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「STAPはES細胞」 新たにデータ捏造2件 理研調査委報告(26.12.26)

 STAP細胞論文の問題点を調べていた理化学研究所の調査委員会(委員長・桂勲国立遺伝学研究所長)は二十六日、東京都内で会見し、STAP細胞の正体は、すでに万能性が知られている胚性幹細胞(ES細胞)だった、という報告書を公表した。刺激を与えるだけで万能細胞ができるという小保方(おぼかた)晴子氏(31)の研究は根拠を失い、結論が否定された。

 桂委員長は「STAPがなかったことはほぼ確実だ。ES細胞混入の経緯は謎のままだ」と述べた。

 報告書によると、成体マウスの細胞を若返りさせて、胎児マウスを作ったという実験に使われたのは、遺伝子の変異の分析から、以前理研で作られたES細胞だと分かった。

 何回もES細胞が混入したことから、わざと入れた可能性があるとした。実験室には多くの人が出入りし、混入現場の目撃証言もないため、誰がしたかは突き止められなかった。「小保方氏を含め、いずれの関係者も故意・過失による混入を否定した」としている。

 また論文の二つの図について小保方氏によるデータの捏造(ねつぞう)だと新たに認めた。

 小保方氏は聞き取りに、図表一点で作成に必要な作業をやっていないと認め、もう一点は「データが『これでは使えない』と共著者から言われ、操作した」と話したという。元データの提出はほとんどなく「記録がない可能性が高い」と桂委員長は述べた。共同研究者の若山照彦山梨大教授や、自殺した笹井芳樹氏について「元データがなく、見ただけで疑念がわく図表があったのに追及しなかった。責任は大きい」とした。

 調査委は九月、七人の外部有識者で編成された。論文を検討し、聞き取りもした。小保方氏は今年一月、笹井・若山両氏とともに研究を発表し、疑惑が明らかになった後も「STAP細胞はあります」と主張した。再現実験では万能細胞を作ることができず、今月理研を退職した。理研は関係者の処分について、懲戒委員会で検討する。

◆再発防止へ改革

 <理化学研究所の野依良治理事長のコメント> 理研の研究者らによる論文が、社会の信頼を損なう事態を引き起こしたことに対し、あらためておわび申し上げる。理研は自ら定めた、研究不正再発防止のためのアクションプランを着実に実施していくことにより、改革を進め、信頼回復に全力を尽くしたい。

写真

◆科学的には決着 研究不正に課題

 STAP細胞の有無について、初めて明快な結論が出た。これまで「あるともないとも言えない」(竹市雅俊・元理研研究センター長)「科学者としてSTAPは再現できなかったとしかいえない」(相沢慎一・理研特任顧問)など、幹部の口からはあいまいな表現しか出てこなかった。

 調査委員会の桂勲委員長は二十六日、「STAPはないことが確実だ」と、踏み込んだ発言をした。遺伝子の解析を中心とした論理は強固だ。

 主役の小保方晴子元研究員の人間像には謎が多い。「自分はESを混入させてはいない」と主張し、調査委は犯人捜しを断念した。論文では捏造(ねつぞう)データを作ったが、STAPの再現実験には非常に真剣に取り組んだという。会見でも真摯(しんし)な姿勢をみせ、多くの人が可能性を信じてきた。しかしこれだけの証拠を突きつけられると、やはりなかったのだと納得せざるを得ないだろう。

 STAP問題は、科学的な面では、今回の報告書で決着がついた。そしてこれまでひそかに広がっていた研究不正が極端な形で表れ、一般社会がそれを知ることになった。今回の騒動を、不心得な研究者が良心を取り戻す契機にしなくてはならないだろう。 (吉田薫)
ーーー東京新聞(26.12.26)



記事画像
小保方晴子氏

写真・図版 小保方晴子氏らが新型の万能細胞として発表したSTAP細胞=理化学研究所提供ーーー朝日新聞

写真・図版
3つの万能細胞の違う点、ーーー朝日新聞



ES細胞混入、謎のまま…小保方氏含め全員否定

「誰かが故意に混入した疑いを拭えない」。研究不正が指摘されたSTAPスタップ細胞の問題で、理化学研究所の調査委員会が26日に明らかにした報告書は、論文内容をほぼ全否定するとともに、別の万能細胞を誰かが故意に混入した可能性に言及。


STAP細胞論文の調査結果について、記者会見に臨む調査委員たち(26日午前、東京都千代田区で)=菅野靖撮影

 さらに、論文の根拠になるデータが存在しないなど「責任ある研究」の基盤が崩壊していた実態などを明らかにし、実験や論文作成に関わった小保方おぼかた晴子氏らを厳しく批判した。ただ、混入者の特定などには至らず、謎を残した「終幕」となった。

◆特定に至らず

 26日午前10時から都内で開かれた、理研の調査委の記者会見には報道陣約100人が集まった。外部有識者の全委員7人が出席する中、委員長の桂勲氏は、前方に設置された大型スクリーンに写真や解析データなどを映しながら説明した。

 桂氏は、STAP細胞によるものとされた現象は、既存の万能細胞であるES細胞(胚性幹細胞)が何回も混入したとすれば科学的に説明できることなどを根拠に、故意による混入の可能性があるとした。一方、STAP細胞が7日間にわたって培養された部屋には、人がいないことも多く、夜間の入室も可能だったことから、多くの人に混入の可能性があったとした。

 調査委では、小保方氏への聞き取り調査を3回行ったが、小保方氏は「ESは絶対に混入させていない」と話したという。また、小保方氏以外にも、混入の機会があったと見られるすべての関係者にも聞き取り調査を行ったが、「ES混入の目撃者はなく、すべての関係者が混入を否認した」という。
ーーー読売新聞(26.12.26)




ES細胞なぜ理研に STAP報告書、なお核心遠く

理化学研究所の研究論文に関する調査委員会(委員長、桂勲・国立遺伝学研究所長)は26日、小保方晴子氏が論文で示したSTAP細胞が、別の万能細胞である胚性幹細胞(ES細胞)だったとほぼ断定する報告書を公表した。次世代シーケンサーによる高度な遺伝情報の解析データで裏付けた。ES細胞は故意に混入された疑いが濃厚だが、小保方氏が意図的に実行したかなどの核心は解明できなかった。
---日経新聞(26.12.26)



ES細胞混入に由来。誰かが故意に混入した疑いを拭うことができず」 理研調査委員会が発表(26.12.26)

STAP細胞論文に関する理化学研究所の調査委員会は26日、STAP細胞は既存の万能細胞である胚性幹細胞(ES細胞)の混入に由来する可能性が高いとの調査結果を発表した。混入が故意か過失によるものかは判断できないとした。STAP細胞は新型万能細胞とされたが、その論文内容は「ほぼすべて否定された」と結論付けた。

STAP細胞論文に関する調査結果について説明する、調査委員会の桂勲調査委員長=26日午前、東京都千代田区(鴨川一也撮影)
STAP細胞論文に関する調査結果について説明する、調査委員会の桂勲調査委員長=26日午前、東京都千代田区(鴨川一也撮影)

 調査委は論文の筆頭著者で元理研研究員の小保方晴子氏(31)と、共著者の若山照彦山梨大教授の研究室に保存されていたSTAP関連の細胞についてゲノム(全遺伝情報)解析などを行い、その性質と由来を詳しく調査した。

 その結果、STAP細胞に増殖能力を持たせたSTAP幹細胞はすべてES細胞に由来すると断定。STAP細胞もES細胞に由来する可能性が高いとした。

 STAP細胞をマウスに移植して作った腫瘍や、STAP幹細胞をマウスの受精卵に入れて作った胎児は、論文で万能性の証拠とされたが、いずれもES細胞に由来する可能性が非常に高いと分析した。

 これらの結果から、STAP細胞が万能性を持つとした論文の結論は否定されたとし、万能性の証拠となる幹細胞などは「全てES細胞の混入に由来するか、それで説明できることが科学的な証拠で明らかになった」と結論付けた。

ES細胞はSTAP幹細胞の作製時に混入したと認定。「これだけ何回も混入したことは、誰かが故意に混入した疑いを拭うことができない」と指摘したが、小保方氏らは混入を全面的に否定しており、混入者は特定できないとした。

 また調査委は小保方氏によるデータの捏造(ねつぞう)と改竄(かいざん)が新たに計2件あったと認定。小保方氏が担当した図表の元データはほとんど存在せず、「責任ある研究」の基盤が崩壊したと厳しく指摘した。

 若山氏と、論文作成を主導し8月に自殺した理研の笹井芳樹氏は「明らかに怪しいデータがあるのに、それを追求する実験を怠った」として、責任は特に大きいとした。
ーーー産経新聞(26.12.26)







理研調査委「ES細胞が混入」と認定 STAP問題(26.12.26)

 STAP細胞をめぐる問題で、理化学研究所の調査委員会(委員長=桂勲・国立遺伝学研究所長)は26日、論文でSTAP細胞から作ったとされた細胞は(別の万能細胞である)ES細胞に由来することが確実になったとする報告書を発表した。細胞の作製時にES細胞が混入したと認定している。混入が故意か過失か、誰が行ったかは特定できなかったという。

写真・図版
小保方晴子氏らが新型の万能細胞として発表したSTAP細胞=理化学研究所提供

 報告書によると、小保方晴子元研究員や共著者の若山照彦・山梨大教授の研究室に残っていたSTAP細胞に由来する細胞や実験の元データ、関係者の電子メールなどを約4カ月かけて詳しく調べた。

 残っていた細胞の遺伝子解析の結果、STAP細胞から作られたとされた細胞は、若山氏の研究室にあったES細胞と「同一由来の細胞である」などと認定。STAP細胞が万能細胞であるとする根拠として、細胞をマウスの体に入れるといろいろな組織になったとした実験も、ES細胞を使って行われた可能性が高いとした。

 理研は4月、STAP細胞論文の画像に捏造(ねつぞう)と改ざんがあったとする報告書を公表。その後、内部の研究者らの新たな疑問の指摘などを受け、9月から今回の調査委員会を設置、外部有識者による不正の全容解明を目指してきた。
ーーー朝日新聞(26.12.26)




STAP細胞:「ES細胞が混入」 理研調査委が結論(2612.26)

◇26日に東京都内で調査結果を発表へ

 STAP細胞論文について、2本の論文の疑義を調査していた理化学研究所の調査委員会が、実験の過程で別の万能細胞「ES細胞(胚性幹細胞)」が混入していたことが示されたとする報告書をまとめた。また、すでに不正認定された2件の画像以外に、2件の図表について小保方(おぼかた)晴子・元理研研究員による捏造(ねつぞう)があったと認定した。調査委は「論文の主たる主張が否定された」と結論づけた。26日に東京都内で調査結果が発表される。【須田桃子】

 STAP細胞論文は、今年1月に英科学誌ネイチャーに発表され、7月に撤回された。理研の最初の調査委は6件の疑義を調べ、主論文中の画像2件について小保方氏による捏造・改ざんがあったと今年3月に認定した。しかし、その後も新たな疑義が多数浮上していた。

 STAP細胞は、論文とともに公開された遺伝子データの分析から、ES細胞だった可能性が指摘されていた。今回の調査の結果、複数の試料でES細胞の混入が示されたという。混入の経緯は特定できなかった。

 新たに捏造が認定された図表は、細胞の増殖率を比較するグラフで、人工多能性幹細胞(iPS細胞)の開発を発表した山中伸弥・京都大教授の論文(2006年)中のグラフと酷似していると指摘されていた。また遺伝子の働き方が変わる現象を示す図も捏造とされた。

 調査委は、STAP論文について、ES細胞の混入のほか、小保方氏の実験記録がほとんどなく、論文の図表の間違いが非常に多いことなどから、新たな万能細胞ができたとする論文の主な主張が否定されたと分析した。

 また、笹井芳樹・理研発生・再生科学総合研究センター副センター長(今年8月死去)や若山照彦・山梨大教授ら、これらの問題を見逃し、十分な検討をしなかった指導的立場の研究者たちの責任は非常に大きいと言及している。

 2回目の調査委は、9月3日に設置された。今回の調査委は外部有識者のみで構成され、委員長は桂勲(いさお)・国立遺伝学研究所長が務めた。

 今回の調査結果を受け、いったん手続きが止まっていた懲戒委員会が再開され、関係者の処分について検討される見通し。小保方氏はSTAP細胞の有無を確かめる検証実験で再現ができなかったとの結果を受け、21日に理研を退職した。
ーーー毎日新聞(26.12.26)




すべてES細胞だった可能性高い…理研発表(26.12.26)

STAPスタップ細胞の論文不正問題で、理化学研究所の調査委員会は26日、STAP細胞は、すべて既存の万能細胞のES細胞だった可能性が高いとする報告書を発表した。

 ES細胞の混入を誰が行ったかの特定には至らなかった。
ーーー読売新聞(26.12.26)





STAP、実験1600回で否定 検証結果の全容判明(26.12.19)

STAP細胞の有無を調べた理化学研究所の検証結果の全容が18日、判明した。理研のチームは、小保方晴子氏の作製した細胞で約1600回の実験を繰り返したが、万能性は一度も確認できず、理研がSTAP細胞は事実上存在しないと判断した根拠の一つとなった。

 理研は来年3月までの予定だった検証実験を終了する。

 検証チーム責任者の相沢慎一特任顧問らが19日午前、東京都内で記者会見し検証結果を公表する。小保方氏の出席は予定されていない。

 小保方氏は7月に検証実験に加わり、万能細胞の目印となる遺伝子が働くと緑に光るように遺伝子操作したマウスの細胞で実験した。
(共同)ーーー東京新聞(26.12.19)


小保方氏ら、STAP作製できず…実験打ち切り

 STAPスタップ細胞の論文不正問題で、理化学研究所は18日、11月末に終了した小保方晴子研究員による検証実験で、STAP細胞は作製できなかったと判断し、このまま実験を打ち切ることを決めた。

 小保方氏とは別に、理研チームが進める実験でも作製できず、こちらの実験も打ち切る。理研は、7月の論文撤回後もSTAP細胞が存在する可能性を探ったが、結局、存在を証明することはできなかった。

 理研関係者などによると、実験打ち切りの方針は、同日、理研本部で開いた理事らの協議で確認された。理研は19日、東京都内で記者会見を開き、理研チームの相沢慎一リーダー、丹羽仁史副リーダーらが詳細を説明する。丹羽氏は、撤回された論文の共著者。小保方氏は出席しない。
ーーー読売新聞(26.12.19)




一時は「新たな万能細胞」と期待…存在は幻に(26.12.19)

スタップ細胞は、小保方晴子氏だけでなく理化学研究所のチームも作ることができなかった。

 一時は新たな万能細胞と期待されたが、その存在は幻となった。


検証実験の手順

 小保方氏の検証実験は7月から5か月間行われた。これとは別に、理研チームは丹羽仁史氏らを中心に、来年3月までの期限で実験を試みていた。丹羽氏は当初、小保方氏の論文に記されている方法で実験し、STAP細胞はできなかったと8月の検証実験の中間報告でも公表していた。

 さらに、別の方法で試したところ、理研関係者らによると、万能細胞であることをうかがわせる兆候がわずかに認められ、いったんは実験を継続することも検討されたという。

 この兆候は、万能性を示す遺伝子が働いた時の発光現象に似ているが、こうした細胞は非常に少なかった。STAP細胞であることを確かめるには、この細胞で、筋肉や神経など様々な細胞に変化することを確認しなければならない。理研幹部は「この細胞がSTAP細胞かどうかは確かめられなかった」と話した。
ーーー読売新聞(26.12.19)




STAP細胞:疑惑浮上から10カ月 小保方氏の今後は?(26.12.18)

