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海外有力紙抜粋記事 海外新聞の日本記事から話題を抜粋:ニューヨーク・タイムズ、ウォール・ストリート・ジャーナル・アジア版、フィナンシャル・タイムズ紙、ワシントン・ポスト、インターナショナル・ヘラルド・トリビューン紙等、海外有力新聞に掲載された
日本記事から関心の高い記事を解り易く短く要訳。
日本の新聞と違う観点で、海外でどう考えられているかが解るセレクト情報ダイジェスト版
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ウオール・ストリート・ジャーナル紙  社説 8月30日付(ネット版)

野田氏が首相に─民主党代表選で見えた希望


日本にまた新たな首相が誕生した。野田佳彦氏はここ5年間で6人目の首相であり、前任者らと同様に1年しか続かないのではないかとの皮肉も聞かれる。こうした皮肉が現実となる可能性は十分にある。ただ、民主党代表選ではわずかな希望が見えた。

 菅直人前首相は12カ月の在職ののち退陣を強いられた。東日本大震災や原子力発電所の問題への対処に関して、国民が不満を抱いたためだ。民主党代表選でも、震災からの復興と経済政策が争点となった。

 この点に関して、野田氏は一見平凡な候補のように思える。菅内閣の財務相として、野田氏はタカ派財政の代弁者となった。つまり、消費税を2倍にし、不足が予想される社会保障費の財源とするのである。しかし、野田氏の「タカ派」は、被災地再建においてケインズ的な支出拡大が最善の方法かどうかを問うことはない。他の成長志向の改革、たとえば郵政民営化の復活、経済の大規模な規制緩和、移民改革などは見送られるのだろう。

 もう一つ懸念されるのは、野田氏が菅氏や鳩山由紀夫氏よりも、官僚に共感を抱いているという点だ。民主党は2009年に政権を獲得したが、その際に約束したのは、責任を負わない官僚ではなく選ばれた政治家が政策を推進するということだった。これは日本において大転換であり、現実的には実施が困難なものだった。野田氏の見解、特に財政政策に関する見解は、いまでも強い力を持つ官僚、特に財務省官僚との協力関係を特徴としている。

 それでも、絶望するのは早すぎる。1つ見込みがある点として挙げられるのは、野田氏が代表に選ばれた方法だ。野田氏は、人気がありカリスマ性もある前原誠司氏と連携することで選出された。前原氏は政策や政治面で独自の課題を抱えている。たとえば、ケインズ的な刺激策に対する支持や、3月に政治資金スキャンダルで辞任を強いられたことなどだ。だが、代表選で協力したことにより野田内閣にポストを獲得できたら、それ以外の点ではよい政策を推進する力となる可能性がある。

 たとえば、前原氏は米国との安全保障面での関係を強化したいとしている。沖縄県・普天間飛行場の移転問題で鳩山氏が対応を誤ったことにより、この点で民主党は問題を抱えている。前原氏はまた、米州とアジアの多国間貿易協定である環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への参加を推奨している。さらに、即座の消費税引き上げには反対で、これにより野田氏は代表選期間中に、直近での増税支持を考え直すことになったと見られる。いまでは野田氏は、必ずしも早期に消費税を引き上げるとは限らないと言う。

 野田氏と前原氏は、民主党と自民党の大連立も支持している。これがうまくいけば、両党の改革指向の人々を活気づけ、給付金改革や電力市場の開放などに向け力を合わせられるだろう。連立により、民主党内のリベラル派が左よりの連立パートナーを見捨て、自民党で小泉純一郎元首相に忠実だったような成長志向の残党からの票を獲得する。この点で、野田氏が小沢一郎氏の支持を得た海江田万里経済産業相を下したことは注目に値する。

 野田氏の最大の問題は、権力の座に居続けることだ。首相の座を脅かす事態は、どこからでも現れる。また、衆議院議員選挙が2013年までには行われ、参議院議員選挙もほぼ同時期に行われる。就任期間が短い、凡庸な首相は、日本では目新しいものではない。新しいのは、国民が首相に対して政治要綱を提起し実行するよう求めるようになっていることだ。それが実現できるのか、野田氏は示さなければならない

 



野田新代表


野田新首相



民主党選挙










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ウオール・ストリート・ジャーナル紙  オピニオン 7月29日付(ネット版)

日本の脱原発-避けられない国民的議論 

                      オピニオン:マイケル・オースリン



 311日の地震、津波、原発事故への対応のまずさにより、自らの政治生命の終わりに直面している菅直人首相は、輝かしい栄光の中での退陣を決意した。首相は先月、日本は原発依存を終わらせるべき、との方針を示したのである。

 菅政権はまた、石炭利用の抑制などにより、1990年比25%の温室効果ガス削減を盛り込んだ鳩山由紀夫・前首相の提案に基づく計画についても変更がないことを確認した。こうした首相の計画は、エネルギー生産の新たなグローバル時代の幕開けとなるか、日本経済を壊滅へと導くか、どちらかだろう。

 首相の大胆な計画には、多くの国民の支持が集まっている。最近の世論調査では、回答者の70%が「脱原発」を支持している。原発事故をめぐっては、汚染された稲わらを飼料として与えられた牛3000頭の肉から基準を上回る放射性セシウムが検出されたことが明らかになり、ここ数週間、原発に対する社会的な不満は強まるばかりだ。

