが、約半数の住民が4カ月間で平常時の年間限度1ミリシーベルトを超える被曝をしていた。v

福島住民被爆 37ミリシーベルト

 住民の外部被曝の実態が判明するのは初めて。県は近く結果を公表し、本人に郵送で連絡する。
−−−朝日新聞


汚染処理水の放出、当面見合わせ 東電、漁業団体に配慮

東京電力は福島第一原発にたまっている放射能汚染水を処理して海に放出する計画を検討していたが、8日、放出を当面は見合わせることを明らかにした。放出を盛り込んだ計画書を経済産業省原子力安全・保安院に提出する予定だったが、漁業団体の抗議に配慮した格好だ。

 当初の計画では、1〜4号機のタービン建屋などにたまった汚染水をセシウム吸着装置などで浄化し、基準以下の放射性物質の濃度にして放出する予定だった。しかし、8日夜に保安院に提出した中期的な施設運営計画では、放出の記述は削除され、盛り込まれなかった。

 事前に計画の説明を受けた全国漁業協同組合連合会(全漁連)の服部郁弘会長が8日午前、東京電力本社を訪れ、「安易な海への放水は容認できない」と強く抗議。西沢俊夫社長に手渡し、処理水の放出計画の撤回を求めていた。
−−−朝日新聞


自衛隊、原発20キロ圏内の役場を除染

東京電力福島第一原子力発電所から20キロ圏内の警戒区域などで行われている自衛隊の除染活動が8日、報道陣に公開された。

自衛隊 役場除染作業  自衛隊 役場を除染

 福島県の福島駐屯地(福島市)と郡山駐屯地(郡山市)から約900人が派遣され、浪江町や富岡町、楢葉町と、計画的避難区域の飯舘村の役場で約2週間にわたり、高圧洗浄機による路面の洗浄や表土のはぎ取りなどを行う。

 浪江町役場では8日午前、小雨が降る中、防護服を着た約150人の隊員が側溝のふたを開けて泥や落ち葉をかき出すなどした。
−−−読売新聞


福島第1原発:1号機 復水器再稼働なら炉心溶融に至らず

東京電力福島第1原発事故で、1号機の原子炉を冷却する非常用復水器(IC)が津波襲来から1時間以内に再稼働した場合、炉心溶融に至らなかったことが8日、原子力安全基盤機構(JNES)の解析で分かった。ICは電源が失われても動く唯一の冷却装置だが、ICにつながる配管の弁が閉じ、機能を果たせなかった。迅速に弁を開ける方法を準備していれば、炉心溶融は避けられた可能性がある。

腹水機再稼動なら炉心溶解起こらず

 解析は経済産業省原子力安全・保安院がJNESに依頼し、9日に発表する。

 1号機は3月11日の津波で全電源を喪失、原子炉に水を注入する緊急炉心冷却装置が使用不能になった。2系統あるICは放射性物質を閉じこめるため、電源喪失に伴い弁がすべて閉まるよう設計されており、地震発生後は断続的に動いたが津波後に閉じた。2時間40分後の午後6時18分、蓄電池が復旧して弁が開き、7分だけ稼働したものの、運転員がICの冷却水不足を懸念し手動で停止。再稼働はさらに3時間後だった。

 解析によると、IC停止から約1時間後に冷却水につかっていた炉心が露出。露出後は温度が上昇し、水素が発生し始めてICの効率が低下するため、炉心溶融を回避するのが難しくなったことが判明した。保安院は午後6時18分には既に炉心溶融が始まっていたとみている。ICを再稼働させるには、運転員が現場に行き、弁を手動で開く必要があった。東電は毎日新聞の取材に対し「真っ暗で線量の高い現場に行ってすぐにICを復旧させるのは無理だった」としている。
−−−毎日新聞






平成23年12月8日


福島第一原発廃炉完了に30年以上 原子力委部会が報告
 原子力委員会の専門部会は7日、東京電力福島第一原発の廃炉について、溶けた燃料の撤去や原子炉の解体がすべて終わるのに30年以上かかるという報告書をまとめた。近く原子力委の定例会に正式に報告し、政府に速やかな廃炉作業の開始を提案する。福島県が求めている水素爆発などで再び事故が拡大しないための備えや、委員が提案した地域振興案などを新たに報告書に盛り込む方針
−−−朝日新聞


コメ基準値超え、二本松市旧渋川村地区でも

福島県は7日、二本松市の旧渋川村地区の農家1戸のコメから国の基準値(1キロあたり500ベクレル)を超える780ベクレルの放射性セシウムを検出したと発表した。この農家のコメは流通していないという。県は、同地区で生産されたコメの出荷自粛を要請した。

 福島県内では、福島市と伊達市の計4地区のコメが基準値を超え、出荷停止となっている。これで、基準値を超えた地域は3市5地区に広がった。

 県によると、持ち込まれたこの農家のコメを二本松市が検査したところ、基準値を超えたため、県が分析した。このコメと同じ水田(19アール)で生産された35袋(約1トン)はすべて自宅などに保管しているという。

 県は、この農家に隣接した2戸の農家のコメも調べたが、最大で53ベクレルだったという。このため県は、栽培方法などに問題があった可能性もあるとして原因を調べる方針だ。
−−−朝日新聞


東電:実質国有化へ 政府、公的資本1兆円注入

政府は、東京電力に少なくとも総額1兆円規模の公的資本を注入する方向で調整に入った。福島第1原発の事故対応費用の増加などで、13年3月期に東電が債務超過に陥る可能性が高まっているため。来年6月の定時株主総会で新株を発行する枠である株式授権枠の大幅拡大について承認を得た上で、原子力損害賠償支援機構が東電の新株(優先株)を引き受ける形で来夏の実施を目指す。勝俣恒久会長ら東電の現経営陣の大半を退陣させ、東電の一時、実質国有化に踏み切る構えだ。

東電に1兆円注入、 国有化か

 野田政権は藤村修官房長官が座長を務める「電力改革及び東京電力に関する閣僚会合」などで東電の経営形態について議論しており、年明けにも公的資本注入の方針を示す考え。東電側は原発の早期再稼働と電気料金の大幅値上げを強く求めているが、政府は「消費税率引き上げの議論もあり、国民の理解を得るのは容易ではない」と判断。電力の安定供給確保の観点から、東電を法的整理には追い込まず、資本注入をてこに経営改革を主導したい考え。

 東電は12年3月期で約5763億円の最終赤字を見込み、純資産は7088億円と1年前の2分の1以下に減少する見通し。自己資本比率も6%台に低下し資本増強が喫緊の課題だが、格付けの低下で市場からの資金調達は困難と見られる。

 東電は既に、損害賠償の費用として支援機構経由で国から計8900億円の支援を受けているが、使途は賠償費用に限られている。今後膨らむ除染費用や事故炉の廃炉費用の規模が判明していく過程で債務超過に陥るのは確実と見られている。

 廃炉を巡っては、内閣府原子力委員会の部会が7日に工程を盛り込んだ報告書を策定。具体額は未確定だが、政府の第三者委員会の試算では1〜4号機で1兆1510億円が必要とされ、5〜6号機を加えればさらに経費がかさむ。政府が今春に作成した財務試算資料によると資本注入の額は最大で2兆円。政府関係者は「現在の財務状況では最低で1兆円は必要」と話す。

 資本注入は、東電が発行する優先株を支援機構が引き受ける形で実施する。東電の発行可能な株式の総数が18億株なのに対し、現在の発行済み株式は約16億株。このため、優先株発行には株主総会で株式授権枠を拡大するための定款変更が必要になる。

 発行する優先株には議決権を有する普通株への転換権を付与する方向で、全体の株式数が増える分、既存株主が保有する株式の価値は低下する可能性が高い。
−−−毎日新聞




平成23年12月7日


ベント配管、地震で破損か 東電社員、保安院に説明

経済産業省原子力安全・保安院は6日、東京電力福島第一原発事故を受けて同社社員らに対して実施した聞き取り調査結果のメモを公表した。原子炉格納容器内の気体を外に逃して圧力を下げるベント(排気)を実施する際、配管が地震で壊れていたために操作が難しくなった可能性を指摘する社員がいたことがわかった。
−−−朝日新聞


幹線道路の放射線量測定開始 12都県の2万4千キロ

東京電力福島第一原発の事故による放射能汚染について、文部科学省は6日、年間の追加被曝(ひばく)線量が1ミリシーベルトを超える地域で測定車を走らせて幹線道路周辺の放射線量を測り始めた。岩手県から山梨県までの12都県内にある高速道や国道などで、計2万4千キロになるという。

 年間1ミリシーベルト(毎時0.2マイクロシーベルト)の地域は国の除染支援の対象となる。航空機からの測定で作った汚染マップに基づいて、1ミリの地域が網羅できるよう測定する幹線道路を決めた。周囲より局所的に放射線量が高いホットスポットなど、航空機測定では把握が難しい場所の特定が目的。今月下旬までの予定で、地表から高さ1メートルの放射線量を測るという

−−−朝日新聞


汚染水、海へ150リットル…260億ベクレル

福島第一原子力発電所の汚染水処理施設から汚染水が漏れた問題で、東京電力は6日、約150リットルの汚染水が海に流出したと発表した。

 この中に含まれる放射性物質の総量は約260億ベクレルで、年間の放出基準値の12%に当たる。汚染水を処理して、原子炉に戻す「循環注水冷却システム」が稼働した6月以降、汚染水が海に流出したのは初めて。

 漏れた水は、各号機の地下のたまり水から放射性セシウムを除去した後の水。外部への漏水を防ぐ設備の土台のコンクリートにひび割れができ、排水溝を通じて海に流れ出た。4日夕に採取した排水溝の水から放射性ストロンチウムなどが1立方センチ・メートル当たり49万ベクレルと、高濃度で検出された。
−−−読売深部


津波後も1号機冷却装置稼働と誤認 保安院調査 福島第1

東京電力福島第1原発事故で、1号機の緊急時炉心冷却用の「非常用復水器(IC)」について、3月11日の津波後も稼働を続けていると、当時の所長らが誤認したまま事故対応にあたっていたことが6日、経済産業省原子力安全・保安院の調査で分かった。現場の状況把握を適切にできなかったことで、対応が遅れが出た可能性がある。

 保安院は8月、吉田昌郎前所長ら9人に聞き取り調査を実施し、内容を公表した。聞き取りの証言メモや証言者名は非公開とした。

 調査によると、ICは3月11日の津波で停止後、運転員が2回にわたり再起動させた。だが、吉田前所長や東電本店はこうした状況を知らず、津波後もICは稼働し、原子炉の冷却は続いていると誤認していた。

 東電側は「全体の状況把握に取り組むのが精一杯で、ICに集中して対応できる状況でなかった」と説明した

−−−産経新聞





平成23年12月6日


汚染水漏出は推定3百リットル、海流出は調査中

東京電力福島第一原子力発電所の汚染水処理施設の中で汚染水が漏れた問題で、東電は5日、施設外に漏出したのは約300リットルと推定されると発表した。

汚染水が流入した側溝から海に流れ出たかどうかについては、引き続き調査を進めている。

 東電によると、側溝がつながっている排水路の出口付近では、海水の放射性セシウムが4日午後5時過ぎ時点で1リットル当たり31ベクレルだった。前日比で約10倍高くなったが、東電は「海の流れなどによる自然変動の範囲内」としている。

 一方、経済産業省原子力安全・保安院は5日、東電に対し汚染水漏れの原因究明や再発防止策の提出を指示した。同院はその評価も踏まえ、「冷温停止状態」の実現に必要な施設の安全確保ができているかどうかを判断する。
−−−読売新聞





平成23年12月5日


除染、熊手やクワで手作業も 福島のモデル事業公開

東京電力福島第一原発事故の警戒区域などがある福島県の12市町村で国が実施する除染モデル事業のうち、大熊町役場の周辺で始まっている作業などが4日、報道陣に公開された。

除染方法モデル 大熊町 f串間権

 東京電力福島第一原発から南西に約5キロ。白くくすんだ3階建ての町役場の建物に裏口から入り、階段で屋上に出た。全面マスクに防護服姿の5人の作業員が高圧洗浄機でコンクリートの床を洗い流していた。見回すと、風でちぎれたか朽ちたか、青色の旗と白色の旗がポールの先で揺れていた。町の旗だろうか。

除染方法 クワと竹箒

 高圧洗浄では、水と50〜60度の湯を使う。床を2メートル四方に区切り、温度による効果の違いを確かめる。ブラシも、ナイロンと金属のものの両方を使って違いを比べるという。
−−−朝日新聞


処理後の汚染水45トン漏れる 福島第一 一部は海へ?

 東京電力は4日、福島第一原発にたまる高濃度放射能汚染水を処理する施設から、水が45トン漏れているのが見つかったと発表した。処理後の水だが基準を大幅に上回る濃度の放射性物質を含み、漏れた総量は最大220トンと見積もられ、一部が海に流出した可能性がある。東電は原子炉の冷温停止状態を達成間近としてきたが、一方で復旧作業にはなお手を焼いていることを示している。

 原子炉の冷却水を処理して再利用する循環注水冷却システムで起きた水漏れでは、過去最大の量。漏れた水のセシウム濃度は1リットルあたり4万5千ベクレルで、原子炉等規制法が定める海水での濃度の基準の約300倍。ストロンチウムの濃度は測定に時間がかかるので結果が出ていないが、これまでのデータから分析すると、濃度は1リットルあたり1億ベクレル前後、基準の100万倍あるとみられる。

 装置の運転は止めたが、処理後の水がタンクに1万トン以上あるため、原子炉への注水は続けており、東電は「冷温停止には影響しない」としている。

 東電によると、4日午前11時半ごろ、下請け企業の作業員が、汚染水を淡水化する装置から水が漏れているのを見つけた。処理水が漏れ出て周囲に45トンたまり、たまった水が床近くのひび割れから外に出て側溝に流れ込んでいるのが確認された。水漏れは土嚢(どのう)でせき止めた。
−−−朝日新聞


放射性物質含む水 一部建物外に


東京電力福島第一原子力発電所の汚染水の処理装置で、放射性物質を含む水およそ45トンが漏れ出し、一部が建物の外に流れ出ているのが見つかりました。この水には特に内部被ばくが問題になる放射性ストロンチウムが高い濃度で含まれているとみられ、東京電力は海に漏れ出していないか確認しています。

東京電力によりますと、4日午前11時半すぎ、福島第一原発で、建物の地下などにたまった汚染水から放射性物質を取り除いたあとに塩分を除去する装置から、水漏れが起きているのを作業員が見つけました。装置を停止したところ、水漏れは止まったとしていますが、放射性物質を含む水、少なくともおよそ45トンが装置から漏れ出し、一部が建物の外の側溝に流れ出ているとみられることが分かりました。この水の放射性物質は、処理装置によってセシウムは1立方センチ当たり45ベクレルまで減っていますが、特に内部被ばくが問題になるストロンチウムは1立方センチ当たり13万ベクレルほど含まれているとみられるということです。この建物近くにある側溝は600メートルほど離れた海につながっていて、東京電力は水が海に漏れ出していないか確認するとともに、側溝の下流側に土のうを積むなどの対応を取っています。この装置の水は原子炉の冷却に使われていますが、東京電力は「冷却に影響はない」としています。
−−−NHK






平成23年12月4日


セシウム焼却灰、排出した首都圏への返却始まる 秋田

放射性セシウムを含む焼却灰が首都圏の自治体から持ち込まれた秋田県で3日、排出元の埼玉県加須市などへ灰を返す作業が始まった。大館市と小坂町に4カ月半、仮置きされていたが、住民の反発で処分再開のめどが立たないため、順次、送り返す。年内に作業を終える予定だ。

 返却先となるのは加須市のほか、千葉県市川市、神奈川県大和市など6県の6市町4事務組合。焼却灰は計245トンで、ほとんどが鉄道コンテナ25基に入れられたままになっている。作業は午前9時に始まり、まず、加須市に返す灰18トンがトラックに積まれた。JR大館駅から、4日に貨物車で出発する。