STAP細胞論文を巡る問題で、著者の小保方晴子・理化学研究所研究員(31)が11月末まで取り組んでいたSTAP細胞の有無を確かめる検証実験で、論文と同じ手法で細胞を作製できなかったことが、関係者への取材で明らかになった。理研は19日、結果について発表する。

記者会見で質問に答える小保方晴子氏=大阪市北区で2014年4月9日、山崎一輝撮影

記者会見で質問に答える小保方晴子氏=大阪市北区で2014年4月9日、山崎一輝撮影

          ◇

 理化学研究所の小保方研究員がSTAP細胞の作製に失敗していたと判明し、事実上、STAP細胞の有無の問題に決着がついた。小保方氏とは別の研究者らが取り組む検証実験も続ける根拠がなくなり、今後は小保方氏側の対応が焦点となる。

 STAP細胞論文に対する不正疑惑は今年2月に発覚し、研究不正について調べる理研の調査委員会は4月1日、論文に捏造(ねつぞう)や改ざんがあったと発表した。

 しかし、小保方氏は弁護士を代理人に立てて反論し、調査結果に不服を申し立てた。同9日に大阪市内で記者会見に臨み、「STAP細胞はあります」「200回以上作製に成功した」などと発言して世間の注目を浴びた。

 その後、小保方氏の上司に当たる共著者の笹井芳樹氏が自殺し、小保方氏が所属した発生・再生科学総合研究センター(神戸市)は研究室を半減して「多細胞システム形成研究センター」として“解体的出直し”をするなど騒動の影響は大きかった。

 小保方氏は4月の記者会見以降、公式の場に姿を現さず、報道機関の取材にも応じていない。毎日新聞は今月中旬、小保方氏に取材を申し込んだが、代理人の三木秀夫弁護士は電子メールで「小保方晴子は諸事情から一切の対応ができない。私の方からも何も説明ができない」として対応を断った。三木弁護士は18日午後、報道陣に「本人はSTAP細胞はあると考えているだろう」と述べた。今後、検証実験に関して小保方氏側がどのように対応するかは不透明だ。

 STAP細胞論文の不正疑惑が浮上してから約10カ月。論文で発表されたSTAP細胞とは何だったのか。疑惑に対する理研調査委員会の調査は続いているが、理研や小保方氏には社会に対する丁寧な説明が求められる。【根本毅】
ーーー毎日新聞(26.12.18)





STAP細胞検証実験 小保方氏 再現できず(26.12.18)

STAP細胞の有無を調べている理化学研究所の検証実験で、小保方晴子氏自身の実験でもSTAP細胞ができなかったことが、関係者の話で分かった。STAP細胞が存在する可能性は極めて低くなった。

小保方晴子氏

 理研は検証実験を打ち切る方向で検討しておりSTAP細胞の存在を事実上、否定することになる。週内にも都内で会見し実験結果を発表する。小保方氏は出席しない見通し。小保方氏は七月から検証チームに参加、第三者の立ち会いや監視カメラの下で実験した。万能細胞の目印となる遺伝子が働くと緑色に光るように遺伝子操作したマウスの脾臓(ひぞう)の細胞を使い、STAP細胞の作製を試みた。

 関係者によると、小保方氏の実験で緑に光る細胞が得られることもあったが、割合は非常に低かった。検証チームは、万能性があるかを調べるため、光る細胞を別のマウスの受精卵に注入し「キメラマウス」の作製を繰り返し試みたが、一回も成功しなかった。増殖能力がある「STAP幹細胞」も作れなかった。検証チームは八月、論文通りの方法ではSTAP細胞は作製できなかったとする中間報告を公表している。

 STAP論文は撤回されているが、これまでに捏造(ねつぞう)や改ざんと認定された項目以外にも複数の疑問点が指摘されており、理研の調査委員会が調査を進めている。調査委の結果がまとまり次第、中断している小保方氏らの懲戒処分の検討を再開する予定。

 STAP細胞問題 理化学研究所の小保方晴子氏らが1月、体の細胞に刺激を与えて万能細胞「STAP細胞」を作ったと英科学誌ネイチャーに論文を発表。画像や文章に不自然な点が発覚、理研調査委員会は小保方氏に捏造(ねつぞう)と改ざんがあったと認定した。ネイチャーは7月に論文を撤回した。外部の理研改革委員会は発生・再生科学総合研究センター(神戸市)の解体を提言。理研はセンターの規模を半減した。STAP細胞の有無を確かめる検証実験が続く中、共著者の笹井芳樹氏が8月に自殺した。
◆発表データの真相解明を

<解説> 「二百回以上成功した」と小保方氏が断言したSTAP細胞の作製。理化学研究所の検証実験は「失敗」で決着する見通しになった。STAP細胞とは何だったのか。検証実験は終わるが、発表された写真やデータがどう作成されたのかなど、未解明の謎は残る。再発防止には徹底的な真相解明が求められる。

 STAP細胞とされたものは、理研の別の研究者による遺伝子解析で、胚性幹細胞(ES細胞)に極めて似ているとの結果が出ている。緑色に発光したのは、細胞が死ぬときの自家蛍光を誤認したのではと考えられている。

 これまで理研本体は、STAP細胞があるともないとも結論をつけてこなかった。論文の不正については、外部からの再三の指摘を受けて調査委員会を再度結成し、来年一月末までに調査結果をまとめることにしている。

 誤認から始まった研究が、捏造(ねつぞう)に進んだのはなぜか。不正を許した過程の詳細な解明なしには、研究不正の根絶は困難といえる。理研が真の再出発をするためにも、世間を納得させるだけの調査結果を公表するべきだ。中途半端な幕引きは許されない。 (榊原智康)

◆「小保方氏はあると考えていると思う」代理人がコメント

 理化学研究所の検証実験で小保方晴子氏自身の実験でもSTAP細胞ができなかったことについて、代理人を務める三木秀夫弁護士は十八日、「小保方氏は現在もSTAP細胞があると考えていると思う」との趣旨の考えを述べた。具体的な根拠は示さなかった。
---東京新聞(26.12.18)






iPS細胞:筋ジスの原因遺伝子修復 京大が成功(26.11.27)

 全身の筋肉が衰弱していく難病の筋ジストロフィー患者から作成したiPS細胞(人工多能性幹細胞)で、病気の原因遺伝子を修復することに世界で初めて成功した、と京都大iPS細胞研究所の堀田秋津(あきつ)助教らの研究グループが発表した。最新の遺伝子改変技術をiPS細胞に応用したことによる成果で、将来患者への遺伝子治療につながる可能性があるとしている。論文は27日(日本時間)、米科学誌ステムセル・リポーツのオンライン版に掲載される。

 研究グループは、筋ジストロフィーで最も多い「デュシェンヌ型」を対象に研究。ジストロフィンという遺伝子が変異する病気だが、巨大なヒトゲノム(人間の全遺伝情報)の中でジストロフィンだけを選んで修復するのは難しかった。

 研究グループは、患者の体細胞から作ったiPS細胞について、酵素の働きで遺伝子配列を改変。遺伝子の一部を挿入する方法で、最も効率的に病気の原因遺伝子を修復することができた。さらに修復したiPS細胞を骨格筋細胞に変化させたところ、正常にジストロフィンが作られていることも確認でき、予想外の遺伝子の変異もなかったという。

 堀田助教は「実際の治療につなげるには、遺伝子改変による副作用への評価や具体的な移植技術の確立など課題があるが、治療法開発の大きなステップとなると思う」と話している。【野口由紀】
ーーー毎日新聞(26.11.27)






笹井氏、小保方氏宛てに遺書「STAP必ず再現を」(26.8.6)

理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(CDB、神戸市)の笹井芳樹・副センター長(52)が自殺した問題で、理研は5日、現在進めているSTAP細胞の検証実験の中間報告が今月下旬以降に遅れる可能性があると発表した。iPS細胞(人工多能性幹細胞)を使った世界初の臨床研究などCDBの活動全体に影響が広がる可能性もある。

 笹井氏はSTAP細胞論文の主要著者の一人で、小保方(おぼかた)晴子ユニットリーダー(30)の指導役を務めていた。理研は、STAP細胞研究をめぐる問題を受け、4月から独自の検証実験を進め、近く中間報告する予定だった。

 会見した理研本部(埼玉県和光市)の加賀屋悟・広報室長は、中間報告について「盆の前は難しく、その後にさせていただければ」と説明。笹井氏はこの実験に直接関わっていなかったが、所員に動揺が広がることなどを懸念し、実験スケジュールに「影響がないようにしたい」と話した。

 一方、高橋政代・CDBプロジェクトリーダーらが、この夏にもiPS細胞から作った目の細胞を移植する世界初の手術を準備している。再生医療の研究者は「落ち着いた状況ではなく、影響がないとは言えないのではないか」と懸念する。

 また、笹井氏は研究資金の獲得など、組織運営の力を評価する声も多かった。竹市雅俊・CDBセンター長は5日、「すばらしい企画力を持ち、笹井氏なしではCDBはできなかった」と惜しんだ。

 兵庫県警などによると、笹井氏はCDBに隣接する先端医療センター研究棟の4階と5階の間の階段踊り場で首をつっていた。踊り場にあったカバンには小保方氏やCDBの竹市雅俊センター長ら、研究室メンバーに宛てた3通の遺書があった。笹井氏の研究室の秘書の机の上にも遺書のようなものがあったという。

 関係者によると、小保方氏に宛てた遺書は1枚紙で、「研究は楽しかった」「STAP細胞を必ず再現してください」という趣旨の記述があった。「あなたのせいではない」「新しい人生を一歩一歩進んで行ってください」とのメッセージもあった。ほかの遺書には、一連の騒動についての謝罪や「精神的に疲れた」という内容が書かれていたという。
ーーー朝日新聞(26.8.6)





「悲劇」「多大な損失」ネイチャー誌声明(26.8.5)

理化学研究所発生・再生科学総合研究センターの笹井芳樹副センター長の自殺について、STAP細胞論文を掲載した英科学誌ネイチャーは5日、「これは悲劇だ」とする同誌編集主幹の声明を発表した。

 声明は笹井氏が幹細胞や発生生物学の分野で、先駆的な業績を挙げた非凡な研究者だとした上で、「科学研究コミュニティーにとって多大な損失だ。ご家族や友人、同僚の方々にお悔やみ申し上げる」と結んだ。

 ネイチャーのニュースブログも「科学者の死で日本に衝撃」という記事を掲載した。笹井氏が胚性幹細胞(ES細胞)を別の細胞に誘導・分化させる技術で有名だったと紹介し、「2011年には自然な発生過程を試験管内で再現し、ES細胞から立体的な目の組織を作り、世界を驚かせた」と業績を高く評価した。

 日本国内の報道を引用し、自殺した笹井氏が発見された状況や、「かけがえのない科学者を失った」とする野依良治・理研理事長のコメントも紹介した。ネイチャーは1月30日付の誌面でSTAP細胞論文を掲載したが、問題発覚などを受け7月に取り下げた。
ーーー産経新聞(26.8.5)






山中教授「大変残念」、若山教授も哀悼の言葉(26.8.5)

笹井氏の突然の訃報は、国内の生命科学の研究者にも大きな衝撃を与え、悼む声が相次いだ。

 山中伸弥・京都大学教授は5日、「突然のことに驚いており、大変残念でなりません」とのコメントを発表した。STAP細胞論文の共著者の若山照彦・山梨大教授も「ご冥福を心よりお祈り申し上げます」と哀悼の言葉を発表した。

 理研で同僚だった斎藤通紀みちのり京大教授は「素晴らしい研究者だけにSTAP細胞はみんなが信じたし、ずさんさが明らかになった時には驚いた」と話し、「何とかできなかったのかと思うと言葉がない。日本の科学界の損失」と悔やんだ。

 笹井氏とともに開設時のセンターを支えた阿形清和京大教授は「優秀なだけでなく、明るくユーモアもある人。学会の打ち上げでチェロを弾いたりしてみんなを盛り上げていた。少々のことではへこたれない人物だったのに」と惜しんだ。
ーーー読売新聞(26.8.5)





理研の笹井芳樹氏が自殺 先端医療センター関連施設内(26.8.5)

5日午前9時ごろ、神戸市中央区港島南町2丁目の先端医療センターの関連施設内で「男性が首をつっている」と関係者から110番通報があった。神戸水上署によると、男性は理研発生・再生科学総合研究センター(CDB)の笹井芳樹・副センター長(52)で、近くの神戸市立医療センター中央市民病院に搬送されたが、同日午前11時3分に死亡が確認された。

写真・図版
理化学研究所発生・再生科学総合研究センターの笹井芳樹・副センター長=4月16日、東京都

 神戸水上署によると、笹井氏は階段5階の踊り場で、ひも状のもので首をつっていたという。県警によると遺書らしきものが見つかっており、自殺を図ったとみている。

■神経系メカニズムの研究で国際的に高い評価

 笹井氏は愛知県立旭丘高校出身。1986年に京都大医学部を卒業後、米カリフォルニア大ロサンゼルス校(UCLA)客員研究員などを経て、36歳の若さで京都大教授に就任。2000年から理研発生・再生科学総合研究センターに在籍し、13年4月から副センター長に就いた。
---朝日新聞(26.8.5)








STAP細胞:小保方氏の検証実験室公開 理研(26.7.15)

 STAP細胞の論文不正問題で、理化学研究所(埼玉県和光市)は15日、理研発生・再生科学総合研究センター(CDB、神戸市)の小保方(おぼかた)晴子・研究ユニットリーダー(30)が単独で検証実験を行う実験室の写真と図面をホームページ上で公表した。

小保方晴子・研究ユニットリーダーが検証実験を行う実験室=理化学研究所提供

 理研によると、実験室はCDB内の空き室(約25平方メートル)を利用。試薬などの保管庫、施錠できる細胞培養器、空気中の菌が混じらないように細胞などを扱える実験台を設置している。監視用のカメラ2台も出入り口付近に備えられている。

 小保方氏による実験は今年11月末までの予定。STAP細胞を巡っては、CDBの丹羽仁史・プロジェクトリーダーらも論文と一部異なる方法で検証実験に挑んでおり、今夏に中間報告を出す予定。【畠山哲郎】
ーーー毎日新聞(26.7.15)





監視カメラは2台…小保方さん実験室の写真公開(26.7.15)

理化学研究所は15日、発生・再生科学総合研究センター(神戸市)で、小保方晴子ユニットリーダーがSTAPスタップ細胞の有無を確かめる検証実験を行う実験室の写真を公開した。

 約25平方メートルの実験室内には、無菌作業台や細胞の培養器があり、天井には、室内の様子を24時間、記録する監視カメラ2台が設置されている。

 理研広報室によると、小保方氏は現在、体調の良い時に出勤し、別の部屋で実験技術上の勘を取り戻す作業に取り組んでいるという。この日、公開した実験室で、実際に検証実験を始めるには、あと1、2か月かかるとみられる。
ーーー読売新聞(26.7.15)




小保方氏、別の研究室で単独・監視下の検証実験(26.7.2)

理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市)は2日、小保方晴子ユニットリーダーが参加して、STAPスタップ細胞の有無を確かめる検証実験の計画を発表した。

 小保方氏は、4月から実験を行っている理研チームには参加せず、別の実験室を使って、原則、独りで実験を行う。

 実験は主に5段階に分かれる。小保方氏は論文の手順に沿って、様々な細胞に変化する「多能性」の目安となる遺伝子の働き方や、マウスに移植して腫瘍ができるかなどを確かめる。第1段階をクリアできないと理研が判断した場合は、期限とした11月末を待たずに実験を打ち切る。理研チームによる6月までの実験では、STAP細胞は、作製できていないという。

 実験の透明性を確保するため、〈1〉理研指名の外部研究者が実験に立ち会う〈2〉実験室をカメラ3台で24時間監視する〈3〉細胞の培養機器に鍵をかける〈4〉入退室を電子カードで管理する――などの措置をとる。
---読売新聞(2014年07月02日 23時01分