 現在、何千もの世帯が避難生活を続ける一方で、福島第1原子力発電所からの放射性物質の拡散を封じ込める努力が行われている。福島第1のような古い原発には、安全性の向上が不可欠だ。原発に対する国民の不信感が常にくすぶるような国では、今回のような事件から原子力産業が立ち直れない可能性もある。

 しかし、経済的現実が、菅首相の大胆な計画を狂わせる可能性がある。日本の全エネルギー消費に占める原子力の割合は11%、発電に占める割合は30%近くに達する。福島の事故が起こるまで、日本は原発による発電比率を総電力需要の50%に引き上げる計画だった。原発54基すべてが停止した場合、日本は、原発による年間発電量2650億キロワット時(Kwh)の代替手段を見つける必要がある。

 世界に日本ほど、大胆なエネルギー政策を検討している国はない。ドイツは、2022年までに原発17基を停止するメルケル首相の公約に最も近付いている。しかし、その発電量は、ドイツ全体の20%に相当する1330Kwhに過ぎない。

 つまり、原発停止の影響はもちろん、停止するための最善の方法について、菅首相が頼りにすべき歴史的先例は、世界のどこにも見当たらないのだ。まずは、最初に対処すべき23の基本問題について考慮せねばなるまい。消費者と産業の電力需要をどうバランスさせるか、代替エネルギーはどういった形での段階的導入が可能か、エネルギーを送る新たなインフラをどう構築するか、といった問題だ。

 「実在する」計画に限っていえば、菅首相の計画は、「スマートグリッド」システムで統合された代替エネルギー源への移行だ。こうしたエネルギー源の多くは発電量が比較的少ないものの、需要量に応じて効率的に配分される。太陽光、水力、地熱など、再生可能エネルギーすべてが原発に代わる選択肢となる。

 この計画の推進論者に言わせると、日本はすでに世界で最もエネルギー効率の高い国だ。日本は、1970年代から石油依存度を約半分に減らし、80%だったエネルギー消費に占める石油の割合を今日、50%未満へと引き下げた。

 しかし、発電量が世界3位の日本にとって、主要なエネルギー源を短期間で大量に放棄することは、その計画と実行が不適切であれば、経済を破壊しかねない。開発が積極的に推し進められたとしても、代替エネルギーが不足分を補えるかどうかはわからない。08年の水力発電は発電容量全体の8%にとどまった。風力と太陽光はわずか2%で、発電量はたったの4ギガワットだった。

 菅首相の行動は、福島原発事故に対する国民の怒りを受けたものだろう。しかし、原発が停止された時、相当量の代替供給を見つけられないとしたら、首相、もしくは次期首相はどう対応するのか。さらに多くの計画をもってしても、日本の蒸し暑い夏を乗り越える家庭の電力需要は満たされないだろう。

 その代替シナリオとは、日本が、世界のエネルギー市場で石油・天然ガスの調達を増やすことだ。それは、世界のエネルギー価格を押し上げるだけでなく、輸入原油への依存度を減らしてきた日本の長期的傾向を覆すことになる。企業とエネルギー会社は、エネルギー効率向上の目標にはおかまいなしに、どこであろうと供給確保に素早く動くと思われる。

 この結果、日本の消費者にとってエネルギーはさらに高いものとなるだろう。政府はすでに、電力会社による代替エネルギー買い入れ費用を負担するため、消費者負担につながる補助金の上乗せについて検討している。こうしたことで消費財価格は上昇し、予想される原油価格の上昇とともに、一層の内需が必要という時に個人消費を圧迫する。と同時に、それは、急激な円高がすでに輸出企業の痛手となっているなかでの、海外での日本製品の価格上昇を意味する。

 温室効果ガスの25%削減に原発停止とくれば、どんなに準備万端のプランナーもお手上げだろう。しかし、この2つの発表は、2人の異なる首相によって、明らかに事前準備も通告もなく、即興で行われたようだ。

 それだけでも、日本政府に対する内外の信頼を揺るがすには十分だ。実際、今週の報道は、日本のエネルギー政策が経済活動と世界のエネルギー市場に及ぼす影響について、より具体的な説明を米国が日本に求めたことを示していた。

 エネルギーは、今後10年、日本経済を論じるうえで焦点となる可能性が高い。政治的迎合でも空想の飛躍でもなく、真剣な国民的議論が必要だ。日本の将来は、いかにこの議論を最後まで貫くかにかかっていると言っても過言ではない。

(マイケル・オースリン氏はアメリカン・エンタープライズ研究所の日本部長でウォール・ストリート・ジャーナル電子版のコラムニスト)




管前首相




原発反対







原発の支持率



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ウオール・ストリート・ジャーナル紙  社説 6月22日付(ネット版)

「日本復興」の新プランとは



日本の首相選びほどがっかりするものはない、と思うことがある。現在進行中の争いはその良い例だ。日本は、おそらく戦後最大の危機に直面しているが、2人の最有力候補が政策面で示すところはほとんどない。そして、彼らが退陣させようとしている当の首相――早期辞任の約束で何とか不信任案を退けた首相――といえば、想像以上の独り相撲をやっている。