 秋田県に運び込まれた焼却灰をめぐっては、7月11日、千葉県松戸市の灰から国の基準(1キロあたり8千ベクレル)を上回る放射性セシウムが検出された。しかし、松戸市からの連絡が不十分だったため、小坂町の処分場に埋め立てられた。さらに他の自治体などからも灰が運び込まれ続けた。

 今回返すのは、処分場運営会社のDOWAエコシステム(東京)が自治体などに処分中止を連絡するまでに運び込まれた焼却灰。灰は行き先を失い、大館市と小坂町にあるDOWAの関連施設に仮置きされていた。その後、両市町とも受け入れ再開の意向を示したが住民が反発。DOWAが改めて排出元自治体などと協議し、返却を決めた。戻される灰の放射性セシウムの濃度は国の基準を下回っている。
−−−朝日新聞


福島8町村「世界最大の被害者」 国・東電に完全賠償要求

東京電力福島第1原発が建つ福島県双葉町、大熊町を含む双葉郡8町村の住民、首長らが3日、同県いわき市で総決起大会を開き、原発事故で生じた損害を完全に賠償するよう求める要求書を国、東電に提出した。

 国に対し「われわれは世界最大の被害者。完全賠償なくして復興と再生はあり得ない」と主張。文部科学省の原子力損害賠償紛争審査会に地元からの委員参加を求めた。東電には事故の責任を最後まで果たすことなどを要求した。

 双葉町の井戸川克隆町長が「罰を受けるような惨めな避難生活は納得できない」とあいさつ。商工業、農業などの各種団体や子供を持つ母親らが窮状を訴えた。要求書を受け取った東電の西沢俊夫社長が「私が先頭に立って取り組む」と壇上から理解を求めたが、会場からは「金は要らないから(生活を)元に戻せ」などとやじが飛んだ。
−−−読売新聞


福島県の4役場 自衛隊が除染へ


放射線量が高い福島県内の警戒区域や計画的避難区域にある4つの役場について、自衛隊は、放射性物質を取り除くための除染を今週半ばから行うことにしています。

4役場の除染 自衛隊の手で

東京電力福島第一原子力発電所の事故で放射線量が高くなっている福島県内の警戒区域や計画的避難区域について、政府は来年から本格的な除染活動を行うことにしています。この除染活動の拠点となる、楢葉町と富岡町、浪江町、飯舘村の4つの役場について、自衛隊は、今週半ばから除染を行うことになりました。役場の除染を行うのは、福島県に駐屯する陸上自衛隊第44普通科連隊や第6特科連隊などの部隊で、庁舎の床や壁を水で洗浄したり、側溝にたまった汚泥などを取り除きます。また、役場の敷地内についても、特に線量が高いところは表土を取り除いたり、樹木の枝を切ったりすることにしていて、自衛隊は、今月20日ごろまでにすべての作業を終えることにしています。
−−−NHGK







平成23年12月3日


「揺れは想定内、津波は想定外」東電が中間報告書

東京電力は2日、福島第一原発の事故調査に関する中間報告書を公表した。法令や国の指導に基づいて安全対策を施し、過酷事故に備えたが、想定を超える津波に襲われて事故が起きたと結論づけた。自己弁護ともとれる内容で、報告書を検証した外部の専門家らの指摘ともかみ合わず、不明な点も多く残った。

 報告書は、東電が作った事故調査委員会が、計測されたデータや運転員ら250人以上の聞き取りをもとに作成した。だが、1号機の原子炉建屋で爆発前に放射線量が異常に上昇したにもかかわらず、水素爆発を考えずに対策をとらなかった経緯などは記述がなく、不明のままだ。

 地震直後に1号機で起動した原子炉を冷やす非常用復水器については、運転員の判断で手動で止めた。しかし、運転し続けたとしても、すでに炉心損傷は起きており、事故の拡大は防げなかったとの見解を示した。

 機器の故障を想定して複数の非常用冷却設備を設置するなどの事前の対策が、国の安全審査に適合していたことを強調。過酷事故への対応策も「国と一体になって整備を進めた」と記した。

 今回の地震は2002年に示された国の地震調査研究推進本部の見解や、869年の貞観地震より震源が広範囲な巨大地震だったが、揺れは想定と同程度で、確認した範囲では揺れによる安全上重要な機器の損傷はないとした。一方、津波は想定を大きく超え、最新の知見に沿って自主的な検討や調査もしたが、結果的に津波に対する備えが足りず、被害を防げなかったと説明した。

 このため、非常用発電機は6号機の1台を除きすべて使えなくなった。安全の想定を超えた事象が起き、原子炉を冷やすための機能が失われ、1〜3号機で炉心損傷が起きた。さらに原子炉建屋で水素爆発が起きた。

 津波到達後は、消火用の配管を使って原子炉を冷やす作業を実施。事故対応のマニュアルにはなかったが、消防車のポンプを使うなど臨機応変の動作を試みたなどとした。

 東電は今回、矢川元基東京大名誉教授ら外部の専門家による検証委員会を設置し、調査内容について意見を聞いた。委員会は「事故の直接の原因は未曽有の津波だが、アクシデントマネジメント(過酷事故対策)を含むハード面、ソフト面での事前の安全対策が十分でなかった」とし、「過酷事故が起こり得ないという『安全神話』から抜け出せなかったことが背景にある」と指摘した。
−−−朝日新聞


福島市渡利地区の玄米からも規制値超セシウム

福島市大波地区や福島県伊達市で収穫された玄米から国の暫定規制値(1キロ・グラムあたり500ベクレル)を超える放射性セシウムが見つかった問題で、同県は2日、福島市渡利地区の稲作農家3戸が収穫した玄米からも、規制値を超えるセシウムが検出されたと発表した。

 政府は週明けにも、渡利地区などのコメを出荷停止対象とする方針を固めた。

 県によると、渡利地区の47戸の稲作農家のうち、今回、25戸を調査。その結果、3戸が生産した3袋(90キロ・グラム)の玄米から、1キロ・グラムあたりそれぞれ510ベクレル、550ベクレル、590ベクレルのセシウムが検出された。農家3戸が生産した65袋分(約2トン)はいずれも自宅で保管されており、市場に流通していない。玄米は精米すると放射線量が半分から3分の1程度に下がるという。
−−−読売新聞


「長靴がズルッと溶けた」 東電事故調報告 弁明に終始、残る多くの謎


福島第1原発事故をめぐり、東京電力が2日に公表した事故調査報告書。発電所員への聞き取り調査などで、事故直後の緊迫した状況が浮かび上がった。一方、事故検証では「予測できなかった」「(厳しい環境で)難しかった」などの言葉が踊り、弁明に終始。これまで謎とされてきた、多くの事項についても未解明のままで課題を残した。

「長靴が溶けた」

 「海水が流れ込んできている!」。福島第1原発に津波が押し寄せた3月11日午後3時半すぎ、原発をコントロールする中央操作室に運転員が駆け込んできた。室内の電源のランプが点滅を始めると、一斉に消灯。暗闇に包まれた。

 「操作もできず、手も足も出ないのに、われわれがここにいる意味があるのか」。運転員から噴出する不満や不安の声。対応した責任者は頭を下げ、「ここに残ってくれ」と懇願するしかなかった。

 東電による聞き取り調査で判明した、事故直後の状況だ。ほかにも原子炉の圧力を抜くベント作業に向かった作業員は「ボコッ、ボコッと大きく不気味な音を聞いた」と証言。高温場所で「長靴がズルッと溶けた」こともあった。

事実の列挙

 報告書で詳述された事故直後の状況だが、肝心の事故原因などについては事実関係の列挙に終始。具体的な政府とのやりとりや、判断を下した背景についての説明はなかった。

 例えば、多くの専門家が高い関心を寄せる1号機の「非常用復水器(IC)」の操作については、従前の説明を繰り返すのみ。ICは緊急時に原子炉を減圧・冷却する重要な装置だが、津波直後に運転員が約3時間停止させている。

 東電は「ICが空だきになって壊れ、放射能が外に出るのを防ぐため止めた」と説明するが、稼働していれば事故拡大を防げた可能性があり、操作の妥当性は検証課題として残った。

全て明らかに

 ほかの謎も未解明のままだ。ベント作業が遅れた点も、準備指示が出てから14時間近くかかった理由を十分に説明できていない。

 2、3号機では非常用冷却システムが稼働し、燃料溶融まで2、3日の余裕があったが、その間、具体的にどのような対策を講じてきたかも説明不足だ。

九州大の工藤和彦特任教授は「事故当時の人の動きなど、東電にしか分からない情報がたくさんある。当時、運転員はどのような指示で、どう考えて事故対応にあたったのか、全て明らかにするのが東電の責務だ」と話している。

◇東電の事故調査報告書を見る限り、甘い想定を放置したことへの反省はない。

 東電は津波の研究を怠っていたわけではない。報告書にも「津波の知見や学説が出た際は、自主的に検討や調査をしている」とある。実際に、福島第1原発に10メートル超の津波が来るとも試算していた。だが、知見は生かされなかった。東電は「根拠がなく仮定にすぎない」とし、「安全対策は国と一体となって進めてきた」と正当性を主張する。

 これに対し、外部有識者からなる事故調査検証委員会は、一定の理解を示しつつも「地震や津波をより真剣に考えておくべきだった」とし、「事故を発生、拡大させたのは、事前の安全対策が十分でなかったことによる」と結論づけた。

 検証委は「東電を含むわが国の原子力関係者において、過酷事故など起こりえないという『安全神話』を生み、抜け出せなかった」とも言及した。

 今回の調査は、約250人の社員から聴取したという。だが、自浄を求める社内の声は盛り込まれていない。津波の想定を放置した社内の議論も謎のままだ。真摯な自己批判なしに、真相の究明はない。
−−−産経新聞


原発事故 大津波が原因 東電中間報告 「全員撤退」は否定


東京電力は2日、福島第1原発事故を受けて社内事故調査委員会がまとめた中間の事故調査報告書を公表した。想定を超える津波が建屋内に流れ込んだことで全電源を失い、事故時に作動が期待された機器の除熱機能を喪失したことが直接の原因とした。津波対策を「建屋敷地レベルが想定津波の高さを上回り、機器に影響を及ぼすとは考えず、特別な対策を講じていなかった」とし、これまでの説明をほぼ踏襲した。来年6月に最終報告書をとりまとめる。

 報告書は、現場確認や残されたデータなどから「安全上重要な機器に地震による損傷はない」とし、津波による浸水(海抜11・5〜15・5メートル)が事故拡大の起因になったとした。

 津波対策で、東電は平成14年に新しい評価手法で想定する高さを最大5・7メートルに引き上げ、過去の大地震の影響も検討。10メートル超の試算も出したが対策に反映させず、報告書は「さまざまな取り組みをしたが、津波は想定を大きく超え、被害を防げなかった」とした。

 水素爆発は1、3、4号機で計3回発生したとして、2号機では爆発は起きていないと推定。4号機の爆発音と同時期に2号機格納容器につながる圧力抑制室の圧力がなくなったことについては、「計器の故障の可能性が高い」とした。

また、3月12日朝の菅直人首相(当時)の現場視察に関しては、原子炉内の圧力を下げるため蒸気を放出する「ベント」作業への影響はなかったとしたほか、東電が首相官邸に「全員撤退」の意向を伝えたとされる点についても否定。社内調査委の委員長を務めた山崎雅男副社長は会見で「全員撤退という社内の記録は残っていない」と述べた。

 一方、中間報告に対し、社外有識者による検証委員会(委員長・矢川元基東京大名誉教授)は「津波対策は安全側の発想に立ち、取り組んでいた」としたが、「全電源喪失といった事故の想定を行わなかったことは、結果としてアクシデントマネジメント(過酷事故対策)における想定が不十分だったと評価せざるを得ない」と指摘した。

−−−産経新聞





平成23年12月2日


「冷温停止」の定義は変えず 圧力容器外に燃料漏出でも

東京電力福島第一原子力発電所1号機で、政府や東電は、事故収束の目安となる「冷温停止状態」を、「圧力容器の底の温度が100度以下」などとする従来の定義を変えない方針を、1日の会見で明らかにした。

 東電は11月30日、溶けた核燃料のほぼすべてが原子炉圧力容器の外に漏れ出たとの解析結果を公表。「圧力容器の中に核燃料が残っている」とするこれまでの説明を覆す結果になった。このため、本来なら、冷温停止状態は、漏れ出た燃料がたまった格納容器の底の温度で定義すべきだが、温度計が設置されていない。

 内閣府の園田康博政務官は1日の会見で、「定義の変更は今のところ考えるに至っていない」などと発言。政府、東電ともに見直しを否定した。経済産業省原子力安全・保安院は「燃料が下に落ちていても、蒸気や放射熱で圧力容器底部の温度が上がる」と説明する。

 東京電力の松本純一原子力・立地本部長代理は事故収束の工程表の第2段階終了時に避難区域が一部見直される計画にふれ、「避難される方が戻ることを考えると、冷温停止状態の定義の一つである放射性物質の放出抑制の方が重要だ」とした。
−−−朝日新聞


3月に降ったセシウム、過去最高の50倍超 気象研観測

気象庁気象研究所(茨城県つくば市)は1日、福島原発事故で放出され、3月に観測したセシウム137は1平方メートル当たり3万ベクレル弱(暫定値)で、核実験の影響で過去最高を記録した1963年6月の50倍以上だったと発表した。船を使った調査で、北太平洋上に広く降ったこともわかった。

 つくば市に降ったセシウム137は4月には数十分の1に減り、夏には1平方メートル当たり数十ベクレルとチェルノブイリ事故後のレベルになったという。環境・応用気象研究部の五十嵐康人室長は「福島原発事故前の水準に下がるまで数十年かかるのでは」と話している。過去最高値は同550ベクレル(移転前の東京都で観測)。

 4〜5月に海水を採った調査では、福島原発から大気中に出た放射性物質は北太平洋上の広範囲に降り注いだことがわかった。米西海岸近くでも降っていた。
−−−朝日新聞


非常用冷却装置 稼働と誤認識

冷却装置作動 誤認

東京電力がみずから行った、福島第一原子力発電所の事故調査の中間報告で、事故発生日の夕方、1号機で唯一稼働できる非常用の冷却装置を、運転員の判断で停止したのに、所長らは、深夜まで、冷却装置が動いていると誤って認識していたことが分かりました。安全上重要な情報を共有できなかったことが、事故対応の遅れにつながった可能性があり、詳しい解明が求められます。

福島第一原発の中で最も早く深刻な事態に陥った1号機では、事故が起きた3月11日の午後6時すぎ、電源が失われても蒸気を利用して原子炉を冷却できる「非常用復水器」という装置を、現場の中央制御室にいた運転員がいったん動かしたにもかかわらず、すぐに停止させたことが分かっています。ところが、事故対応の指揮を執っていた、当時の吉田昌郎所長ら幹部がいる免震棟や、東京電力本店では、深夜まで、冷却装置は動いていると誤った認識を持っていたことが、東京電力の事故調査の中間報告で分かりました。誤った認識を持った理由について、中間報告では、原子炉の水位が燃料よりも上にあるというデータが水位計で得られたためとしています。水位計は当時、正しい値を測れなくなっていたとみられ、誤った情報を基に、誤った認識をしていた可能性があります。東京電力の解析では、1号機は、最も早いケースで、地震発生の4時間後の午後7時ごろには、水面から露出した燃料の損傷が始まったと推定され、その後、大量の水素が発生して、翌12日に水素爆発を起こしています。中間報告によりますと、所長らが燃料の損傷の可能性を初めて認識したのは、地震発生から8時間以上たった午後11時ごろ、原子炉建屋の放射線量の上昇を把握してからで、安全上重要な冷却装置の稼働状況を、運転員と幹部との間で共有できなかったことは、事故対応の遅れにつながった可能性があり、詳しい解明が求められます。東京電力の事故調査の中間報告は、2日午後、公表されます。
−−−NHK




平成23年12月1日


核燃料の大半が格納容器内に落下 福島第一原発1号機

東京電力は30日、福島第一原発1号機で原子炉圧力容器内の核燃料が溶けてほとんどが原子炉格納容器に落ちたとの解析結果を明らかにした。格納容器内に溶けた燃料はとどまっているが、コンクリートの床を一部溶かしたとしている。2、3号機では溶けた燃料のほとんどが圧力容器内に残ったと見ている。いずれも燃料は水につかった状態で冷やされているという。

