経済産業省原子力安全・保安院の深野弘行院長は18日の定例記者会見で、原子力発電所を再稼働させる前提条件の「ストレステスト(耐性検査)」について、「全体的に遅れており、見通しが甘かった」と、陳謝した。 保安院が同日現在、すでに受理した1次評価20基分のうち、審査を終えたのは関西電力大飯原発3、4号機と四国電力伊方原発3号機のみ。運転継続の可否を決める2次評価は、提出期限の昨年末から4か月以上経過しているが、事業者からの報告数はゼロだ。
深野院長は作業が遅れている理由について、事業者の評価や保安院の意見聴取会の議論が予想以上に手間取っている点を挙げた。審査未了になった場合は、新設される原子力規制庁に委ねる方針を示した。 ---読売新聞
福島県伊達市で、東京電力福島第1原発事故にともなう放射性物質の除染が行われた家屋の9割以上の地点で除染3カ月後も、空間放射線量が低水準に維持されていたことが17日、分かった。一部の専門家から指摘されていた放射線量の「後戻り」はほとんどないことが実証されたといえ、同市などで指定されている特定避難勧奨地点の解除が進む可能性がある。(荒船清太)
伊達市は昨年7月、特定避難勧奨地点にある民家3軒の除染を先行的に実施。同10月にも空間放射線量の追跡調査を行った。その結果、地上1メートルで除染前の毎時6・43~2・75マイクロシーベルトから、除染直後に3・24~1・16マイクロシーベルトに減っていた家屋裏側の地点が、3カ月後も2・33~1・08マイクロシーベルトにとどまり、敷地内の9割以上で除染直後とほぼ同じか、それより低い値が得られた。
一部専門家は除染しても風雨で放射性物質が流れ込み、放射線量が後戻りする可能性を指摘していたが、今回の除染地点では昨年9月に大雨が降ったにもかかわらず、放射線量に変化はなかった。
環境省福島環境再生事務所によると、昨年4月以降は強風や降雨時も大気中の放射性物質の成分に大きな変化はなく、「除染後の面的な放射線量の後戻りは考えにくいことが分かった」と指摘する。
政府は特定避難勧奨地点の解除基準について、「除染後、複数回の計測で年間20ミリシーベルト(毎時3・8マイクロシーベルト)以下が維持されている」ことを条件とすることを自治体に打診し、解除プロセスについて協議を進めている。今回の結果を受けて避難勧奨の解除が進む可能性がある。
伊達市の特定避難勧奨地点は128世帯。同地点を含む比較的放射線量の高い地域2500戸などで今年度中に除染を終える予定。
ただ、放射性物質の付着する泥がたまりやすい雨どいなどでは地表面の数値が再上昇。除染後の毎時0・88マイクロシーベルト(除染前は6・53マイクロシーベルト)から2・85マイクロシーベルトになった。こうした「たまり場」は継続的な除染が必要になる可能性がある。
内閣府と連携してモデル除染を進める独立行政法人日本原子力研究開発機構(JAEA)も、局所的な後戻りの可能性を把握。どんな条件で後戻り現象が発生するか、今年度中にモニタリング調査する方針だ。 ---産経新聞
東京電力は17日、福島第1原発4号機の原子炉建屋の耐震性を確認する調査を始めたと発表した。1週間程度かけて調べる。 手前から1号機~4号機(2011年4月26日撮影)
1535体の使用済み核燃料集合体を入れたプールが建屋5階にあり、プールが傾いていないか、壁面などのコンクリートが劣化していないかを目視や機器で調べる。
4号機の原子炉建屋は、事故で水素爆発が起き大きく損傷。東電はプールを支える補強工事を実施し、耐震性能に問題はないとしている。だが、地元などからプールが大地震で倒壊するのではないかと不安視する声があり、調査することにした。 ---産経新聞
境省は17日、東京電力福島第1原発事故を受け、国が直轄で除染する警戒区域と計画的避難区域で生活圏を中心に放射線量分布を詳細に調べた最終報告を取りまとめた。最高は福島県双葉町山田の年約450ミリシーベルト(毎時約85マイクロシーベルト)。最低は南相馬市小高区で年約0・5ミリシーベルト(毎時約0・1マイクロシーベルト)だった。
政府は両区域を年20ミリシーベルト以下の「避難指示解除準備区域」、20ミリシーベルト超50ミリシーベルト以下の「居住制限区域」、50ミリシーベルト超の「帰還困難区域」に順次再編する方針。
文部科学省も放射線測定器を載せた航空機を使い上空から測定して同様の分布図を作成しているが、今回は調査員が直接、地上で測定するなどして調べたのが特徴。昨年11月から今年4月にかけて測定。100メートル四方の約2万4千地点を線量に応じて地図上で色分けした。 ーーー産経新聞