 菅直人首相は、東日本大震災と東京電力の福島第1原子力発電所事故をめぐる不手際で非難を浴びているが、2つ(3つの可能性も)の条件が満たされるまで退陣しないと粘っている。首相は、被災者を支援する2兆円規模の第2次補正予算案の国会通過を望んでおり、政府の借入上限も引き上げたい意向だ。それから、風力発電機などを優遇する再生エネルギー特別措置法案の可決にも期待を寄せている。

 2人の有力な首相候補もいまひとつだ。野田佳彦財務相の主な政策は、政府の累積債務をファイナンスする消費税の引き上げのようだ。しかし、これについてせいぜい言えることは、消費が冷え込みがちな日本経済に悪影響をもたらすと国会議員が警戒感を募らせていることから、この政策は実現しそうもないということだ。

 前原誠司・前外相にしても、1250億ドル(10兆円)規模の震災復興「マーシャルプラン」を呼びかけているが、それは、日本の政権が代々実施したものの、ほとんど効果のあがらなかったケインズ的な刺激策に酷似している。

 誰かが道筋さえ示せば、大胆な改革を実施する時は今をおいて他にない。それをしないのであれば、こうした状況はすべて悲劇だ。高齢化に伴い、日本政府の浪費を支えるファイナンスは困難になる可能性がある――過去に貯蓄に励んだ国民が国債の購入をやめ、代わりに年金生活で貯蓄を取り崩す。

 先週、移民政策研究所の坂中英徳氏が本欄で指摘したように、労働人口の減少が、移民政策を進める新たな圧力となるだろう。とりわけ韓国、中国との競争激化が、生産性・競争力向上に向けた改革を、一刻を争うものにしている。福島原発事故を受けた東京電力の混乱は、電力市場に自由化が必要であることをはっきりと示している。そのほかにも、改革すべき問題は挙げればきりがない。

 震災は、経済の大部分を数日、数週間、場合によっては数カ月休止に追い込み、こうした問題の多くを際立たせただけだった。東電救済費用はもちろん、復興費用がもたらす財政への影響は、いかなる事前予想も超えるだろう。

 言い換えれば、日本は今、かつてないほど新たなサプライサイド政策を必要としている。その政策の一部は、他のどこかで成功した改革と似たようなものになるだろう。たとえば、起業は罰を受けるのではなく、報われるということを示すために法人や個人に減税を行う。また、起業家志望者のやる気を損なわぬよう、特に新興企業と小規模企業に対して役所絡みの企業規制を減らす、などだ。また、すべての先進国と同様、日本も、増え続ける年金支給額を抑制するため、年金改革を断行する必要性に迫られている。

 しかし、さらに重要なのは、日本の状況に基づいた改革だろう。電力市場の自由化は、世界最高水準にある日本の電力料金の引き下げにつながるかもしれない。国有企業の民営化では、日本は多くの先進諸国に何十年と遅れている。この場合、日本郵政から着手するのが妥当だろう。進取の気性に富んだ政策立案者なら、小泉純一郎元首相の提案にただ戻ればよいだけだ。移民改革も、出稼ぎ労働者ではなく、永住外国人を多く迎えるやり方が政策の一部になると思われる。

 また、先進国市場としては最も保護主義的な国のひとつである日本を「開国」させるため、自由貿易の推進も必要だ。菅氏は、環太平洋経済連携協定(TPP)交渉参加を提案し、この必要性を理解しているように思えたことは評価できるが、これまでのところ政策は進んでいない。このため日本は毎日、比較的閉鎖的な貿易体制を維持している。そのあおりで、日本の消費者は、食品などに不当に高い価格を払わされ、企業は体質強化につながる海外との競争を避けている。

 現在の首相候補の誰もがこういった政策の提案を少しも行わない。日本の政治家からこういった提案が聞かれることはないのかもしれない。しかし、政府が改革を先送りすればするほど、厳しい選択肢を避けることは一層困難になる。日本は過去に、明治維新であれ、第二次大戦後の復興であれ、痛みを伴う変化を乗り越えて発展してきた。正しいリーダーがいて、正しい改革を行えば、日本の繁栄は再び可能なのだ

 


















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小沢主導の政界再編への期待


 日本の菅直人政権に対する野党の不信任決議案は2日、293152の大差で否決された。この結果は一見、菅首相の圧勝にみえる。だが、この国ではよくあることだが、その実は全く異なり、菅首相を「勝利者」と呼ぶには程遠い決着だ。東日本大震災の復興にめどがつくと思われる23カ月のうちには退陣することを表明した上での不信任案否決だからだ。

 当初不信任案に賛成して首相を引きずりおろそうとしていた与党・民主党議員を土壇場で思いとどまらせたこの退陣表明の裏でどんな取引があったのか。それが表に出て来るには、まだしばらく時間がかかるであろうし、同時にそれは強力なリーダーが必要なこの試練のときに、先の見えない不確実な時間が続くことを意味している。

 与党・民主党内の反菅勢力が野党に協力して不信任決議を可決させるのに十分な人数を確保していたかは、今となってはわからない。採決前夜の票読みでは確率は五分五分だったようだ。だがいずれにせよこの日に不信任案を通して退陣までに追い込むまでの必要はなかった。調査機関ピューの最近の世論調査では、日本人の79%が首相の震災対応をお粗末とは感じてはいるものの、大半の国民がこの国難を顧みずに繰り広げられる民主党内の権力闘争を苦々しく思い、当面は菅首相の続投を容認していたからだ。