 東電が格納容器の水位や温度などから解析した。東電は原子炉から溶けた燃料の一部が漏れていることは認めていたが、さらに厳しい状態であるとの認識を示した。1979年の米スリーマイル島原発事故でも炉心溶融が起こったが燃料は圧力容器内にとどまった。廃炉に向けた燃料の回収は極めて難しく、取り出す技術の開発を迫られる。

 解析では、事故を起こした1〜3号機のうち、1号機は地震直後に冷却装置が止まり3時間後に燃料が露出。外から注水するまでに時間がかかった。燃料の露出までに2、3日あった2、3号機と比べて、圧力容器の破損が激しかった。

 今回、すべての燃料が圧力容器から格納容器に落ちたと解析。溶けた燃料がコンクリートの床にある升に入り込み、下に向かって最大65センチほどを溶かしたとした。ただし、鋼板製の格納容器の底まであと37センチほどあり、燃料は突き破ることなくとどまり、溶けた燃料が地面を突き抜ける現象「チャイナ・シンドローム」には至っていないとした。
−−−朝日新聞


給食に放射能基準 1キロ40ベクレル 東日本17都県

 文部科学省は30日、小中学校の給食に含まれる放射性物質を「1キログラムあたり40ベクレル以下」とする安全の目安を定め、東日本の17都県の教育委員会に通知した。給食について文科省が目安を示すのは初めて。国費の補助で測定機器を購入して検査結果を公表することを求めており、事実上の基準となる。

 食品の放射性セシウムによる内部被曝(ひばく)の許容線量については、厚生労働省が現行の年間5ミリシーベルトから1ミリシーベルトへ5倍厳しくする方向で検討している。文科省が今回給食の目安を決めたのは、この基準見直しを見越した措置だ。

 現行の暫定基準は、飲料水や牛乳・乳製品で1キロあたり200ベクレル、野菜や肉、魚、穀類は500ベクレルだが、文科省は「安全サイドに立ち、厳しい方(200ベクレル)の5分の1の数値を採用した」と説明している。調理前の食材を品目ごとに検査することを想定している。
−−−朝日新聞


1号機の落下燃料は85%…各機関の解析に開き

福島第一原発事故から8か月、原子炉内の燃料の分布状況の詳細な解析が明らかになった。

30日に開かれた経済産業省原子力安全・保安院の作業部会では、東京電力のほかにエネルギー総合工学研究所と原子力安全基盤機構が独自の解析結果を報告した。しかし、結果には食い違いがあり、今後も検証が必要だ。

 国の委託を受けて実施したエネルギー総研の解析では、1号機は燃料の85%、2、3号機は70%が格納容器に落下。炉心を取り囲むステンレス製の大型構造物「シュラウド」が損傷したり、格納容器の床のコンクリートも最大2メートル侵食したりしていると指摘した。そのため、コンクリートに支えられた圧力容器が傾いている可能性もあるとした。

 原子力安全基盤機構は、1号機は圧力容器が破損したものの、2、3号機の圧力容器は、健全な状態に保たれているとの見通しも示した。
−−−読売新聞


1号機の全燃料、床に落下・侵食も…東電解析

東京電力は30日、事故を起こした福島第一原子力発電所1〜3号機について、原子炉の温度や水位などのデータをもとに、炉心の状況の解析結果を発表した。

1号機では、最悪の場合、溶けた燃料すべて(100%)が圧力容器を突き抜け、格納容器の床まで落下し、堆積した恐れがあるとした。2号機では燃料の57%、3号機では63%が落下した可能性がある。

 1号機が厳しい解析結果となったのは、3月の事故直後、原子炉への注水が約14時間中断し、2、3号機の6〜7時間と比べて長かったため。燃料は一時3000度近い高温に達して溶融し、鋼鉄製の圧力容器の底に穴が開いただけではなく、格納容器のコンクリートの床(厚さ1・4〜2・6メートル)も、最大65センチ侵食したとみられる。空だき状態となった核燃料から発生した熱は、燃料や制御棒など圧力容器内の全設備を溶かすのに必要な熱量の2倍に達した。
−−−読売新聞


溶融燃料、今後の作業に影響も

福島第1原発の燃料に関するシミュレーションでは、1号機で燃料のほとんどが圧力容器から溶け落ち、格納容器にまで達している可能性が指摘された。

 懸念されるのは、冷温停止や廃炉など今後の作業への影響だが、東電はコンクリートへの侵食が止まっていることなどを理由に冷温停止への影響は否定する。

 ただし、冷温停止達成後には、10年以上かけて原子炉から燃料を取り出すことになる。東京大の岡本孝司教授(原子炉工学)は「燃料のほとんどが格納容器にまで落ちているとすれば、取り出し作業はさらに難しくなるだろう」と話す。燃料は格納容器の上部から取り出す予定で、取り出す前に圧力容器に穴を開けるか、圧力容器を取り出す必要が生じるからだ。

 一方で、専門家会議ではシミュレーションの正確さを疑問視する意見も多く出た。前提となる原子炉の圧力計や温度計の値は事故直後に乱高下しており、正確性に疑問が残るからだ。

 岡本教授も「炉内を実際に見てみたいが、それができない。現状は靴の上から足の裏をかいているようなもので、今後、シミュレーションの精度を高める努力が必要だ」と指摘した。
−−−産経新聞


溶融燃料、格納容器の床を65センチ侵食 東電解析

福島第1原発の事故で、東京電力は30日、1〜3号機の原子炉圧力容器から溶け落ちた燃料が、格納容器の底にあるコンクリート床を熱分解し、最大で12〜65センチ侵食したとのシミュレーション結果を発表した。侵食は鋼鉄製の格納容器には達せず、内部にとどまるという。今後、廃炉に向けて原子炉から溶融した燃料を取り出す際に、作業が困難になる恐れがある。経済産業省原子力安全・保安院の専門家会議で報告した。同会議では、東電のほか原子力関係3事業者も解析を発表、今後妥当性が評価される。

 東電は炉心の状態を解析し、最大で1号機は100%、2号機は57%、3号機は63%の燃料が圧力容器から外側の格納容器内に溶け落ちたと推定した。格納容器の底には、落下物から容器を守るための高さ約2・6メートルのコンクリート製の床があるが、東電の解析では、溶け落ちた燃料が、格納容器の底のコンクリートを熱分解する「コア・コンクリート反応」を引き起こした。

 侵食されたコンクリートの深さは、最大で1号機は65センチ、2号機は12センチ、3号機は20センチだった。1号機では鋼鉄製の格納容器に最も近いところで、約37センチ手前まで侵食が進んでいた。

また、格納容器内の気体の解析などから、現在はコンクリートの侵食は止まっており、燃料の冷却もできているという。このため、東電は「工程表の冷温停止状態の判断には影響しない」としている。

 一方、財団法人エネルギー総合工学研究所の解析では、1号機の侵食の深さを2メートル未満とした。さらに、溶融した燃料で圧力容器を支える柱などが損傷し、「炉内構造物が損傷、倒壊した可能性も否定できない」と指摘した。

 これに対し、東電は圧力容器を支える柱などについて、「健全性は確保されている」とした。

−−−産経新聞





平成23年11月30日


伊方、美浜など原発の老朽化対策審査 保安院

 経済産業省原子力安全・保安院は29日、来年3〜7月に運転開始から30、40年を迎える3原発について、高経年化(老朽化)対策を審査する専門家会議を開催した。30年を超えて原発の運転を続けるためには、10年ごとに審査を受ける必要がある。東京電力福島第1原発事故後、高経年化原発の運転延長をめぐる審査は初めて。

 審査対象は、来年3月に運転開始30年となる四国電力伊方原発2号機(愛媛県)▽同7月に40年となる関西電力美浜原発2号機(福井県)▽同4月に30年となる東電福島第2原発1号機(福島県)−の3基。

 会議では、福島第1原発1〜4号機がいずれも運転開始から30年を経過していたことから、経年劣化と事故の影響も議題となる。原発事故などを受け、審査のあり方の見直しも協議される予定で、来春以降、高経年化を理由に運転ができなくなる可能性もある。

 また、福島第2原発1号機は、本来は期限の1年前に提出される審査のための報告書が事故の影響で未提出。このため保安院は特別な評価が必要としている。
−−−産経新聞


老朽化原発のもろさ露呈 昨年の福島第1原発2号機停止で米紙

2011.6.16 13:24

米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)は15日、昨年6月に東京電力福島第1原発2号機で作業員のミスにより原子炉が自動停止、冷却水の水位が低下した問題を紹介。「老朽化する設備のもろさの一部を露呈した」と指摘した。

 「日本の原発、前にも警報」と題する記事は、事故が原子炉の損傷や放射性物質の漏洩(ろうえい)にはつながらなかったとしながらも、東電の当時の事故防止体制や老朽化した機器に疑問を示した。

 東電は事故の約3週間後、中央制御室で協力企業の作業員が誤って電気系統のスイッチに触れるなどしたため装置が誤動作したのが原因と発表していた。同紙は、問題が東日本大震災後の同原発事故と比べ「ずっと日常的な状況」下で起きたと指摘した。

 事故では冷却水を供給するポンプが止まり、緊急炉心冷却装置(ECCS)が作動する寸前となった。(共同)


東電側「プライバシー」盾に説明拒否 吉田所長退任

東京電力福島第1原発の吉田昌郎(まさお)所長(56)が病気療養で退任することが明らかになった28日、政府と東電の統合会見では、事故収束の“顔”ともいえる吉田氏の病状などに質問が集中。東電側は「プライバシー」を盾に病名などの詳細な説明を拒み続け、報道陣が何度も食い下がる場面もあった。

吉田前所長

 午後4時半から東電本店で始まった会見では、「病状は」「被(ひ)曝(ばく)線量は」といった質問が向けられた。そのたびに東電の松本純一原子力・立地本部長代理は「プライバシーの問題なので答えられない」と詳しい説明を避けた。

 事故後、約250日間にわたり最前線で陣頭指揮に当たってきた吉田氏。報道陣に初めて原発内部が公開された今月12日には、「なんとか安定した状態に持ってこれた」と病を感じさせぬ気丈な姿を見せていた。

 「死ぬだろうと思ったことが数度あった」と事故直後の心情も吐露。「一寸先も見えない」と、寝食を忘れ対応に追われた壮絶な日々を振り返った。「放射線量が高く、日々の作業にはまだ危険な状態」と最後まで職員の心身を気遣っていた姿が印象的だった。
−−−産経新聞


外部電源で2回線以上 原子力安全委が喪失対策

東京電力福島第1原発の事故を受け、原発の安全設計審査指針の見直しを行っている内閣府原子力安全委員会の小委員会は28日、原発事故時に外部電源と非常用電源がともに失われる「全電源喪失」の対策に関する中間報告をまとめた。

 中間報告は、長期にわたる全電源喪失が発生する可能性を低下させるため、外部電源は2回線以上設け、そのうち少なくとも1回線は異なる変電所に接続することが必要とした。

 また、外部電源を喪失した際に使用する長時間稼働可能なディーゼル発電機などの非常用電源は、複数の原子炉での事故発生を想定し、2基以上の原子炉で共用しない独立性を求めた。

 このほか外部電源、非常用電源をともに喪失した際の対策として、電源車やガスタービン車を想定した代替電源の配備を挙げた。小委は今後、具体的な指針改訂案の作成に着手。並行して原子炉冷却システムのあり方の検討に入る。

 現行指針では30分程度の全電源喪失しか想定しておらず、長期喪失は「考慮の必要はない」としてきたが、今回の原発事故では長期の全電源喪失に陥って原子炉の冷却ができず、炉心損傷につながった。
−−−産経新聞


「情報一元化の遅れ 原発事故の反省点」 スリーマイル責任者が指摘

1979年の米スリーマイル島原発事故で、事故収束を技術面から指揮した米原子力規制委員会(NRC)のハロルド・デントン元原子炉規制局長が28日、都内で講演し、福島第1原発事故は情報一元化の遅れが混乱の一因と指摘した。

老朽原発のもろさ露呈 

 デントン氏は「最初の1、2週間は7人ほどが政府のスポークスマンをやっていた」と述べ、首相ら政府の意思決定者や住民への情報伝達面での反省点を指摘した。

 デントン氏はスリーマイル島事故の2日後、カーター大統領(当時)の代理人として責任者に指名され、州知事の下で現地指揮を執った。放出された放射性物質は少量で、原発敷地外での累積被(ひ)曝(ばく)量は最大約1ミリシーベルトにとどまったが、当初はメディアの過剰報道でパニック状態が起きた。

 デントン氏らの情報分析を基に、4日後に大統領が原発を視察。「現場に身を置き、完全な情報を意思決定者や公衆にタイムリーに伝えることで、住民に安心感を与えた」と話した。

 日本では首相ら複数の閣僚や東電、原子力安全・保安院などの担当者が別々に情報を発信。会見が一元化したのは事故から1カ月以上たった4月25日だった。
−−−産経新聞


初期の内部被ばく 状況判明

東京電力福島第一原子力発電所の事故後の早い時期に福島県内で活動した医療関係者などから放射性ヨウ素が検出され、事故から1週間以内に活動した人の値が高いことが長崎大学の調査で分かりました。放射性ヨウ素は福島県の健康調査では検出されず、今後、福島県民の被ばく線量を正確に推定するための資料として注目されます。

初期の内部被爆

長崎大学は、原発事故の直後から1か月の間に福島県内で活動した長崎県の医療関係者などおよそ170人に対し、活動のあと、ホールボディーカウンターという機器を使って内部被ばくの検査を行い、その結果をまとめました。それによりますと、全体のおよそ32%に当たる55人から放射線の量が半分に減る「半減期」が8日と短い放射性ヨウ素が検出されました。甲状腺にたまった放射性ヨウ素によって生涯にわたって受ける内部被ばくの線量は最も高い人で15ミリシーベルトでした。特に事故から1週間以内に活動した人の値が高い傾向にあるということです。内部被ばくの線量はいずれも健康に影響が出る値ではないということです。放射性ヨウ素は、福島県の健康調査のうちことし6月以降に一部の住民を対象に行われた内部被ばくの検査では検出されず、今後、住民の被ばく線量を正確に推定するための資料として注目されます。調査に当たった長崎大学の松田尚樹教授は「早い時期の検査のデータを分析することで、福島県民の内部被ばく線量の正確な評価につなげたい」と話しています。この調査結果は、30日、横浜市で開かれる学会で発表されます。
−−−NHK





平成23年11月29日


復興住宅 完成時期示せず 野田政権、工程表改訂へ

野田政権は、東日本大震災の復興施策に関する工程表の改訂版をまとめた。新たに公営の復興住宅建設を計画に盛り込んだが、完成時期は明示しなかった。難航するがれきの仮置き場への移動は、2011年度内という達成を一部地域で延期する。一方、拠点の8漁港を優先整備して13年度中に復旧させるなど、地域ごとの工程を示した。

 工程表は菅政権時代の8月に作成。塩害農地を3年で営農可能にするなどの復旧時期の目標をまとめた。約3カ月経ったことを踏まえ、項目追加などの改訂を行うことにした。29日の復興対策本部で確認する。

 改訂版では、仮設住宅の建設などにめどがついたとして、次の段階である復興住宅(災害公営住宅)や、防災集団移転や造成地復旧など街づくり、海岸防災林の再生といった復興策を新たに加えた。
−−−朝日新聞


千葉・柏の市有地、地層で45万ベクレル検出

千葉県柏市の市有地で局所的に高い放射線量が検出された問題で、環境省は28日、地表から深さ5〜10センチの地層で1キロ・グラムあたり最高約45万ベクレルの放射性セシウムを検出したと発表した。
調査は今月1、2日に実施された。同省は「東京電力福島第一原発事故で放出された放射性物質が蓄積している可能性が高い」と指摘。セシウムを含む雨水が側溝側面の破損した部分から浸透し、放射性物質の濃度が増したとみている。同省は追加調査を行い、汚染範囲などを推定する。