経済産業省原子力安全・保安院と東京電力などが参加した平成18年の勉強会で、福島第1原発が14メートルの津波に襲われた場合、電源喪失する可能性があるとの文書をまとめていたことが15日、分かった。
保安院によると、勉強会は、16年のスマトラ沖地震の津波により、インドの原発で冷却用の海水ポンプが水没するトラブルが起きたことなどを受けて18年1月から開催。保安院の呼びかけで、電力数社や原子力安全基盤機構が参加した。
勉強会では、想定を超える津波の影響を調べるため、福島第1原発5号機をモデルに検討を実施。14メートルの津波に襲われた場合には建屋内に浸水し、電源設備や非常用ディーゼル発電機などが被害を受けて電源喪失する可能性があるとの文書を18年8月にまとめた。
保安院は「当時の担当者は『対策をとるべきだ』と東電に口頭指示した」と説明。一方、東電は「海水ポンプの安全性向上の指示はあったが、電源喪失対策の指示はなかった」とした。
東電は20年にも同原発で最大15.7メートルの津波を試算。同原発は震災で約15メートルの津波に襲われて事故に至り、東電は「想定外の津波が原因」としている。 ---産経新聞 “電源喪失”を認識も対策を検討せず
原発事故が起きる5年前、国や東京電力が敷地を超えて津波に襲われると、建物の中に水が入り、すべての電源が失われると評価しながら対策を検討していなかったことが分かりました。 東京電力は、「当時、今回のような巨大津波に襲われるとは考えていなかった」としていますが、結果的に津波対策を見直す機会を逃したともいえ、詳しいいきさつの解明が求められます。
これは15日、東京電力が記者会見の中で明らかにしました。それによりますと、スマトラ島沖の大津波から2年後の平成18年に、国の原子力安全・保安院や電力会社などが参加した勉強会で、福島第一原発については14メートルの津波に襲われると扉や搬入口などの建物の開いている部分から海水が入り、「電源設備が機能を失う可能性がある」と評価されたということです。東京電力はその後、保安院から指示があった原子炉の熱を取り除くための海の近くにあるポンプを防水にするなどの対策を示しましたが、建物の中に水が流れ込むのを防ぐ対策は、検討しなかったということです。これについて東京電力は、「当時は今回のような、実際に堤防を越える10メートルもの津波が襲ってくるという確かな評価がなく、対策の検討までされなかった」としています。福島第一原発の津波対策を巡っては、事故の3年前にも10メートル前後の大津波が襲う可能性を示す試算がありながら、十分な対策を取っていなかったことが明らかになっています。 結果的に津波対策を見直す複数の機会を逃したとも言え、詳しいいきさつの解明が求められます。 ---NHK
原発事故による放射性セシウムが含まれる魚の水揚げを独自に規制している茨城県は、マコガレイなど5種類の魚について、検査の結果、安全が確認されたとして、沿岸の全域か、または海域を限定する形で水揚げの自粛を解除しました。
茨城県と沿岸の漁協は、魚に含まれる放射性セシウムについて、国が先月導入した基準より厳しい独自の基準を設け、基準を超えた場合はその魚の水揚げを自粛する措置をとっています。このうち、マコガレイとババガレイについては、サンプル検査の結果、安全が確認されたとして、県の沿岸全域で行ってきた水揚げの自粛を15日、解除しました。また、同じように安全が確認されたとして、マダラについては県中央部で、ショウサイフグとホウボウはそれぞれ県南部の海域で水揚げの自粛を解除しました。茨城県がことし3月に独自の漁獲規制に乗り出して以降、水揚げの自粛を解除する措置をとったのは初めてです。 一方で、新たに県独自の基準を超えたとして、キツネメバルは県南部の海域で、クロソイは県北部の海域でそれぞれ漁を自粛することになりました。 ---NHK
東京湾の海底土に含まれる放射性セシウムが、昨年8月から約7か月間で1・5~13倍に増えたことが、近畿大の調査で分かった。
同大の山崎秀夫教授(環境解析学)は今年4月2日、荒川の河口付近など東京湾内の3か所で海底土を採取し、分析した。深さ1メートルまでの土に含まれるセシウムの量は1平方メートルあたり7305~2万7213ベクレルで、昨年8月20日の調査結果(同578~1万8242ベクレル)を3か所とも上回った。
海底面から深さ6センチまでのセシウム濃度(1キロ・グラムあたり)は321~397ベクレルで、やはり8月20日の調査結果(75~320ベクレル)を上回った。河川の泥にたまったセシウムが少しずつ東京湾に流れ込んでいるためとみられる。 ---読売新聞
東京電力福島第一原子力発電所からおよそ30キロの山林で捕獲した野生のネズミから3100ベクレルの放射性セシウムが検出され、専門家は野生生物に対する影響を継続的に調べる必要があるとしています。