 菅政権がここ数カ月で向き合う最大の試練は、実は震災復興ではない。その震災対応も含めた政府活動を担保する補正予算や予算関連法案を国会で成立させることこそ最重要課題なのだ。米国政府同様、日本政府も借金枠の上限ぎりぎりまで来ている。様々な社会保障政策を見直さなければ、この膨大な政府債務はいずれ制御不能になる。

 31日に米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスが日本の国債格付けを引き下げる方向で見直すと発表したのも、財政改革の進展がみられないことと、低い経済成長見通しが原因だ。それはつまり、日本の政治システムが末期の機能不全に陥っているとの認識の表れなのだ。
 
 この停滞を打破するのに日本がより強力な指導者を見付けることは喫緊の課題だ。その候補の一人は民主党の小沢一郎元代表かもしれない。長く首相候補とされながら、いまだ首相にはなっておらず、また彼の育てた有力政治家の誰もが首相職には就いていない。しかし小沢氏のただならぬ力は、今年初めに政治資金スキャンダルで起訴され、昨年9月には民主党代表選で菅首相追い落としに失敗したにもかかわらず、その影響力を保っていることをみれば明らかだ。最大野党・自民党の谷垣禎一総裁は今週に入り、民主党・小沢グループとの連立政権の可能性を排除しないとも受け取れる発言を行った。過去の自民党と小沢氏の怨念を考えれば驚くばかりだ。

 国民世論が小沢氏を嫌っているのは紛れもない。ここでこの政治家の嫌疑について何らかの法的免責を与えれば大きな物議を醸すことは必定だ。しかし小沢氏が自民党と袂(たもと)を分かつことになった彼の長年にわたる政治信条――利益供与型政治の改革へのたゆまぬ努力、官僚支配の打破――を考えると、その力は重要だ。もし小沢氏が民主、自民両党の改革支持勢力を束ねることができれば、小さな政府と経済成長の促進政策への国民的コンセンサスを形成することも可能になるかもしれない。

 現実には、ムーディーズや他の政治評論家が予測するように、また精彩に欠けた別の政治家が民主党政権で首相になり、停滞が続く可能性は高いだろう。とはいえ、この国の債務問題がいよいよ危機に近づいている現在、政治を密室から解き放ち、国民の前でしっかり政策論議を進めることのできるリーダーのいち早い出現が待たれる。

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ウオール・ストリート・ジャーナル紙  社説 5月20日付(ネット版)

日本経済、震災前から低迷



過去2カ月間に日本で起きた悪いニュースを考えると、明るい話題や希望の兆しを本能的に探してしまうのは無理のないことだ。しかし、日本経済がリセッション(景気後退)に逆戻りしたことを示す19日のニュースを平然と受け止めることは、あまりに楽観的すぎる。政府と多くのアナリストは、1-3月期のマイナス成長について、311日に発生した東日本大震災が大きく影響したことを強調した。だが、問題はそれだけだったのか。

 1-3月期の国内総生産(GDP)は前期比0.9%(年率換算3.7%)と発表された。その大部分は大地震の影響によるものだ。これは、工場閉鎖の結果として在庫が減少したことに関して特に当てはまる。GDPの前期比マイナス幅のうち、0.5%ポイントは在庫減によるものだった。個人消費は前期比0.6%減、設備投資は同0.9%減となり、どちらも少なくともその一部は地震に起因した。

 しかし、19日に発表されたその他のデータは、さらに大きな問題を示唆している。政府は201010-12月期のGDP成長率を前期比0.8%減とし、当初の0.3%減から下方修正した。地震は甚大な被害をもたらしたが、日本経済はその数カ月前にはすでに不振にあえいでいたことになる。

 危険なのは、政府がそれを忘れてしまうことだ。震災復興需要は景気を押し上げる。与謝野経済財政相が2011年度の成長率を1%程度としているのは、そうした下支えを見込んでのことだろう。しかし、それは単に、支出の数値を使ってGDPを算出するという方法で出された数学的帰結でしかない。もっと賢いエコノミストならば――少なくとも19世紀のフレデリック・バスティアまで遡れば――、被災地復興のために多額の資金が使われても、すべては以前の状態に戻るだけ、ということに気づくはずだ。

 311日以前に日本はすでにリセッションに突入していた。つまり、「以前の状態」というのは、景気低迷あるいは景気後退の状態ということになる。この結末を回避する唯一の方法は、復興とともに新たな活力を確保することだ。今後のGDPプラス成長の性質に対して自己欺まんがあれば、新たな活力は得られない恐れがある。

 とりわけ、GDP比200%という巨額の債務を足元に見詰める政治家が、復興に起因する「成長」によって成長抑制策を取る余裕ができたと勘違いすれば、その可能性は高まる。菅首相をはじめとする、いわゆる緊縮財政派のお気に入りである消費増税などの悪い考えについては、誰もが特に懸念すべきだ。それはデフレで混乱した経済にとって危険であり、復興に伴う支出が19日のデータに現れた弱気な消費者心理をどれだけ覆い隠すかは関係ない。

 日本にとって、「失われた10年」の再来は回避可能だ。しかし、そのためには、大地震と津波からの復興の取り組みを進めると同時に、失われた自信を回復する努力が必要になる。