小保方氏が理研に出勤 STAP検証、本格化
理化学研究所に入る小保方晴子氏=2日午前10時53分、神戸市(松永渉平撮影)  

STAP細胞論文問題で、理化学研究所の小保方晴子研究ユニットリーダー(30)が2日、STAP細胞が存在するかどうかの検証実験に参加するため、理研発生・再生科学総合研究センター(神戸市)に出勤した。小保方氏は午前11時前にタクシーで到着。白いパーカ姿で、報道陣の呼び掛けに応えることなく、足早にセンターに入った。小保方氏が報道陣の前に姿を見せたのは4月9日の記者会見以来、約3カ月ぶり。小保方氏の参加で、検証実験が本格化する。
---産経新聞(26.7.2)



小保方氏参加の検証実験、第三者監視下 24時間モニターで透明性確保(26.7.2)

理研は2日、小保方晴子氏が参加するSTAP細胞が存在するかどうかの検証実験の進め方について、理研発生・再生科学総合研究センター(神戸市)内に新たに実験室を設け、すでに検証を進めているチームからは独立して第三者などの監視下で実施すると明らかにした。

 理研は同センターで4月から1年間の予定で検証実験を進めており、夏に中間報告を公表する予定だが、細胞の作製は難航しているとみられる。

 小保方氏は2日、実験に参加するため同センターに出勤。参加期間は7月から11月末までの5カ月間で、8月にも準備的な実験を始める。最大の焦点は小保方氏が論文通りの手法で細胞を作れるかだ。

 検証実験の責任者でセンター特別顧問の相沢慎一氏は2日の会見で「本人が参加して、どうしても再現できないというところまでやらせてもらいたい」と話した。ただ、小保方氏の精神状態が不安定で本格的に取り組めない場合や、存在の証拠となる遺伝子が確認できない場合、11月末の前に打ち切る可能性もある。

 同センターの竹市雅俊センター長は「小保方氏が実験して作製できなかったら、できないという結論になる」と話す。

小保方氏の実験はすでに始まっている理研チームとは独立して行う。実験室も別の建物に設置し、今週中にも完成予定。電子カードで入退室記録を管理し、出入り口や室内にカメラを設置し24時間モニターで監視、鍵付きの実験器具を用意するなど透明性を確保する。理研職員や外部の第三者も立ち会い不正を防ぐ。

 理研は6月30日、新たな疑義に対する追加調査の検討開始に伴い、小保方氏に対する懲戒処分の審査を中断すると発表。このタイミングに合わせるように実験参加を認めており、処分先送りとも受け取れる対応に批判の声も出ている。

 一方、論文撤回について共著者の笹井芳樹副センター長は「研究者として慚愧(ざんき)の念に堪えない。多くの混乱と失望を生んだことを深くおわびする」とのコメントを出した。
ーーー産経新聞(26.7.2)





STAP論文:ネイチャーが撤回 著者ら「複数の誤り」(26.7.2)

STAP細胞の論文不正問題で、英科学誌ネイチャーは2日、掲載した関連論文2本を3日号で撤回するとウェブサイトで発表した。「生物学の常識を覆す」として世界から注目された論文が、発表から5カ月で白紙に戻る。著者が執筆した撤回理由では、理化学研究所調査委員会が指摘した不正画像などの問題点に加え、細胞の遺伝子データやマウスの画像の取り違えなど5点の誤りを挙げ、「複数の誤りがあり、研究全体の信頼性を損なった」と説明している。


STAP論文の撤回を伝えるネイチャーのウェブサイト

 問題の論文は、今年1月30日号に掲載されたSTAP細胞の性質や作製方法などを示した主論文「アーティクル」と、STAP細胞から作った増殖能力を持つSTAP幹細胞の性質などを分析した論文「レター」の2本。撤回理由は2本とも同文だった。

 理由では、両論文の「誤り」を謝罪した上で、STAP幹細胞の解析結果から「STAP幹細胞現象が間違いなく正しいと自信をもって言うことは難しい」と述べたが、STAP細胞自体の信頼性には言及しなかった。これは、小保方(おぼかた)晴子・理研研究ユニットリーダーや米ハーバード大のチャールズ・バカンティ教授らSTAP細胞の存在を強く主張している著者がいることや、理研で検証実験が進行中であることなどを考慮し、論文撤回の手続きを確実に進めるため著者間で調整したものとみられる。

 

 左:小保方氏らが1月に発表したSTAP細胞の作製方法。  右:STAP論文の2本のうち、「アーティクル」と呼ばれる主論文の撤回を知らせるネイチャー誌の資料

 また、ネイチャーはSTAP細胞論文の掲載に至るまでの検証結果に関する論説記事も発表した。論文掲載の手続きに不備があったことを認め、論文の改ざん画像などを掲載前にチェックする回数を大幅に増やすなど対策強化を明らかにした。一方、不正論文を掲載した編集部の責任には触れず、論文掲載は原則として著者への信頼に基づいていることを強調。STAP細胞論文のような画像の流用などを編集者が事前に見つけることは難しいと主張し、「(掲載前に)致命的な問題があると見抜くことは難しかった」と釈明した。【八田浩輔】
ーーー毎日新聞(26.7.2)







STAP細胞:検証実験に小保方氏「心身とも集中し臨む」(26.6.30)

理化学研究所が7月1日から小保方(おぼかた)晴子・研究ユニットリーダーをSTAP細胞の検証実験に参加させることも発表したことについて、小保方氏の代理人の三木秀夫弁護士は30日夜、大阪市内で「弁護団としてSTAP細胞の存在を証明する第一歩ととらえている。小保方氏の体調は万全ではないが、本人は検証実験に心身とも集中できる状態で臨みたいと強く希望している」との声明を発表した。


小保方晴子氏=大阪市北区で2014年4月9日、貝塚太一撮影
【吉田卓矢、畠山哲郎】
---毎日新聞(26.6.30)






小保方氏、STAP検証実験参加へ…理研発表(26.6.30)

理化学研究所は30日、STAPスタップ細胞の2本の論文に関し、追加調査を始めたと発表した。
4月までの調査で、画像データの捏造ねつぞうなど2件の研究不正が判明したが、その後も新たな疑問が相次ぎ、外部有識者による理研改革委員会は、追加調査を求めていた。理研は、追加調査は不要とする方針の転換に追い込まれた。

 追加調査で研究不正がさらに明らかになる可能性があることから、理研は小保方晴子ユニットリーダーら論文著者に対する懲戒処分の審査を中断した。

 一方、STAP細胞の有無を確かめる検証実験に、小保方氏が参加することも正式に発表した。期間は7月1日~11月30日で、小保方氏の体調が許す範囲での参加になる。理研は4月から検証実験を始めたが、難航しており、小保方氏に参加を求めた。今夏に中間報告、来春に最終報告という予定は変更しない。

ーーー読売新聞(2014年06月30日 22時50分






STAP論文:理研委、再調査せず 不正確定へ(26.5.7)

新たな万能細胞とされる「STAP細胞」の論文不正問題を巡り、理化学研究所の調査委員会(委員長・渡部惇弁護士)は7日、筆頭著者の小保方(おぼかた)晴子・研究ユニットリーダー(30)が求めていた再調査をしない方針を決めた。この日の理事会での了承は見送られたが、調査委の最終報告に対する小保方氏の不服申し立ては退けられ、論文中の2件の画像に不正があったとする結論が確定する見通しとなった。

 理研の規定によると、小保方氏の処分は、懲戒委員会が決める。懲戒委設置後約1カ月で結論をまとめる予定で、諭旨退職もしくは懲戒解雇となる可能性がある。また、理研は英科学誌「ネイチャー」に掲載された論文について、小保方氏ら著者に撤回を勧告する見通し。撤回されれば研究成果は白紙に戻る。

 小保方氏側は、4月1日に調査委が「2件の画像にそれぞれ改ざん、捏造(ねつぞう)の不正があった」と公表した最終報告について、同8日に不服申し立てをした。さらに、同20日と今月4日、主張の詳細を説明する理由補充書をそれぞれ提出した。

 しかし、小保方氏側が提出した資料は、改ざん・捏造の定義や画像取り違えの経緯に関する反論が大半で、小保方氏が「調査委に渡した2冊以外にもある」としていた実験ノートなどは提出されなかった。このため調査委は「再調査が必要な新たな資料には当たらない」と判断したとみられる。

 懲戒委では、調査委の報告で「責任は重大」とされた共著者の笹井芳樹・発生・再生科学総合研究センター副センター長、若山照彦・山梨大教授(理研客員主管研究員を兼任)の処分も検討される可能性がある。【大場あい、斎藤有香】
ーーー毎日新聞(26.5.7)








浮かせてiPS大量作製 再生医療応用へ京大(26.4.24)


新手法で培養されたiPS細胞の塊(京都大の中辻憲夫教授のチーム提供)    

細胞の塊が培養液の中で互いにくっつかないようにして浮かせることで、人の高品質な人工多能性幹細胞(iPS細胞)や胚性幹細胞(ES細胞)を大量に作る手法を京都大の中辻憲夫教授(幹細胞生物学)と化学メーカー「日産化学工業」のチームが開発し、24日付の米科学誌電子版に発表した。チームによると、これまで主流の方法では、同じ品質での培養は一度に約1千万個が限界だが、新手法では約1億個を実現。「再生医療でのiPS細胞実用化に向け、大規模な培養生産システムを構築したい」とした。
ーーー産経新聞(26.4.24)






STAP細胞は有力な仮説…理研・笹井氏が会見(26.4.17)

理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市)の小保方晴子ユニットリーダー(30)の指導役で、STAP(スタップ)細胞の論文執筆の中心メンバーである笹井芳樹・副センター長(52)は16日、東京都内で記者会見し、「多くの混乱と疑惑を招く事態となりましたことを心からおわび申し上げます」と謝罪した。

記者会見する笹井・副センター長(16日午後、東京都千代田区で)=菊政哲也撮影

 その上で、「(STAP細胞は)検証する価値のある有力な仮説だ」と強調し、STAP細胞が存在する可能性を主張した。

 笹井氏が会見するのは、同細胞の論文問題が浮上してから初めて。「STAP細胞の存在を前提にしないとうまく説明できない」として、三つの根拠をあげた。〈1〉万能細胞特有の遺伝子が働く細胞の塊ができる様子を、顕微鏡の動画で確認している〈2〉細胞の大きさがES細胞(胚性幹細胞)など他の万能細胞に比べて非常に小さい〈3〉既存の万能細胞ではできない胎盤などに変化した――という。

 これらすべてを説明できる有望な反証は他になく、STAP細胞は「合理性が高い仮説だ」と説明したする。

 ただし、理研の調査委員会が不正と認定した論文については「信頼性が大きく損なわれた」として、撤回が最も適切だとの考えを示した。

ーーー読売新聞(2014年04月17日 01時17分






STAP細胞作製レシピ「整理し加筆したい」 小保方氏の文書要旨(26.4.14)

小保方氏の弁護団が公表した文書要旨は次の通り。

 【200回以上成功したと述べた点について】マウスから細胞を取り出し刺激を与えるのに時間はかからない。毎日のように行い、1日に複数回行うこともあった。いろいろな細胞を使い、さまざまなストレス条件で実験した2011年9月までに100回以上、脾臓由来のリンパ球に酸性溶液で刺激を与える方法で9月以降も100回以上作製した。作製に成功した第三者の名前は公表できないが、存在は理化学研究所も認識している。

 【レシピの公表】再現実験を試みた方がどのステップで失敗したか情報を整理し、手順書への加筆に積極的に取り組んでいきたい。

 【報道について】(雄のSTAP幹細胞しかないのに論文に雌のデータが載っていたとの報道に)雌の幹細胞は作製され、理研に保存されている。(若山照彦山梨大教授がSTAP幹細胞の作製を依頼した際、依頼とは違うマウスで作製したとの指摘に対して)幹細胞はすべて若山先生が樹立されたものだ。
ーーー産経新聞(26.4.14)






小保方氏の指導役「STAPは本物の現象」 来週会見へ(26.4.11)

 STAP(スタップ)細胞の論文問題で、理化学研究所の小保方(おぼかた)晴子ユニットリーダーの指導役の笹井芳樹氏(52)が朝日新聞の取材に「STAPはreal phenomenon(本物の現象)だと考えている」とこたえた。小保方氏の現状については「こうした事態を迎えた責任は私の指導不足にあり、大変心を痛めた」と心境を説明した。来週中に会見を開く方針。

 笹井氏は理研発生・再生科学総合研究センターの副センター長で、ES細胞(胚(はい)性幹細胞)から体の組織をつくる研究の第一人者。小保方氏とともに主要著者の1人になっている。記者が1月末の論文発表時に直接取材したあと、先月中旬から4月9日まで、メールで複数回、研究の経緯や論文の疑問点などをやり取りした。


笹井芳樹氏

 小保方氏は9日の会見で「200回以上STAP細胞の作製に成功した」などと主張した。

 一方で、専門家からの指摘では、STAP細胞が実は別の万能細胞(ES細胞)が混ざったものではないかという疑念が多い。

 これに対し、笹井氏は「他の万能細胞を混ぜても、一つの塊にならない。実験をやったことのない人の机上の考えだ」と反論。ES細胞からつくれない組織がSTAP細胞ではつくれたことなどをあげ、「ES細胞では説明のできないことが多すぎる」「STAPが存在しないなら、私たちが再立証に力を入れることはない」と指摘した。ただ、小保方氏の会見や笹井氏とのやり取りでは、STAP細胞が存在するかどうか具体的な証拠は示されていない。

 論文撤回に反対する小保方氏と違って、笹井氏は「信頼が失われたのは否めない。撤回は適切な判断だ」として論文の撤回に同意している。撤回をめぐる話し合いは、「不服申し立ての結果が出るまで、難しい」とした。その上で、反対している米ハーバード大のバカンティ教授らとも「交渉、協議には時間がかかるだろう」との見通しを示した。

 小保方氏の会見を見た感想について、笹井氏は「彼女の気持ちと考えを率直に語っていた。平素の小保方さんと同じ感じだった」とした。その上で「若い研究者の芽を枯らせかねない状況になり、慚愧(ざんき)の念にたえない」と胸の内を明かした。

 笹井氏は来週中に会見を東京都内で開く意向を示しており、「質問の集中砲火は覚悟して、会見に臨みたい」とした。

 小保方氏の論文の画像の捏造(ねつぞう)や改ざんを認定した理研の調査委員会は1日に公表した最終報告書で、笹井氏の不正は認めなかったが、「立場や経験からその責任は重大である」と指摘した。

 2月に論文の疑惑が浮上してから、小保方氏ら国内の主要著者のうち公の場で見解を示していないのは笹井氏だけとなっている。
ーーー朝日新聞(25.4.11)






存在を力説、消えぬ疑問 小保方氏会見、新たな証拠出ず(26.4.10)

 「STAP細胞はあります」――。理化学研究所の小保方晴子ユニットリーダーは9日の記者会見で、自ら「発見」した万能細胞の存在を力説した。だが、新たな証拠は出ず、捏造(ねつぞう)や改ざん疑惑も解消されたとは言い難い。小保方氏の主張を検証する。

■細胞作製「自分以外も確認」

 「STAP細胞は200回以上、作製に成功している」。小保方氏は会見でそう明言した。200回は、何を意味しているのか。

 小保方氏らが1月末に説明していたSTAP細胞の作り方はこうだ。マウスのリンパ球などの細胞を37度の弱酸性液に25分間浸し、それを培養すると、数日後に新しい万能細胞になる――。
ーーー朝日新聞(26.4.10)




「STAP細胞、200回以上成功」…小保方氏(26.4.9)