茨城県つくば市にある独立行政法人の森林総合研究所は、福島第一原発からおよそ30キロの福島県川内村三ッ石地区と、70キロの茨城県北茨城市関本町小川地区のいずれも集落から離れた山林でそれぞれ去年10月と12月に野生のアカネズミを捕獲しました。そして、合わせて12匹の体内に蓄積した放射性セシウムの濃度を調べた結果、1キログラム当たりの平均で、川内村で捕獲したネズミからは3100ベクレル、北茨城市で捕獲したネズミからは790ベクレル検出されました。捕獲場所の空気中の放射線量は、川内村が1時間当たり3.11マイクロシーベルト、北茨城市が0.2マイクロシーベルトで、放射線量が高い場所ではネズミの放射性物質の濃度も高くなる傾向にありました。 調査結果について、放射線の動物への影響を研究する放射線医学総合研究所の久保田善久サブリーダーは「ネズミは人間と同じ程度、放射線への感受性が高い。野生生物に対する放射性物質の影響を継続的に調べる必要がある」と話しています。 ---NHK
先月、原発事故に伴う警戒区域が解除された福島県川内村では、来年からの本格的な稲作の再開を目指して、村内にある水田で試験的にコメ作りをして除染の効果を実証することになり、13日から田植えが始まりました。
福島県川内村では、去年、原発事故の影響で、村内のすべての水田で作付け制限されましたが、ことしは警戒区域だった地域を除いてコメ作りができるようになりました。しかし、安全を確保したいとして、ことしはすべて作付けを取りやめ、来年からの本格的な再開のため、試験的なコメ作りを行うことになりました。田植えは村内にある30か所の水田で、13日に始まり40人余りが参加し、もち米の苗を植えていきました。川から水田に水を引き込む部分には放射性物質を吸着する成分が入った布を置く対策を取っていました。村では、さらに放射性物質を吸着する成分を土にまくなどして除染の効果を試すことにしていて、収穫したコメの検査結果を踏まえ、来年からの本格的な作付け再開を目指したいとしています。 参加した農家の秋元美誉さん(69)は「こんなに大勢で田植えをできて、とてもうれしいです。きちんと検査をして、来年から堂々とコメ作りができたらいいなと思います」と話していました。 ---NHK
東京電力は12日、廃炉に向けた作業が進む福島第1原発で、原子炉の安定冷却を中長期的に維持するため、各設備の信頼性を高める計画を公表した。2016年度までに、汚染水漏れが相次ぐ現行の大規模な冷却設備をコンパクト化し、1~3号機の各建屋内に収めるとしている。
経済産業省原子力安全・保安院が今年3月、計画の作成を指示していた。
原発内で発生する汚染水を浄化して再利用する現在の原子炉冷却設備は、屋外に総延長約4キロの配管をめぐらせている。計画では、配管や冷却装置を原子炉建屋内に集約し、汚染水の外部への漏れを防ぐ。
福島第一汚水システム、長期運用向け切り替えへ 東京電力は12日、福島第一原子力発電所内の汚染水処理システムを、長期的に運用できるように切り替えていく計画を発表した。
これまで仮設の設備で応急措置をとってきたが、東電は「廃炉までの長期間、安定的な使用に耐えられるようにしたい」としている。東電は11日、計画についての報告書を経済産業省原子力安全・保安院に提出した。
計画は14項目からなる。タービン建屋の地下の汚染水を建屋外で処理して冷却に再利用している現在の「循環注水冷却システム」を短縮し、建屋内で処理してそのまま原子炉に注入するシステムを2016年度末までにつくる。また、汚染水を処理した水をためるタンクから外部へ漏えいしないように、9月までにタンクの周囲にコンクリートの壁と土のうを設置する。 ---読売新聞http://www.yomiuri.co.jp/feature/20110316-866921/news/20120512-OYT1T00774.htm
日本野鳥の会は9日、生息数の減少が指摘されているツバメに、東京電力福島第1原発事故で放出された放射性物質の影響が出ていないかをみる全国調査を10日から始めると発表した。市民の参加を呼びかけている。
旧ソ連のチェルノブイリ原発事故後、ツバメの尾の変形や体の色素の異常が多くなったほか、産卵数やふ化率の減少も目立つようになったとの報告がある。第1原発近くのツバメの巣から高濃度の放射性セシウムも検出されており、国内でも影響が出ていないか調べる。調査は3年間の予定で、今年7~8月ごろに中間結果を公表する。
同会のウェブサイトに10日から開設される特設ページから回答する。