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日本の震災で米国経済が得た教訓


ウオール・ストリート・ジャーナル紙  社説 44日付(ネット版)

一昔前、米国のビジネスマンや政治家が日本製品の輸入に脅威を感じ、貿易障壁がまるで雨後の竹の子のごとく次々と現れたことを覚えているだろうか。それから時代は大きく変わったものだ。自由貿易が経済の繁栄に繋がるという証拠に、日本製品の輸入が米国の雇用を創出している事実が今明らかになっている。

日本からの部品調達が遅れ生産を一時停止したGMのルイジアナ工場

 311日、三陸沖で発生した地震が米国にもたらした余震を見て欲しい。地震と津波、そしてそれによって引き起こされた原発事故は、日本で大勢の犠牲者を出し、経済に大打撃を与えた。しかし震災の影響は日本だけに留まらず米国にも波及し、ありとあらゆる製造業が主要部品不足の事態に直面している。

 アップルのiPod(アイポッド)、iPhone(アイフォーン)、iPad(アイパッド)は、電池に使用される主要化学材料の工場が被災したため生産が滞る可能性がある。また、これらの製品で利益を出していた小売店やアップル本体の業績、さらには退職金口座や投資信託を通してアップルの株を保有している何千人もの米国民にまで影響が及ぶかもしれない。

 一方、米国のトヨタとホンダの販売店や、これらの車を輸送するトラック業者、主要部品を輸入している日系自動車メーカーの工場の従業員も、日本での生産停滞による影響がどう出てくるのか固唾(かたず)をのんで見守っている。

 米自動車メーカーも例外ではない。フォード、GM、クライスラーの全社が、自動車用半導体から車体塗料の一部色素に至るまで日本からの輸入に依存している。最悪の事態としては、部品の供給不足により生産の遅延や停止に追い込まれる。別の供給先を見つけられたとしても、費用増は避けられない。

 今後、震災の経済的影響が焦点になるにつれて、同様の問題が様々な業種で浮上してくるだろう。経営者たちは今のところ、一つ自然災害が起きるだけでサプライチェーンが影響を受けるようなことにならない仕組みの構築に頭を悩ませている。しかしそれ以外に、この問題には極めて重要な政策課題が潜んでいる。それは、米国経済にとって輸入がいかに大切かということだ。

 日本製品の脅威に怯えた過去もあるかもしれないが、実際には輸入品のおかげで米国は世界最大の経済大国としての地位を守ることが出来ている。オバマ政権の経済チームもその事実に気付いてくれることを願う。貿易反対派は貿易による米国の雇用喪失ばかりを指摘するが、貿易が突然遮断した場合の影響を論じることはあまりない。

 これはどの国からの輸入にも言えることである。韓国の輸入車に対する懸念は、米韓自由貿易協定批准の障害となっている。この政治的駆け引きにより、韓国へ輸出する米国企業に影響が出ているだけでなく、韓国製品の輸入に頼る米国企業も痛手を受けている。例えば、輸入車に対する25%の関税のために高額な国産ピックアップトラックを買わざるを得ない中小企業などもその良い例である。

 そしてさらに、中国という貿易反対派の格好のターゲットがある。オバマ大統領は「ルールの適用」―つまり中国製品に対する反ダンピング関税の強化―を貿易政策の要とした。今まで安いタイヤを購入していた米国民は中国の輸入タイヤに対する35%の関税の影響を受けたが、輸入障壁の経済的な打撃はその他にも様々な形で現れている。

 東日本大震災による影響を見れば、米国が世界にまたがるグローバルチェーンの恩恵を受けていることが明確であろう。経済成長と雇用創出において、輸入は輸出と同じくらい重要なのである。











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福島原発事故の最後の砦となる人々(フクシマ50)


ケニス・ブラッドシェア、 タブチ・ヒロコ 記者

ニューヨークタイムズ紙 315日付(ネット版)




15日、福島第一原子力発電所には放射能を帯びた火災の中で、少人数の、技術者しか残っていなかった。 この人達は恐らく原子力発電事故の破局を止められる最後の砦になるだろう。

彼らは、時々空気と触れて水素が爆発する状況下、設備の迷路の暗闇の中で懐中電灯を便りに這いずりまわった。彼らは、背中に背負った水素タンクで不快な呼吸器を介して呼吸し、目に見えない放射線から被爆を防ぐ、わずかな保障しか出来ない防御するぴったりとしたフードと白いジャンプスーツーを着用していた。

彼らは顔が見えない、名のない裏方の50名だ。 彼らは自発的又は命令で、完全なメルト・ダウンを防ぐため危険な露出核燃料の海水をポンピングする作業に従じたのだ。 それは、既に部分的に溶解した原子炉の更なるメルト・ダウンを防止し、更に発生する数千トンの放射性粉塵と放射線が空気を汚染を防ぎ、何百万人を危害から救う為だ。

火曜日と水曜日は、自衛隊の人員は増えて、作業者達は第一号原子炉と第三号原子炉にポンプの代わりに一時的に、何百ガロンという海水の供給に取り組んだ。多数の問題のなかで管理者は第三号原子炉から、放射線を帯びた水蒸気が漏れていることに気付いた。