STAPスタップ細胞の論文問題で、理化学研究所発生・再生科学総合研究センターの小保方おぼかた晴子ユニットリーダー(30)は9日、大阪市内のホテルで記者会見した。

 小保方氏は「STAP細胞は200回以上作製に成功しており、真実です」と訴え、理研に8日、不服申し立てを行った理由を説明した。小保方氏が会見するのは、英科学誌ネイチャーに論文が掲載され、成果発表を行った1月末以来。

記者会見の冒頭、謝罪の言葉を述べる小保方氏(9日午後1時6分、大阪市内のホテルで)=吉野拓也撮影

 調査委が「実験ノートが3年で2冊しかなく、どんな実験だったかを追跡できなかった」と指摘した点に関しては、小保方氏は「調査委に提出したのは2冊だが、実際にはもっと存在する」と説明した。

 調査委は1日に公表した報告で「STAP細胞をマウスの血液細胞から作製したことを示す遺伝子データの画像は、2枚の画像を切り貼りしたもので、改ざんにあたる」と認定した。一方、小保方氏側は不服申し立てで画像の加工は認めたものの、「切り貼りしてもしなくても、データから得られる結論が変わらない」と改ざんを否定した。

 様々な細胞に変化するSTAP細胞の多能性を証明する画像に関しても、「実験条件の全く異なる小保方氏の博士論文と酷似し、捏造だ」とする調査委の判断に対し、小保方氏側は「正しい実験画像が存在し、画像をとり違えただけだ」と主張している。

ーーー読売新聞(2014年04月09日 13時59分




小保方氏会見:「STAPは200回以上成功」説得力なく(26.4.9)

体の細胞を酸に浸すだけで作製できるという万能細胞「STAP細胞」は存在するのか。理化学研究所の小保方晴子・研究ユニットリーダーは記者会見で「あります。200回以上成功した」と言い切ったが、科学的に説得力のある説明はなかった。STAP細胞の真偽は、信用ある第三者の検証を待つしかなく、小保方氏、理研ともに失った信頼はあまりに大きい。

 今回の問題は、社会的に大きな関心を呼んでいるが、研究者の間では「もう、うんざりだ」と冷ややかな反応も広がっている。明らかになった小保方氏の研究のずさんさや、不服申立書の内容はもはや「科学の常識」からかけ離れているためだ。

 例えば「改ざん」とされた画像は、別々に行った実験データの画像を「見やすくするため」に切り張りしたという。小保方氏は申立書で「結果は虚偽ではないから改ざんに当たらない」と主張するが、京都大の長田重一教授は「研究の世界で画像データの切り張りは許されない。サイエンスの基礎が教育されていない」と憤る。「取り違えた」とする画像についても「実際に実験したとの証拠が示せなかった段階でもう終わりだ」と突き放した。

 しかし、疑惑発覚以前の小保方氏は周囲の研究者から「先入観なくデータを見る」「熱心に実験する」と高い評価を受けていた。そんな研究者が、なぜ論文でデータの切り張りや他人の文章のコピー・アンド・ペースト(複写と張り付け)に手を染めたのか。この疑問について小保方氏は会見でも「研究方法が自己流で未熟だった」とするだけで、具体的な言及はなかった。

 理研は今後、小保方氏を研究ユニットリーダーとして迎え、結果としてミスだらけの論文の作成を許した経緯を詳しく説明する責任がある。

 研究者の大半は日々、地道な実験を繰り返し、得られたデータに真摯(しんし)に向き合っている。「科学研究を愚弄(ぐろう)している」。この問題に対するある研究者の言葉は小保方氏と理研の両者に向けられている。【根本毅】
---毎日新聞(26.4.9)





「論文撤回せぬ」「200回以上作製」 小保方氏会見(26.4.10)

STAP(スタップ)細胞の論文が不正と認定された問題で、9日に大阪市内で記者会見した理化学研究所の小保方(おぼかた)晴子ユニットリーダー(30)は、論文の撤回について「結論が正しい以上、正しい行為ではない」と述べ、取り下げない考えを表明した。STAP細胞の存在は「別の人が独立して作れている」と語ったが、新たな根拠は示されなかった。

 約2時間半に及んだ会見で、小保方氏は300人を超す報道陣の前で、「本当に情けなく支えてくれた方に申し訳ない」と謝罪した。小保方氏は今後について「未熟な私に研究者としての今後があるなら、STAP細胞を誰かの役に立つ技術に発展させるという思いを貫いて研究を続けたい」と訴えた。

 一方で、STAP細胞の有無については「200回以上作製に成功した」などと、繰り返し存在を強調。STAP細胞の存在を示す実験試料を「研究室の中で保存している」と説明した。ただ、具体的な証拠は見せなかった。
ーーー朝日新聞(26.4.10)






小保方氏、科学的な根拠示さぬまま終了(26.4.10)

「世紀の大発見」とされた記者会見から約2カ月ぶりに公の場に姿を見せた小保方晴子氏。科学者としての未熟さや不注意を率直に認め、反省の言葉を重ねる一方で、捏造や改竄と認定された論文不正については明確に否定した。

 理研の調査委員会がSTAP論文で画像の捏造を認定した理由の一つは、小保方氏が主張する「真正な画像」が存在することの確証が得られなかったことだ。これに対し小保方氏は真正画像は存在し、実験ノートに裏付けの記述もあり「自信がある」と強調。ただ、ノートの記述内容だけで証明できるか問われると「弁護士と相談したい」と歯切れの悪さを見せた。


STAP細胞問題で会見する小保方晴子氏=9日、大阪市北区(彦野公太朗撮影)

 科学実験は結論を導くためのデータや手順が合理的、客観的に説明できないと正当性は担保されない。小保方氏は科学界が求める生データの公開には応じておらず、会見での説明も十分とは言えない。疑念や不正認定を覆すためには、第三者が検証可能な形で科学的根拠を開示する姿勢が求められる。

 一方、小保方氏は調査委の対応について、弁明の機会が十分に与えられなかったと不満を述べた。鍵を握る「真正画像」も調査委に提出済みで、きちんと説明する時間があれば不正は否定できるとした。

 調査委の最終報告は国の要請などを背景に、短期間で急遽(きゅうきょ)まとめた拙速の印象は否めない。再調査にあたっては、小保方氏の納得のいく形で反論の機会を与えるべきだろう。(長内洋介)
---産経新聞(26.4.10)






小保方氏「STAPある」=論文撤回を否定「別の人が成功」証拠示さず(26.4.9)

新しい万能細胞「STAP(スタップ)細胞」の論文問題で、理化学研究所の小保方晴子研究ユニットリーダー(30)は9日午後の記者会見で、「STAP細胞はある」と明言した。英科学誌ネイチャーに発表した論文の撤回については「STAP現象が間違いであったと発表することになる」と述べ、同意しない考えを明らかにした。ただ、STAP細胞の存在を証明する明確な証拠は示さなかった。
 国内外の研究者からSTAP細胞の作製成功が報告されていないことに対し、小保方氏は「作製には、ある種のレシピのようなものがある。新たな論文として発表したい」と述べた。
 さらに「別の方にやってもらったことがあり、その方は成功している」と説明したが、作製した人物の名前は明かさなかった。
 小保方氏は、論文の記載に誤りがあったとして「未熟さを情けなく思う」と謝罪した。しかしSTAP細胞の存在については、自分で200回以上作製に成功し、証拠の画像も大量にあると主張。理研の調査委員会が3年間で2冊しかないと指摘したSTAP細胞の実験ノートについても、「少なくとも4、5冊ある」と反論した。
 一方で小保方氏は、作製方法の具体的な情報は今後の論文発表に影響するとして明かさず、実験ノートも公開しないと述べた。
 調査委の聞き取りについては「弁明する機会が少なく、事実関係を詳細に聞き取るという面では不十分だった」と批判。小保方氏1人が不正を行ったと認定され、上司の関わりが否定されたことに対し、「(不満の気持ちを)持つべきでないと思っている」と悔しさをにじませた。
ーーー時事ドットコム(2014/04/09-18:37)







STAP細胞:小保方氏申し立て・要旨(26.4.8)

<申し立ての趣旨>

 理研の調査報告書のうち(1)STAP細胞を証明する電気泳動実験の画像の切り張り(改ざんと認定)(2)小保方氏の博士論文(2011年)と酷似した画像がある(捏造<ねつぞう>と認定)−−について再調査を求める。

 (1)(2)について研究不正を行っていないとの認定と報告を求める。

 <申し立ての理由>

・理研調査報告書について

 研究不正とは「悪意のない間違い及び意見の相違は含まない」としている。報告書はこの定義とは別次元で研究不正と結論づけていて妥当ではない。

 「STAP細胞を証明する電気泳動実験の画像の切り張り」は「研究活動によって得られた結果等を真正でないものに加工する」という行為はなく、「改ざん」が疑われる事案ではない。論文への掲載方法が適切か否かの問題にすぎない。

 「博士論文と酷似した画像」についても「存在しないデータや研究結果を作り上げた」行為はなく、「捏造」が疑われる事案ではない。論文に掲載する時点で、誤った画像を掲載してしまったという問題にすぎない。

・手続きの保証

 調査報告書において「研究不正」と判断されたならば、申立人は多大な不利益を受ける。調査委の判断は合理的理由に基づかねばならず、恣意(しい)的判断は許されない。

 「博士論文と酷似した画像」についての認定・判断は、重要な証拠を看過してなされ、経験則に反するものである。

・弁解機会

 不利益を受ける者に対しては、弁解と防御の機会が十分に与えられなければならない。本件は申立人への聴取が不十分だったことは明らかだ。(中間報告後は)申立人に1回の聞き取りがあっただけである。その結果、調査委は自らの検証や解析を妄信して、判断を誤ったものと考えられる。

・再調査の必要性

 調査結果は国内はもちろん国外からも注目されている。不十分な調査では結論を断ずることは許されない。

 本件は、科学的紛争に見えるが、現実には研究不正があったか否かの認定が中心である。そのため新たに調査委員を選任するにあたっては、少なくとも半数は、法的思考に熟練した者(元裁判官、元検察官、弁護士)が適任と思料する。また、STAP細胞発見と利害関係のある研究者などは排除されなければならない。

 理研内部の研究者が入るならば、派閥争いやトカゲのしっぽ切りなど、さまざまな臆測が生じることから、全構成員は外部委員に委ねるのが妥当だ。

STAP細胞を証明する電気泳動実験の画像の切り張り>

 本件では、良好な結果を示すデータが現に存在する以上、良好な結果を示す架空のデータを作出したのではないことは明らかである。「研究不正」にあたる「改ざん」が疑われる事案ではない。

 申立人が、論文を掲載するにあたり、画像を見やすいように写真に操作を加えたからといって研究活動から得られた結果は、何ら影響を受けない。

 申立人は、投稿論文への写真の掲載方法について教育を受ける機会に恵まれず、ネイチャーの投稿規定も知らなかった。不適切だったことを反省し、訂正の原稿をネイチャーに出した。

 <博士論文(2011年)と酷似した画像>

 画像の取り違えがあった。掲載すべきであった画像(脾臓<ひぞう>の造血系細胞から作製したSTAP細胞を用いた画像)と異なる画像(骨髄の造血系細胞から作製したSTAP細胞を用いた画像)が掲載された。掲載すべき画像は存在しており、調査委に提出されている。

 「事実でない事を事実のようにこしらえる行為」はなく、「存在しないデータや研究結果を作り上げ」た行為も存在しない。取り違えは捏造にあたるものではない。

 画像の取り違えが悪意によるものか、過失に基づくものかを検討する。掲載すべき画像が存在する以上「掲載すべき画像と異なる画像である」と知りながら、あえて掲載する必要は全くない。申立人の画像取り違えが、悪意によることは経験則上ありえない。

 報告書には「小保方氏は、この条件の違いを十分に認識しておらず、単純に間違えて使用してしまったと説明した」との記載がある。申立人は実験条件の違いを勘違いしたのではなく、画像そのものについて勘違いした。

 申立人代理人が聴取したところ、画像は共同研究者間で行われるパワーポイントの資料の画像を使用したもので、博士論文に用いられた画像から切り張りしたものではない。

・最後に

 申立人によるデータ管理が十分に整理されていなかったこと、画像の由来を元データにあたって確認しなかったことが画像の取り違えにつながったことは事実であり、この点については申立人も深く反省する。

 しかし、調査委の調査は不十分である。再調査を求めるとともに、再調査においては申立人から十分な聞き取りを行い、反論の機会を与え、証拠に基づいた認定判断がなされることを希望する。
---毎日新聞(26.4.8)








STAP論文:理研が調べた六つの疑問点 要旨(26.4.1)

 新たな万能細胞「STAP(スタップ)細胞」作製を報告した論文の画像などに疑問が指摘されている問題で、理化学研究所の調査委員会(委員長=石井俊輔・理研上席研究員)は1日、二つの実験データ画像に捏造(ねつぞう)、改ざんという意図的な不正があったとする最終報告を発表した。調査委員会の報告(要旨)は次のとおり。

◇1、小保方氏の博士論文(2011年)と酷似した画像がある→捏造と認定


STAP細胞ができたことを証明する電気泳動実験の画像。明るさを調整すると中央に画像を張り付けたような線が見える。これを調査委は改ざんと認定

 脾臓(ひぞう)の細胞から作製したとされるSTAP細胞の画像が、実際には骨髄の細胞から作製したSTAP細胞であり訂正したいと2月20日に小保方、笹井両氏から申し出を受けた。小保方氏は「画像を取り違えた」と説明。その後この画像が、小保方氏の博士論文の画像に酷似することが判明した。調査委は画像の由来の追跡を試みたが、3年間の実験ノートが2冊しかなく追跡は不可能だった。論文の中核的なメッセージにあたる実験手法の違いを、小保方氏が認識していなかったとは考えがたい。このデータはSTAP細胞の多能性を示す極めて重要なものだ。小保方氏の行為はデータの信頼性を根本から壊すもので、その危険性を認識しながらなされたと言わざるを得ない。

 若山照彦・山梨大教授と笹井芳樹・理研グループディレクターは指導する立場なのにデータの正当性に注意を払わず、捏造を許すことになった。研究不正を招いた責任は重大だ。

◇2、遺伝子の実験データ画像が切り張りのように見える→改ざんと認定

STAP細胞ができたことを証明する電気泳動実験の画像。明るさを調整すると中央に画像を張り付けたような線が見える。これを調査委は改ざんと認定

 小保方、笹井両氏提出の画像や実験ノート、聞き取り内容などを分析した。その結果2枚の画像のうち、1枚を縦方向に引き伸ばす加工をして合成していると確認した。

 データの誤った解釈を誘導する危険性を生じさせる行為と認定。当時の小保方氏にはこのような行為が禁止されている認識が十分になかった。実験結果をきれいに見せる図を作製したいという目的を持って行われたデータの加工で、科学的な考察と手順を踏まないものだ。

 画像は、小保方氏の実験データを基に自ら作製したもので、笹井氏、若山氏、丹羽仁史プロジェクトリーダーは関与しておらず、容易に見抜くことは困難で、3人については研究不正はなかった。



【上】ネイチャー論文でSTAP細胞の万能性を示すとされた4枚の画像。「マウス脾臓からの細胞を酸処理して作成したSTAP細胞」と説明され、極めて重要なデータだった【下】小保方氏の博士論文(2011年)に掲載された画像。マウスの骨髄細胞を細い管に通して作った細胞。実験条件が違うのに、上下が酷似しており、捏造と認定

◇3、実験手法に関する記載の一部が他人の論文の盗用の疑い→研究不正ではないと認定

小保方氏がドイツの研究者らの論文(05年)からコピーし、出典を記載せず記載したと判断。あってはならないが、何らかの意図で文献を引用しなかったとは認められず、また小保方氏は他の部分では出典を明記しており、研究不正と判断できない。