 柏市が10月に発表したこの地層近くの調査結果では、最高で同約27万ベクレルの放射性セシウムが検出されている。
−−−読売新聞


福島・伊達産米も規制値超セシウム…一部販売

福島県は28日、同県伊達市小国地区の農家2戸と月舘地区の農家1戸の水田でとれた玄米から、国の暫定規制値(1キロ・グラムあたり500ベクレル)を超える放射性セシウムが検出されたと発表した。
伊達でもセシウム米

 一部は直売所で販売され、販売先が確認できていない。政府は29日午後にも、両地区のコメを出荷停止対象とする方針を固めた。福島市大波地区の農家からも28日、新たに規制値超えの玄米が見つかり、コメの放射能汚染問題は広がりを見せている。

 県によると、伊達市の2地区で検出されたのは580〜1050ベクレル。同市小国地区の2農家の生産量は1920キロで、うち18キロが直売所に出荷され、9キロが売れたという。この18キロ以外は自宅やJAなどに保管され、流通はしていないとみられる。月舘地区の農家については、全1500キロ分がJAなどに保管されていることが確認された。

 また、県は、福島市大波地区で新たに4農家の玄米から規制値を超えるセシウムが検出されたことを明らかにした。同地区の検出農家は10戸になった。県によると、伊達市小国地区は福島市大波地区と隣接しており、月舘地区も大波地区から近く、年間の積算線量が20ミリ・シーベルト超と推定されると国から指定を受ける特定避難勧奨地点がある。規制値を超える玄米が収穫された水田は、いずれも山間部にあるという。
−−−読売新聞


原発の代替電源義務づけへ…小委員会が報告書案

東京電力福島第一原子力発電所の事故を受けて、原発の安全設計審査指針の全電源喪失対策について検討してきた内閣府原子力安全委員会の小委員会は28日、電源車などの「代替電源」の設置を義務づけることなどを盛り込んだ報告書案をまとめた。
「長時間の電源喪失は考慮しなくてもよい」とした現行の指針が、今回の事故拡大の要因になったことを踏まえた。今後、冷却機能の強化などの対策を含めた最終報告書を年度末までにまとめる。

 報告書案では、既設の非常用ディーゼル発電機に加えて電源車やバッテリーなどの代替電源の設置を求めた。その際、ディーゼル発電と同時に被災しないよう、高台に設置するなどの対策を必要とした。そのほか、1基の原発につき、外部電源を2回線以上確保することとした。
−−−読売新聞


米専門家 事故収束の困難さ指摘

32年前、深刻なメルトダウンが起きたアメリカ、スリーマイル島原発事故の収束作業に当たった専門家が、東京で開かれたシンポジウムで講演し、福島第一原発の収束作業には「信じられないような努力と、訓練された10万人規模の作業員が必要になる」などと指摘しました。

シンポジウムは、福島第一原発の事故の収束と廃炉に向けて、福島第一原発と同じ、メルトダウンが起きたスリーマイル島原発事故の経験を生かそうと、日本機械学会が、当時、対応に当たった専門家を招いて開きました。この中で、講演したスリーマイル島原発の元放射線管理部長で、除染や燃料の取り出しの責任者を務めたロジャー・ショー氏は、スリーマイル島の事故現場では、燃料の切断に使う装置の熱で原子炉内に微生物が繁殖し、水が濁って燃料の取り出し作業を難しくしたなど、予想もしない事態が起きたことを明らかにしました。そのうえで、収束作業には「信じられないような努力と、よく訓練された作業員が10万人規模で必要になる」などと指摘しました。このあと、パネルディスカッションが行われ、日本側から「10年で溶けた燃料を取り出す話があるが、もう少し早くできないか」と尋ねたのに対し、アメリカの専門家は「作業をする場合、100%できるという自信をもってやるべきで、スケジュールはその次だ。アメリカでは、専門家に計画を批判してもらったあと、初めて人を送る」などと話しました。そのうえで、作業を急ぐよりもロボットなどを活用し、人手も増やして、作業員の被ばくの危険性を下げることに力を尽くすべきだと強調しました。
−−−NHK





平成23年11月28日


海水濃度 両取水口とも横ばい


東京電力福島第一原子力発電所の2号機と3号機の取水口付近で26日に採取された海水に含まれる放射性物質の濃度は、いずれも前の日と大きな変化はなく、全体でも横ばいの傾向が続いています。

福島第一原発周辺では、4月と5月に海水から高い濃度で放射性物質が検出された2号機と3号機の取水口付近などで東京電力が海水を採取し、放射性物質の測定を行っています。このうち、26日に2号機の取水口付近で採取した海水からは、1cc当たりセシウム134が国の基準の3.2倍の0.19ベクレル、セシウム137が2.7倍の0.24ベクレル検出されました。また、3号機の取水口付近では、セシウム134が基準の7.7倍の0.46ベクレル、セシウム137が6.1倍の0.55ベクレル検出されました。いずれも前の日の値と大きく変わらず、全体でも横ばいの傾向が続いています。一方、26日に沿岸の4か所で行われた調査では、このうち2か所から放射性セシウムが検出されましたが、基準を大幅に下回りました。
−−−NHK


放射能検査用のワカサギ釣り


ことし8月、ワカサギから国の暫定基準値を超える放射性物質が検出された前橋市の赤城大沼で、多くのサンプルをとって新たな調査を行おうと、釣りの愛好家に検査用のワカサギを釣ってもらう取り組みが行われました。

ワカサギ釣り 放射線測定

前橋市の赤城山にある赤城大沼はワカサギ釣りの名所の1つですが、ことし8月、国の暫定基準値を超える放射性セシウムが検出されたため、釣りの解禁が延期されたままです。このため県や前橋市は、ワカサギにどの程度の放射性物質が残っているのかなどを、多くのサンプルをとって調べようと、27日、沼で釣りの愛好家およそ140人に検査用のワカサギを釣ってもらうことにしたもので、ボートに乗った愛好家たちが次々と釣り上げていました。この日釣り上げられたワカサギは県の水産試験所などに持ち込まれ、検査されることになっていて、このうち生きた状態のワカサギについては、体内から放射性物質が減っていく過程も調べるということです。前橋市農林課の田村宏課長は「検査結果などを待って関係機関と協議しながら、今後解禁するかどうかを検討していきたいと思います」と話していました。
−−−NHK





1月27日


新たに愛知など4県の土壌汚染マップ 文部科学省が公表


東京電力福島第1原発事故で放出された放射性セシウムについて、文部科学省は25日、航空機測定による青森、愛知、石川、福井の4県の土壌汚染マップを新たに公表した。

 土壌の沈着量は4県すべての場所で1平方メートル当たり1万ベクレル以下と判明。同省の担当者は「原発事故による影響はほとんどない」と話している。

 今回で東北、関東、中部地方1都21県の調査は終了。同省は年明け以降、北海道や西日本でも放射性セシウムによる土壌汚染が少ないことを確認するため航空機測定を行う。
−−−産経新聞





平成23年11月25日


阿武隈川から海へ1日500億ベクレル 放射性セシウム

福島県中央部を流れる阿武隈川から海に流れ出る放射性セシウムの量が1日あたり約500億ベクレルにのぼることが京都大、筑波大、気象研究所などの合同調査で分かった。福島第一原発事故に伴い、東京電力が4月に海に放出した低濃度汚染水のセシウムの総量に匹敵する。専門家は継続的な監視が必要としている。

 阿武隈川は福島県郡山市や福島市を北上、宮城県岩沼市で太平洋に注ぐ。流域面積は5400平方キロで、事故による汚染が大きい地域が広く含まれる。

 京大などは文部科学省の委託を受け、6月から8月にかけ、本流の中流や河口付近、福島県内の支流で流量や放射性セシウムの量などを観測。運ばれるセシウムの総量をはじき出した。
ーーー朝日新聞


横浜のストロンチウム、福島由来を否定 文科省が再調査

横浜市港北区の道路側溝付近の堆積(たいせき)物から放射性ストロンチウムが検出された問題で、文部科学省は24日、「東京電力福島第一原発事故で、新たに沈着したものとは言えない」などとする再調査結果を発表した。

 堆積物からは、ストロンチウム89と90の合計が1キロあたり最大129ベクレル検出されたと横浜市が発表。これに対し、文科省が周辺を含めた4カ所を再調査した結果、半減期が50日と短いストロンチウム89がいずれも検出されず、同90も最大1.1ベクレルで、事故前の全国調査の最大値30ベクレルを下回った。過去に行われた大気圏核実験による降下物とみられるという。

 文科省は横浜市との食い違いについて、横浜市が測定を依頼した民間の分析機関・同位体研究所が「ストロンチウムのほか、天然核種を含めて測定している可能性がある」と指摘する。文科省の検討会の専門家によると、同研究所が用いた測定法は、通常は1カ月ほどかかるストロンチウムの検出が1日で可能とされるが、ラジウムや鉛などの核種も含まれるという。
−−−朝日新聞


冷えすぎても危険…原子炉温度上げる作業開始

東京電力は24日、福島第一原子力発電所1〜3号機の原子炉への冷却水の注水量を減らし、圧力容器内の温度を上げる作業を始めたと発表した。

 圧力容器には水素が存在していると考えられ、容器が冷えすぎると中の水蒸気が水になって乾燥し、水素に着火する危険が増すため。東電は同時に、中の水素を排出するため、圧力容器に窒素を注入する準備も始めた。

 1号機の注水量を毎時0・5立方メートル(現在の注水量は毎時5・5立方メートル)、2、3号機は毎時1・5立方メートル(同毎時10立方メートル)ずつ減らす。現在、1〜3号機の圧力容器底部の温度は70度未満に下がっているが、80度を上回るほどに上げて水蒸気量を確保する。窒素が注入でき次第、注水量を元に戻すという。
−−−読売新聞


横浜のストロンチウム、核実験で降下…文科省

横浜市内で放射性物質のストロンチウムが、市の調査で検出された問題で、詳細な分析を実施した文部科学省は24日、半減期が約50日と短いストロンチウム89が検出されなかったことから、東京電力福島第一原子力発電所事故に伴って新たに沈着したものではないとする結果を発表した。
同省では、市が採取した堆積物など4か所のサンプルの核種分析を実施。その結果、いずれもストロンチウム89は不検出で、2か所で半減期が約29年と長いストロンチウム90が微量検出された。福島第一原発事故由来ではなく、過去の大気圏核実験によって降下したものと考えられるという。

 市内の2か所から1キロ・グラム当たり59〜129ベクレルのストロンチウムが検出されたとする市の発表について、同省は「ストロンチウム以外の天然核種を足し合わせて測定している可能性がある」と指摘している。
−−−読売新聞




平成23年11月24日


第一原発周辺 海水濃度横ばい

東京電力福島第一原子力発電所周辺で、22日に採取された海水に含まれる放射性物質の濃度は、大きな変化はなく、横ばいの傾向が続いています。

福島第一原発周辺では、4月と5月に海水から高い濃度で放射性物質が検出された2号機と3号機の取水口付近などで、東京電力が海水を採取し、放射性物質の測定を行っています。このうち、22日に2号機の取水口付近で採取した海水からは、1cc当たり、▽セシウム134が国の基準の2.3倍の0.14ベクレル、▽セシウム137が1.7倍の0.15ベクレル検出され、前の日をやや上回りました。また、3号機の取水口付近では、▽セシウム134が基準の6.8倍の0.41ベクレル、▽セシウム137が5.6倍の0.5ベクレル検出され、こちらは前の日を下回りました。ただ、いずれも値に大きな変化はなく、2号機と3号機の取水口付近は、ともに横ばいの傾向が続いています。一方、22日と21日、沿岸と沖合いの合わせて10か所で行われた調査では、沿岸の3つの地点で放射性セシウムが検出されましたが、基準を大幅に下回っていました。
−−−NHK


東北・関東の放射線量 10月23日、略横ばい


23日、東北地方と関東地方の各地で計測された屋外の放射線量です。文部科学省や各自治体によりますと、23日の午前8時から9時までに計測された放射線量は次のとおりです。福島県では、いずれも午前9時の時点で、福島市で0.97マイクロシーベルト、郡山市で0.8マイクロシーベルト、南相馬市で0.42マイクロシーベルト、白河市で0.42マイクロシーベルト、いわき市で0.17マイクロシーベルト、会津若松市で0.13マイクロシーベルト、南会津町で0.07マイクロシーベルトと、いずれも震災前の通常の値より高い放射線量を計測しました。また、仙台市では0.057マイクロシーベルト、茨城県では、北茨城市で0.133マイクロシーベルト、水戸市で0.08マイクロシーベルトで、いずれも震災前より高い放射線量が計測されましたが、ほとんどの地点で横ばいの状態が続いています。青森市、盛岡市、秋田市、山形市、宇都宮市、前橋市、さいたま市、東京・新宿区、千葉県市原市、神奈川県茅ヶ崎市では、震災前より高い放射線量は計測されていません。
−−−NHK





平成23年11月23日


除染の味方「マツバイ」 セシウムをスピード吸収

用水路や池などに生えている水草「マツバイ」が、土壌中の放射性セシウムを効率よく吸収することを愛媛大大学院の榊原正幸教授=環境岩石学=らが明らかにした。マツバイは簡単に入手でき、薬品などを使わないため安全。福島第一原発事故の放射能で汚染された水田の除染などの有力な手段の一つになりそうだ。

除染のマツバイ 効果的
手前の黒い箱にあるのがマツバイ

 今回の研究は、日本地質学会の東日本大震災復興支援プロジェクトの一つ。

 マツバイはカヤツリグサ科の多年草で、カドミウムや亜鉛など重金属類をよく吸収する性質がある。福島県郡山市の県農業総合センターの協力で、マツバイが放射性セシウムをどの程度吸収するのかを確かめた。
−−−朝日新聞


福島1号機の冷却装置、空だき懸念で手動停止 震災当日

東京電力は22日、福島第一原子力発電所で最初に炉心溶融した1号機の冷却装置「非常用復水器」について、破損して放射性物質が放出されることを懸念した運転員が運転を止めていたとの調査結果を明らかにした。炉心を冷やす唯一の手段だった非常用復水器の動作状況は、政府の事故調査・検証委員会の事故原因究明で焦点になっており、今後、止めた判断の妥当性が検証課題になりそうだ。

 非常用復水器は1号機だけにあり、原子炉の蒸気を冷やして水に戻し、再び炉心を冷やすのに使う。装置は2系統あり、水を満たしたタンク内に通した配管に蒸気を送る構造で、電源を失っても機能する。

 東電によると3月11日、地震の後、2系統とも自動的に起動したものの、急な変化を防ぐためマニュアルに従いいったん停止。その後、片方の系統で起動、停止を繰り返していたところ、津波に襲われて電源が失われ、動作状況が分からなくなった。

 その後、一時的に電源が復活して停止を確認。午後6時18分に電動弁を開く操作をしたが、タンク内の水があたたまって発生するはずの蒸気が確認できなかったため、午後6時25分に弁を閉めて運転を止めた。タンク内に水がない可能性を考え、運転を続ければ配管が損傷して放射性物質を含む蒸気が放出される恐れがあると判断したという。

 実際には、タンクには容量の65%ほど水が残っていたことが10月の現場調査でわかっている。
−−−朝日新聞






平成23年11月22日


放射能汚染水、4千キロ東まで拡散 国内研究機関が推計

東京電力福島第一原発の事故で海に流れ出た放射能汚染水が約4千キロ東の日付変更線まで広がっている――。こんな推計結果を海洋研究開発機構が公表した。放射性セシウム137の濃度の推計で、飲料水の基準の2千分の1以下だが、事故前の10倍以上になるという。

 同機構の升本順夫・短期気候変動応用予測研究プログラムディレクターらが、第一原発近くの海で測定された放射能濃度をもとに海の対流などを考慮して広がり方を探った。

 第一原発では事故後、取水口付近にある作業用ピット(穴)の壁の亀裂から高濃度の放射能汚染水などが漏れ出た。推計結果によると、汚染水は岸沿いにまず広がり、沖合へと徐々に広がった。黒潮と親潮との間の複雑な流れの中で拡散した後、さらに東へ流れ、事故から4、5カ月で日付変更線に達した。
−−−朝日新聞