東京の東電本社では放射線レベルを下げるため人員を倍増し、100人増強することを予定していたが、突然の放射線レベルの増加で予定を見合わせ、何人が退避したか把握できていない状況だ。 残留している人達は、今まで暗黙的に了解していた犠牲を更に拡大することを求められることになった。

政府の発表では、火曜日、被爆の法的容認レベルを100ミリシーベルトから250ミリシーベルトに上げたことが明らかになった。これにより、作業者は、現場作業の時間を延ばして作業できることになった。 東電は増員に関し、発言はなく、代わりに2名死亡22名負傷2名不明と発表した。

原子炉の裏方として働く作業者は、自分達の仕事は、消防士やエリート部隊の職業と同じと考えている。彼らは作業に従事する前に、家族に非難するよう警告している。 彼らは家族の健康と安全を心配しているが、彼らは施設に残る義務があり、訓練を受けた通りの忠誠心と仲間意識を持っている。

日本では自然発生的な協同意識のほかに、命令に忠誠で献身的に熱心な傾向がある。 日本ではもはや神聖な終身雇用が崩れているが、職場は依然として強力なコミュニテイのままだ。

フクシマ50は、こうした背景で非常に危険な状況にかかわらず、多数避難した中で、避難せずに残留した。 アメリカで発生したとしても、同じことが間違いなく起こるだろう。しかし、日本ではグループの利益のために、犠牲になることを信じている。

東京電力は放射線レベルの上昇に伴い、50名を残し、750名の緊急スタッフを避難させた。 この人数は平常の必要人員よりも多いのは明からだ。

チェルノブイリ事故と福島事故は深刻度の点で同じではない。 チェルノブイリは原子炉が爆発し10日間放射線を大量に放出した。

福島の放射線レベルは原子炉の第2号機と第四号機の爆発後、火曜日は400ミリシーベルト(1時間)に達したが、ゲートでは0.6ミリシーベルトに減少している。 東京電力と政府当局は、技術者が必死で修理をしている建物内の放射線レベルや統計情報を開示していない、が専門家は放射線が内部は封じこめられているので、高い可能性があると見ている。 専門家は、内部の汚染が高い為、長時間の作業は無理で、最悪の箇所の修理を交代で従事しており、高いレベルの付近では数分で交代していると推察している。

東京電力はフクシマ50の名前や情報を開示しないし、健康状況や疲労の程度も開示していない。  水の供給に従事している一部の人達は、自衛隊、警察官や消防士である。



3号機の水素爆発
 



放射能被爆防御服


ヘリによる放水


消防士による放水


自衛隊の防御服

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ウオールス・トリート・ジャーナル 2011年3月13日(日)
社説(アジア版)


11日に日本を直撃したような規模の地震からは、どの国も無傷ではいられない。地震では少なくとも1000人が死亡した。その被害にもかかわらず、12600万人の人口を抱えるこの島国が、1900年以降で5番目の規模の大地震にいかに適切に対応しているかは、注目すべきことである。三陸沖を震源地とするマグニチュード(M8.9の地震では高さ約10メートルの津波が発生し、津波は53カ国にも押し寄せた。

 この巨大地震にもかかわらず、日本人が母なる大地からのこの猛威を切り抜けるために比較的よく準備ができていたことについては言及せざるを得ない。日本は文字通り、立ち上がっている。いかにすれば、人間の計画と産業社会が自然災害に対処できるかの証として。

 年間数百回の地下振動を経験する国である日本は、1891年のM8.4の地震以来、耐震に配慮した建物を作ってきた。1965年まで建物の高さは30メートル程度までに制限された。しかし都市人口の増加に伴い、この建物の高さ制限は撤廃された。日本の木造住宅は沿岸地域では津波に脆弱だったが、高いビルは今回の地震では持ちこたえたようだ。

 1993年に完成した横浜ランドマークタワーの高さは約300メートル。地震国日本では驚異的な高さだ。最先端の建築工学を駆使できる技術と富を投入できて初めて、このような高層ビルの建設が可能になった。

 0710月には緊急地震速報が導入された。この世界最先端の地震早期警戒システムは11日の地震の際にも、テレビ、ラジオ、携帯電話などで都民に警報を出したことで評価を高めた。この警報により、地震が起きる前に工場やエネルギー施設、輸送機関などには操業を停止する余裕が生まれる。最大の懸念事は、今回の地震で自動停止した原発の炉心を冷却する能力だ。米国は冷却剤を送っている。

 日本は現在、大規模な復旧に直面している。しかし、それは過去300年で最大の地震の後に必要になるかもしれなかった程度よりも、軽度なものだ。われわれは、日本に似たような警戒システムが他の地震国でも開発、導入されることを期待する。

 日本の準備態勢は昨年のハイチ地震や、7万人が死亡した08年の中国四川大地震などとは対照的だ。ハイチは何十年も続いた失政による貧困のせいだとしている。中国は富はあるが、その政府は誰からも責任を問われない。95年の阪神大地震以来、日本は度重なる改革を行ってきた。

 日本は最近、マスコミなどでは評判が悪い。経済成長は低迷し、政治家の失政に、大部分が生産的な国民は当惑している。しかし、間違いなく日本は依然として産業大国だ。11日の地震の壊滅的な影響にもかかわらず、近代国家としての日本の業績がもたらす自国を守るという恩恵は指摘せずにはいられない。



 津波による災害


津波と火災の災害


東京消防庁
東京消防庁の隊員
Associated Press


福島原発付近で放射能を計る



自衛隊の救援

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日本の格下げめぐる教訓



ウオールス・トリート・ジャーナル 2011年1月27日(水)

“The lesson of a new AA- bond rating.”