俳優で同会会長の柳生博さんは記者会見で「ツバメは里山のシンボルだが、減っているとの声が多い。多くの情報をもらい、人と自然との関わり方を考え直すことにつなげたい」と話した。 ---産経新聞(5.10) ツバメの巣から140万ベクレル 離れれば「影響なし」 環境省は23日、東京電力福島第1原発から約3キロ離れた福島県大熊町にある建物の壁で採取したツバメの巣から、1キログラム当たり約140万ベクレルの放射性セシウム(セシウム134と137の合計)を検出したと発表した。 環境省によると、巣はセシウム濃度が高い付近の田んぼの泥や枯れ草を集めて作ったとみられる。千葉市の放射線医学総合研究所(放医研)に運び、巣表面の放射線量を測定すると毎時2・6マイクロシーベルトだったが、約50センチ離れると同0・08マイクロシーベルトに下がったことから、同省は「近づかなければ巣による人への影響は無視できると考えられる」としている。 調査は、事故による生態系への影響を調べようと放医研などと連携。昨年11月から、原発20キロの警戒区域内外で、放射線の影響を受けやすいとされる動植物を中心に選定、調査した。 ---産経新聞(3.23)
福井県おおい町の関西電力大飯原発3、4号機の再稼働問題で、県原子力安全専門委員会(委員長、中川英之・福井大名誉教授)は8日、3回目の会合を開き、安全性に関する議論を終えた。今後、西川一誠知事に提出する報告書の作成作業に入り、月内にもまとめるという。過去2回は、安全対策について厳しい注文や指摘もあったが、これらは政府や関電への「要望事項」として盛り込む方針で、報告書の原案は、2基を「安全」とした政府判断を追認する内容になる見通しだ。
8日は、経済産業省原子力安全・保安院の担当者が大飯原発周辺活断層について説明。また、全電源喪失時に炉心に直接水を入れる方法について、関電が「18人で実行できることを訓練で確認した」と報告した。中川委員長は「これまでの質問事項に回答は大体得られた。今後、委員会として結果を整理していきたい」と総括した。 ---毎日新聞
東京電力福島第1原発事故を受けて建設されていた女川原発(宮城県女川町)の防潮堤が完成し、東北電力は8日、隣接する石巻市の市議団に公開した。女川原発は高台に立地しており、海面から防潮堤頂上まで高さ約17メートルの巨大な「防護壁」となった。
防潮堤は高さ約3メートルで、海面から約14メートルの敷地に建てられた。全長は約600メートル。現在は土とセメントを混ぜた素材がむき出しのままで、今後、雨水対策などを施す。市議団は、津波で外部電源が途絶え、非常用ディーゼル発電機の機能も失われた際に、発電所に電力を供給する大容量電源装置も見学した。
視察を終えた丹野清市議は「防潮堤など津波対策には、それなりに安心した」と評価したが、女川原発の再稼働については「市民の考え方が重要。まだ先の議論だ」とくぎを刺した。 ---産経新聞
福島県は4日、県内の15歳未満の子供の数が、4月1日現在で25万6908人と、前年同期に比べ1万5494人減少したと発表した。 県は、うち約1万人が東京電力福島第一原発事故で県外避難したとみている。
5日の「こどもの日」に合わせて発表した。県内の子供の数は1950年から減り続け、原発事故前は例年5000~6000人程度減っていた。このため、県は約1万人が原発事故による減少と分析した。県統計課は、「住民票を移していない子供を含めると、実際には1万人以上減っている可能性がある」としている。
県内の全人口(196万9852人)に占める子供の割合は、前年同期比0・5ポイント減の13・1%だった。 --- 読売新聞
東京電力福島第一原発事故で最初に炉心溶融を起こした1号機について、緊急時に原子炉を冷やす際に最初に冷却装置は使わずに対処する手順書になっていたことが、朝日新聞の調べでわかった。専門家は手順書通りに操作すると事態が悪化するとして、手順書の不備の可能性を指摘。政府事故調査・検証委員会も最終報告に向けて調べている。
問題の装置は、非常用復水器(IC)という装置。原子炉の蒸気を冷やして水にして原子炉に戻す。元々は電源がなくても作動する設計で、緊急時の重要な冷却装置。しかし、運転を指揮する当直長の手順書には、最初にICは使わずに主蒸気逃し安全弁を開けて原子炉の圧力を下げるよう書かれている。ICが実際に作動したのはこの20年間で一度もなく、運転員はコンピューターでしか訓練していなかった。
ICがついているのは1号機以外では日本原電敦賀原発のみ。敦賀1号機の手順書は運転開始の1970年当時とほぼ変わらず、ICを優先して使うようになっている。東電の元幹部は「福島第一原発も運転開始時はICを優先して使うようになっていた」と話す。東電はICの手順書の変更は認めているが、元々の手順書がどうだったのかはわからないとしている。 ---朝日新聞