セシウム、3500km沖まで…想定実験で判明

東京電力福島第一原子力発電所事故で海に流出した放射性セシウムが、原発から東に約3500キロ・メートル離れた海域まで達している可能性が高いことが、海洋研究開発機構の想定実験でわかった。

機構は「濃度は低いため、健康には影響のないレベル」としている。

 機構の升本順夫プログラムディレクターらが海水中の放射性物質濃度の測定値や、海水の流れ、風向きの変化などから、拡散状況を推定。その結果、11月1日時点で、放射性セシウム137は、解析範囲の東端に当たる原発東方の沖合約3500キロの日付変更線付近まで拡散していることがわかった。ほとんどは濃度が海水1リットル当たり0・01〜0・5ベクレルだったが、一部には1〜5ベクレルの場所もあった。

 事故前の平均的な濃度は0・001ベクレル程度。今回の推計値は、その10〜5000倍に高まっているが、国が定めた飲料水の摂取制限の暫定規制値(1リットル当たり200ベクレル)は大きく下回っている。
−−−読売新聞





平成23年11月21日


福島第一3号機、原子炉建屋内で高線量の汚染

東京電力は20日、福島第一原子力発電所3号機の原子炉建屋1階の床で毎時1600ミリ・シーベルトの高い放射能汚染が見つかったと発表した。

 原子炉格納容器を開閉する際に使うレールの溝に水がたまっており、この水が汚染されているとみられる。

 格納容器内の気体を抜き出す配管を設置するため、ロボットを遠隔操作して建屋内の放射線量を調べていた。作業員が立ち入るには放射線量が高いため、ロボットで汚染水を吸い取る作業を始めた。

 汚染が見つかった床の近くには、格納容器に機器を出し入れするための直径約2・5メートルのハッチがある。事故当時、ハッチは閉まっていたが、格納容器内の圧力が上昇してすき間が生じ、放射性物質を多く含む蒸気が原子炉建屋に噴出、レールの溝にたまった可能性があるという。
−−−読売新聞


福島第一セシウム、カムチャツカ沖の深海5千Mまで到達
射性セシウムが事故から約1カ月後に、2千キロ離れた深海5千メートル地点まで到達していたことが、海洋研究開発機構の観測でわかった。大気中のセシウムが海に落ち、プランクトンの死骸などに付着して沈んだようだ。20日、都内で開かれた報告会で発表された。

 同機構は4月18〜30日、福島から2千キロ離れたカムチャツカ半島沖と、1千キロ離れた小笠原列島沖の深海5千メートルで、プランクトンの死骸や砂などからなる1ミリ以下の粒子「マリンスノー」を採取して分析した。この結果、両地点でセシウムを検出した。セシウム137と134の比率などから、原発から出たものと判断された。濃度は解析中という。海洋中の放射性物質は、海流のほか、様々なルートで移動、拡散している実態が裏付けられた。
−−−朝日新聞





平成23年11月20日


放射能検査、乳児食は別基準で 一般食品より厳しく

 食品に含まれる放射性物質の新たな基準の分類について、厚生労働省は、粉ミルクなどの「乳児用食品」を新設する方針を固めた。野菜類や穀類、肉類などは「一般食品」として一本化し、「牛乳」「飲料水」と合わせて計4分類とする。新基準では、放射性物質の影響を受けやすいとされる子どもに、より配慮する。

 新しい食品分類案では、粉ミルクや離乳食など乳児しか口にしない「乳児用食品」は、別の基準値を設ける。「牛乳」についても、子どもは大人よりも摂取量が多いため、配慮が必要と判断し、別分類として残す。「飲料水」を含めた別枠の3分類は、一般の食品より基準値が厳しくなる見通しだ。

 現在の暫定基準にある「野菜類」「穀類」「肉・卵・魚・その他」は「一般食品」として一本化する。分類は、主食のコメを別枠にするなど、細かく分ける考え方もあった。だが、厚労省は、一本化した方が、国民にわかりやすいほか、日本人は食品の摂取に偏りが少ないため、安全性に問題はないと判断した。

 茶葉や干しシイタケなどの乾燥食品は、放射性物質の濃度が高まるため、別の基準を求める声が出ていたが、飲食する状態の検査で対応することにした。

 いずれの分類でも、放射性セシウムを基本とする。

 新しい食品分類案は、24日に開かれる厚労省の薬事・食品衛生審議会に提案される。4分類で決まれば、食品によるセシウムの許容被曝(ひばく)線量をどう割り振るかが議論される。厚労省は、許容線量を年間5ミリシーベルトから1ミリシーベルトに引き下げることにした。年内にも分類ごとの基準値案がまとまる予定だ。

 新しい基準値作りでは、まず1ミリシーベルトを食品の分類ごとに割り振る。その上で、年代ごとにとる食べ物の量や放射性物質による影響度の違いを考慮して、それぞれ許容される値を計算。その中で、最も厳しい値を全体の基準値として採用する。年代の区分は「1歳未満」「1〜6歳」「7〜12歳」「13〜18歳」「19歳以上」の五つとし、18歳以下の子どもについて細かく評価する。

 暫定基準も同じ方法で算出しているが、年代区分が「成人」「幼児」「乳児」しかなかった。
−−−朝日新聞


下水汚泥の焼却灰、処分進まず セシウム検出、住民反発

東日本の下水処理施設で下水の処理過程で出る汚泥などから放射性セシウムが検出された問題で、汚泥や汚泥を燃やした焼却灰の処分が進まない。埋め立て処分できる数値の基準を国が示したものの、搬出しようにも住民の反対にあったりして、多くが施設内に保管されたままだ。

 東京・お台場から5キロ離れた海上にある中央防波堤外側処分場。ダンプカーが焼却灰を投じていく。埋め立て場所の広さは東京ドームの4倍超。10月末、東京23区分に加え多摩地区の焼却灰も受け入れ始めた。

 多摩地区10カ所の下水処理施設は施設内で焼却灰を保管していたが、パンク寸前になった。昭島、八王子市長らが9〜10月、処分場に隣接する江東区と大田区を訪れ、「やむをえない」とようやく了承を得た。
焼却灰 未処理 山積み
横浜市の未処分の焼却灰

 東京都によると焼却灰の放射性セシウムの濃度は次第に下がり、現在では搬入の段階で、埋め立てが認められる1キロあたり8千ベクレル以下になっているという。途中で水やセメントで薄めており、基準を超えることがあっても問題ないという。
−−−朝日新聞





平成23年11月19日


チェルノブイリ、内部被曝なお ロシアの小児科医報告

チェルノブイリの原発事故から20年以上たっても、周辺住民に放射性セシウムによる内部被曝(ひばく)が続いていると、ロシアの小児がん専門家が18日、千葉市で開かれたシンポジウムで報告した。また、子どもの免疫細胞も減少している可能性があることも明らかにした。

 報告したのはロシア連邦立小児血液・腫瘍(しゅよう)・免疫研究センターのルミャンツェフ・センター長。2009〜10年にベラルーシに住む約550人の子どもの体内の放射性セシウムを調べると、平均で約4500ベクレル、約2割で7千ベクレル以上の内部被曝があったという。

 03年にベラルーシで亡くなった成人と子どもの分析では、脳や心筋、腎臓、肝臓など調べた8臓器すべてからセシウムが検出された。どの臓器でも子どもの方が濃度が高く、甲状腺からは1キロ当たり1200ベクレル検出された。
−−−朝日新聞


除染モデル事業、福島で開始 土壌の仮置き場は未決着

東京電力福島第一原発事故の避難区域で国が行う除染モデル事業の初めての現地作業が18日、福島県大熊町で始まった。

 国は、警戒区域や計画的避難区域などがある12市町村で除染モデル事業を行い、来年1月以降、本格的な除染を進める計画だ。ただ、除染で出る土壌の仮置き場について住民の合意が得られず、場所が決まらない自治体も少なくない。

 この日は原発の西約4キロの大熊町役場の周辺で、事業を委託された大手建設会社・大林組などの約30人がサーベイメーターを使って空間の放射線量を測った。地上1メートルで毎時10〜17マイクロシーベルトだが、木の根元は同30マイクロシーベルトが上限の線量計の針が振り切れた。
−−−朝日新聞


がれき広域処理へ、全国自治体向け見学会 宮古で環境省

震災がれきの広域処理に向け、岩手県宮古市で18日、がれきの集積場の見学会を環境省が開き、全国の31自治体から50人が参加した。放射線量を入念に測定する様子などを公開し、受け入れ促進を狙った。ただ環境省は、住民の反応が気になるとして自治体名を伏せ、意見交換会も非公開とするなど、神経をとがらせていた。

 宮古市のがれきは広域処理の第1号として今月初旬から東京都が引き受けている。

 この日は午前と午後の2回、約2時間半ずつ視察があり、がれき選別からコンテナ収納後まで3段階で放射線量を東京都が測定する様子を見た後、意見交換した。関西や九州からの参加もあり、岩手県の吉田篤・資源循環推進課総括課長は「全国の協力の意思の表れ」と、ほっとした様子だった。
−−−朝日新聞


浪江の甲状腺被曝量、チェルノブイリの千分の1

東京電力福島第一原子力発電所から20キロ前後に位置する福島県浪江町の住民の甲状腺被曝(ひばく)量は、チェルノブイリ原発事故後の周辺住民の被曝に比べ、1万〜1000分の1だったことが、札幌医大の高田純教授(放射線防護学)の調査でわかった。18日に神戸市内で開かれた日本放射線影響学会で発表した。
原発事故で施設外へ放出される放射性物質のうち、ヨウ素131(半減期約8日)は甲状腺にたまりやすく、被曝量が多ければ甲状腺がんを引き起こす可能性もある。

 高田教授は事故後の4月8、9日、同県内の避難所で、18歳〜60歳代の浪江町民計40人の甲状腺被曝量を測定した。結果は3・6〜7・8ミリ・シーベルトで、平均は約5ミリ・シーベルトだった。一方、チェルノブイリの周辺住民は、数シーベルトから50シーベルトとされている。
−−−読売新聞




平成23年11月18日


福島第一、タンクの森 増える汚染水を保管

東京電力福島第一原発の敷地内で、森林を伐採して放射能汚染水をためるタンクの設置が進められている。17日現在で容量は11万トンを超えた。上空から見ると、青色や灰色のタンクがずらりと並ぶ。汚染水は増える一方で、東電はタンクの増設に追われている。

 原子炉を冷やした水や地下水が建屋地下に流れ込み汚染水としてたまり続けている。東電は汚染水を浄化処理などしてタンクにためている。タンク置き場は、かつては「野鳥の森」と呼ばれた敷地内の森林。東京ドームの8倍もの広さに相当する37万平方メートルを切り開いてつくった。
福島原発は汚染水で満杯

タンクの容量の8割にあたる約9万トンにすでに汚染水が入れられた。現時点で1〜4号機の建屋地下に約8万トン残っている。東電はたまった汚染水を浄化処理して減らし、年内にゼロにする計画だった。しかし、地下水などの流入が予想外に多く、実現のめどは立っていない。
−−−朝日新聞


スリーマイル溶融燃料、ロッキー山麓の保管庫に

【アイダホフォールズ(米アイダホ州)=山田哲朗】原子炉の研究拠点、米エネルギー省アイダホ国立研究所は、1979年に起きたスリーマイル島原発事故(米ペンシルベニア州)の溶融燃料を保管している規制区域を読売新聞に初めて公開した。

 同区域は原発から約3500キロ・メートル離れたロッキー山脈のふもとの荒野の中にある。原発から取り出した核燃料などを長さ約5メートルの円筒形ドライキャスク(空冷の容器)29個に収め、それをコンクリート製の保管庫の中に寝かせてある。保管庫には、防護服なしに近づくことも可能だ。事故処理に当たった同研究所のダグラス・エイカーズ博士は「福島第一原発の溶融した燃料なども同様の施設で保管することになるだろう」と話す。
−−−読売新聞


福島原発の冷温停止、年内達成は可能…原発相

 政府と東京電力は17日、福島第一原子力発電所の事故収束に向けた工程表の達成状況などを盛り込んだ改訂版を発表した。

 放射性物質の追加放出による敷地境界での年間被曝(ひばく)量は0・1ミリ・シーベルトと確定値を初公表、ステップ2の主要な課題である「冷温停止状態」の条件(年間1ミリ・シーベルト以下)を達成した。今後も安定して原子炉の冷却を継続できるかの確認が必要だが、細野原発相は「年内の冷温停止状態の達成は可能」との認識を示した。〉

 冷温停止状態には、放射性物質の放出量の減少と、圧力容器底部の温度「100度以下」の二つの条件を満たす必要がある。

 放出量は、前月比4割減の毎時6000万ベクレルで、事故直後の約800兆ベクレルに比べ1300万分の1に減った。測定の精度が上がったため、今回から暫定値ではなく、確定値とした。
−−−読売新聞


コメ:福島市大波産を出荷停止 政府が初の指示
福島市大波地区(旧小国村)のコメから国の暫定規制値(1キロあたり500ベクレル)を超える放射性セシウムが検出されたことを受け、政府は17日、原子力災害対策特別措置法に基づき同地区で今年収穫したコメの出荷停止を県に指示した

何故セシウム?

今回630ベクレルを超えた大波地区と500ベクレルの小浜地区の2農家から突出して高い値が出ているが、農林水産省は「環境的な共通点がある」とみる。

 福島県は小浜地区で高い数値が出た水田について、(1)セシウムを吸着しやすい粘土が少ない(2)稲の根の張り方が浅く、セシウム濃度の高い地表近くから多く吸収した−−などの要因があったとする中間報告を出した。

 今回630ベクレルのコメが収穫された大波地区の水田も山あいにあり、森林が近くに迫っているため、農水省は(1)木の葉などに付着したセシウムが雨に流され水田に入った(2)日当たりが悪く、根の張り方が浅くなった−−などが考えられるという。

 県は小浜地区のケースを受け、同様の地形をした県内47地点で追加の予備検査を行った。このときの最大値は154ベクレルだったが、47地点に大波地区は含まれなかった。
−−−毎日新聞


安全評価 先進国の専門家が意見

東京電力福島第一原子力発電所の事故を受けて政府が導入した安全評価、「ストレステスト」について、先行して実施している海外の専門家から意見を聞く催しが開かれ、制度の信頼を高めるためには透明性と継続的な説明が重要だという意見が出されました。

この催しは、「ストレステスト」の結果を審査する際の基準作りに生かそうと、国の原子力安全・保安院が開いたもので、「ストレステスト」を導入したフランスやフィンランドなどの専門家7人が出席しました。このなかで「ストレステスト」に対する国民の信頼を得るための取り組みが紹介され、フランスからはほかの国の専門家を招いて審査を実施したり、原発の中に調査に入る際に一般の市民を加えることなどが説明されました。また、審査のプロセスの決定やその中で行った判断については規制機関が絶えず国民に説明をしていくことが重要だという意見も出されました。「ストレステスト」は、定期検査で停止している原発の運転再開の判断の前提で、国内では関西電力と四国電力が一部の原発について結果をすでに提出しています。しかし、国の審査基準については検討が始まったばかりで、国民に信頼される制度にできるかどうかが問われています。
−−−NHK





平成23年11月17日


福島市のコメから基準超セシウム 政府、出荷停止を検討

福島県は16日、福島市大波地区(旧小国村)で今秋収穫したコメから、国の基準値(1キロあたり500ベクレル)を超える同630ベクレルの放射性セシウムを検出した、と発表した。この農家のコメは流通していないという。

 県は、同地区の農家全154戸のコメの出荷を見合わせるよう要請。政府は、同地区のコメについて出荷停止を指示するか検討を始めた。

 県によると、基準超えのセシウムが検出されたのは、26アールの水田で収穫されたコシヒカリ840キロで、自宅やJAの倉庫で保管していた。農家がJAに預ける前の14日、JAに依頼し簡易分析器で調べたところ基準値を超えたため、県が15日に検査。玄米から1キロあたり630ベクレル、白米で同300ベクレルを検出した。
−−−朝日新聞