社説(アジア版)

米格付け会社スタンダード&プアーズ(S&P)が27日、日本の財政悪化問題を理由に長期国債の格付けを「AA」から「AAマイナス」に1段階引き下げた。われわれはもはや、格付け会社の判断を完全で正確なものであると見なすようなことはしないし、日本政府の浪費癖を見てきた者にとっては大して驚きでもないだろう。しかし、それは依然示唆的であり、ワシントンで展開している重要な議論と時を同じくしており、タイミング的にも有益ではある。

 S&Pがわれわれに想起させるている主要な教訓は、いかなる政府も、単に巨大な経済力があるからといって財政的な現実からは無縁ではいられないことを認識すべきだという点だ。日本は世界第3位の経済大国で、先進国では米国に次いで第2位。ただ、20年に及ぶ景気低迷と抑制を欠いた歳出により、国内総生産(GDP)に占める債務残高比は約200%に達し、先進国では最高水準になっている。支出の増加と債務増加見通しが今回のS&Pによる格下げ要因となった。

 このような支出要因は気味が悪いほど馴染みのあるもののように聞こえるだろう。年金支出が国家予算の約30%、人口の高齢化による負担増、(社会保障増加により)年間の財政赤字削減が出来ない見通し、さらにS&Pが指摘している「民主党には債務問題に対する一貫した戦略が欠けている」点などだ。

 S&Pや他の格付け会社は、日本で度々議論されている消費税引き上げなど、増税がこれら財政悪化問題を解決するための実行可能な方法であると示唆する時に特に過ちを犯す。日本は法人税率が世界最高水準にもかかわらず、この難局に達した。日本政府は成長促進の改革を追求したほうが賢明だ。

 債務黙示録が間近に迫っている、とはやす向きは失望するかもしれない。日本は対外純債権国だ(つまりギリシャとは違う)。従って、国内投資家が進んで日本国債を買い続ける限り、欧州型のパニックが起きる明白な誘因になるものはない。国内投資家は少なくとも今はその兆候を示している。S&Pの分析は、国庫が破綻すれば、経済大国でさえも、これまでのようにいつまでも物事は続かないことを肝に銘じておくという長期的な忠告として理解すべきだ。これはワシントンの一部の人間も耳を傾ける必要があるメッセージでもある。

 

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 同感の意見



管総理





肥大する日本の負債




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日本の内閣改造は旧態依然─消費税増税は過った考え



ウオールス・トリート・ジャーナル 2011年1月19日(水)
"Japanese for 'Plus Ca Change . . .

社説(アジア版)

「表面は変わっても中身は相変わらず」という古い警句を具現化する国があるとすれば、それは日本だろう。菅直人首相が先週実施した内閣改造を見て欲しい。またぞろ日本の指導者が、旧来の考えを持つ旧来の政治家を起用する内閣改造を実施した。

 このことは、与謝野馨氏の経済財政相就任をめぐる政治的な議論からは当初、明確にはならないかもしれない。与謝野氏は、小泉内閣でも閣僚を務めるなど、現在野党の自民党では愛党心の強い政治家だった。離党して、立ち上がれ日本を旗揚げしたため、自民党では同氏を嫌う人が多い。民主党自体でも、民主党議員ではない同氏を閣僚に起用したとして不信感や不快感が出た。

 しかし、この混乱はその最たる特徴は見落としている。つまり与謝野氏には新味のある経済政策構想がない点だ。彼の政治姿勢の特徴は、これ以上債務を増やすことはせずに、増大する社会保障費の財源を確保する一方策として消費税を上げるという、お馴染みの大義を熱心に支持していることだ。日本では、この種の増税は財政規律派に通用している。このことは、なぜ与謝野氏が閣僚ポストを得たかを正確に説明しているように見える。消費税はまた、菅首相の十八番でもあるためだ。

 その結果、新たな考え方が切実に求められている状況にもかかわらず、日本は経済政策立案のトップにもうひとり財務省支持派の人物を据えてしまった。金利がゼロ近くにあるため、政府と地方自治体は借り入れを増やし、債務残高は国内総生産(GDP)比数倍まで膨らんでいる。政府が歳出削減を開始しなければ、金利負担で債務も増えていく。デフレという妖怪が経済を脅かし、省エネ家電などの政府補助プログラムが終り、消費者信頼感は低下している。

 与謝野氏の考え方は、現在の状況下では完全に過ったものである。消費が増えない限り、財政上、消費税は政府にとって効果的な収入源とはならない。慢性的な景気低迷により、消費税引き上げの目標が早急に達成される可能性は小さい。より幅広く考えれば、日本の財政問題は20年に及ぶ景気低迷に由来している。そのため、政府の税収となる経済的パイが減ってしまった。それに加え、人口の高齢化のため、政府は年金や社会保障の負担も抱える。消費税はこれらの問題いずれも解決するものにはならない。