平野復興相は1日、福島県双葉町の井戸川克隆町長と会談し、東京電力福島第一原子力発電所周辺の土地の国有化を打診した。 平野復興相は、同原発周辺で住民を帰還させない事実上の「無人地帯」の設置を検討しており、打診はこの地帯が対象となる。会談の概要を明らかにした井戸川町長は、「意見は一致しなかった」と述べ、早期に結論を出すことには難色を示した。
会談は同町が役場機能ごと移転している埼玉県加須市内で行われた。
平野復興相は、放射性物質の空間線量に基づいて科学的に設定される「帰還困難区域」などとは別に、線量が下がったとしても、高濃度汚染水などを保管する原発敷地に近い住民には不安が残るため、帰還を認めない緩衝地域を設けることを私案として検討している。敷地から同心円状に、福島県双葉、大熊両町にまたがる形で検討されている。 ---読売新聞
福島県田村市と川内村では、原発事故に伴う警戒区域の解除から1か月となり、国が本格的な除染作業を始めるため、放射線量のモニタリングを進めています。
このうち、住民の早期帰宅を目指す「避難指示解除準備区域」になった田村市について、国は今年度中に除染を終わらせる計画で、効果的な除染方法を検討するために放射線量のモニタリングを進めています。1日は田村市の都路地区の農地で放射線量を30メートル間隔で測定し、地表付近と1メートルの高さの測定値を記録していました。環境省の福島環境再生事務所は、モニタリングを今月中旬までに終え、住民の同意を得たうえで本格的な除染作業に来月中旬から入りたいとしています。しかし、除染で出る汚染された土を保管する仮置き場が決まっていないことから、除染がスケジュールどおりに進まない可能性もあります。自宅を片づけるために戻っていた夫婦は、「以前は畑で米や野菜を作っていましたが、それができないのが寂しいです。一日も早く除染をしてもらい、元の生活に戻りたいです」と話していました。また、幼い孫がいるという63歳の女性は、「国のモデル事業で自宅を除染してもらいましたが、家の近くに山があることが原因なのか、放射線量が下がりません。孫と離れて暮らさなければならないのはつらいです」と涙ながらに話していました。 一方、川内村の元の警戒区域でもことしの夏ごろから本格的な除染作業が始まる見通しです。 ---NHK
食品中の放射性セシウムの新基準値が適用されて一日で一カ月。一般食品で新基準値(一キログラム当たり一〇〇ベクレル)を超えたのは、岩手、宮城、山形、福島、茨城、栃木、群馬、千葉、神奈川の九県の五十二品目・三百四十二件に上ることが四月二十七日時点の本紙の集計で分かった。検査数は一万三千五百七十三件で、新基準値超えは約2・5%だった。
一〇〇ベクレル超えの食品のうち、三月までの暫定規制値(同五〇〇ベクレル)を超えたのは、岩手、宮城、福島、茨城、栃木、千葉の六県の十九品目・六十七件。
新基準値になったことで、出荷停止の対象となる品目や地域が増えたことになる。
一〇〇ベクレル超えの内訳は、水産物が三十七品目・百五十七件▽農産物が十一品目・百六十九件▽畜産物が一品目・二件▽加工品が三品目・十四件。
新基準値の影響が最も表れたのは水産物で、暫定規制値では出荷停止の対象とならない魚種が相次いで一〇〇ベクレルを超えた。多くは福島の魚で、メイタガレイやサクラマス、アイナメなど。福島沿岸での漁は全面自粛になっている。
茨城ではシロメバルやヒラメ、ギンブナなど六魚種が新基準値で出荷停止に。宮城はスズキやヤマメなど三魚種、群馬はヤマメが出荷停止になった。栃木、千葉の一部の淡水魚も超えた。
農産物は原木シイタケやタケノコ、コゴミなどキノコや山菜が多い。露地栽培の原木シイタケの出荷停止は、岩手、宮城、福島、茨城、千葉、栃木の八十市町村に及んでいる。
畜産物で超えたのは山形のツキノワグマ。加工品は茨城の乾燥シイタケや宮城のヤーコン茶などだった。
新基準値の適用により、水産物は品目・地域とも出荷停止の対象が拡大。農産物は出荷停止の品目は限られるが地域的な広がりが見られた。
県別では、福島が三十七品目・百四十二件と最多。次いで茨城が十四品目・五十件、栃木が十一品目・六十一件、宮城が十品目・三十六件。千葉は三品目・十三件、群馬は二品目・二件、神奈川は一品目・一件だった。 ---東京新聞
東京電力が福島第一原子力発電所の周辺の海底の土に含まれる放射性物質の濃度を調べた結果、大熊町の川の沖合で、沖に離れるほどセシウムの濃度が高くなる傾向がみられました。