◇4、実験手法の記載(3と同じ部分)が、実際の手順と異なる→研究不正ではないと認定

 この実験は若山氏の研究室のスタッフが行い、データを小保方氏に渡した。小保方氏は実験の詳細を知らないまま、若山氏らに確認せず論文を発表した。過失であり、不正といえない。記載内容の不正確さは若山氏が注意深くチェックしていれば防げたが、見逃したことは過失で、研究不正とは言えない。

◇以下は3月14日の中間報告で「不正でない」として調査終了

◇5、STAP細胞画像に不自然なゆがみがある

 ネイチャー誌による編集過程で「ブロックノイズ」と呼ばれる画像のゆがみが生じた可能性があり、改ざんではない。

◇6、別の条件で実験したはずの2種類のマウスの胎盤の画像が似ている。

 若山氏が「同じマウスを別の角度から撮った」と説明。小保方、笹井氏は「執筆の過程で構想が変わり、画像が不要になったが削除を失念した」と説明した。理研の規定の「改ざん」の範囲にはあるが、悪意は認められない。


大勢の報道陣が集まった理化学研究所の記者会見=東京都墨田区で2014年4月1日午後2時54分、長谷川直亮撮影

 ◇まとめ

 小保方氏 2点について研究不正があった。

 若山氏と笹井氏 研究不正はなかったが、データの正当性と正確性について確認せずに論文を投稿しており、責任は重大。

 丹羽氏 論文作成の遅い段階で参加しており、研究不正は認められない。
ーーー毎日新聞(26.4.1)




小保方晴子ユニットリーダーのコメント全文(26.4.1)

調査報告書に対する、小保方晴子ユニットリーダーのコメントは次の通り。(原文にない説明を一部補足=〈〉内)

 調査委員会の調査報告書(3月31日付け)を受け取りました。驚きと憤りの気持ちでいっぱいです。特に、研究不正と認定された2点については、理化学研究所の規程で「研究不正」の対象外となる「悪意のない間違い」であるにもかかわらず、改ざん、ねつ造と決めつけられたことは、とても承服できません。近日中に、理化学研究所に不服申立をします。

 このままでは、あたかもSTAP細胞の発見自体がねつ造であると誤解されかねず、到底容認できません。

 レーン3の挿入〈画像の切り張り〉について

 Figure1i〈論文中の遺伝子解析の画像〉から得られる結果は、元データをそのまま掲載した場合に得られる結果と何も変わりません。そもそも、改ざんをするメリットは何もなく、改ざんの意図を持って、1iを作成する必要は全くありませんでした。見やすい写真を示したいという考えから1iを掲載したにすぎません。

 画像取り違え〈博士論文と酷似の画像使用〉について

 私は、論文1〈STAP細胞の作製方法を示した論文〉に掲載した画像が、酸処理による実験で得られた真正な画像であると認識して掲載したもので、単純なミスであり、不正の目的も悪意もありませんでした。

 真正な画像データが存在していることは中間報告書でも認められています。したがって、画像データをねつ造する必要はありません。

 そもそも、この画像取り違えについては、外部から一切指摘のない時点で、私が自ら点検する中でミスを発見し、ネイチャーと調査委員会に報告したものです。

 なお、上記2点を含め、論文中の不適切な記載と画像については、すでにすべて訂正を行い、平成26年3月9日、執筆者全員から、ネイチャーに対して訂正論文を提出しています。以上

---読売新聞(26.4.1)






保存細胞にも疑念 実験と別種のマウスと判明(26.3.25)

理化学研究所は25日、小保方晴子・研究ユニットリーダーがマウスから作製したとしていた新型万能細胞「STAP細胞」のうち、2株の遺伝子を共同研究者が調べたところ、実験に使用しなかったはずの別の種類のマウスの細胞だったことが分かったと明らかにした。実験途中に何らかの理由で細胞がすり替わった可能性も浮上してきた。

 マウスにはさまざまな種類や系統がある。理研によると、共同研究者の1人の若山照彦山梨大教授は、小保方氏に129系統という種類のマウスを渡してSTAP細胞の作製を依頼。小保方氏はこのマウスの細胞を弱酸性溶液で刺激し、STAP細胞の塊を2株作製できたとして若山教授に渡したという。

 若山教授はこの細胞塊を凍結保存していたが、論文の画像不正疑惑などの問題を受け、改めて遺伝子を調べたところ、129系統ではなく、実験には使わなかったはずのB6とF1という別種のマウスの細胞だったことが判明。理研は若山教授から連絡を受け調べている。B6、F1、129系統のマウスはいずれも万能細胞の一種である胚性幹細胞(ES細胞)の作製に広く使用されている。
ーーー産経新聞(26.3.25)







STAP論文、根幹に疑義 理研、故意か過失か調査継続(26.3.15)

 生物学の常識を覆す発見として、世界に衝撃を与えた「STAP細胞」の論文は、白紙に戻る可能性が濃厚になった。問題点が次々に指摘され、研究の根幹は揺るがないとしていた理化学研究所も従来の姿勢を改めた。調査委員会の中間報告でも、問題が見過ごされた理由は未解明のまま。STAP細胞が存在するのかもますます分からなくなった。

  

6つの疑問点           STAP細胞論文の疑義に対する調査の中間報告で、記者の質問に答える理研の野依良治理事長(右から2人目)ら=14日午後、東京都中央区

  • STAP論文「極めてずさん」 理研が謝罪、調査は継続

 「正しいデータを載せていない。論文として存在しないほうがいい」

 14日、東京都内であった記者会見。理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(CDB)の竹市雅俊センター長は問題点を認め、著者の小保方晴子ユニットリーダーらに撤回を勧めたことを明らかにした。

 この日公表された調査委員会の中間報告書では、不適切な画像や記述などが複数あったことが認定された。駆けつけた報道陣は200人以上。科学論文としては、あまりにずさんなデータの使われ方に厳しい質問が相次ぎ、会見は4時間あまりに及んだ。

 焦点の一つが、小保方さんが3年前に書いた別テーマの博士論文のものと酷似した画像が使われていた点だった。STAP細胞が様々な細胞に変化できる「万能性」を示す根拠になった画像。論文の根幹が揺らぎ、共著者の若山照彦・山梨大教授が論文撤回を考えるきっかけになった。

 報告書は、データの比較から二つの画像は同じものと判断せざるをえない、と指摘。事実と異なる画像を示したことになるため、会見の出席者らも特に厳しく問題視した。

 さらに調査委は、実験の画像を不自然に加工していたことも認定。STAP細胞が血液細胞のリンパ球からできたことを示す証拠だったが、別々の実験の画像の長さをそろえて切り張りするなど手を加え、一つの画像にしていた。結果をみやすくするためとの言い分だが、会見で石井俊輔調査委員長(理研上席研究員)は「プロならやらない」と強く批判した。

 このほか、実験手法について説明した記述も、ほかの論文からコピーしたものと認められる、とした。

 いずれも、不正にあたるかどうかは「調査中」として判断を保留した。実験ノート、書類、画像などを取り寄せ、事実関係を確認するのに時間がかかるためという。

 ただ、理研の研究担当として会見に出席した川合真紀理事は、不正かどうかにかかわらず「科学者としての倫理に反する振る舞いがあった」「間違ったものを載せて気付かないのは科学者の良識からすると常道を逸している」と科学研究として問題があると認めた。

 調査委が結論を出したのは6項目のうち2項目。STAP細胞の画像にある不自然なゆがみはネイチャー編集部側の作業が影響した可能性、マウスの胎盤の2枚の画像の酷似は単純ミスとみられることを理由に不正はないと判断した。

 論文の中で最も重要な画像の一つが、博士論文の画像と同じだったのは、故意なのか過失なのか。今後の調査の焦点となる。

 この問題では、小保方さんがSTAP細胞での実験成果を装うために過去の画像を流用したのではないかとの疑念が浮上していた。

 調査委員会によると、小保方さんは2月20日、間違った画像を掲載したとして修正を調査委に申し出て、正しいとする画像を提出。保存していた画像の名前を同じにしていたために取り違えたと話したという。

 この説明について調査委は「客観的に見てレアなケース」とみる。また、小保方さんは申し出の際、誤った画像が博士論文で使っていたものだと説明しておらず、経緯などを引き続き調べるとしている。

 STAP細胞の存在も疑問のままだ。調査委は「調査の範囲を大きく超えている」とし、他の研究者による検証に基づいて決着すべきことだと繰り返した。本当に作製できるのかについても、小保方さんに聞いていないという。

 ただ会見で、小保方さんを含む複数の著者が論文発表後、完全な再現には成功していないことが明らかになった。細胞の万能性を示す指標は得られているものの、科学的な証明には至っていないという。
---朝日新聞(26.3.15)





論文で発表されたSTAP細胞の作り方




 

小保方さんら論文撤回同意…STAP存在に疑義(26.3.15)

理化学研究所の小保方(おぼかた)晴子ユニットリーダー(30)らが発表した新たな万能細胞「STAP(スタップ)細胞」の論文で、重要な画像データの流用などの不正が疑われた問題で、理研は14日、内部調査の中間報告を発表した。 


記者会見で頭を下げる理化学研究所の野依理事長(左から2人目)ら(14日午後、東京都中央区で)=竹田津敦史撮影

報告は論文の一部に改ざんや流用を認めたが、研究不正にあたるかどうかは継続調査が必要として、判断を先送りした。記者会見した野依良治理事長は「重大な過誤があった。はなはだ遺憾だ」と謝罪した。小保方リーダーらは、英科学誌「ネイチャー」に掲載された論文の撤回に同意した。

 様々な細胞に変化する多能性を持つSTAP細胞が、本当に作製できたかという問題でも、理研は「(作製成功という)論文の根幹は揺るがない」との見解を翻し、「第三者による検証を待つしかない」と慎重な判断に転じた。ES細胞(胚性幹細胞)、iPS細胞(人工多能性幹細胞)に続く「第3の万能細胞」と注目された成果は、存在自体が疑われる事態となった。

---(2014年3月15日01時41分  読売新聞)








iPS細胞 パーキンソン病臨床へ 京大が手法確立 (26.3.7)

京都大iPS細胞研究所の高橋淳教授(神経再生医学)らの研究グループは6日、ヒトのiPS細胞(人工多能性幹細胞)を使ったパーキンソン病治療の臨床研究に向けた手法を確立したと発表した。移植に必要な細胞の大量培養や、がん化の危険性のある細胞の除去などの課題をクリアし、ラットでの実験で効果を確認した。研究グループは、2015年初めにもヒトでの安全性を確認する審査を申請し、厚生労働省の承認を経て患者への16年の移植を目指す。論文は7日付の米科学誌「ステム・セル・リポーツ」に掲載される。

 パーキンソン病は神経伝達物質「ドーパミン」を出すドーパミン神経細胞が減ることで、手足が震えたり、こわ張ったりする難病。投薬で症状を抑えられるが、根本治療にはならない。神経細胞の一歩手前の「神経前駆細胞」を脳内に移植し、新たな神経回路を作る治療法が期待されている。

 研究グループによると、iPS細胞から神経前駆細胞に分化させる際、培養皿の底に敷く基質に特定の人工たんぱく質(ラミニン)を使うと、従来の20倍以上の量が培養できることを発見した。

 一方、培養した細胞の中に分化が不十分なiPS細胞が残っていると、がん化する恐れがある。グループは、特定の蛍光抗体を使って染色する方法で、培養した細胞から神経前駆細胞を選別し、未分化など不要な細胞を除去する手法を確立した。選別後の神経前駆細胞を、パーキンソン病を発症させたラットの脳に移植し、4カ月間観察したところ、症状が改善し、がん化も起きないことを確認した。

 高橋教授は「今年中に同じ手法でサルに移植して、安全性と有効性を詳細に検証する」と話している。グループは今後、京大病院と連携。6人の患者の血液細胞からiPS細胞を作製し、1人ずつ数千万個の神経前駆細胞に分化させて患者本人に移植する臨床研究に向けた準備を進める。

 実施については、京大が安全性審査のため設置予定の第三者委員会「特定認定再生医療等委員会」の了承を得た後、厚生労働省に申請する。効果や安全性に問題がある治療への懸念から、今年11月に施行される予定の再生医療安全性確保法は、再生医療を行う医療機関に、事前審査や国への実施計画提出を義務付けた。

手足の震えや筋肉のこわ張りなどの症状が出る進行性の神経難病で、主に50代以降に発症し、国内の患者は約14万人とされる。患者の脳内で神経伝達物質のドーパミンを作る神経細胞が減少することが原因として知られているが、メカニズムは不明。薬で症状を改善できても、神経細胞の減少は食い止められない。タレントの永六輔さん、米俳優のマイケル・J・フォックスさんらも患者。京都大グループはiPS細胞を使った移植医療で、不足した細胞を補う治療法の開発に取り組んでいる。【堀智行】

 ◇解説 着実に実用化 コストに課題

 難病のパーキンソン病治療で、京都大iPS細胞研究所が確立した臨床研究への手法。iPS細胞(人工多能性幹細胞)から作った細胞や組織を患者に移植する再生医療の実用化は、目の難病「加齢黄斑変性」の治療が先行し、今夏にも臨床研究として最初の移植が行われる。今回の成果は、パーキンソン病治療もこれに続き、着実に実用化に近づいていることを意味する。


iPS細胞の臨床研究目標とiPS細胞を使ったパーキンソン病治療

 大学での研究成果を実際の医療に役立てるには、安全性や有効性などの面で多くの課題を乗り越える必要がある。iPS細胞は大量に増やせる半面、目的の細胞になりきれていない細胞が移植細胞に混入するとがん化する恐れがある。同研究所などの研究グループが今回、神経前駆細胞を選別する方法を開発し、がん化リスクの克服はめどがついた。

 一方、コストも重要な要素だ。iPS細胞を患者自身の細胞から作ると、多額の費用と時間がかかる。このため同研究所は、拒絶反応を起こしにくい免疫型のiPS細胞をストックする計画を進めている。パーキンソン病の患者が幅広くiPS治療を受けられるようになるには、臨床研究の成功やコスト面での改良などの課題がある。【根本毅】
---毎日新聞(26.3.7)







人で初のSTAP細胞か ハーバード大が写真公表 変化する能力を確認中(26.2.8)

人で初めてとなる万能細胞「STAP細胞」の可能性がある細胞の顕微鏡写真を、米ハーバード大のチャールズ・バカンティ教授のチームが5日、公表した。日本の理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市)の小保方晴子・研究ユニットリーダーらと開発したSTAP細胞作製法を使い人の皮膚細胞からつくった。人として初めてのSTAP細胞であることが確認されれば、臨床応用への期待が大きく膨らむ。


人で初めてとなる万能細胞「STAP細胞」の可能性がある細胞の顕微鏡写真(米ハーバード大のバカンティ教授提供・共同)

 バカンティ教授は共同通信の取材に「マウスのSTAP細胞とよく似た特徴を示している」と説明。さまざまな種類の組織に変化できる能力を持っていることを示す遺伝子が働いているかどうか分析している。

 同教授によると、新生児の皮膚線維芽細胞に弱酸性溶液による刺激を与え、約1週間後にマウスのSTAP細胞とよく似た球状の塊をつくることに成功した。

 ハーバード大のチームはサルのSTAP細胞の作製に成功し、脊髄損傷を起こしたサルに移植する実験で「驚くべき成果」を出したという。(共同)
ーーー産経新聞(26.2.8)






ヒトのSTAP細胞作製か ハーバード大、証明はまだ(26.2.6)

米ハーバード大のチームは、細胞を刺激しただけで作れる新しい万能細胞「STAP細胞」について、「ヒトでも作製した可能性がある」と明らかにした。STAP細胞特有の分化できる能力は確認していないという。チームはこの細胞を使った治療を目指しており、米食品医薬品局(FDA)への臨床研究の申請を計画している。