 この国は、債務問題を解決するには経済成長のほか、持続不可能なペースで増えている社会保障給付の改革を同時に進めることが最善の方法と考えるタイプの「財政緊縮派」によって運営されたほうが良いという政治家が多い。与謝野氏もかつては、少なくとも部分的にはその種の政治家だった。同氏はかつて、小泉政権の郵政民営化を支持していたことで知られる。しかし、完全民営化が民主党によりとん挫した現在、与謝野氏は消費税について、くどくど繰り返し、菅首相はそのために与謝野氏を起用した。

 菅首相は、日本の環太平洋経済連携協定(TPP)参加支持に傾いている。この種の協定により、日本の保護された業界の多くが開放され、競争が促進され、経済の活力が生まれる可能性がある。しかし、農業団体や保護主義者の反対に遭い、不人気の菅首相がTPPへの支持取り付けで困難に直面する可能性はますます高まっているようだ。

 このため、菅首相は与謝野氏と消費税に頼らざるを得なくなる可能性がある。さらに、より大きな政治問題に直面するかもしれない。55年に及ぶ自民党の一党支配政治に飽きた有権者は2009年、自民党を放逐した。以来、民主党は選挙綱領で示した公約を実現できないため苦しんでいる。菅首相は現在、包括的な経済プランを進めることはせずに孤立した状態に戻っている。

 世論調査では、菅首相の支持率がやや改善した。内閣改造後の調査で、支持率が上昇するのはよくあることだ。菅首相が自身の考え方を改造しない限り、それも長続きしないだろう。

 

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与謝野経済財政相










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沈みゆく日本に迷う時間はない




ウオールス・トリート・ジャーナル (2011年1月5日水)
"Japan is running out of time to choose how it handles the crunch”

社説(アジア版)

日本の政治は依然として混乱している。内閣支持率は20%を低迷している。菅直人首相は小沢一郎氏を民主党から追放しようとし、それで首相の人気は上がるかもしれないが、危険水準の過半数を割り込むサイズの離反が起こるだろう。年頭に持ち出した消費税増税は、昨年の参院選で敗北を喫した要因であり、景気の足を引っ張ることが確実な評判の悪い政策である。

そぞろ又、首相を交代するときが来たらしい。次が誰であろうと、嫌な結果に直面する前に問題に取り組まなくてはならない。成長促進に向けた減税や、社会保障費や、農業補助金の削減をしなければ、日本はこのままギリシャ化への道を進むだろう。

 12月に示された2011年度予算案は、菅首相の財政健全化の訴えが偽りであることを示した。債務の対国内総生産(GDP)比率は既に200%に近づいているが、同予算案は過去最大に近い負債を債務残高に上乗せしようとしている。一般歳出と地方交付税交付金を合わせた歳出の大枠708600億円のうち、443000億円を新規国債発行で調達する。これに対し、歳入は41兆円にすぎない。支出の裁量的削減は小幅にとどまり、一般歳出の53%を占める社会保障費の野放図な増加に圧倒されている。

 日本は、急速な高齢化の中、支払期限を迎える過去数世代の政治家の公約によって沈没しつつある。たとえば、拠出金不足の年金や、高齢者の健康保険がそうだ。その上、12年には団塊世代の最大の波が退職し始めることから、状況は悪化の一途をたどるとみられる。

 バブル崩壊後の失われた20年が示すように、コンセンサスに基づいた日本の政治制度は、社会的な損失の分担をどうするかという話となるとお手上げだ。例えば1990年代、政府は米国で現在進んでいるような浄化をもたらす再編を銀行に促すことをせず、このため不良債権処理が遅れてしまった。これにより、日本は本来より安定しているように映るが、創造的な破壊がなければ成長は取り戻せない。今回は、各世代に影響が及ぶ。成長停滞のため高齢者への公約が一段と大きな負担となり、成長に向けた政策の追求が難しくなっている。

 来年度の国債費は215500億円と既に大きいが、10年債の金利を2%以下と想定している。利回りは当面これより大幅に低い水準にとどまるかもしれないが、最近の入札では国債投資欲に減退の兆しがある。来年度は退職者の貯蓄取り崩しにより国の債務が家計貯蓄を上回る見通しだ。このまま成長が低迷すれば、企業は引き続き現金留保に励むだろう。しかし、国が海外からの資金調達を余儀なくされることになれば、支払う金利は大幅に高くなる。
 これは、予算案を台無しにする可能性を秘めている。国や地方の債務は現在900兆円程度とみられ、利回りが1ポイント上昇するごとに利息が9兆円増える計算だ。拠出金不足の年金などの債務を加えると、日本は既に、いくら歳出削減や増税をしても、債務が増えるという段階に達している。

 言い換えれば、日本はエコノミストの故ハーブ・スタイン氏の言う、持続不可能なものは持続しない、という状況に陥りつつある。形はどうであれ、危機は訪れる。

 菅首相あるいはその後任が各種給付金を持続可能な軌道に乗せられれば、購買力の下がる退職者の怒りを買うだろう。しかし、議員を説得してそれを実現できなければ、税金は収奪同然の水準まで増加し、日本全体がさらにひどい損失に見舞われることは必至だ。そうなれば、菅首相の望む消費税増税が、タイタニックの上でのデッキチェアの並べ替えにすぎないことが露呈する。

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