放射性物質、海に半分以上


東京電力福島第1原発事故で大気中に放出された放射性物質は、太平洋を横断して約10日でほぼ地球を一周し、その結果として半分以上が海洋に落下したとするシミュレーション結果を気象庁気象研究所(茨城県つくば市)などの研究チームがまとめた。

 放射性物質のうち、特に放射性セシウムは4月までに70〜80%が海に落ち、陸地に降ったセシウムは3割程度と推定されるという。

 チームの田中泰宙・気象研主任研究官は「福島原発は日本の東の端にあり、3〜4月は偏西風で運ばれるため陸地に落ちる量は少なめで済んだ。しかし海洋はその分、汚染されたはずだ」としている。

 チームによると、放射性物質が直径1千分の1ミリ未満の細かい粒子などになって拡散したと仮定して計算したところ、偏西風や低気圧の渦に乗り、上空に昇って拡散。太平洋を主に北回りに広がり、ロシア極東部やアラスカ近辺を通過して3月17日ごろに米西海岸付近に到達し、同月24日ごろには、ほぼ地球を一周したとみられる。
−−−産経新聞


2・3号機の手順書も公開


東京電力が公表をごく一部にとどめていた福島第一原子力発電所の事故時に使用する手順書について、国の原子力安全・保安院は、1号機に続き2号機と3号機についても公開しました。

2号機と3号機でも、電源が長時間復旧しない事態を想定しておらず、深刻な事故への備えの甘さが浮き彫りになりました。事故時の手順書を巡っては、衆議院の特別委員会が原因の究明に必要だとして提出を求めましたが、東京電力が知的財産の保護やテロ対策を理由に、ほとんどを黒く塗りつぶして公表し、原子力安全・保安院が、法律に基づき原本を提出させています。原子力安全・保安院が公開した2号機と3号機の手順書では、およそ180ページにわたり、原子炉への注水や圧力を下げるための「ベント」など事故時の対応が詳しく書かれています。1号機より新しいタイプの2号機と3号機では、原子炉を冷やす装置がより長く動いていましたが、手順書では、1号機と同様にすべての電源が長時間復旧しない事態を想定しておらず、深刻な事故への備えの甘さが浮き彫りになりました。また2号機と3号機でも、地震のあとには手順書に従った対応が取れていたものの、津波以降は、対応のほとんどが取れなかったということです。原子力安全・保安院の古金谷敏之室長は「専門家の意見を聞きながら手順書の中身を精査し、事故調査に生かしたい」と話しています。
−−−NHK





平成23年11月16日


福島の河川など放射線測定値公表 環境省

 環境省は15日、福島県内の河川や湖沼、海水浴場で9月から10月にかけて調べた放射性物質の測定結果を公表した。東京電力福島第一原発から半径20キロ圏の警戒区域内にある水辺環境での測定は初めて。放射性セシウムは土に吸着しやすいことから、同区域内を含めてすべての水質で、厚生労働省が定めた飲料水の暫定基準の1キロ当たり200ベクレルを下回った。

 調査したのは警戒区域19地点を含む同県内の193地点。このうち最も放射性物質の濃度が高かったのは警戒区域内の大柿ダム(浪江町)の27ベクレルだった。

 一方、水底や沿岸の泥や土からは高濃度の放射性物質が検出された。水底では旧緊急時避難準備区域の太田川(南相馬市)で6万ベクレル、沿岸では阿武隈川合流前の松川(福島市)で10万4千ベクレルだった。松川では空間線量も1時間当たり3.10マイクロシーベルトを記録した。
−−−朝日新聞


原発事故調査、民間も検証委…東電の協力「?」

東京電力福島第一原子力発電所事故の原因調査を国まかせにせず、民間で行おうという「福島原発事故独立検証委員会」が発足した。
委員長を務める北沢宏一・前科学技術振興機構理事長が15日、日本記者クラブで記者会見し、来年3月までに報告書をまとめる方針を明らかにした。

 同委員会は、但木敬一・元検事総長や黒川清・政策研究大学院大学教授ら7人で構成。若手研究者や弁護士ら約30人の作業グループが国会議員や官僚への聞き取り調査などを行い、政府の危機管理も含め幅広く検証する。東京電力へも協力を求めたが、まだ了解は得られていないという。
−−−読売新聞


川底の放射性物質 河口に移動

東京電力福島第一原子力発電所周辺の市町村を流れる河川の調査で、河口付近の泥や砂に含まれる放射性物質の濃度が上昇していることが分かり、専門家は、「上流から海に向かって放射性物質が移動していると考えられる」としています。

環境省は、福島第一原発の事故の影響を調べるため、周辺の市町村を流れる河川で、放射性物質の測定を行っていて、新たに南相馬市などの河川で、9月に採取した泥や砂を分析しました。その結果、1キログラム当たりの放射性セシウムの濃度は、県北部を東西に流れる新田川の上流の飯舘村草野で3200ベクレル、河口付近に当たる南相馬市原町区で1万3000ベクレルでした。5月に行った調査と比較すると、濃度は上流で5分の1に減った一方、河口付近では3倍余りに増えていました。また、新田川の南を流れる真野川の河口付近に当たる南相馬市鹿島区でも、2万8000ベクレルと、濃度は、5月の2倍に上昇していました。これについて、放射性物質に詳しい近畿大学の山崎秀夫教授は、「上流から海に向かって川底の泥などに結びついた放射性物質が移動していると考えられる。河口付近の濃度の変化に注意する必要がある」と話しています。
−−−NHK

3号機開口部ダストサンプリング風景 動画 ページtopに戻る



平成23年11月15日


福島原発の放射性物質、西日本にも」研究チーム解析

東京電力福島第一原発の事故で大気中に放出された放射性物質が、西日本や北海道にも拡散しているとの解析を日米欧の研究チームがまとめた。15日の米国科学アカデミー紀要電子版に発表する。文部科学省は長野・群馬県境で汚染の広がりはとどまったとの見解を示したが、以西でも「わずかだが沈着している可能性がある」と指摘した。

 米宇宙研究大学連合(USRA)の安成哲平研究員らの研究チームは、大気中の汚染物質の拡散を20キロ四方で計算するシステムを使い、事故後の天候や雨による放射性物質の降下を加味してシミュレーション。文科省によるセシウム137の測定値で補正して、3月20日から4月19日までの沈着量を算出した。

 分布状況は文科省の観測の傾向と一致していたが、岐阜県や中国・四国地方の山間部で、原発由来の放射性物質が沈着している可能性が示された。北海道にも広がりがみられた。
−−−朝日新聞


中国・四国でもセシウム沈着…名古屋大推計

東京電力福島第一原子力発電所事故で放出されたとみられる放射性セシウムは、北海道や中国、四国地方などにも広がっている可能性が高いことが、名古屋大などの推計でわかった。

 米科学アカデミー紀要電子版に近く発表する。

 安成哲三教授らは、3月20日〜4月19日の都道府県各1か所のセシウム実測値をもとに、日本全域の土壌に1か月間で沈着した量をコンピューターで推計。深さ5センチの土壌での濃度に換算して地図を作った。

 推計では、北海道の東部や中国、四国地方の山間部などで、放射性セシウム137が1キロ・グラム当たり500ベクレル以下の低濃度で沈着したとみられる地域があった。

 これらの地域の濃度は、米の作付け制限(同5000ベクレル超)を下回ることなどから、研究チームは、直ちに除染が必要なレベルではないとしている。
−−−読売新聞


放射性物質検出、「勿来」除きなし 全国水浴場調査
環境省は14日、全国の海や湖、川などの遊泳場所(水浴場)を対象とした放射性物質の水質調査結果を発表した。報告があった37都道府県、551カ所のうち、放射性セシウムが水1リットル当たり13ベクレル検出された福島県いわき市の勿来(なこそ)海水浴場(6月に発表済み)を除き、放射性物質が検出された水浴場はなかった。
−−−産経新聞


「手順書半分、非公開を」東電など9社が保安院に報告

福島第1原発1〜3号機の事故時の運転手順書の公開をめぐり、東京電力などの電力事業者6社と原発メーカー3社が14日、非公開とすべき部分を、原子力安全・保安院に報告した。

 東電は手順書全体の約半分の非公開を改めて要求。東芝などメーカー2社は、知的財産などの理由で、さらに一部について非公開を求めた。残る6社は東電の公開範囲を妥当とした。保安院は報告を検討し、公開範囲を決める。
−−−産経新聞


原発事故避難者 内部被ばく検査へ

東京電力福島第一原子力発電所の事故による健康への影響の調査が課題となっているなか、愛媛県は、福島県から避難してきた人に対し、「内部被ばく」の検査を実施する方針を固め、対象となる人や費用の負担などについて調整を進めています。

放射性物質が体の中に入り込む「内部被ばく」の検査は、福島県や茨城県にある専門機関などで、主に妊婦や子どもを対象に行われています。ただ、福島県からほかの県に避難している人も多く、避難先でも検査が受けられるようにしてほしいという声が出ています。こうした声を受けて愛媛県は、県が所有する「ホールボディカウンター」と呼ばれる専用の測定器を使って、福島県から避難してきた人たちが県内の施設で内部被ばくの検査を受けられるようにする方針を固めました。愛媛県には、先月20日の時点で、福島県から160人が避難しているということで、愛媛県は、対象となる人や検査の方法、それに費用の負担などについて調整を進めています。福島県によりますと、県外に避難している人を対象にした内部被ばくの検査は大学などでも行われていますが、都道府県では新潟県に次いで2番目です。
−−−NHK


ゴルフ場の除染 仮処分を却下

原発事故の影響で休業した福島県二本松市のゴルフ場が、東京電力に対し、放射性物質の速やかな除染を求める仮処分を申し立てていたことについて、東京地方裁判所は「除染の方法が確立されていない」などとして訴えを退けました。

これは福島県二本松市のゴルフ場「サンフィールド二本松ゴルフ倶楽部」の運営会社などが求めていたものです。このゴルフ場では、ことし6月、最大で1時間当たり3.8マイクロシーベルトの放射線量が計測されたため、休業を余儀なくされたとして、東京電力に対して速やかな除染と休業中の人件費などおよそ8700万円を緊急に支払うよう求めていました。これについて、東京地方裁判所の福島政幸裁判長は「適切な除染の方法が確立されていない段階で東京電力に命じるのは、国が責任をもって除染を進めるという政府の方針などに触れるおそれがある」として、14日までに申し立てを退けました。これに対し、運営会社側では「除染の責任は一義的に東京電力にある」として、14日、東京高等裁判所に即時抗告したということです。一方、東京電力は「個別の案件に関わる話であり、回答を差し控えたい」というコメントを出しました。
−−−NHK



平成23年11月13日


高い線量、壊れた屋根・・・福島原発、事故後初公開

 政府と東京電力は12日、福島第一原発の敷地内を3月の事故後初めて報道陣に公開した。細野豪志原発担当相による事故収束作業の視察に記者らが同行する形で入った。事故直後から現場で陣頭指揮を執ってきた吉田昌郎所長(56)も公式の場で初の取材に応じた。

 取材陣はまず敷地内の南側にある高台から、福島第一原発を一望した。風に揺れるススキの穂の向こうに、壊れた4号機の原子炉建屋が見えた。水素爆発で壁が吹き飛び、すき間からは事故前に定期検査で外されていた格納容器の黄色いフタがのぞいていた。

 その隣の3号機もやはり水素爆発で屋根も壁もめちゃくちゃに壊れ、今はさびて茶色い骨組みがわずかに見える程度だ。周りにはがれき撤去のための大型クレーンが並ぶ。奥には2号機や、カバーで覆われた1号機も見えた。
−−−朝日新聞


福島第1原発:報道陣に公開 吉田所長「作業なお危険」

東京電力福島第1原発事故から8カ月が過ぎ、原発敷地内の様子が12日、初めて報道陣に公開された。現地の事故対応を指揮してきた同原発の吉田昌郎所長(56)は「3月11日(の事故発生)から1週間は、極端なことを言うと『もう死ぬだろう』と思ったことが数度あった」と当時の危機的な状況を振り返った。原発の現状については「原子炉は安定しているが、作業する面では(放射)線量も非常に高く危険な状態だ」と説明した。

 報道陣はバスで1〜6号機の周辺を回った後、緊急時対策本部のある免震重要棟に到着。そこで吉田所長が初めて取材に応じた。吉田所長は冒頭、福島県をはじめとする事故の被害者に対し「発電所で事故を起こし、いろんなご迷惑、ご不便をおかけしたことを心よりおわび申し上げたい」と謝罪。「日本全国、世界から支援いただいたことが本当に励みになっている」と感謝の気持ちも強調した。

 同原発では東日本大震災の発生直後、すべての電源を喪失し、原子炉が冷却できない状況になった。吉田所長は「想定が甘かった部分がある。これからほかの発電所もそこを踏まえて訓練、設備を充実させていく必要がある」と事前の想定の不備を認めた。

 3月12日の1号機の水素爆発時は免震重要棟にいたが、「まずボンという音を聞き、1号機が爆発しているみたいだという情報が入ってきた」だけで原子炉の状況は分からず、14、15日には3、4号機でも爆発が発生。原子炉格納容器の損傷した2号機への注水も進まず「一寸先が見えない。最悪、メルトダウン(炉心溶融)も進んでコントロール不能になる、これで終わりかなと感じた」という。

 その後も高濃度の汚染水漏れなどがあり、危機的な状況を脱したと感じたのは「7、8月」。今後は「(年内に原子炉を冷温停止状態にする)ステップ2を確実に終了させるのが一つの目標。中長期のステップを考え、いろいろな提言をし、作業をこなしていくことが福島県民のニーズに応えることになる」と中長期の取り組みになる覚悟を語った。

 同時に「作業員の被ばくの問題は頭の痛い課題」と指摘し、作業・生活環境の改善を政府などに要望。自身の被ばく線量を問われると「個人情報なので差し控えるが、それなり(の数値)には、いっている」と述べた。

 吉田所長は東京工業大大学院で原子核工学を専攻し、79年に東電入社。本店原子力設備管理部長など一貫して原子力畑を歩き、10年6月から福島第1原発所長(執行役員)。事故後、当時の菅直人首相は東電への不信感を強め、現地の吉田所長に信頼を置いて事故対応に当たった。

 この日は細野豪志原発事故担当相も原発を視察。記者団に「着実に職場環境がよくなっている。年内の冷温停止状態の達成に向かえるという話なので(ステップ2の)最終作業に入りたい」と語った。
ーーー毎日新聞

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平成23年11月12日


冷温停止後の管理計画「妥当」 保安院、東電を評価

経済産業省原子力安全・保安院は11日、福島第一原発の冷温停止から廃炉着手までの管理について定めた東京電力の施設運営計画を妥当だとした。保安院が専門家に意見を聞く有識者会議で評価を報告した。

 国と東電は事故収束の工程表の第2段階(ステップ2)として「冷温停止状態」の年内達成をめざしている。冷温停止は、原子炉内が100度以下の温度に保たれ、外部に漏れる放射性物質が十分少なくなっているのが条件。東電の施設運営計画は、2〜3年後の廃炉作業着手まで、冷温停止を保つための管理態勢をまとめたものだ。

 特に1〜3号機では高濃度の放射能汚染水を浄化した水を使って炉を冷やしているが、ホースなどで水を引き回すなど応急で作った施設が多い。地震や津波、停電などに耐えられるか未知数だ。炉内の燃料の状態も正確に把握できておらず、適切な管理が課題だ。
−−−朝日新聞

放射性物質、風で再浮遊か 風向きで放射能濃度変化

 東京電力福島第一原発から放出され、地面に落ちた放射性物質が、風によって再び大気中に浮遊している可能性が高いことが茨城大学や東京大学などのチームの調査で分かった。

 チームは3月末から8月にかけて、福島市や水戸市など関東、東北の計11地点で、福島第一原発から出たとみられる大気中のセシウム134やヨウ素131などの放射性物質をフィルターで捕らえて24〜72時間おきに測った。