 理化学研究所とSTAP細胞を初めて作製したチャールズ・バカンティ教授のチームで、理研の小保方(おぼかた)晴子さんの留学先。

 チームの小島宏司准教授(呼吸器外科)によると、ヒトや羊でもマウスのときと同様の方法で細胞を刺激し、STAP細胞と同じ形や性質の細胞が得られているという。細胞内で働いている遺伝子などは調べておらず、STAP細胞だとの証明はできていない。専門の科学誌にも掲載されていない。

ーーー朝日新聞(26.2.6)





万能細胞 三様の役割 STAP細胞発見(26.2.6)

理化学研究所などが発表した新しい万能細胞「STAP(スタップ=刺激惹起〈じゃっき〉性多能性獲得)細胞」は、生物学の常識を覆すと世界中に衝撃を与えた。万能細胞は複数あるが、実験に使う動物作りや創薬など、応用分野は異なる。より簡単に作れるSTAP細胞の活用法は何か。過去にノーベル賞の対象となった2種の万能細胞と比べながら、STAP細胞が開く未来の方向を探った。(中村通子、鍛治信太郎)


 ■ES、生物学を大きく前進 iPS、再生医療や創薬に光

 2007年に欧米の研究者がノーベル賞を受けた技術、ES(胚〈はい〉性幹)細胞は受精卵が数十個に増えた段階で壊して作る。
ーーー朝日新聞(26.2.6)






iPS細胞の作製、効率20倍に 理研がマウスで成功(26.2.7)

iPS(人工多能性幹)細胞の作製効率を、卵子のたんぱく質を導入することで20倍に上げる手法を理化学研究所の石井俊輔上席研究員(分子生物学)らがマウスで開発した。卵子の成分には細胞の初期化を促す働きがあるらしい。6日付の米科学誌セル・ステムセルに発表する。

 グループが注目したのは、細胞内でDNAが巻き付いている「ヒストン」と呼ばれるたんぱく質。山中伸弥京都大教授は四つの遺伝子を細胞に導入することでiPS細胞を作ったが、今回、グループはこの4遺伝子とともに、卵子に特有な構造をした2種類のヒストンを導入したところ、作製効率が20倍に上がった。

 このヒストンは、初期化に必要な遺伝子の発現を活発にするらしい。このヒストンが機能しないように遺伝子操作すると、マウスの半分は育つ前に死んだという。

 石井さんは「ヒトも同じような仕組みを持っている。より高い多能性を持つiPS細胞の作製につながる可能性がある」としている。
ーーー朝日新聞(26.2.7)







iPS,STAPの比較  STAP細胞とは?


  
iPS細胞とSTAP細胞       STAP細胞とiPS細胞の作製法の違い


   
STAP細胞とiPS細胞


STAP 万能細胞とは?






新型万能細胞とは?


     
STAP細胞の作成方法   新しい案脳細胞の作成法




STAP細胞の作製方法






新万能細胞、サルの治療で実験中…ハーバード大(26.1.30)

ワシントン=中島達雄】細胞に強い刺激を与えただけで作製できる新たな万能細胞「STAP(スタップ)細胞」の開発に理化学研究所と共にかかわった米ハーバード大の研究チームが、脊髄損傷で下半身が不自由になったサルを治療する実験を進めていることを30日明らかにした。

 研究チームの同大医学部・小島宏司医師によると、脊髄損傷で足や尾が動かなくなったサルの細胞を採取し、STAP細胞を作製、これをサルの背中に移植したところ、サルが足や尾を動かせるようになったという。

 現在、データを整理して学術論文にまとめている段階だという。研究チームは、人間の赤ちゃんの皮膚からSTAP細胞を作る実験にも着手。得られた細胞の能力はまだ確認中だが、形や色はマウスから得たSTAP細胞によく似ているという。

ーーー  読売新聞 (2014年1月30日





STAP細胞 中国、韓国も報道 「より早く、安く、安全に」世界が称賛(1.31)

理化学研究所による新しい万能細胞の作製成功について、海外の主要メディアは「革命的だ」と称賛する研究者らの声を伝えた。

 英BBC放送(電子版)は29日、「非常に刺激的で驚きの発見だ」とする英ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのクリス・メイソン教授の反応を紹介。同教授は、ヒトでも成功すれば「より早く、安く、安全になり、個々人に合わせた再生医療が可能になるだろう」と述べた。

 ロンドン大キングズ・カレッジの研究者はBBCやロイター通信の取材に「本当に革命的な手法だ」と称賛。「科学上の大きな発見であり、幹細胞生物学で新たな時代を開くだろう」とし、ヒト細胞での応用が「年内に成功しても驚かない」と語った。弱酸性の刺激を加えるだけで万能細胞に変化することに「なぜレモンを食べたり、酢やコーラを飲んだときには起こらないのか。興味をそそられる」とも話した。

 韓国の中央日報(同)も30日、人工多能性幹細胞(iPS細胞)よりも「優れている」との記事を掲載。中国国営新華社通信は「日米の研究者が新世代の万能細胞を開発」と題する記事を配信した。
ーーー産経新聞(26.1.31)





万能細胞、簡単な手法で作製に成功 理研など(26.1.30)

(CNN) 理化学研究所など日米の研究チームは、成熟した細胞にストレスを与えて、あらゆる細胞に分化できる万能細胞を作製する画期的な方法を発見したとして、30日付の科学誌ネイチャーに研究結果を発表した。

幹細胞の研究は日進月歩

この研究は、理研発生・再生科学総合研究センターの小保方晴子氏や米ボストンにあるブリガム&ウィミンズ病院のチャールズ・バカンティ氏らの研究チームが発表した。

新手法はSTAP(刺激惹起性多能性獲得)と呼ばれ、これまでの手法のように胚を破壊したり細胞に遺伝物質を挿入したりする必要がなく、自分の細胞を使うことから拒絶反応も問題にならないという。

専門家はこの手法について、「最も簡単で安上がりで手早く細胞をプログラミングできる方法」と評価している。


幹細胞を取り扱う研究者

研究チームはマウスを使ってSTAP細胞の現象を調べた。遺伝子操作を行ったマウスの血液細胞を酸性の環境に置いたところ、数日後にこの細胞が、初期化された状態に変化した。この細胞を、遺伝子操作を行っていないマウスの胚に移植すると、あらゆる臓器の組織が形成可能なことが分かった。

酸のほかにも低酸素の環境に置いたり細胞膜に穴を開けるなどの方法で細胞にストレスを与える実験を行ったが、マウスの血液細胞をSTAP細胞に変えるには、酸を使う方法が効果が高かった方法だという。

理研の小保方氏は記者会見で、細胞の外から刺激を与えるという単純な方法で、これほど著しい変化が誘発できることに驚いたと語った。

バカンティ氏は、3年以内に人への臨床実験が実施できるかもしれないとの期待を示している。
ーーーCNN’26.1.30)







STAP細胞「大変革」 世界が興奮、米指導教授も称賛(26.1.30)

 iPS細胞とは違う方法で、万能細胞の作製に成功した理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市)の小保方(おぼかた)晴子ユニットリーダー(30)らの研究は、海外メディアも大きく取り上げた。小保方さんの米国時代の指導教官も成果をたたえた。医学の将来を変えうる成果として、世界も注目している。

小保方さんらは、マウスの細胞に弱酸性の刺激を与えるだけで、どんな組織にもなれる万能細胞「STAP(スタップ)細胞」ができることを証明した。

 英BBC(電子版)は「興奮するような驚きの発見。大変革」とするロンドン大教授の談話を掲載。再生医療の技術を「より安く早く、安全にしうる成果」と伝えた。「なぜレモンや酢、コーラを飲んでも起きないのか?」と素朴な疑問を交えながら、STAP細胞ができる仕組みを解明する必要性を指摘した。
ーーー朝日新聞(26.1.30)






新しい万能細胞作製に成功 iPS細胞より簡易 理研(26.1.29)

理化学研究所などが、まったく新しい「万能細胞」の作製に成功した。マウスの体の細胞を、弱酸性の液体で刺激するだけで、どんな細胞にもなれる万能細胞に変化する。いったん役割が定まった体の細胞が、この程度の刺激で万能細胞に変わることはありえないとされていた。生命科学の常識を覆す画期的な成果だ。29日、英科学誌ネイチャー電子版のトップ記事として掲載された。


STAP細胞について説明する理研発生・再生科学総合研究センターの小保方晴子ユニットリーダー=28日午後、神戸市中央区、諫山卓弥撮影

 理研発生・再生科学総合研究センター(神戸市)の小保方晴子(おぼかたはるこ)ユニットリーダー(30)らは、新たな万能細胞をSTAP(スタップ)細胞と名付けた。STAPとは「刺激惹起(じゃっき)性多能性獲得(Stimulus―Triggered Acquisition of Pluripotency)」の略称だ。
---朝日新聞(26.1.29)







  
stap細胞              新型万能細胞(stap細胞)説明図




第3の万能細胞、STAP作製…iPSより容易(26.1.30)

細胞に強い刺激を与え、様々な組織や臓器に変化する「万能細胞」を作る新手法をマウスの実験で発見したと、理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市)と米ハーバード大などの国際研究チームが発表した。30日付の英科学誌「ネイチャー」に、巻頭論文として掲載される。

 研究チームは、外部からの単純な刺激だけで、細胞の役割がリセットされる「初期化」が起こり、あらゆる組織、臓器に変化する「多能性」を獲得するという発見は、生命科学の常識を覆す研究成果だと説明している。研究チームは今後、再生医療への応用も視野に、人間の細胞で同様の実験を進める。

STAP細胞について発表する小保方晴子・理研ユニットリーダー(左)と共同研究者の若山照彦・山梨大教授=枡田直也撮影

 研究チーム代表の同センターの小保方(おぼかた)晴子・ユニットリーダー(30)らは、今回発見した現象を「刺激によって引き起こされた多能性の獲得」という意味の英語の頭文字から、「STAP(スタップ)」と呼び、作製した細胞をSTAP細胞と命名した。ES細胞(胚性幹細胞)やiPS細胞(人工多能性幹細胞)に続く「第3の万能細胞」といえる。

 STAP細胞の作製はiPS細胞よりも簡単で、効率が良いという。iPS細胞の課題であるがん化のリスクも低いとみられる。

---読売新聞(2014年1月30日 )



万能細胞、世界で初めて作製(26.1.29)


マウスの体細胞を酸性の溶液に浸して刺激を与えることで、あらゆる細胞に変化できる万能細胞を世界で初めて作製することに成功したと、理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市)など日米の共同研究チームが発表した。作製が容易で、人工多能性幹細胞(iPS細胞)で問題になるがん化や染色体への影響も確認されていない。

スクリーンのSTAP細胞を指さす理化学研究所発生・再生科学総合研究センターの小保方晴子・研究ユニットリーダー=神戸市中央区で2014年1月28日、川平愛撮影


STAP細胞とiPS細胞の作製法の違い

主な多能性細胞の特徴

---毎日新聞(26.1.29)






効率よく腎臓のもと作製 iPSに化合物、京大(26.1.22)

京都大iPS細胞研究所などのチームは22日、ヒトの人工多能性幹細胞(iPS細胞)に加えることで、腎臓のもとになる細胞集団を効率よく作製できる2種類の化合物を見つけたと明らかにした。


<マウスの胎児の腎臓細胞の中に作られたヒトの腎臓の尿細管の一部(丸で囲った部分、京都大iPS細胞研究所の長船健二准教授提供)>

腎臓の組織の大半は中間中胚葉という細胞集団をもとに作られる。今回の方法は、高価で品質が不安定なタンパク質を用いる従来法に比べ、培養コストを低く抑え、培養期間を短縮した。チームは、この化合物を使ってiPS細胞から変化させた中間中胚葉から、ヒトの腎臓の尿細管を作り出すことに成功しており、「腎臓の細胞や組織を移植する再生医療につながると期待される」としている。  
---産経新聞(26.1.22)






世界初! プラスティックで「真核細胞」の作成に成功(26.1.20)

オランダの化学者チームが、ポリマーによる人工的な「真核細胞」を世界で初めて作成した。このような細胞が可能にする新しいマイクロレヴェルの技術によって、人工光合成やバイオ燃料の製造に革命が起きるかもしれない。

オランダにあるラドバウド大学ナイメーヘン校の化学者チームが、ポリマーを使った「真核細胞」を世界で初めて作成した。

真核細胞とは、核などの組織が膜で包まれた細胞であり、地球上のすべての複雑な生物形態の基盤となっている。真核細胞では、とても規模が小さく非常に効率のよい化学反応が可能だが、実験室でこれを再現するのは難しかった。

化学者チームは今回、細胞の基盤構造体に水滴を使い、そこに、核などの主要な構成要素を真似た酵素で満たされた、小さなポリスチレンの球を挿入した。

そして、細胞壁の代わりに「ポリブタジエン-b-ポリ」で全体を包み、ポリマーソーム(合成ポリマーで形成された膜によって定められたベシクル=球殻状に閉じた膜構造を有する小胞)を形成した。

こうしてできたものは、本物の細胞のように仕切られており、多段階の化学工程に対応できる。研究チームは概念実証として、これを暗闇の中で光らせた。

今回の結果は、合成生物学と合成化学に大きな影響を与える可能性がある。このような細胞が可能にする新しいマイクロレヴェルの技術によって、人工光合成やバイオ燃料の製造に革命が起きるかもしれない。

今回の研究は「Nature Chemistry」誌で発表された。主導したヤン・ファン・ヘストは、「これらのシミュレーションによって、われわれは生きている細胞をより理解することができる」と述べている。「いつの日か、本物にとてもよく似たものをつくることも可能になるだろう」
ーーーwiredJapan(26.1.20)







iPS治療、実用化へ歩み着実 研究進展に期待(26.1.15)

京都大の山中伸弥教授が開発したiPS細胞(人工多能性幹細胞)は今年も、研究の進展に注目が集まりそうだ。iPS細胞からつくった実用レベルの血小板ができるほか、目の組織が世界で初めて患者に移植される。新しい治療技術の開発も成果をあげつつある。


iPS細胞を使って血小板をつくるしくみ

 ■血小板を作製

 iPS細胞による再生医療で最も実用に近いとみられているのは、けがをしたときなどに出血を止める血小板づくりだ。今春にもこの細胞をもとに人の治療に使える品質の血小板が作製される。

 輸血用の血小板は現在、献血でまかなわれているが、冷凍による長期保存ができず、供給は不足気味だ。ウイルス感染も完全には防げない。

 iPS細胞からつくった細胞や組織には「がん化」の心配が残る。だが、血小板は別の細胞がちぎれてバラバラになってできたもので、ふつうの細胞と違って遺伝情報を担う核がない。このため、遺伝子の働きが暴走するがん化は起きないと考えられている。
---朝日新聞(26.1.15)







iPS細胞活用したがん免疫療法 熊本大、16年めどに臨床試験(26.1.14)

熊本大学の千住覚准教授らは、iPS細胞を使ったがん免疫療法を開発した。膵臓(すいぞう)がんや胃がんの治療を想定したマウスの実験で、がんの進行を抑える効果を確認した。2016年を目標に医師主導の臨床試験(治験)を開始する。十分な治療効果を発揮するのが技術的に難しいがん免疫療法だが、iPS細胞の活用が臨床応用に弾みをつける可能性がある。
ーーー日経新聞(26.1.14)






染色体異常が自己修復 iPS細胞で山中教授ら新発見(26.1.14)

染色体に異常を持つ患者の皮膚細胞からiPS細胞(人工多能性幹細胞)をつくると、異常がひとりでに修復されて正常な細胞になる新現象を、山中伸弥京都大教授と米グラッドストーン研究所などのグループが発見した。



染色体異常の治療法開発に役立つかもしれない。英科学誌ネイチャー電子版で13日発表した。
---朝日新聞(26.1.14)





iPS細胞で染色体異常が自己修復 山中教授ら発見(26.1.14)