東京電力は、福島第一原発の周辺の海底、40か所余りで、去年7月から月に1、2度、土を採取し、中に含まれる放射性物質の濃度を調べています。26日の調査の結果、原発の地元、大熊町を流れる熊川の沖合では、セシウム137の濃度が土1キログラム当たりで、10キロで21ベクレル、15キロで67ベクレル、20キロで120ベクレルと、沖に離れるほど濃度が高くなる傾向がみられました。 熊川の沖合では、先月下旬から調査が行われていて、先月も同じ傾向がみられたということです。 またほかの調査地点で、川の流れの影響を受けにくいと思われる場所では、沖に離れるほど濃度は低くなっているということです。さらに熊川の沖合では、場所によって、セシウムの濃度が先月より26日のほうが高くなっている場所もあり、東京電力が原因を調べています。 東京電力は「熊川の流れが放射性物質を沖合いまで運び、その結果、『海のホットスポット』のようなものを作っている可能性がある」と説明しています。 ---NHK
東京電力は27日、福島第一原子力発電所の汚染水処理システムのうち、塩分を取り除く淡水化装置から水漏れが発生したと発表した。 同日午前9時すぎに、東電の協力企業社員が発見。装置を停止し、弁を閉めて約1時間後に停止した。汚染水約18リットルが漏れたが、装置がある建屋外への流出はないという。 ---読売新聞
東京電力は27日、政府による資金支援の前提となるコスト削減策を盛り込んだ総合特別事業計画を枝野経済産業相に提出した。 福島第一原子力発電所の廃炉と除染の費用について政府に資金支援を要請している。数兆円規模とみられる追加費用を東電単独で負担するのは困難と判断した。
計画には、7月から家庭向け電気料金で「10%の前半」の値上げ方針も盛り込まれた。政府が認可すれば、標準家庭の月額の電気料金(6月分、6973円)が700円程度上がる。7月の料金値上げ後に公的資金による増資が行われ、事実上国有化される。
政府は賠償支払いについて現時点で累計2兆5462億円の資金支援を計画している。だが、廃炉費用は支援対象ではなく、東電負担が原則だ。除染費用も含め、東電が数兆円単位で追加負担することになれば債務超過に陥りかねない。 ---読売新聞
原子力委員会の小委員会が二十七日に示した核燃料サイクルのコスト再試算の結果は、原発に依存し、使用済み核燃料は再処理して再利用する現行の施策は割高だと、あらためて印象づけた。
前回の試算では、核燃料を地中に埋めて処分する直接処分のシナリオだけに、再処理事業中止に伴う費用が加算されている点などが委員会で問題視。そのため、事業中止費用の一部は除外した上で、三百年にわたる放射性廃棄物の管理も考慮した費用を算出した。
シナリオは(1)全ての使用済み核燃料を再処理(2)全てを直接処分(3)両者の併用-の三つ。これに総発電量に占める原発の比率を、脱原発を意味する0%、現状よりやや原発依存度が低い20%、現状以上に依存度が高い35%の三つの場合を組み合わせた。
より長期の費用をはじいたため、どの組み合わせも前回の試算より大幅に金額がアップした。
しかし、結局は二〇二〇年までに原発をゼロにし、その時点で残っている使用済み核燃料を直接処分するパターンが最安(八・六兆~九・三兆円)との結論は揺るがなかった。
それどころか、再処理をからめる限り、原発依存度がどの程度であってもコスト高だとより鮮明になった。前回試算の額に比べ、直接処分は一・三倍前後になったのに比べ、再処理をするシナリオはどれも二倍近くにまで膨れあがった。
今回の試算結果は、今夏の新たなエネルギー施策の方針づくりに生かされる。 ーーー東京新聞
原発の使用済み核燃料を再利用する「核燃料サイクル」の今後を検討している内閣府原子力委員会の小委員会は27日、処理方法ごとの総事業費に関する試算をやり直した結果を公表した。使用済み核燃料をすべて地中に埋める「全量直接処分」は、前回の試算では最も割高とされたが、一転して最安となった。国の従来方針の「全量再処理」は逆に最も高くなり、政策転換に結びつく可能性がある。
新試算は、2030年までに発生する使用済み核燃料の処理がすべて終わる約300年先までの総事業費を、▽全量再処理▽全量直接処分▽両方を併存−−の3方法ごとに計算。全発電量に占める原発比率が(1)30年に35%(2)同20%(3)20年に0%−−の3ケースを想定し、比較した。
原発存続を前提とする(1)と(2)で、全量直接処分は11.8兆〜14.1兆円となり、全量再処理や併存をそれぞれ4兆円程度下回った。再処理する必要がなくなる脱原発シナリオの(3)だと全量直接処分に8.6兆〜9.3兆円かかるとされた。 ーーー毎日新聞
福島第一原子力発電所の事故を巡って、福島県の副知事などが27日、東京電力に対し、被害者への十分な賠償金の支払いを求める要求書を手渡しました。