 このうち、分析が終わった福島市、茨城県日立市、水戸市の6月以降の測定値を見ると、放射能濃度は風向きに依存し、原発の方角から風が吹くと事故前の10万倍の10ミリベクレル程度と高い値を示す一方、それ以外の風向きの時でも、事故前の千倍の0.1ミリベクレル程度と一定の濃度があった。このため、放射性物質は地面に落ちた後、泥などに吸着し、土ぼこりなどとして浮遊しているとみられる。
−−−朝日新聞

原発復旧の「前線基地」初公開 防護服やマスク山積み

東京電力は11日、福島第一原子力発電所事故の復旧作業の「前線基地」になっているサッカー練習施設「Jヴィレッジ」(福島県楢葉町、広野町)を事故後初めて報道陣に公開した。施設内では仕事を終えた作業員が防護服や靴のカバーを分別していた。練習場では、使い終わった防護服やマスクが山積みになっていた。12日には第一原発の内部も初めて公開される。
−−−朝日新聞

セシウムの広がり、群馬県境まで 汚染マップ公表

東京電力福島第一原発事故による放射能汚染の実態について、文部科学省は11日、航空機で測定した放射性セシウムの蓄積量を新たに6県分追加し、計18都県の汚染マップを公表した。これで東日本各地がほぼ出そろった。文科省は西側は群馬・長野県境、北側は岩手県南部で汚染の広がりはとどまったとみている。

 追加されたのは岩手、富山、山梨、長野、岐阜、静岡の各県。セシウム134と137の蓄積量でみると、1平方メートルあたり3万ベクレルを超えた地域は岩手県南部(奥州市、平泉町、一関市、藤沢町)、長野県東部(軽井沢町、御代田町、佐久市、佐久穂町)の一部。奥州市と一関市の境、佐久市と佐久穂町の境では6万ベクレルを超える地域があった。

 岩手県南部については、事故後に放射性プルーム(放射性雲)が流れ、そのとき宮城県北部にかけての範囲で雨が降っていたため、飛び地状に汚染地域ができた。長野県東部は群馬県から南下したプルームで汚染された可能性がある。
−−−朝日新聞

福島第1原発:練習場隅に防護服山積み…Jヴィレッジ公開

東京電力福島第1原発事故の対応拠点「Jヴィレッジ」(福島県広野、楢葉両町)が11日、事故後初めて報道陣に公開された。日本代表も合宿するサッカーのトレーニング施設は現在、事故収束の前線基地に一変。スタジアムを作業員の寮に、11面あったフィールドを車の除染場、資材置き場、駐車場などに活用している。12日には、細野豪志原発事故担当相への同行取材の形で、同原発が報道陣に初公開される。

 同原発の南約20キロにあるJヴィレッジの敷地は、「警戒区域」の南端をまたいでいる。寮など作業員の生活空間を区域外に配置する一方、除染場などは区域内に設置。平日は約3000人が利用する。

 午後1時50分ごろ、同原発から作業員が戻ってきた。防護服を脱いだ体を、ゲートモニターという機械に入れ、放射線量を測定する。約10秒で判定されるが、正常値を超えた場合は除染を受けることになる。内部被ばく量の測定機は計12台整備され、作業員は月1回検査を受ける。記者も椅子型のカウンターに座り検査を受けると1分後、モニターに「正常値」と表示された。

 雨天練習場の隅には、使用済みの防護服など、放射性廃棄物を入れたポリ袋が積まれ、それらを詰めた1立方メートルの鉄製コンテナ約4000個がハーフコートの一部を埋めていた。あと2000個は置けるというが、処分方法は決まっていない。
−−−毎日新聞

岩手など6県 汚染地図作成

東京電力福島第1原発事故で放出された放射性セシウムについて、文部科学省は11日、航空機測定による岩手、静岡、長野、山梨、岐阜、富山の6県の土壌汚染マップを新たに作成した。

 土壌の沈着量は岩手県南部や長野県東部の一部でやや高めだったが、ほとんどの場所で1平方メートル当たり1万ベクレル以下だった。

 また、関東や東北地方の一部で大気中の放射線量などが比較的高いため、文科省は、千葉県北西部や茨城県南部、宮城県北部、栃木県などを対象に放射線量が毎時0・2マイクロシーベルト以上の地域で詳細測定を行う方針。
−−−産経新聞





平成23年11月11日


セシウム汚染:微生物で約90%除去 広島の大学教授ら

広島国際学院大の佐々木健教授(バイオ環境化学)らの研究グループは、微生物を使って泥の中の放射性セシウムを回収する方法を開発した。9月に福島市内で採取したヘドロでの実験では、セシウムを約90%除染することに成功した。実験に用いた光合成細菌が、カリウムとよく似た性質のセシウムを取り込んだ可能性があるという。佐々木教授は「汚染された土壌にも使える技術ではないか」と話している。

 バイオ技術を活用した放射性物質の除去を研究している佐々木教授と、広島市の水道関連資材販売会社「大田鋼管」が9月、福島市内の公立学校のプールからヘドロを採取し現地で実験した。細菌90グラムをアルギン酸などに混ぜた粒状物質をビー玉大にし、濃縮したヘドロ50リットルに投入。3日間の放射線量を計測した。

 その結果、実験開始前に毎時12.04〜14.54マイクロシーベルトだった放射線量は同2.6〜4.1マイクロシーベルトまで減少した。実験中、プール周辺では福島第1原発事故の影響で同1.2マイクロシーベルトの放射線量が測定されていたが、差し引くと最大89.4%除去できていた。

 実験に使った細菌は、表面にあるマイナス電気で物質を引き寄せる性質があり、プラス電気のセシウムを吸着した。また、細菌はカリウムを取り込んで生きるが、取り込まれる際に似たような動きをするセシウムも吸収したとみられる。

 細菌を混ぜた粒状物質は、乾燥して焼却すると容量は75分の1、重さは100分の1に減る。セシウムは温度640度でガス化し拡散するが、500度以下なら拡散しない。

 佐々木教授らは土壌での実証実験も予定しており、「常温常圧で、現地で除去作業ができるのが利点。コストも安く、福島の再生のためにぜひ普及させたい」と話している。
−−−毎日新聞

4号機の爆発は4階か 3号機の水素、空調ダクト通じ流入

東京電力は10日、福島第1原発4号機の原子炉建屋で3月15日に起きた爆発について、3号機で発生した水素が空調ダクトを通じて4号機側に流れ込み、建屋4階で爆発した可能性が高いとする見方を示した。

 東電によると、最も損傷が激しかったのは、原子炉建屋4階の非常用ガス処理系空調ダクトと呼ばれる部分で、本来の位置にダクトが存在せず、残骸が多数散乱していた。5階の床面が盛り上がっている=写真(東京電力提供)=ことなどから、4階が爆発現場である可能性が高いという。東電は「着火源は特定できていないが、余震で金属が触れ合った際に火花が散った可能性もある」としている。

 4号機の爆発について東電は、3号機からの水素流入が原因とみていたが、4号機の使用済み燃料貯蔵プールで発生した水素によるものとする見解もあった。
−−−産経新聞




平成23年11月10日


宮城、被災地の建築制限終了 2割の地域が対象外

東日本大震災で、被災地の乱開発を防ぐために、宮城県内の7市町にかけられていた建築制限が10日で期限切れになる。各市町の今後の方針を調べたところ、対象地域の7割が「復興推進地域」として宅地や商業地などに活用される一方、2割は「災害危険区域」として無期限に建築が制限されることが分かった。

 建築制限は建築基準法に基づく措置で最長2カ月。今回の震災では、復興計画の策定に時間が必要なことから特例として8カ月まで認められた。宮城県では気仙沼、東松島、名取、南三陸、女川、山元の各市町と独自に権限をもつ石巻市の計7市町で、最大1854ヘクタールが対象とされた。1割はすでに解除されていた。

 このうち山元町は期限切れを前に沿岸部を建築基準法に基づく「災害危険区域」に指定。新築を禁じ、約1千世帯に集団移転を促す。石巻市も半島部の一部地域で同様の措置をとる。
−−−朝日新聞

福島第一原発、廃炉に30年以上…原子力委部会

東京電力福島第一原子力発電所の廃炉について検討する内閣府原子力委員会の専門部会は9日、1〜4号機の廃炉完了までの期間を30年以上とする工程や、取り組み状況を監視する第三者機関の設置などの提言を盛り込んだ報告書案に合意した。

12月上旬にも最終報告書として原子力委員会に提出する。

 報告書案では、廃炉作業に必要とされる新技術の研究開発について、政府や東電、学識経験者などによる「研究開発推進本部」の新設が必要と指摘した。また、廃炉への取り組みが妥当かをチェックするため、第三者機関の設置も提言した。溶けた燃料や放射性廃棄物の処理試験を行う施設や、対策の妥当性を検証するための原発模擬施設を、それぞれ現場近くに設けることも求めた。
−−−読売新聞

廃炉の工程表策定指示 プールの燃料取り出し2年以内 細野氏ら、東電などに

福島第1原発事故で、細野豪志原発事故担当相と枝野幸男経済産業相は9日、1〜4号機の廃炉に向けたロードマップ(工程表)の策定を、東京電力と経済産業省原子力安全・保安院、資源エネルギー庁に指示した。燃料貯蔵プールからの燃料の取り出しは、従来の「3年程度」を1年短縮して「2年以内」に開始、原子炉からの溶融燃料の取り出しは「10年以内」に着手することなど、8項目を盛り込んだ工程表を年内にまとめるよう要求した。

 他に指示した項目は、事故原因の徹底究明や、廃炉に向けた研究開発計画の策定、作業員の安全確保や人員計画の策定、汚染水の早急な処理など。

 細野氏は「廃炉は30年以上要する大変な作業。国が全面的に関与する」と強調。東電の西沢俊夫社長は「福島県民に安心いただけるよう、早急に策定する」と応じた。

 現在、政府・東電の事故収束に向けた工程表では、原子炉の「冷温停止状態」を最大目標とするステップ2の年内達成を目指している。達成後は廃炉に向けた準備期間に入り、「3年程度」で燃料貯蔵プールからの燃料の取り出しに着手することを掲げていた。
−−−産経新聞

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平成23年11月9日
原発20キロ圏に帰還困難域 政権、低線量地居住を検討

 野田政権は東京電力福島第一原発から半径20キロ圏内の警戒区域内で、放射線量が高い地域を「長期帰還困難地域」とする方向で調整に入った。放射線量が低い地域に生活拠点をつくって、将来の帰還に備える「2段階帰還」への支援も検討する。近く警戒区域内で線量を測定し、年内をめどにしている原発の冷温停止状態の達成にあわせて該当地域を公表する考えだ。

 長期帰還困難地域では立ち入り禁止の措置が長く続く。対象住民には国や自治体による土地の借り上げや買い上げ、復興公営住宅の提供などを検討する。

2段階帰還のイメージ

 10月中旬の文部科学省の調査によると、警戒区域内で避難の目安とされる年間被曝(ひばく)量20ミリシーベルト以上だったのは、50地点中37カ所だった。20ミリシーベルト未満に自然に下がるまでに10年以上かかる100ミリシーベルト以上の地点も15カ所にのぼった。
−−−朝日新聞

セシウム検出、汚染源はアスファルト合材 韓国政府断定

韓国の道路で放射性セシウム137の検出が相次いだ問題で、政府は8日、汚染源は舗装用のアスファルト合材だと断定した。韓国の基準で放射性廃棄物としての処理が求められる濃度のものが含まれていたことも分かり、市民団体は責任追及の声を強めている。

 ソウル市北東部の蘆原(ノウォン)区では今月、住宅街や通学路の商店街でセシウム137(半減期30年)に由来する放射線が地表面で毎時3マイクロシーベルト前後、地上1メートルで毎時1.4〜1.9マイクロシーベルト検出された。

 汚染源を調べていた国の機関は8日、「アスファルト合材だと確認された」と公表。現場で採取した舗装材の放射性セシウム濃度は1グラムあたり最大35.4ベクレルで、放射性廃棄物の処理基準(1グラムあたり10ベクレル以上)の部分もあった。国は混入の原因究明のため、全国のアスファルト合材メーカーや原材料の納入元となる製鉄所、製油所を調査する方針だ。
−−−朝日新聞

南相馬産の生柿から基準超セシウム 出荷自粛を要請

福島県は8日、南相馬市内の柿から国の基準値(1キロあたり500ベクレル)を超える670ベクレルの放射性セシウムが検出されたと発表した。生柿から基準値を超すセシウムが検出されたのは初めて。柿は4日に市内の農家で採取され、市場には出ていない。県は同市やJAなどに出荷の自粛を要請した。

 干し柿など加工柿については、先月から今月2日にかけ伊達市や福島市など5市町で基準を超すセシウムが検出され、県は各市町に柿の加工自粛を要請している。同県の生柿の収穫量は2010年度で1万4千トン。
−−−朝日新聞

イオン、放射線検査を厳格化 「検出されたら売らず」

大手スーパーのイオンは8日、食品の放射線検査の対象を広げ、放射線が少しでも検出された食品は原則として販売しないと発表した。原発事故以降、放射線に関して消費者から約6千件の問い合わせがあったといい、基準を厳しくすることにした。

 イオンは3月中旬以降、独自ブランド(PB)の「トップバリュ」を中心に水産・畜産・農産物と米を自主的にサンプル検査してきた。7月末以降は、PBの国産牛を全頭検査している。国の暫定基準値は500ベクレルだが、50ベクレル以上の放射性物質が検出された約30の産物は販売しなかった。9日以降は検査をトップバリュ以外の食品に広げ、頻度も増やす。

 対象は、これまでの検査で検出例が多かった品目や産地が中心で、3カ月で5千件の検査を予定している。検査機器が測定できるレベルの放射線が検出された地域の同じ品目は販売しない。
−−−朝日新聞





平成23年11月8日
ソウル全市で道路の放射線量調査へ セシウム検出相次ぎ

韓国の道路で放射性物質セシウム137の検出が相次いでいる問題で、ソウル市の朴元淳(パク・ウォンスン)市長は、全市規模で道路の放射線量の調査をすることを決めた。検出地域では住民の健康への影響を調べる疫学調査をする方針も示し、7日、地元で説明会があった。

 同市北東部の蘆原(ノウォン)区では住宅街や商店街の道路で、地表面で毎時3マイクロシーベルト前後のセシウム137が検出され、区が汚染源とみられるアスファルトの撤去作業を進めている。
−−−朝日新聞

「臨界なかった」東電報告を保安院追認

 東京電力福島第一原発2号機で放射性キセノンが検出された問題で、経済産業省原子力安全・保安院は7日、キセノンが生じた原因は、散発的な自発核分裂によるもので核分裂が続く臨界ではなかった、という東電の報告を追認した。

 東電の報告は、臨界ならもっと多くのキセノンが発生していたとした。そのうえで、キセノンは燃料からできたキュリウムから自発的核分裂で生じたと結論づけた。自発核分裂で生じると見込まれる濃度を計算すると、検出した濃度とほぼ同じだった。

 この報告を検証するため、保安院が独自に、キセノンの濃度を試算したところ、東電の試算とほぼ一致した。東電が臨界を防ぐ効果があるホウ酸水を炉内に入れた前後で、キセノンの濃度に変化がなかったことも、自発核分裂によるものだと判断する材料になったという。
−−−朝日新聞

「子の健康管理の参考に」 チェルノブイリ調査団が帰国

 東京電力福島第一原発の地元から、チェルノブイリ原発やその周辺地域を訪問していた自治体関係者や福島大学の研究者らの調査団が7日、帰国した。参加した福島県川内村の遠藤雄幸村長は「子どもの健康管理のシステムを参考にしたい」と語った。

 福島県や同県南相馬市、浪江町の職員や研究者らからなる調査団は10月31日から、チェルノブイリ原発があるウクライナと、隣国で高濃度の汚染地が多いベラルーシを訪れた。

 遠藤村長によると、原発に近いベラルーシのコマリン村では、食品の放射能を測定する機器が学校に置かれ、家庭で食べる野菜や牛乳、キノコ類などは今も日常的に測定されている。地元の農家の人たちが収穫物を持ってくるほか、子どもたちも測定器の使い方を覚えているという。

 遠藤村長は「子どもたちが測定器を使える現実には複雑な気持ちもあるが、身近に検査ができる仕組みは川内村にも採り入れたい」と話した。同村は、9月末に緊急時避難準備区域が解除され、住民の帰還に向けた取り組みを進めている。
−−−朝日新聞