染色体に異常を持つ患者の皮膚細胞からiPS細胞を作ると、異常がひとりでに修復されて正常な細胞になる。この現象を京都大学の山中伸弥教授が参加するアメリカのグラッドストーン研究所のグループが発見した。


新たな現象は、「リング染色体」と呼ばれる異常で見つかった。通常は棒状で2本1組となる染色体のうち、1本がリング状になる異常で、発育の遅れやがんなどと関係があるとされる。研究グループによると、リング染色体を持つ患者の細胞からiPS細胞を作り、培養したところ、細胞分裂の過程で、リング染色体は死滅する一方、まれに正常な細胞が作られ 、最終的に大半が正常な染色体に置き換わったという。今のところ、細胞が自己修復する仕組みは不明だが、将来的にダウン症など患者数が多い染色体異常もiPS細胞で修復できる可能性がある。
---ANN(26.1.14)






iPSで染色体異常修復 米研究所、再生医療に(26.1.13)

リング状の異常な染色体を持つ先天性疾患の患者の皮膚から人工多能性幹細胞(iPS細胞)を作ったところ、異常が修復されたとの研究結果を、米グラッドストーン研究所などのチームが12日付の英科学誌ネイチャー電子版に発表した。

 チームの林洋平研究員は「修復の仕組みは不明だが、修復されたiPS細胞を臓器や細胞に変化させ、患者本人に移植する再生医療に応用できる可能性がある」と話す。研究には京都大の山中伸弥教授も参加した。

 染色体は細胞内にあり、通常は棒状。今回の染色体は両端が部分的に切断された後、結合してリング状になっている。

(共同)ーーー東京新聞(26.1.13)









iPS細胞が初めて肺組織に(25.12.17)

 『Nature Biotechnology』に発表された研究が、肺組織をつくるための材料としてiPS細胞が利用可能であることを明らかにした。将来、移植に利用できるかもしれない。

A scientist holding a petri photo from Shutterstock

 12月2日に『Nature Biotechnology』紙上で発表された発見の臨床応用には、まだ時間がかかる。しかし、コロンビア大学医療センター(CUMC)の研究者たちの研究の目標は、ヒト幹細胞を呼吸器の組織に変化させて、肺の移植に利用することだ。科学者たちは、初めて人間の(皮膚の)体細胞を、誘導細胞(昨年のノーベル医学生理学賞につながった誘導多能性幹細胞、つまり有名なiPS細胞のこと)に変化させて、さらに呼吸器の細胞に変化させることに成功した。

 「科学者たちは、ヒト幹細胞を心筋細胞や膵β細胞、腸細胞、幹細胞、神経細胞に変化させることには比較的成功を収めていて、あらゆる種類の再生医療の可能性を広げてきました」と、研究のリーダー、ハンス・ウィレム・スネークは説明した。

 「いま、わたしたちはようやく肺や気道の細胞をつくり出すことができるようになりました。これは、胚移植の術後経過が特に難しいため重要です。いかなる臨床応用もまだまだ遠いですが、わたしたちは肺の自己移植、つまり機能する肺組織をつくり出すために患者の皮膚細胞を用いる移植を行うことを考え始めることができます」。この場合、拒否反応のリスクも避けられるだろう。

 研究者たちの到達点は、何年もの研究と誘導による細胞の著しい変化の結果だ。スネークのチームはまず(ES細胞であれ誘導細胞であれ)ヒト幹細胞を、ある量の内胚葉(扁平な胚細胞で、これから呼吸器の上皮細胞が生じる)の細胞に変化させるプロトコルを開発して、そのあとでさらなる要素を追加することによってこれらの細胞の成熟を完成させ、最終的な産出物を得ることに成功した。

 この場合の最終的な産出物とは、呼吸器のさまざまな種類の細胞(正確には肺と気道の典型的な構成要素となる6種類の細胞)のことだ。生み出される細胞の種類のうち、特に重要なのがII型肺胞上皮細胞である。呼吸プロセスにかかわり、肺胞細胞の機能と維持に重要な物質となる肺サーファクタントをつくり出すため、根本的なものだ。

 バイオ工学の技術のおかげもあって、この発見は臨床応用の可能性を開くだけでなく、研究者たちが実験室において肺組織のモデルの再現を可能にすることも重要だ。これは特発性肺線維症のような病気の発生の経過を分析して、新しい医薬のテストをしたり、人間の呼吸システムの発達を研究するのに有益となる。
---産経新聞(25.12.17)




肝臓のもとの細胞、iPSから大量に 阪大など培養技術 (25.10.4)

大阪大の水口裕之教授と医薬基盤研究所は、あらゆる細胞に変化できるヒトのiPS細胞から肝臓のもととなる細胞を大量に増やす技術を開発した。特定のたんぱく質を培養時に活用した。新薬候補物質の安全性を調べる試験に必要な肝細胞の安定供給につながる。肝不全を治す再生医療の実現にも役立つとみている。



 成果は米科学誌ステムセル・リポーツ(電子版)に4日掲載される。

 研究チームはヒトiPS細胞から、肝細胞の前段階である「肝幹前駆細胞」を作製。その後「ラミニン111」と呼ぶたんぱく質の上で培養した。前駆細胞のまま最大で100億倍に増やすことができた。前駆細胞は10日ほどで肝細胞に成長するという。

 医薬品の開発過程では肝細胞を使って毒性評価を実施する。肝不全の移植医療でも大量の肝細胞が必要になる。iPS細胞から肝細胞を作る手法が注目されているが、作製に3週間以上かかったり、肝細胞になると増殖能力が低下したりする課題があった。新技術により、肝細胞を安価に大量供給できるようになった。
---日経新聞(25.10.4)


iPS細胞から直径4ミリの「脳」作製 欧州チーム、病気解明に期待(25.8.29)


人間の人工多能性幹細胞(iPS細胞)から直径約4ミリの立体的な脳組織を作ることに成功したと、オーストリアや英国の研究チームが28日付の英科学誌ネイチャー電子版に発表した。

 脳組織には大脳皮質に似た構造や髄膜などが含まれており、複雑な人間の脳の一部を形作った画期的な成果。脳の成長が滞る小頭症の患者のiPS細胞からも脳組織を作り、発達異常が起きることを確認した。

 チームは「脳が出来上がる仕組みを調べたり、人間の脳に特有な病気の仕組みを解明したりすることにつながる」としている。

 チームは実験用の人間のiPS細胞を神経系の細胞へ変化させ、培養液をかき混ぜるなどしながら培養した。すると変化を始めて2カ月で直径約4ミリの脳組織に成長した。ただ各部分の位置や形は本来の脳とは異なり、大きさは10カ月間培養を続けてもこれより大きくならなかった。中央部では、酸素や栄養が行き渡らず細胞が死んでいた。
---産経新聞(25.8.29)




ips細胞と用途






iPS:臨床研究へ着々 再生医療シンポ(25.8.27)

人工多能性幹細胞(iPS細胞)などを利用した再生医療の実現に向け、オールジャパン体制で研究を進める「再生医療実現拠点ネットワーク事業」のシンポジウムが26日、東京都内で開かれた。iPS細胞を開発した山中伸弥・京都大教授ら第一線の研究者がこれまでの成果や進捗(しんちょく)状況を紹介し、会場の一般の参加者ら約1000人が聴き入った。

 神経難病のパーキンソン病の再生医療を研究する高橋淳・京都大教授は講演で、患者自身のiPS細胞から神経の一歩手前の細胞(前駆細胞)を作製し、患者の脳に移植する臨床研究について、「手法はほぼ確立しており、2015年度をめどに開始したい」と話した。岡野栄之・慶応大教授は、iPS細胞から作製した神経前駆細胞を、脊髄(せきずい)損傷直後(2〜4週間後)の患者に移植する臨床研究を4年後に始める準備を進めていることや、体のまひが固定した脊髄損傷についても、細胞移植とリハビリなどを組み合わせた治療法の開発に取り組んでいることを紹介した。

 政府は同ネットワーク事業に10年間で1100億円を投入することを決めており、今年度は補正予算を含め219億円を支出する。
---読売新聞(25.8.27)











iPS初の臨床開始 理研、網膜を再生(25.7.30)



ヒトのiPS細胞から作った網膜色素上皮細胞のシートのサンプル(理化学研究所提供)    理化学研究所と先端医療センター病院(神戸市)は30日、人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使い、目の難病患者の網膜を再生する臨床研究を8月1日から始めると発表した。さまざまな組織や細胞に変化する能力を持つiPS細胞を用いる臨床研究は世界初。 ▽▽ 対象は、網膜が傷んで視力が急激に落ち、失明の恐れもある難病「滲出型加齢黄斑変性」の患者で、8月1日から6人を募集する。臨床研究では、患者の腕から採取した皮膚組織を使ってiPS細胞を作製。網膜色素上皮細胞に変化させてシート状にし、網膜に穴を開けて異常な血管や傷んだ色素上皮を取り除いた部分に移植する。
---産経新聞(25.7.30)








iPS細胞使った世界初の移植手術 まずは安全性確認、夢は網膜の根本治療


高橋政代 理研プロジェクトリーダーに聞く


高橋政代さん

 人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使った世界初の臨床研究が国に承認され、来夏にも目の難病「加齢黄斑(おうはん)変性」の患者に移植手術が行われる。研究を総括する理化学研究所の高橋政代プロジェクトリーダー(52)は安全性を確認することの意義を強調した上で、将来は光を受け取る網膜の視細胞なども再生医療で治療したいと語った。(黒田悠希)

 --臨床研究の意義は

 高橋 最初はとにかく安全性の確認だ。世界的にもiPS細胞はまだ危険だと思われており、安全ということを示すだけでも十分意義がある。また、少しでも前より見えるようになれば意味がある。視覚障害があっても患者は日々、工夫してきちんと生活をされている。普通の人が考えるほどよく見えるようにならないと意味がない、ということは全くない。

 --世界初の重圧はあるか

 高橋 特に感じていない。報道で騒がれすぎて患者に過剰な期待を与えてしまうことを心配しており、そういう意味では世界初でなく静かに実施したかった。

 --過剰な期待とは

 高橋 約10年前、マスメディアに登場すると、諦めていたおばあさんが、すぐ治ると思って遠くからやってきた。新聞記事を握りしめて「治療してください」と。まだ動物実験の段階で治せないと話すと、帰ってくれないくらい泣いた。そういうことが毎週あり、大変つらかった。患者を救うための研究なのに、私が2度目の絶望を与えてしまった。実現しない期待を持たせるのは本当に残酷だ。すごく罪の意識を感じた。今は患者会などで話したことが功を奏し、患者の反応も随分、落ち着いた。

--研究のきっかけは

 高橋 山中伸弥京都大教授がiPS細胞を開発した話を聞いた瞬間、安全な医療の姿が浮かんだ。2000年ごろから胚性幹細胞(ES細胞)の研究をしていて、今回と同じ治療を動物実験で実現できることを世界で初めて報告していた。しかし、ES細胞は他人由来なので拒絶反応を避ける免疫抑制剤が必要。目のような小さな器官で全身を危険にさらし、患者に負担をかけるのはためらわれた。iPS細胞なら自分の細胞なので免疫抑制剤が不要で、より安全だ。最後の問題が解決したと思った。

 --ES細胞とiPS細胞の治療効果は同じなのか

 高橋 ほとんど変わらない。米国などではES細胞を使った再生医療の研究が進んでおり、医療の早期普及という意味では、その方がいいのかもしれない。だが私たちは、より安全な治療を目指している。

 --週2回の診療で心掛けていることは

 高橋 患者の前ではその人だけに集中し、心を込めて診察する。iPS細胞の治療は今後20年くらいでできてくる。それまでの間どうするか。その人の人生をいったん受け取り、症状や進み具合によってアドバイスしている。

 --iPS細胞で目指す再生医療の姿は

 高橋 網膜の外側を全て治すのが一般的になり、世界標準になること。網膜の外側には視細胞、今回の研究で再生させる網膜色素上皮細胞、血管の通る脈絡膜がある。それらは三位一体で、どれか一つが悪くなると全てに影響が及んでしまう。加齢黄斑変性や網膜色素変性症などの網膜変性疾患で重症の人は、3つ全部を治した方がいい。まずは色素上皮が対象だが、夢は視細胞を治すこと。いずれは治療できると確信を持っている。

--社会に伝えたいことは

 高橋 網膜変性疾患は根本的な治療法のない、しようがない病気とされてきた。だが病気のことが新聞に書いてあるだけで患者は見捨てられていないと感じ、希望にもつながっている。再生医療は視覚障害のケアの一つでしかない。今回の研究をきっかけに、視覚障害について知ってもらえるとうれしい。

先見性と行動力が臨床研究の原動力

 世界初の臨床研究の原動力となったのは、将来の技術発展を見越して研究を進める先見性と、常に走り続ける行動力だった。

 山中伸弥氏がマウスのiPS細胞を開発したと伝え聞いたのは、2006年の論文発表前。当時は懐疑的な見方もあったというが、「講演などを聴き人柄を信頼していた。あの人が言うのだから本当だ」。すぐに臨床を目指して研究を始めた。

 「普通は安全性が明確に分かってから臨床を考えるが、それでは遅い。技術の進歩で安全性はいずれ証明される。その瞬間に臨床ができるよう準備をした」

 07年、ヒトiPS細胞の開発に成功した山中氏から「すごく真剣にやっておられるから、臨床はお願いしますね」といわれたことが今も印象に残っている。

 親の勧めで医学部へ進学。家庭と両立しやすい眼科を選び、娘2人を育てた。仕事を終えて帰宅するのはいつも深夜。網膜のことが頭を離れず、夢にも出てくるという。患者との対話を大切にし、簡易投稿サイト「ツイッター」で精力的に情報発信を続ける。


目の構造と加齢黄斑変性、目の断面図

【用語解説】胚性幹細胞(ES細胞)

 初期の胚(受精卵)に含まれ、さまざまな組織や臓器の細胞に分化する能力を持つ万能細胞の一種。米国で1998年にヒトで作製され、再生医療への応用が研究されている。患者の皮膚から作製可能なiPS細胞と違って受精卵を壊して作るため、他人の細胞を移植することに伴う拒絶反応や生命倫理上の問題がある。

---産経新聞(25.7.29)








世界初のiPS臨床実施を承認、6人の網膜再生(25.7.13)


厚生労働省の厚生科学審議会科学技術部会(部会長=永井良三・自治医科大学長)は12日、理化学研究所などが申請していたiPS細胞(人工多能性幹細胞)で目の難病「加齢黄斑変性」を治療する臨床研究の実施を了承した。

 山中伸弥・京都大教授がiPS細胞の作製を発表してから約7年。世界初の再生医療が月内にも厚労相の承認を得て早ければ来年夏に始まる。

 加齢黄斑変性では、目の奥にある網膜の一部に異常がおき、視界の中央がゆがんだり黒く欠けたりする。

 理研の高橋政代・プロジェクトリーダーらは、患者の皮膚の細胞からiPS細胞を作り、網膜の細胞シートに変化させて、目に移植する臨床研究を計画。2月末、厚労省に申請した。対象患者は薬などによる既存の治療法で効果がない50歳以上の6人となる。

--- 読売新聞(2013年7月13日)









iPS細胞から人工肝臓 マウス体内で機能 横浜市大(25.7.4)

ヒトのiPS細胞(人工多能性幹細胞)から直径5ミリ程度のミニ人工肝臓を作り、マウスの体内で機能させることに横浜市立大の谷口英樹教授、武部貴則助手らのグループが成功した。ヒトiPS細胞からヒトの「臓器」ができたのは初めて。再生医療への応用が期待される成果で、4日付英科学誌ネイチャーに発表した。