福島県の村田文雄副知事と福島県町村会の佐藤正博会長らは、27日、東京電力を訪れ、先月、国の審査会が原発事故の賠償の指針をまとめたことを受けて、被害者への十分な賠償金の支払いを求める要求書を手渡しました。要求書では、国の指針は最小限の基準だとして、東京電力には、国の指針にない損害も含め、県内の全域を対象にすべての賠償請求を受け付けることや、古い家屋でも事故前の居住実態などを考慮し十分な賠償金の支払いに応じることなどについて、来月18日まで回答するよう求めています。会談後、村田副知事は記者団に「国の指針は抽象的で不明確な部分が多い。国が賠償に最後まで責任を持つとともに、東京電力も被害者一人一人に確実に賠償金を支払うよう強く求めたい」と述べました。 一方、東京電力の廣瀬直己常務は「加害者である東京電力が賠償の線引きをするのは非常に難しい問題だが、被害の実態を聞きながら適切に対応したい」と述べました。 ---NHK
日本原子力発電敦賀発電所(福井県)の原子炉建屋直下に活断層がある可能性が出てきた問題で、内閣府原子力安全委員会の班目春樹委員長は26日、原電が安全性を証明できなければ、再稼働は不可能になるとの見通しを示した。 班目委員長は臨時会議後の記者会見で、国の基準では活断層上に原子炉を設置することは想定されていないと指摘。「原電が安全性を証明しない限り、運転できないと解釈すべきだ」と述べたうえで、「安全性の証明は実際には難しい。そんなところに作れば傾くわけで、安全の証明はほとんどできない」と語った。 --- 読売新聞
原発事故の影響で町の全域が避難区域に指定されている福島県浪江町は、専用の測定機器を独自に導入し、26日からすべての町民を対象にした内部被ばくの検査を始めました。
福島県は、避難区域を対象に去年から内部被ばくの検査をしていますが、浪江町の住民のうち検査を受けた人は17%にとどまっています。このため、町は体内の放射性物質の量を調べる「ホールボディーカウンター」と呼ばれる専用の測定機器1台を独自に導入し、26日からすべての町民を対象にした内部被ばくの検査を始めました。仮の役場がある二本松市の仮設住宅では開始式が行われ、馬場有町長が「いまだ多くの町民が内部被ばくの検査を受けられていないので、一日も早く検査をして健康管理を進めましょう」とあいさつしました。住民は、専用の機器で放射性物質の量を調べたあと、検査の結果について町の職員から説明を受けていました。検査を受けた75歳の女性は「町内で放射線量がいちばん高い所に避難していたので、これまで不安でしたが、少し安心しました」と話していました。独自の検査は、福島市や南相馬市などでも行われています。 浪江町は今後も、年に1回の割合で内部被ばくの検査を行うことにしています。 ---NHK
原子力発電所周辺を走る活断層の連動の影響を検討する経済産業省原子力安全・保安院は23日、専門家の指摘を受け、北海道電力泊原発など国内4原発で、想定する揺れ(基準地震動)を修正させる方針を決めた。 連動による揺れの試算値の一部が、従来の想定を上回ったためで、保安院は今後、詳細な揺れの評価と、設備への影響調査を指示する。
4原発は、泊原発のほか、日本原子力発電敦賀原発(福井県)、日本原子力研究開発機構の高速増殖原型炉もんじゅ(同)、中国電力島根原発(松江市)。
このうち泊1、2号機と敦賀2号機は、再稼働の前提条件となる「ストレステスト(耐性検査)」1次評価を保安院に提出している。設備の耐震性が大幅に修正されると、1次評価に影響する可能性がある。
活断層の連動の再評価は、東日本大震災を受け、昨年11月から始まった。保安院は23日、専門家による意見聴取会を開き、5原発が提出した試算を検討。聴取会では、4原発に対し「活断層の評価が甘い」と指摘された。残る関電美浜原発(福井県)については、試算が想定を下回った。
一方、関西電力はこの日、大飯原発周辺の活断層が3連動した場合、「設備の耐震性には余裕がある」との詳細な試算を提出した。聴取会では議論されず、了承された。 ---読売新聞
【モスクワ共同】26年前に大事故を起こしたウクライナ北部チェルノブイリ原発から半径約30キロ圏内に設けられた立ち入り制限区域を管理する非常事態省関連機関の高官は24日、首都キエフでの記者会見で「同区域の約半分は永遠に立ち入りが制限される」と述べた。インタファクス通信が報じた。 同区域は正確な円形ではなく、面積は計2千平方キロ。このうち東京23区の約1・6倍に相当する約1千平方キロの立ち入りが将来にわたり規制されることになり、事故の影響の大きさをあらためて示した。 ---東京新聞