移動しながら汚染土壌浄化、東芝がシステム開発

東芝が、東京電力福島第一原子力発電所事故で放射性物質に汚染された土壌を効率的に浄化するシステムを開発した。

 来春までに移動式の浄化装置を完成させ、汚染地域で活用したいとしている。各地の除染作業で発生した汚染土壌の処分が課題になっているが、解決策として期待できる。簡便で土壌に特化した浄化システムの実用化は初めて。

 このシステムは、汚染土壌を酸(シュウ酸)の水溶液に入れ、土壌中の放射性セシウムを溶かし出す仕組み。溶液中のセシウムは、東芝が福島第一原発で使っている汚染水処理システム「サリー」を小型化した装置などで除去、除去後の水は再利用する。

移動中除染装置

 東芝は、福島県内で採取した1キロ・グラム当たり1万数千ベクレルのセシウムを含む土壌を使ってテストを行い、濃度を10分の1以下に減らし、環境に戻しても問題ないレベルに浄化できることを確認した。1日に10トン程度を処理できる可搬型の装置を大型トラックに搭載、汚染地域を移動しながら活用する方針だ。
−−−読売新聞

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平成23年11月7日


高放射線量も何のその、お掃除ロボット活躍中

東京電力は5日、福島第一原子力発電所3号機の原子炉建屋1階の床に散らばるがれきをロボットが掃除する様子の映像を公開した。

 遠隔操作で動く米アイロボット社製の「ウォリアー(戦士)」が、水素爆発で降り積もった小石や砂を払いのけたり、倒れた棚を運んだりする映像で、別のロボットが、今月2日と3日に撮影した。

 3号機の建屋の1階の放射線量は、最高で毎時620ミリ・シーベルトと高く、作業員の立ち入りが困難な状況が今も続く。放射性物質が付着する小石、機器類の除去によって放射線量が下がり、作業員の被曝(ひばく)量軽減に役立つという。

 ウォリアーは前後90センチ、左右80センチ、高さ53センチで、重さは250キロ・グラム。アームの先にブラシが付いている。今年7月から福島第一原発で清掃作業に活躍している。
−−−読売新聞

燃料プール 放射性物質除去開始

東京電力は、福島第一原子力発電所の2号機で、使用済み燃料プールとしては初めて、冷却に使う水に含まれる放射性物質を除去する作業を開始しました。

福島第一原発の1号機から3号機の使用済み燃料プールでは、冷却に使われている水に原子炉のメルトダウンに伴って発生した放射性セシウムが高い濃度で含まれています。このため東京電力は、冷却水に含まれる放射性物質を取り除くことにし、2号機のプールに新たな装置を設置して、6日から運転を開始しました。放射性物質の除去は原子炉の冷却水では6月から行われていますが、プールでは2号機が初めてで、1か月程度で濃度を100分の1から1000分の1にまで下げる予定だということです。一方、2号機から4号機のプールでは、事故直後に海水を入れたため配管や内側の板などの金属が腐食するおそれがありますが、東京電力は、4号機ですでに実施している塩分の除去を今後2号機でも実施することにしています。東京電力は「装置の構造上、塩分を取り除くために放射性物質の除去が必要になった。塩分濃度は海水の10分の1以下と高くはないが、部品に穴があくおそれがあるため作業を進めたい」としています。
−−−NHK

原発作業に「ロボットスーツ」を

茨城県つくば市のベンチャー企業が、体に障害がある人の動きをサポートするために開発した身につけるロボット、「ロボットスーツ」を、東京電力福島第一原子力発電所の作業現場でも使えるよう改良し、注目されています。
ロボットスーツで原発作業

このロボットスーツは、筑波大学の教授らが参加したベンチャー企業が開発しました。脳から出る電気信号を捉え、足の外側に付いている板状の部品をモーターで動かすことで足の力を補う仕組みで、もともとは体に障害がある人やお年寄りのために開発されました。今回、原発の作業現場でも使えるようにしようと補う力を強くしたり、材質を頑丈にしたりして改良しました。ベンチャー企業によりますと、福島第一原発に人が立ち入る場合、放射線から身を守るために金属製の重さ15キロの防護服の着用が必要とされていて、このロボットスーツを装着すれば、最大60キロ分の重さまで耐えられるということです。今月1日には、つくば市内で原発での作業を想定した実験を行い、狭い空間でのがれきの撤去や設備の修理などの作業が行えるかどうか、機能を試したということです。開発した、筑波大学の山海嘉之教授は「ロボットスーツを装着すると原発の建屋内での多くの作業ができるようになると思う。また長時間の作業も可能になり収束活動全体が短縮できる可能性がある」と話しています。
−−−NHK




平成23年11月6日
低線量被曝の健康影響調査…原発相が方針

 細野原発相は5日、浜松市内で講演し、東京電力福島第一原子力発電所事故に関連し、放射性物質の年間20ミリ・シーベルト程度の低被曝(ひばく)線量が健康に及ぼす影響を解明するため、内閣官房に有識者による作業部会を作り調査する方針を明らかにした。 細野氏は「100ミリ・シーベルト以下の影響は学問的にも最終的にすべて解明し切れていない部分がある」と語った。その上で、より広い範囲で影響を調べるため、国際放射線防護委員会(ICRP)が事故収束時の住民の被曝限度の目安としている20ミリ・シーベルト程度の低被曝線量を対象に、内閣官房の放射性物質汚染対策顧問会議の下に作業部会を新設するとした。

 また、細野氏は、福島第一原発の事故収束に向けた工程表について、同原発2号機で放射性キセノンが検出されても、「(原子炉の『冷温停止状態』を目指す)工程表の『ステップ2』の年内に達成という方針を変える必要はない」と強調した。
−−−読売新聞




平成23年11月5日
飯舘村で除染説明会 不安の声

東京電力福島第一原子力発電所の事故で、全域が計画的避難区域に指定されている福島県飯舘村で、国が主体となって始める除染のモデル事業の説明会が開かれましたが、放射性物質を含んだ土などを保管する仮置き場を、村の中の国有林に設置する案について、住民から不安の声が相次ぎました。

飯舘村では、国が主体となった除染のモデル事業が、一部の地区で始まる計画で、4日夜は、国と村による住民向けの説明会が福島市内の移転先の役場で開かれ、およそ60人が出席しました。この中で、菅野典雄村長は、放射性物質を含んだ土などを保管する仮置き場を、村の東部にある国有林に設置する案を初めて明らかにしました。これに対して住民からは、「仮置き場から放射性物質が漏れ出して周辺の環境に影響を与えることは本当にないのか」といった不安の声が相次ぎました。このため、国と村は、モデル事業について住民の納得が得られていないとして、疑問に答えるため、早い時期に改めて説明会を開くことになりました。避難先の東京から説明会に出席した68歳の男性は、「除染は急がなければならないが、これまでに誰も行ったことがないので、話し合いをさらに積み重ねる必要があると思う」と話していました。
−−−NHK

原発耐震性再評価 再稼働遅れも

原子力発電所の耐震安全性について、原子力安全・保安院は、東日本大震災を踏まえた地震の揺れや津波の影響を考慮したうえで、改めて評価するよう電力各社に指示することを決めました。この耐震評価に基づいて、原発の運転再開の前提となる新たな安全評価「ストレステスト」が行われるため、原発の再稼動にはさらに時間がかかることになりそうです。

原発の耐震安全性の評価は、震災の影響で中断していましたが、先月、再開されました。この耐震評価について、経済産業省の原子力安全・保安院は、今回の震災で得られた新たなデータや知識を踏まえて、改めて評価するよう、近く電力各社に指示することを決めました。対象となるのは、全国9か所22基の原発で、原子力安全・保安院が専門家から意見を聞いたところ、静岡県の浜岡原発については、中部電力が想定していた地震の規模や津波の高さを、さらに大きくして解析する必要があるということです。また、福井県の美浜原発や大飯原発などは、若狭湾周辺で巨大津波があったという過去の記述が見つかったため、津波による堆積物の調査結果を評価するよう指摘されています。こうした指摘を基に、電力各社は原発の耐震評価を改めて行うことになりますが、原発の運転再開の前提となる「ストレステスト」は、新たな耐震評価に基づいて行われるため、原発の再稼動にはさらに時間がかかることになりそうです。
−−−NHK

尿検査で7%の子ども 内部被ばく

東京電力福島第一原子力発電所の事故で、福島県南相馬市の乳幼児が放射性物質を体内に取り込む内部被ばくをしていないか、尿を検査したところ、7%の子どもから放射性セシウムが検出されました。検査を行った会社では、健康に影響が出るような内部被ばくはなかったとしています。

福島県などが行っている内部被ばくの検査は、ほとんどが専用の装置で姿勢を維持できる小学生以上を対象にしていることから、福島第一原発に近い地域では、検査を受けられない乳幼児のいる家庭から不安の声が上がっています。このため、東京の医療コンサルタント会社「RHCジャパン」は、南相馬市内の6歳以下の子どもを対象に、尿に放射性物質が含まれていないか検査しました。その結果、これまで分析を終えた1500人余りのうち、7%に当たる104人から放射性セシウムが検出されました。ほとんどは検出限界を僅かに超える1リットル当たり20から30ベクレルの範囲で、最も値が高かったのは1歳の男の子で187ベクレルでした。生涯に受ける放射線量は最大でも0.37ミリシーベルトと推定されるということで、検査を行った会社では、健康に影響が出るような内部被ばくはなかったとしています。今回の結果について、放射線医学総合研究所の明石真言理事は、「検証が必要だが、一つの目安にはなる。チェックを受けた食品をとれば今後も被ばくが大きく増えることはないと思う」と話しています。
−−−NHK




平成23年11月4日

東電、「臨界でなく自発核分裂」…保安院は慎重

東京電力福島第一原子力発電所2号機で放射性キセノンが検出された問題で、東電は3日、検出されたキセノンが極微量なことなどから核分裂反応が連鎖的に進む臨界は起きていないと結論づけた。
原子炉内では、運転時に生成した放射性物質キュリウムが自然に核分裂する「自発核分裂」が散発的に起きており、極微量のキセノンはキュリウムの分裂で説明できるとした。一方、経済産業省原子力安全・保安院は「局所的な臨界の可能性は否定できない」との見方を変えておらず、東電から分析結果の報告を受け、改めて評価する。

 キセノン133とキセノン135は、1日に格納容器から採取したガスから検出された。濃度はともに1立方センチ当たり約10万分の1ベクレルと極微量だったが、それぞれの半減期は約5日、約9時間と短く、直近に核分裂反応が起きたとみられ、東電は2日、小規模な臨界が一時的にあった可能性もあるとの見方を示していた。
−−−読売新聞



平成23年11月3日
世田谷の高放射線、発生源の試薬瓶掘り出し 線量が激減

東京都世田谷区八幡山1丁目のスーパー付近で高い放射線量が検出された問題で、スーパー側が依頼した専門業者や文部科学省が2日、一部が前日に見つかっていた試薬瓶を掘り出した。中に入っていた茶褐色の塊はラジウムとみられ、文科省はこれが放射線の発生源とみている。

 瓶は、前日の掘削調査で、毎時110マイクロシーベルトを測定したスーパー入り口付近の地下40センチほどの地中で見つかっていた。2日にさらに掘り進め、瓶を地中から取り出した後は、毎時約40ミリシーベルト(1ミリは1000マイクロ)だった放射線量が、毎時2ミリシーベルト程度まで減少。周辺にあった、この瓶の破片や土壌も掘り出すと、線量は毎時約25マイクロシーベルトに下がったという。文科省は、高放射線の原因は東京電力福島第一原発事故によるものではなく、この瓶とみられると判断した。

 文科省によると、発見された瓶は高さ20センチ、直径10センチ程度。一部破損しており、付着していた土とともに取り出して専用の容器に密封。瓶にとくに記載は見あたらなかったが、相当古いものとみられるという。
−−−朝日新聞

排水から放射性物質、基準の15倍 千葉のセメント施設

千葉県は2日、市原市にあるセメント製造会社「市原エコセメント」(宇野広久社長)の排水から、国が当面の安全対策として示した基準の約15倍の放射性物質を検出した、と発表した。同社は9月中旬には問題を把握していたが、県に報告していなかった。

 同社は、同県内の自治体の焼却施設から出る焼却灰や汚泥を原料にした「エコセメント」を製造。県によると、放射性物質は原料の焼却施設のフィルターを洗浄した後の排水に含まれていた。

 放射性物質は1リットルあたり1054〜1103ベクレルで、国が6月に、排水などの安全対策の目安として示した基準の14.4〜15倍だった。排水量は1日平均300立方メートルで、9月と10月だけでも44日間操業しており、すべて東京湾に排出された。県は2日、排水の停止を文書で指示し、同社は当面の操業を停止した。
−−−朝日新聞

福島第一2号機、再測定でもキセノン検出

東京電力福島第一原子力発電所2号機で核分裂した際に生じる放射性キセノンが検出された問題で、東電は2日、再測定の結果でもほぼ同じ濃度のキセノンを検出したと発表した。

 原子炉の溶融燃料で核分裂が起きていた証拠とみられ、核分裂が連鎖的に進む臨界が再び起きた恐れもあるため、東電は調査を進めている。2号機原子炉の温度などは安定しており、周辺環境への影響は認められていない。

 キセノンが検出されたのは1日に格納容器から採取したガスで、同日の測定ではキセノン133(半減期約5日)、キセノン135(同約9時間)ともに濃度は1立方センチ当たり約10万分の1ベクレルとごく微量。半減期の短さから判断して、最近、核分裂反応が起きたとみられる。2日に行われた同じ試料の再測定でもほぼ同量を検出した。東電の要請で試料を調べた日本原子力研究開発機構は同日夜キセノンと確認した。東電は、臨界を防ぐホウ酸水を2日未明に注入した。注入後に採取したガスの分析で、キセノン133は未検出だったが、135はほぼ同じ濃度で検出された。
2号炉核分裂か

−−−読売新聞
福島第1原発:2号機でキセノン検出確認 
 ◇1、3号機でも核分裂の可能性

東京電力福島第1原発2号機の原子炉格納容器内で、核分裂によって生じる放射性のキセノン133やキセノン135とみられる気体がごく微量検出された問題で、経済産業省原子力安全・保安院は2日、検出されたのはキセノン133と135だったと発表した。東電も同日、気体を再度測定した結果、同濃度のキセノンとみられる気体を検出したと発表。保安院は「核分裂反応が起き、キセノンが発生した可能性は高い」と話している。

 東電は、日本原子力研究開発機構に気体の詳細分析を依頼。同機構がキセノンの検出を確認し、保安院が公表した。保安院は「1、3号機でも同様に核分裂が起きている可能性がある」としている。

 東電は、格納容器内の気体を浄化して外部に放出する「格納容器ガス管理システム」(10月28日稼働)を使って1日午後に採取して測定した物質を再び調べた。その結果、キセノン133とキセノン135がそれぞれ1立方センチあたり10万分の1ベクレル程度含まれるデータが得られた。

 さらに、2日昼にも物質を採取して測定し、同濃度のキセノン135を検出した。キセノン133は検出されなかった。

 東電の松本純一原子力・立地本部長代理は会見で「(1日午後に採取した)同じ気体から2回検出されたので核分裂が起きた可能性は高い。ただ、核分裂が起きていたとしても小さいレベルで、大量のエネルギーを出している状況ではないので問題はない」と説明。圧力容器の温度や圧力のデータに大きな変化はなく、核分裂が繰り返し起こる臨界が続いた可能性を否定した。

 2号機の格納容器内では、8月にも今回と異なる方法で調査を実施。2種類のキセノンが発生していた可能性があったが、ごく微量で検出できなかった上、再臨界の可能性は低いとして詳しい測定をしていなかった。

 保安院の森山善範原子力災害対策監は「今後、連続的な核分裂で局所的な臨界が起きたかも含め、専門家の意見も聞きながら確定していきたい」と述べた。
−−−毎日新聞

3号機開口部ダストサンプリング風景 動画 ページtopに戻る