ヒトiPS細胞からつくった肝臓のもとになる細胞など3種類の細胞を混ぜ、ミニ人工肝臓をつくるところ=横浜市立大

 グループは、iPS細胞から肝臓の細胞のもとになる前駆細胞を作製。これに、血管を作る「血管内皮細胞」と、細胞同士をつなぐ接着剤役の「間葉系細胞」を加えて培養した。すると、48時間程度で3種類の細胞が自然にボール状に集まり、5ミリほどの立体的なミニ人工肝臓ができた。

 このミニ肝臓を、顕微鏡で観察しやすいマウスの頭に移植したら、血管が発達して血管網を作り、たんぱく質の合成や薬物の代謝など、肝臓の働きを持っていることを確認した。
ーーー朝日新聞(25.7.4)


ips細胞で人間の肝臓を作る用法(読売新聞)


iPS細胞:横浜市大が肝臓のもと作製 マウス体内で機能


さまざまな種類の細胞になりうるヒトの人工多能性幹細胞(iPS細胞)から、肝臓のもととなる「小さな肝臓」を作り、マウスの体内で機能させることに世界で初めて成功したと、横浜市立大の谷口英樹教授(再生医学)の研究チームが発表した。臓器移植に代わる新たな治療法として応用できる可能性があるという。4日付の英科学誌ネイチャー電子版に掲載される。


ヒトiPS細胞からヒト肝臓ができる仕組み

 これまでiPS細胞から肝臓の細胞は作られているが、体内で機能させるには立体構造を作ることが必要だった。

 谷口教授らは、ヒトのiPS細胞を肝臓の細胞になる直前の「内胚葉(ないはいよう)細胞」に成長させ、血管を作る細胞や細胞同士をつなぐ細胞と一緒に培養した。その結果、培養皿の中で細胞が自然に5ミリほどの球状に集まり、血管がある小さな肝臓ができたという。

 この肝臓をマウスの体内に移植したところ、ヒトの肝臓でしか作られないたんぱく質などがマウスの血液から確認された。さらに、薬剤で肝不全にしたマウスに移植した結果、30日後の生存率は、移植しない場合の約30%から90%以上に高まったという。

 今後、大人より必要な細胞が少なくてすむ子どもの肝臓病治療に向けた研究を進め、10年以内に臨床研究を目指すという。谷口教授は「小さな肝臓を大量に作って移植し、体内で成熟させる方法で臨床応用したい。それにはiPS細胞の安全性の評価も必要だ」と話す。
---毎日新聞(25.7.4)








iPS細胞:実用化を目指す5拠点選定 科学技術振興機構(25.7.2)


科学技術振興機構(JST)は2日、体を構成する多様な細胞に成長させられる人工多能性幹細胞(iPS細胞)などを使った再生医療の実用化を目指す拠点に、横浜市立大や京都大など五つの研究機関を選んだと発表した。

 ほかの研究機関は東京医科歯科大、東京大、理化学研究所。最長10年間で年1億円の支援を受ける。

 東京大、横浜市立大、京都大がiPS細胞を使った臓器や組織などの再生医療につながる研究を担当。医科歯科大は腸の粘膜の再生、理研ががん免疫治療法の研究開発を実施する。(共同)
---毎日新聞(25.7.2)






iPS臨床応用 5研究を選定(25.7.2)


iPS細胞などを使った再生医療の実現を支援する国の新たな事業に、東京大学の糖尿病の治療や横浜市立大学の肝臓の再生など5つの機関の研究が選ばれ、今後7年以内に人への臨床応用を目指すことになりました。

国は、iPS細胞などを使った再生医療の実現のための研究に、10年間で1100億円の支援を表明していて、心筋梗塞の患者などの心臓の筋肉を再生する大阪大学の研究や、パーキンソン病の患者の脳の神経を再生する京都大学の研究など4つの機関への支援が決まっています。
今回選ばれたのは、これらに続いて実用化が期待される新たな分野の研究で、文部科学省から委託を受けた科学技術振興機構が、2日、発表しました。
選ばれたのは、腸の粘膜などが炎症を起こす難病のクローン病や、潰瘍性大腸炎などを粘膜を再生することで治療する東京医科歯科大学の研究、それに、iPS細胞から作った肝臓の組織を移植して肝不全などを治療する横浜市立大学の研究、iPS細胞から作ったインスリンを分泌する組織を移植して糖尿病を治療する東京大学の研究など5つです。
研究は、山中伸弥教授が所長を務める京都大学の研究所からiPS細胞の提供を受けるなどして行われ、毎年1億円程度の支援が行われることになっています。
今後3年以内に実用化に必要な技術的な課題を克服し、7年以内に実際の患者の治療に生かす臨床研究を始める計画です。

肝臓をiPS細胞から作り出す研究

横浜市立大学の谷口英樹教授の研究グループは、肝不全などの患者に移植するための肝臓をiPS細胞から作り出す研究を進めています。
研究グループでは、人のiPS細胞から5ミリほどの大きさの肝臓の組織を作り出すことに成功していて、これをマウスに移植したところ、人の肝臓と同じようにたんぱく質を作ったり、薬を分解したりする働きが確認できたということです。
実際の治療では、この「小さな肝臓」を数個作ったうえで、肝臓につながる大きな血管に入れて移植し、病気で機能が低下した患者の肝臓を再生する計画です。
研究グループは今後、小さな肝臓を量産する技術の開発や安全性の確認などを行い、実際の患者に移植して、安全性や効果を確かめる臨床研究を7年以内に始めたいとしています。
谷口教授は「国内では臓器の提供が少なく、移植の機会が少ないことが課題だが、この治療法が実用化できれば、臓器移植に変わる画期的な治療法になる可能性がある」と話しています。

インスリンを分泌する組織をiPS細胞から作り出す研究

また、東京大学の宮島篤教授の研究グループはインスリンを分泌する膵島と呼ばれる組織をiPS細胞から作り出し、糖尿病の患者に移植して治療する研究に取り組んでいます。
対象となるのは、免疫の病気のためインスリンを作ることができない「1型糖尿病」の患者です。
研究グループでは、ヒトのiPS細胞から0.1ミリほどの大きさの膵島を300個作り出し、糖尿病のマウスに移植して治療することに成功しています。
実際に患者を治療するには、1人あたり50万個の膵島が必要だということで、膵島を大量に作り出す技術の開発が課題です。
宮島教授は「まずは技術的な課題を解決したうえで、安全性や有効性を確認し、10年後には実際の治療につなげたい。そう簡単ではないが不可能なことではないと思う」と話しています。

腸の粘膜を再生する研究

今回対象となったクローン病や潰瘍性大腸炎などの炎症性の腸の病気は、腸の粘膜などが傷つき、血便や腹痛などを繰り返すもので原因は分かっていません。
このうち潰瘍性大腸炎は国内の患者数が14万人以上に上り、安倍総理大臣もこの病気と診断されたことを明らかにしています。
東京医科歯科大学の渡辺守教授の研究グループは、腸の組織を作り出す細胞「幹細胞」を培養し病気で傷ついた腸の粘膜を再生する研究に取り組んでいます。
マウスの実験では、腸の粘膜の再生に成功していて、今後、人への臨床応用に向けて研究を急ぎたいとしています。

国の研究支援は

文部科学省は、実用化までに予想される年数の長さに応じて、再生医療の研究を2つのグループに分け、研究費の支援を行う計画です。
このうちことし3月、すでに研究費の支援が決まったグループは、実際の患者への臨床研究の開始が5年以内に見込まれるもので、▽iPS細胞から作った神経の細胞を使って脊髄損傷や脳こうそくを治療する慶応大学の研究や▽同じ神経の細胞でパーキンソン病の治療を目指す京都大学の研究など4つの研究があります。
一方、今回新たに選ばれた5つの研究は、臨床研究を始める前に、技術的な課題を克服する必要があるものです。
計画では、今後、1年から3年のうちに実用化に必要な技術を開発し、この壁を乗り越えられたものについてはさらに2年から4年のうちに実際の患者で新たな治療法の安全性や効果を確かめる臨床試験を行って実用化を目指します。
国は、2番目のグループの研究に対し、年間1億円程度の支援を最長で10年行い、3年以内に技術的な課題が克服され臨床応用のめどがたったものについては研究費を増額する一方、技術開発に進展がないものについては支援を打ち切るとしています。
---NHK(25.7.2)













iPS細胞、初の患者治療 14年夏にも (25.6.27)


厚生労働省の審査委員会は26日、理化学研究所などが申請していたiPS細胞を使う臨床研究計画を承認した。目の難病になった患者が対象で、2014年夏をメドにiPS細胞を使った初の治療が国内で始まる。京都大学の山中伸弥教授が人のiPS細胞を開発してから6年あまりで、同細胞を使う再生医療が実現に向けて大きく動き出した。

臨床研究は理研の高橋政代プロジェクトリーダーと先端医療振興財団(神戸市)などが計画し、今年2月に厚労省へ申請した。目の網膜の病気で失明の恐れもある「加齢黄斑変性」という難病が対象で、日本人に多い「滲出(しんしゅつ)型」の患者に実施する。物がゆがんで見えたり視野の中心部が暗く見えたりする。国内に70万人の患者がいるとされ、根本的な治療法はない。

 同日開いた厚労省の審査委員会は国の指針に基づいて審査し、安全性や倫理面で問題はないと結論づけた。ただしiPS細胞ががんを起こさないことなどを確認するとの条件を付けた。7月中旬に厚生科学審議会(厚生労働相の諮問機関)の科学技術部会で審議に諮って厚労相に答申。理研などが臨床研究を実施する。実質的な審査は今回で終わった。iPS細胞の臨床研究が承認されたのは世界で初めて。

 高橋プロジェクトリーダーは「正式な通知を受けていないので詳細は分かりませんが、慎重かつ迅速に審査していただいた。(委員会から出た)条件については詳細を確認した上で対応したい」とのコメントを発表した。

 研究は同財団の先端医療センター病院(同市)と神戸市立医療センター中央市民病院が連携して手がけ、8月にも患者の治療に向けた準備を始める。患者の中から50歳以上で既存の薬が効かず、眼鏡などで矯正しても視力0.3未満などの条件を満たした6人を選ぶ。

 患者自身の皮膚などの細胞からiPS細胞を作った後、シート状の網膜細胞に育て患者の網膜の傷んだ部分と入れ替える。皮膚細胞からシートを作るには約10カ月かかるため患者の目に移植する治療は来夏になる見込み。治療を受けた患者は視力の大幅な回復は難しいものの、病気の進行は抑えられ、失明は避けられると期待される。

 今回の臨床研究は安全性を最優先して進める。移植してから1年間は1~2カ月に1度の頻度で検査し、その後も3年間は経過を観察する。iPS細胞はがん細胞になる可能性が指摘されているが、目はがんになりにくいとされている。万が一、がんになってもすぐに診断できるうえ、治療も比較的容易であることなど患者の安全面を配慮した。

 全国の病院で多くの患者が治療を受けられるようになるには、今回の臨床研究が成功するかどうかを慎重に見極める必要があるため、時間がかかる見通し。
---日経新聞(25.6.27)


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iPS細胞、世界初の臨床応用へ 目の難病向け、国了承(25.6.27)


iPS細胞(人工多能性幹細胞)が世界で初めて、人の病気の治療研究に使われることになった。26日、目の難病・加齢黄斑変性の臨床研究計画についての国の審査が実質的に終わり、来夏にも移植手術が行われる。人での作製発表から6年で、iPS細胞は、再生医療への応用に向けて大きく動き出した。


日本発のiPS細胞(人工多能性幹細胞)の実力がいよいよ医療の場で試される。山中伸弥京都大教授がヒトで作製してから6年。治療法がなく、長年苦しんできた患者の期待は膨らむ。ただし、まだ安全性を確認する段階だ。冷静に受け止める声もある。「患者さんみなさんにとって、よかったです」大阪府茨木市の田村幸子さん(82)は26日、臨床研究計画の審査終了を聞いて、こう語った。

 iPS細胞のような新しい幹細胞技術は人体への影響がわからないことが多く、厚生労働省の指針で国が審査することになっている。理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市)の高橋政代プロジェクトリーダーらのチームが2月、審査委に申請した。

 審査委は、iPS細胞が移植後に異常な振る舞いをしないかなど今回の研究の第一の目的である安全性の確認について集中的に議論した。
---朝日新聞(25.6.27)


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iPS細胞の利用方法(25.6)



ips細胞を使った初めて承認された臨床試験の流れ




ips細胞を使った目の治療計画





ips細胞を使った医療や研究開発;心筋細胞、神経細胞、赤血球、肝細胞、再生医療、治療法や薬の開発


    
ips細胞を利用した再生医療や新薬の期待




ips細胞から分化された細胞;神経細胞、線維芽細胞、心筋細胞等



ips心筋細胞を用いた人間への心筋細胞移植





人クローン胚のES細胞とiPS細胞の違い





自由診療で行われる幹細胞治療と問題点





ips細胞の利用方法;患者の体細胞ー細胞を再プログラミングー遺伝子治療ーips細胞ーips細胞から派生ー神経細胞、血液細胞、肝臓細胞、心臓細胞、ベータ細胞ーー病気のモデル化、薬品製造、移植の研究等ーー自家細胞治療と他人への細胞治療に利用





人間の細胞からips細胞を作り、医療治療に人間の体に戻すサイクル図



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世界初、iPS細胞から筋肉細胞、筋ジストロフィー治療に光 京大(25.4.24)


さまざまな組織や臓器になるヒトの人工多能性幹細胞(iPS細胞)から腕や足を動かす筋肉「骨格筋」の細胞を効率よく作ることに京都大iPS細胞研究所の桜井英俊講師のチームが成功、24日付の米オンライン科学誌プロスワンに発表した。さらに筋肉の萎縮と筋力低下が起きる筋ジストロフィーの一種の患者の細胞から作製したiPS細胞を骨格筋にし、病態を体外で作り出すことに世界で初めて成功。筋疾患の治療法開発や新薬の試験に役立つと期待される。

 チームは、細胞の運命を骨格筋に変える遺伝子「MyoD1」をiPS細胞に導入し働かせて培養。9日後に70~90%の高い割合で骨格筋細胞になった。さらに6日後には、電気刺激により収縮するなど機能性を持つ骨格筋細胞ができた。

 これまでは、骨格筋細胞のもとになる中胚葉という細胞集団をiPS細胞から作った後にMyoD1を働かせていたが、中胚葉になる前に働かせることで、40%程度だった作製効率を向上させた。
---産経新聞(25.4.24)


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iPS細胞・人工細胞、人工多能性幹細胞

人工多能性幹細胞(じんこう たのうせい かんさいぼう、英: induced pluripotent stem cells)とは、体細胞へ数種類の遺伝子を導入することにより、ES細胞(胚性幹細胞)のように非常に多くの細胞に分化できる分化万能性 (pluripotency)と、分裂増殖を経てもそれを維持できる自己複製能を持たせた細胞のこと。

肺の再生へのiPS細胞の適用例を示す模式図/再生医療におけるiPS細胞の実用化は未だ成されていない。


iPS細胞

英語名の頭文字を採って iPS細胞(アイピーエスさいぼう:iPS cells, iPSCs)と呼ばれるほか、英語名の意訳で誘導多能性幹細胞(ゆうどう たのうせい かんさいぼう)とも呼ばれる。 命名者の山中教授が最初を小文字の「i」にしたのは、当時世界的に大流行していた米アップルの携帯音楽プレーヤーである『iPod』のように普及してほしいとの願いが込められている。

2006年(平成18年)、山中伸弥率いる京都大学の研究グループによってマウスの線維芽細胞(皮膚細胞)から初めて作られた。


脱分化多能性の概要 大人細胞多能性または全能に戻すさまざまな方法が存在する全能場合成熟した中期 II 卵母細胞細胞移植 (ウィルマット et al., 1997年) を介して媒介される最近は除核受精卵または核膜破り化学的に有糸分裂間に初期割球染色体転送 と呼ばれるプロセス全能サポート実証されている


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