史上最悪の放射能漏れを起こしたチェルノブイリ原子力発電所(旧ソ連・ウクライナ)の事故から26日で26年になる。東京電力福島第1原発事故後、日本政府は除染活動などの参考にしようと関心を示しているが、現地では効果が薄いとしてすでに大規模な除染は断念し、避難した住民の帰還も進んでいない。 チェルノブイリ原発敷地内にあるトラックなどを水で洗う除染施設。現在は中央にある細長い設備だけが洗浄作業に使われている=ウクライナ北部チェルノブイリ、2012年4月19日、
倉庫風の建物に入ると、床に掘られた「貯水槽」が細長く伸びていた。00年に閉鎖されたチェルノブイリ原発から10キロ弱。放射線量が高い一帯を走るトラックやブルドーザーなどを洗浄する施設だ。防護服を身につけた作業員が手作業で、車両から発する放射線量が毎時0.5マイクロシーベルトへ下がるまで洗い流す。
86年4月26日の事故後、ソ連当局は原発周辺の汚染土壌を地中へ埋めたり、汚染した機械を洗浄してから溶解したりするなど大がかりな除染活動に取り組んだ。しかし、事故から14年後の00年に最後まで稼働していた3号機の運転が停止され、やがて土壌の除染も「状況はほとんど改善されていない」と判断し、打ち切りを決めたという。 ---毎日新聞 チェルノブイリ原発事故の汚染区域
経済産業省原子力安全・保安院は24日、日本原子力発電敦賀原発1、2号機(福井県敦賀市、定期検査で停止中)の直下の岩盤にある「破砕帯」という古い断層が直近の活断層と連動して原子炉に影響を与える可能性があるとして、原電に追加調査を指示した。国は、地震を発生させうる活断層や連動して動く断層の直上に原子炉など重要な建物を設置することを認めておらず、立地場所として不適格と判断されれば、廃炉となる可能性もある。
敦賀原発の敷地内には、原子炉建屋の東側に延びる活断層「浦底断層」があり、原発の直下などにも破砕帯が150〜160本確認されている。原電は破砕帯について、「浦底断層が動いた場合も連動しない」と主張し、耐震設計上の考慮に入れてこなかった。
しかし、地質の専門家らが連動の可能性を指摘。同日、保安院の「地震・津波に関する意見聴取会」の委員4人が現地調査に訪れ、原子炉建屋の西側にある破砕帯「D−14」の斜面に露出した部分などを調べた。 ---毎日新聞 敦賀原発に活断層
政府は、東京電力福島第一原子力発電所の事故で、10年後も空間の放射線量が下がらない、原発周辺の地域では、巨額の費用がかかる除染よりも、長期間帰還できない住民への支援を充実させるべきだとして、除染を実施しないことも含め、対応を検討することにしています。
政府は、原発事故で設定した避難区域の中で、現在、年間の放射線量が50ミリシーベルト以下の地域について、2年後の2014年3月末までに除染を完了する計画ですが、50ミリシーベルトを超える地域では具体的な計画を策定していません。こうしたなか、今月22日、政府は初めて、10年後も原発周辺では放射線量が20ミリシーベルトを超え、住民が帰還することは困難な地域が残るという予測を公表しました。これについて政府内では、「放射線量が高い地域では、除染の作業もままならず、仮に行っても、今の技術では効果的に線量を下げることは難しい」という指摘や、「巨額の費用がかかる除染よりも、長期間帰還できない住民への支援を充実させるべきだ」といった意見が出ています。これを受けて、政府は、こうした10年後も放射線量が20ミリシーベルトを超える原発周辺の地域では、除染を実施しないことも含め、対応を検討することにしています。 しかし、避難住民の中には、仮に時間がかかっても自宅に戻りたいという人もいるとみられ、政府は、住民や自治体の意向も調査したうえで、除染を行う範囲や工程表について方針を決めることにしています。 ---NHK
東京電力は23日、福島第一原子力発電所の原子炉建屋やタービン建屋地下に地下水が流入するのを防ぐため、山側に井戸を掘って地下水をくみ上げる、と発表した。 各建屋から西に80~200メートル離れた敷地(標高35メートル)に、深さ32メートルの井戸を14本掘り、地下水をくみ上げ、地下水位を下げる。それによって、建屋地下に流入する量が減るという。くみ上げる量は、水位を見ながら調整する。今夏から工事を始め、秋から運用の予定。
同原発では昨年の事故後、1日200~400トンの地下水が建屋の地下に流入。放射性物質を含んだ高濃度汚染水と混ざり合っている。東電は昨年6月から、汚染水を浄化して原子炉の冷却用に再利用している。しかし、汚染水の量はなかなか減らず、現在も9万8000トンがたまっている。 --- 読売新聞
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